喫茶鉄血   作:いろいろ

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龍騎のBlu-rayボックス買っちった!(¥52.000
そして作者がこの作品を書く上で参考にしている『人形小劇場』が日本版としてミニアニメ放送決定だぜヤッホー!

それはさておき暑くなったり肌寒くなったりと忙しい季節ですね
というわけで見た目が暑そうなので脱がせました。


第百二話:キャストオフ!

「きゃぁあああ!」

 

「だ、ダネルさん!? しっかりして!」

 

「っ!? D! 奥の部屋に運びますので手伝ってください!」

 

 

まだまだ暑さの続くS09地区。冷房の効いた店内でアイスコーヒーを飲むべく客の集まった喫茶 鉄血で事件は起こった。悲鳴をあげる客、必死に呼びかけるM4、驚きながらも冷静に指示を出す代理人、そして血を流しながら倒れ伏すダネル。

騒然とする店内で何があったのか、その始まりは数時間前に遡る。

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

その日はここ数日で最も暑い日となった。猛暑日の連続だった夏から少しずつ気温が下がり、先日までは比較的過ごしやすくなっていたのだ。だが今日になって再び暑さが襲いかかり、その日警備に出ていたダネルは暑さに耐えかねて喫茶 鉄血に転がり込んだ。

 

 

「おや、お久しぶりですね・・・って、大丈夫ですか?」

 

「あ、あぁ・・・まさかここまで暑くなるとは思っていなくてな・・・」

 

「なるほど、ではアイスコーヒーかアイスティーはいかがでしょうか」

 

「じゃあアイスティーで頼む」

 

 

そう言ってダネルは自身の半身とも言える愛銃のセーフティをロックし、カウンターの横に立てかける。冷房の効いた店内は快適で、机もひんやりしていて心地よかった。やっていることはただのサボりだが、こんな暑さでは悪さをしようとする奴らもやる気をなくすだろうとまったり考える。ちなみに隣には先に来ていたM4の姿、どうやら彼女は非番らしい。

やがて、アイスティーをお盆に乗せた代理人が戻るとダネルはパァッと顔を輝かせ、その様はまるで飼い主を見つけた犬のように見えなくもない。

 

 

「はい、ご注文のアイスティーです」

 

「ありがとう、結婚してくれ」

 

「丁重にお断りします」

 

 

流れるように告白と拒否を述べる二人だが、もちろんこれもいつも通りだ。もっとも、ダネルの方は本気で言ってはいるが、それでもM4はため息を吐く。

ストローでアイスティーを吸い上げ、ふぅと息をこぼすダネル。人形とはいえ人間に近く作られている以上暑さも感じるし、暑い時に冷たいものを飲めばホッとしたりもする。ホッとしたところで、ふとM4はテーブルの上に置かれた代理人の手に目を止める。

 

 

「そういえばお母さん、今日は手袋はしていないんですね」

 

「あら、気づかれましたか?」

 

「ええ、やっぱり暑いんですか?」

 

「いえ、ここは空調が効いていますし人形なので多少の暑さは気になりませんが、やはり見た目が暑そうに見えるようですので」

 

 

確かに言われてみれば、従業員であるイェーガーやリッパーもこの店の制服のままだが袖をまくったりしているし、ウェイター姿のゲッコーも上着は脱いでどちらかというとホストに近い。

だがそんなことはダネルにとってどうでもよく、その視線はずっと代理人の手に向けられている。

 

 

(綺麗だなぁ・・・・・)

 

 

人形なのだから当然、などという無粋なことは言わない。知っての通り代理人の初期装備は手袋着用であり、本人もそれを気に入っているのかどの服を着てもだいたい手袋ははめている。

所詮手袋だがされど手袋、それが外されたことで代理人の細く透き通るような手や指が露わになっているのだ。

 

 

「? どうしましたかダネルさん、顔が赤いですよ?」

 

「い、いや! なんでもない・・・」

 

 

想い人の素肌というものはとても魅力的だ。赤くなった顔をM4に指摘されたダネルは、熱くなった顔を冷ますようにドリンクを飲み干す。だが一度意識してしまえば無視することなど、(代理人限定で)思春期の男子中学生並みに純情なダネルにはできなかった。

さてそんな純情少女に、代理人は知らず知らずにさらに追い討ちをかける。

 

 

「あ、代理人! こっちのオーダーお願いしていい?」

 

「ええ、わかりました」

 

 

マヌスクリプトの要請で注文を取るためにカウンターから出て行く代理人。手袋こそ外しているがきっちりと着こなされたメイド服、そしてそこからすらっと伸びる黒いブーツが・・・・・

 

 

「っ!?!?!?」

 

 

そこまで目で追っていたダネルに衝撃が走る。そう、いつもはブーツとガーターベルトでほぼ黒一色の足、だが今日はその真反対の『白』と呼べるほど光り輝いていた。履いていたのはブーツではなくサンダルタイプの靴、当然ながらブーツとセットのガーターベルトもなく、その綺麗な足が惜しげも無く晒されている。

もちろんダネルとて代理人の生足ぐらい見たことはある。だがそれは海だったり温泉だったり・・・とにかく見えて当たり前の状況だったのだ。

 

普段見えないものが見えている、そんなレアケースにダネルのキャパシティは限界をやすやすと突破した。

 

 

「かはっ!」

 

「・・・・・え? きゃぁあああ!」

 

「だ、ダネルさん!? しっかりして!」

 

「っ!? D! 奥の部屋に運びますので手伝ってください!」

 

 

勢いよく、それこそ噴水のように鼻血を吹き出して倒れるダネル。阿鼻叫喚の店内で、ダネルの顔はなぜか幸せそうだった。

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・はっ!?」

 

 

気がつくとそこには見知らぬ天井・・・・・と、代理人の顔があった。よく見るとその右手にはうちわが握られ、それでパタパタとダネルの顔を顔を仰いでいる、あとなんか額が冷たい。

やや古典的な手法だが、これと氷嚢で冷却していたらしい。

 

 

「あら、目が覚めましたか?」

 

「だ、代理人?」

 

「突然倒れたので心配しましたが、どうやら大丈夫そうですね。 おそらくオーバーヒートでしょうから、この後は一度メンテナンスを受けることをお勧めします」

 

「そ、そうか・・・・・・」

 

 

そう言って今一度目を瞑り、ん?と湧き上がってきた疑問に頭を働かせる。

今、ダネルは仰向けになって寝転んでいる。どうやら更衣室の簡易長椅子のようだ。そしてダネルから向かって左手側に代理人の顔が見え、ダネルの真横に体が下りている。そして後頭部に感じる程よく柔らかい感触、それはつまり・・・・・・

 

 

(ま、まさか・・・・・・・)

 

 

できる限り動揺を悟られないように(それでもかなり挙動不審だが)目を右に向け、その壁に掛けてある姿見に映る自分と代理人の姿を捉えた。

それは紛れもなく、()()だった。

綺麗に足を揃え、太ももにダネルの頭を乗せている代理人は相変わらずの無表情だが、なんとなく心配そうな表情に見えなくもない。

 

 

「えっと・・・・代理人、これは?」

 

「人形のオーバーヒートを修復する設備はここにはありませんので、少々雑ですがこの方法で冷却することにしました」

 

「いや、そうではなくこの・・・・・・」

 

「?」

 

 

コテンと首をかしげる代理人。まるで、氷嚢を置いてうちわで扇ぐのに膝枕は当たり前、と思っているかのようだ。その様子がなんとも可愛らしいが、流石にいつまでも膝枕され続けるのは悪いので起き上がろうとするダネル。

だがそれは、代理人がダネルの額を抑えたことで防がれる。人は額を抑えられると起き上がることができないが、人形でもそれはあまり変わらないらしい。

 

 

「ダメですよダネルさん、まだ休んでいないと」

 

「え? でも・・・・」

 

「でも、じゃありません。 こういう時はしっかり休んでください」

 

 

やや強めの口調で代理人がそう言うと、大人しく力を抜くダネル。すると代理人は氷嚢を取り、うちわで仰ぎながら優しい手つきで撫で始める。

またまたびっくりするダネルだったが、涼しい風と撫でられる感触が心地よく、やがて瞼がトロンと下がり始める。目を閉じ切る直前、代理人の顔は微笑んでいるようにも見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「Oちゃん、どう?」

 

「今眠ったところです。 もう少しそっとしておきましょう」

 

「うん・・・・・でもちょっと羨ましいなぁ」

 

「お母さん、今度私にもしてください」

 

「あっ! ずるい! 私も膝枕されたい!」

 

「ふふっ、二人ともまた今度ですね」

 

 

 

end




頭が冴えない、思うように書けない、最近やたらと疲れる・・・・・気がつけば3000字越えるのがやっとという始末。
だが!それでも!私は書き続けるぞ!

ダネルがドタバタやらかすだけの話だったのに代理人のママ感が強まった気がする。


というわけでキャラ紹介!

ダネル
いつもの代理人ラブ。どうあがいても成立しないカップルなので、たまにはご褒美をあげたくなった。

M4
常連、そして準レギュラーになっている原作主人公。
知ってるか?原作冒頭で殺しあってるんだぜ代理人とM4。

D
こっちも生足。
快活な感じはビールの売り子っぽくもある。



いつも通りリクエスト受け付けて〼
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