まさか今月はここまで忙しくなるとは・・・・しかしせっかくにコラボをこれ以上先延ばしにするわけにも行きませんので。
というわけでは今回は『NTK』様の作品『人形達を守るモノ』とコラボ!
ドルフロ二次でも貴重な男性型戦術人形ですよ!
喫茶店、というのは昔から話し合いの場としても使われることが多い。落ち着いた雰囲気とか料理を食べることがメインではないからとか飲み物が美味しいとかいろんな理由があるが、一番はやはり長くいられる点だろう。それはここ喫茶 鉄血でも同じである。
そして今日はそこに、なんとも変わったメンツが集まっていた。
「むむむ・・・・・・」
「ペルシカ、貴女の趣味やら好みには口を出すことはないわ。 百合の花が美しいのも認める。 でも、」
「もしあの子が・・・・SOPちゃんが男の子だったら、いいと思わない?」
「服装そのままに『男の娘』とかでもいいと思うのよ」
「ぐぬぬぬ・・・・・」
丸テーブルを囲む白衣の女性四人。一人は相変わらずボサボサ気味の髪で、しかし最近は妙にお肌ツヤツヤな引きこもりのペルシカ。そして残り三人は彼女とは違う部署の同僚たち。彼女らの所属は、あの11labだ。
又の名を、『独身女性研究員の墓場』である。
そんな三人は今、ある計画を企ててペルシカを取り込もうとしていた。無論16lab主任であるペルシカを11labに引き入れることはできないが、思想という意味で味方につければこれ以上にないくらい心強いのだ。
そしてその計画とは、『戦術人形性転換計画(仮)』である。
「で、でもそれは本人の了承がないと・・・・・」
「それはもちろんよ、でもSOPちゃんは貴女のためなら喜んで受け入れてくれるはず」
「というか以前生やしたんでしょ? わざわざアタッチメントまで作って」
「それでなにを今更怖気付いてるのよ」
「かはっ!?」
ペルシカが押されている。そんな珍しい光景を眺めつつ、最悪の場合武力行使で止める必要があるなと思いながらコーヒーを淹れる代理人。
そんな時、代理人の後ろでチリーンっとか細い音が聞こえた。振り返ってみると、そこには彼女の思い出の品である一枚のコイン。だがそれを仕舞っていたはずの戸棚はきっちり鍵が閉められ、落ちてくるような隙間などは見当たらない。
(? ・・・・・・・もしかして)
彼女がそう思い戸棚にコインをしまうのと、入り口のベルが鳴るのはほぼ同時だった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「さて、状況を確認しよう」
平日でもまばらながら人がいる小さな公園。その片隅で四人の男が円になるようにして向かい合っていた。それだけでも十分怪しいのだが、そのうち一人は執事服にモノクルというまず街中では見ない格好・・・・・通報されないのは単純に人が少ないからだった。
「陸路で帰還中に砂嵐が発生、それが去ると見知らぬ街の目の前ときた。 ・・・・・だれか説明できそうなのはいるか?」
「悪いなバレット、俺も何が何だかさっぱりだ」
「右に同じく」
「だな」
揃って項垂れる。
四人は警戒しつつ街に入ったものの、そこはまるで戦争やらの爪痕が全く見えないくらい栄えた街だった。表通りはもちろん裏路地に入っても暗い表情の者などほとんどおらず、まるで夢を見ているかのような気分だった。そうして一通り周り、こうして公園に集まって途方に暮れているところだ。
・・・・・グ〜〜〜
「・・・腹、減ったな」
「こんな状況でも腹は減る、か」
ひとまず四人は店を探し、程なくして一件の喫茶店を見つける。よほどお腹が空いていたのか、はたまたとりあえず平和だと判断したからなのか、店の名前をろくに見もせずに入っていった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「いらっしゃいませ、四名様ですか?」
「「「「・・・・・・・・」」」」
入った途端、いや代理人が出迎えた途端に固まる男四人。それもそのはず、目の前にいきなり鉄血のハイエンド、しかもその最上級クラスが現れればこうもなる。むしろとっさに銃を引き抜かなかったことを褒めて欲しいくらいだ。
対する代理人もこの反応に、そしてさっきのちょっと不思議な出来事もあってなんとなく察した。
・・・・・「あぁ、またか」と。
「お客様?」
「! あ、あぁ、そうだ」
「ではこちらへ」
とりあえずいつまでも立たせるわけにはいかないので、代理人は四人をごく自然に二階の個室へと案内した。すれ違ったイェーガーにさり気なく交代の指示を出したので、あとはDたちがやってくれるだろう。
そうして個室に案内すると、代理人はさっそく本題に触れることにした。
「・・・そんなに警戒なさらなくても大丈夫ですよ。
「っ!?」
「よせ、スミス」
代理人の言葉にとっさに銃を抜きかけるのをリーダーと思しき男性が止める。そう、代理人の瞳には目の前の四人が『戦術人形』であると表示されているのだ。だがもちろん見たことのないタイプなのでそれ以上のことはわからなかったが、現状はそれで十分だ。
「・・・・・その反応、
「
執事服の男性が怪訝な表情で聞き返す。どうやら今の会話で、互いの認識に齟齬があることには気がついたらしい。
これで今のところは騒動が起こる心配はなくなり、あとはいつも通り、代理人が状況を説明する番だ。
「では単刀直入に申し上げます・・・・・・・ここはあなた方の住む世界とは異なる、いわゆる並行世界というものです」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
これで今月何件目だろうな、と思いつつコーヒーのおかわりを注ぐ代理人。彼女の目の前では四人がそれぞれこの現実を受け入れようとしていた。
・・・・・・いや、正確には全員もう受け入れてはいる。隊長格の男『バレット』は帰れるとわかるや否や休暇だと思ってのんびりすることに決め、『レスト』と呼ばれる男性はこっちの新聞を興味深く眺めている・・・・・彼自身辛い過去があったらしく、それと照らし合わせているのかもしれない。
『スミス』と呼ばれる男性は未だに代理人、というより鉄血人形がそばにいるのには慣れないようだ。彼らの仲間にも鹵獲されたドリーマーがいるそうだが、やはりそれとこれとは別らしい。
そして最後に『ウェイター』と名乗る執事服の男性・・・・・名前と格好から想像できたがやはりとある屋敷で執事をしていたらしい。そういった過去からか天然物のコーヒーや紅茶に割と食いつき、時々代理人と意見を交わしたりもしている。
ちなみに彼らは『DG小隊』と呼ばれる、人形を守ることを主とする部隊だそうだ。
「やれやれ、こっちの世界は羨ましいくらい平和だな」
「もしこっちで作られてたら、なんて思っちまうよ」
まさに平穏そのもの、それが四人から見たこの世界の感想だった。それはある意味正しく、ある意味で間違っている。
大きな戦争もコーラップス汚染もなく、人々の生活が脅かされないというのは良いことだ。それは間違いなく平穏と言っていいだろう。だが、世の中決して『平和』=『平穏』ではないのだ。平和だからこそ、
そして忘れてはならない。この店には客として、
コンコンッ
「? はい、何でしょうか」
「あー、ちょっといいかな代理人」
個室の扉がノックされ、開けてみればそこにいたのは妙にげっそりしたペルシカ・・・・・ある意味彼らの上司と言えるその人物の何とも言えない表情に、四人とも若干ひきつる。
「実はね・・・・11labのがその・・・・・彼らに会いたいって」
「ん? 話した覚えはないのですが・・・・・」
「うん。 でも本人たち曰く「ティンときた」って」
「えぇ・・・・・」
どうしようか、と悩む代理人だったが、直後にペルシカの後ろからヌッと現れた11labの面々が扉をこじ開けて強引に入ってきてしまう。
そして彼らの前に立ちはだかると開口一番、
「貴方達、男の戦術人形ね!」
「是非とも私たちの研究に協力して欲しいの!」
「報酬は何でも払うわ! なんだったらこの体でも「「抜けがけ禁止!」」グハッ!?」
まるでコントのような、いかにも残念美人というにふさわしい白衣の女達に、四人は唖然としたまま眺めるしかない。それにしても直感だけで人形であると見破るとは・・・・・欲とは恐ろしいものである。
「あ〜、悪いがそういう話はお断りだ。 事情が事情なんでな」
「ほら、やっぱり無理だって言ったでしょ」
「え〜〜〜〜・・・じゃあ質問一個だけでもいい?」
意外とおとなしく引き下がる11lab組。その中でも主任格の女性は、表情を引き締めて彼らを見据える。きっと彼らの答え次第では研究が大いに進展するのだろう。全く関係ない世界とはいえ、バレットらDG小隊も真剣に答えようと思う。
「じゃあ・・・・・・・・・
アレのサイズを」
「つまみ出しましょう」
「ちょっとなんでよ!? めちゃくちゃ大事なことでしょ!?」
「あんたらの頭はそういうことにしか興味がないわけ!? ともかくさっさと出て行くわよ!」
「あ、ちょっ! ペルシカ、覚えてなさいよ!」
・・・・バタン
台風一過のごとく消えていった残念集団とペルシカ。こっちのペルシカはえらくアグレッシブなんだな〜、と半分現実逃避のようなことを考えるバレットらに、代理人は深く頭を下げる羽目になる。
「申し訳ございませんでした」
「い、いや、あんたが悪いわけじゃない」
「ですが当店でのトラブルは私の責任でもありますので・・・・・では、今回のお食事代は不要とさせていただきます」
「え? いや、それは悪いって・・・」
「そういうことにしておいてください。 どのみち、こちらとは通貨が異なるはずですから」
「「「「・・・・あ」」」」
腹が減っていたこともあって結構な量を飲み食いしてしまった四人は思わず口を開く。それにクスッと笑うと、代理人はそのまま伝票を回収してしまった。
そしてちょうどその時、レストの持っている端末・・・・・この世界に来てから一切繋がらなかった端末に連絡が入る。驚いて落としそうになるそれをキャッチし、通話モードにして耳を当てると・・・・・
『レストさん!? 今どこにいるんですか! 誰にかけても繋がらないし・・・・・』
「の、ノア!? いやその、今はな・・・・・」
レストはチラッと代理人の方を見る。すると代理人はニコッと微笑んで、「そろそろ帰る時間のようですね」と小声で伝える。四人は顔を見合わせるとどこかホッとしたような表情を浮かべ、レストはそのまま通話を続けた。
「・・・・悪い、ちょっと寄り道してたんだ。 すぐ戻るよ」
通話を切り、荷物をまとめ始める。その間に代理人は一足早く一階に降り、これまたいつも通り、紙袋にいつものモノを詰めていく。そして四人が降りてくると、出る間際に最後尾にいたウェイターに手渡した。
「せっかくですので、これを。 少し多めに入れていますので、皆さんで飲んでください・・・・・この出会いに感謝を、ということで」
「・・・・・わかりました。 ありがとうございます」
「もしまた訪れることがあれば、今度は一緒に働いてみたいものです」
「そう言っていただけて光栄です・・・・・・それでは」
「えぇ、皆さんもお元気で」
並んで歩く四人の姿が見えなくなるまで見送る代理人。彼らの他にも、きっと多くの闇を抱えた仲間達がいるのだろう。
願わくば、彼らが笑っていられる未来でありますように。
「代理人! 我々はまだ諦めないぞ!!!」
「店の外に出てしまえばこっちのもの!」
「全ての女性指揮官のため、我々は止まるわけにはいかない!」
「もう帰られましたよ」
( °д°)( °д°)( °д°)
end
はい、というわけで今回はリクエストで「DG小隊」の男性型戦術人形たちに来てもらいました!
DG小隊は彼らが全員ではないけど、これ以上増やすと収集つかなくなるので許してちょんまげ
というわけでキャラ紹介、詳しい説明はあちらの作品をご覧ください。
バレット
バレットM107の戦術人形で、DG小隊の隊長。
あっちでは子供なったりブラコンに襲われそうになったりしてる。
レスト
MP5Kの人形・・・・なのだが元は全く別用途の人形だった。
基本的に過去が重い人形が多い向こうの作品だが、その中でもダントツな気がする。
スミス
S&WM500の人形、気になる人はググってみよう・・・・どう考えても人が撃つことを想定していない。
しかもこれを二丁拳銃にするらしい、ハンドガンと言う名の何か。
ウェイター
SCAL-Hの人形。執事服とこの名前から分かる通り執事であった。
こっちもなかなかに過去が思いが、一応救いがあった。
彼に任せておけば喫茶 鉄血以上の味を引き出してくれるだろう(無茶振り)
ノア
名前だけ登場。あっちの世界の9A-91。
レストとはそう言う関係らしい・・・・・式には呼んでくれよ。
今回もリクエストを置いておきます。
・・・・・が、今月と来月はどうやら忙しくなりそうで、更新もかなりバラつくと思います。
ですが!いただいたリクエストは(基本的に)責任を持って書き上げますのでご安心を!
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=204672&uid=92543