大変今更ですが、実は今月大学を卒業しました。
四月の入社まではアルバイト生活なのでこんな感じの投稿ペースを維持していきたいなぁと考えてます。
というわけで今回は番外編
・魔法少女☆Vector!
・水着の露出と普段着の露出とでは全く違う、言うなればry
・真面目ちゃんとナンパさん
・奥手な隊長とヘタレな副官・・・・・と、苦労人な妹
番外26-1:魔法少女☆Vector!
『なんだお前たちは!?』
『弱きを助け、悪きをくじく、魔法少女☆クリスタル
「おぉ〜・・・・・」
休日の宿舎・・・それも自室ではなく予備宿舎で一人座っているのは、この司令部所属の人形であるVectorだ。彼女は今、持参した椅子と大きめの箱以外何もない部屋で端末を開き、ヘッドホンをかけて録画していた『魔法少女☆クリスタルV』を一気見していた。すでに放送は終わった作品であるが、Vectorはこの作品が一番好きで、登場キャラのポーズから口上まで全て覚えているのだ。
「・・・・・・・」
さてちょうど全話の半分ほど観終わったところで一度端末を閉じ、目を閉じて余韻に浸る。任務もなく誘いもない休日は、だいたいこうして過ごしているのだ。もちろん彼女はこの趣味を外部へ漏らすわけにはいかない。なのでわざわざ正面出入り口から外に出て、裏の非常口から入り開いている窓からこの部屋に入る。さらにセンサー類も全て起動し、万全の警戒態勢を整えてから視聴するのだ。
だが彼女の趣味は、むしろこれからが本番と言える。
「・・・・・・・・」
スッと立ち上がるとまず窓から外の様子を伺い、次にセンサー類に反応するものがないことを確認する。そして大きめの箱を開けると、中に納められた『魔法少女☆クリスタルV』の衣装を取り出す。といってもこれは普通の衣装でもなければ市販品でもない。
クリスタルVは5人1組で構成され、それぞれの衣装と主人公であるクリスタルレッドには強化フォームの衣装がある。これらは公式で販売されておりVectorも手に入れているが、実はこれ以外に一つだけ、作中一度しか出ていないフォームがある。それがこの、『クリスタルブルー・ミラージュ』である。
そして先日、製作を依頼していたマヌスクリプトからついに完成品が届いたのである。
「・・・・・すごい・・・細かい所まで再現されてる・・・」
というわけでテンションの上がり切ったVectorは誰も見ていないのをいいことにその場でポイポイと服を脱ぎ捨て、早速袖を通していく。見た目のクオリティに反して着やすくなっているのは流石と言えよう。御丁寧にカツラとカラーコンタクトまで用意してくれている。
「・・・・・・うふ♪」
見るものが見れば失神しそうなほど気味の悪い笑みを浮かべ、その場でクルリと一回転する。一通り堪能すると今度は箱からカメラと三脚を取り出し、慣れた手つきでセッティングすると、意気揚々とタイマーをつけてカメラの前でポーズを決めていく。
「・・・うふ、うふふふふ♪」
終始にやけっぱなしで一人撮影会を満喫し、彼女の一日は終わる。そうして明日には、誰もが知るいつもの『Vector』に戻るのだった。
end
番外26-2:水着の露出と普段着の露出とでは全く違う、言うなればry
「先日は迷惑をかけてしまった、申し訳ない」
「いえ、何事もなくて安心しました」
この前の鼻血事件の謝罪にきたダネル。代理人もそんなに気にしているわけでもなく、この件はこれで無事終了した。
だが府に落ちない表情を浮かべるものが一人いる。代理人を母と呼び慕い、ダネルとも友人関係にあるM4だ。
「・・・・・・」
「ん? どうかしましたかM4」
難しい顔をしたままのM4に声をかけると、M4はダネルにこう尋ねた。
「・・・・ダネルさん、この前のアレ、本当はなんだったんですか?」
そう、M4の疑問とはつまり、本当にダネルは代理人の素足を見ただけで倒れたのか、というものだった。実際なくはないと思う。だがダネルの場合はどうしても納得できないのだ。
「ああそうだ。 代理人の素足にドキッとして気がついたら倒れていた」
「真顔で語らないでください・・・・・それで、それが何か?」
「・・・・・ダネルさん、お母さんの水着を見ても大丈夫でしたよね? あと温泉も一緒に入りましたよね?」
「あぁ、そうだな」
「・・・・・・・裸や水着はよくて素足はダメなんですか?」
もっともな疑問だろう。M4としては露出が多いほど興奮するだろうというある意味真っ当な予想で話しているのだが、当のダネルは首を傾げて、まるで『何いってるんだ前は?』みたいな顔で見ている。
「何いってるんだお前は?」
・・・・・口でも言った。流石に軽くイラっとするM4だが、そこは堪えて話を聞いてみる。
「まず大前提として・・・・・海とは水着を着る場所だし、ニホンの温泉は裸で入るのがルールだな」
「えぇ、そうですね」
「うむ、つまりそこで水着や裸を見るのは当たり前のことなのだ。 言い方を変えれば、特別なことではないということだ!」
何やら話し方に熱が入ってきたが、代理人もM4もそれを止めることはない。というか多分止めても止まらないだろう。
「だが、ここではどうだ? 代理人といえば手袋にブーツとあまり露出の多い格好ではない、それが突然肌を晒せばどうなるか・・・・・興奮するだろう?」
「「いえ、まったく」」
冷ややかな目で同時に否定する代理人とM4。だがそれすらも耳に入らないのか、ダネルはまだまだ話し続ける。
「普段見えないからこそ、見えたときの特別感がある! それも普段とほとんど同じ服だからこそ、より際立つのだ。 なによりふわりと揺れるスカートからチラッと見える太ももが眩しくて・・・・」
「そんな目で見ていたんですか」
多分これ以上ないくらい冷たい視線を送るが、本人はまったく気にしていないようだ。初めはただ代理人ラブなだけだったのに、どこで道を踏み外したのか。
「そういうことだM4」
「なるほどなるほど・・・・・ってなるとでも思いましたか!?」
「いいや嬢ちゃん、そいつのいう通りだ!」
「チラリズムはいいぞ!」
「ナイスおっぱい!」
気がつけば周りの男性客も聞き入っていたようで、皆頷きながら会話、というより議論に混ざり出す。しかもいつぞやのおっぱい指揮官までいる。
議論は白熱したが、収集がつかなくなったので代理人が『出禁』をチラつかせて終息させたとさ。
end
番外26-3:真面目ちゃんとナンパさん
現在、代理人には少し気にしなければならないことがある。それが今目の前で真面目に(といっても半分口説きながら)接客しているゲッコーと、それを尊敬か敬愛の眼差しで見つめるG17だ。先日G17の職業体験の際になんか仲良くなっていた二人だが、相手があのゲッコーならばいつ間違いがあってもおかしくはない。別に他人の友人関係や恋愛関係に口を出す気はないが、最終的に泣かれるのだけは避けたいのだ。
「やぁグロック、また来てくれたのか?」
「ええ、ここにいればいろんな人を観察できますからね」
「なるほど、どうやら基地ではうまくやっていけているようだな・・・・・・やっぱり美人は笑っている方がいい」
「・・・・・それを素で言えるあなたも大概ですね」
ナチュラルに口説くゲッコーの言葉を流すと、G17はフッと表情を和らげて話し出す。
「でも、不思議です。 ナンパでふわふわしてて規律や風紀にゆるそうで、私とは真逆なのに話していて苦にならない」
そう言われると今度はゲッコーが目をパチクリさせる。なかなかひどい言われようだが事実なのでそこは無視、意外と好意的な言葉が何よりもびっくりだった。というよりゲッコーからしてみても、自分やマヌスクリプトは性格的なところから苦手に思われるだろうと思っていたのだ。
「そういってもらえると嬉しいな、ありがとう」
「いえ・・・・・もしかしたら、ちょっと羨ましかったのかもしれません、規律なんか気にしなくていいあなたが」
「ふふっ、なるほど」
もっとも、彼女が乱しているのは規律ではなく風紀なのだが、残念ながら付き合いの短いG17にはわからなかったようだ。
さてそんなことを言われたゲッコーだが、一度トレーやら食器やらを置くとG17の前に座り、その手を優しく握り込む。
「あの時も言ったが、規律や規則を守るというのは立派なことだ、決して卑下するものではない。 それが自分らしさなら、無理に変わる必要なんてないさ」
「ゲッコー・・・・・クスッ、そうですね」
「あぁ・・・・・・・・・・・ところでよかったら、この後出かけないか?」
「デートのお誘いですか? 代理人に怒られますよ」
肩の荷が降りたように笑いながら、自分なりに精一杯の冗談で返すG17。
だが、この手のジョークはゲッコーの方が上手だったようだ。
「おや、デートのつもりだったのか? ならそのつもりで臨もう、君のような美人とデートなら大歓迎だ」
「え? ちょっ!」
「ふふっ、安心しろ。 優しくリードしてやるさ」
「はいそこまでです」ゴンッ
ゲッコーの目が怪しく光り始めたところで代理人が止めに入る。やっぱり微妙に合わないな、と評価を改めるG17だった。
end
番外26-4:奥手な隊長とヘタレな副官・・・・・と、苦労人な妹
皆さんこんにちは、グリフィンS09地区司令部所属、MG部隊隊長のGr MG5です。
さて私は今隣町の駅の改札前で人を待っているのですが、緊張がピークに達して吐きそうです助けてください(泣
そんな新兵以下のようなことを思いながら駅前で立っているのは、つい先日同僚と付き合い始めたMG5。今日はその初デートの日である。
告白されたあの日も相手にしてみればデートのつもりだったのだが彼女自身が全くそういうつもりではなく、そのため改めてデートをしたいと告げたのだ。もちろん即OKである。
「お、お待たせしました隊ty・・・・・MG5、さん・・・・」
そんな緊張でガッチガチに固まったMG5の後ろから現れたのは、いつぞやと同じようにワンピース姿のPKだった。ただし、雪のように白い肌は緊張で真っ赤になっていたが。
「そ、その服・・・・・」
「あ、あぁ、前はいつもの服だったからな」
今回PKをデートに誘うにあたって、MG5も数少ない私服をかき集めた。といってももともとおしゃれには頓着がないので、とりあえずシンプルなジーンズとシャツ、あとはネックレス等の小物くらいだが。
「に、似合ってます・・・・・」
「そ、そうか・・・・・・・・」
「「・・・・・・・・・」」
沈黙。
ちなみにここまで互いに気まずいのは、彼女らが既に恋人同士であるからだ。ようするに意識しすぎてどうすればいいのかわからないのである。MG5も誘うことだけを考えて勇気を出したはいいが、肝心の『どこに』『何をしにいくか』が一切未定なのだ。PKもPKで誘われたことに舞い上がりすぎて、結局前回と同じ街に来ていることになんの疑問も感じていないし、そんな余裕はない。
「そ、そろそろ行くか?」
「は、はい」
どこに、とかも決めずに並んで歩き始める。そして最初に目に入った雑貨屋に入るまでの数十分、手を繋ごうとして伸ばしたけど結局引っ込めた回数は、数えるのも面倒なほどだった。
そしてそんな彼女たちの姿を、遠目から追いかける小柄な少女。その名もPKPである。
「姉さん、センスは間違っちゃいない。 だからそこで『あなたならきっと似合う』とかなんとか言ってプレゼントするんだ!」
電柱の影からひょっこり顔を出して一人ヤキモキする。だがそんな彼女の願いなど届くはずもなく、上手く言い出せない隊長とここぞでヘタれる姉にガクリと項垂れるのだった。
そんな感じで一日を終えて、大した進展もないのにホクホク顔で帰ってきた姉に説教とお節介なアドバイスを叩き込むことになる。
PKPの気苦労は、どうやら当分続きそうだ。
end
モンスターを狩りながら時々天使とダンスしたり変装ハゲで大暴れしたり・・・・・・やっぱPS4は面白いなぁ!(現実逃避)
といういつもの冗談はおいといて各話の紹介!
番外26-1
百一話のその後。
ぶっちゃけクリスタルVの設定を考えている時が一番楽しかった。
需要があれば活動報告にでも載せようと思う。
バレる展開にしようかとも思ったけど、後に取っておこう。
番外26-2
ダネル大暴走回。
もちろん水着とかでも興奮するが、それはそれこれはこれである。
番外26-3
どうあっても綺麗に終わらない、それがゲッコークオリティ。
この二人をくっつけるのも面白そうだが、それは追々考えるとしよう。
番外26-4
某基地のマスターと元ハッカー並みに進展しない二人。
あっちのIDWとこっちのPKPとはきっと仲良くなれるだろう。
いつも通り、置いときます。
一日一話が理想ですが、現実こんなもんなので生温かく見守ってください。
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