私の場合普段から遠出も買い物もあまりしないので増税の実感があんまり湧かないですね。
そういえば友人が某西側のテーマパークの年パスが値上がりしたと嘆いておりました・・・・・まぁ買ったそうですが。
さてそんなどうでもいいことは置いといて、今回は番外編!
・ノインの旅路2nd
・MG部隊の一幕(夜)
・新生活
・春田さんの衝撃
番外27-1:ノインの旅路2nd
ピンポーン
「? はーい」
なんだろう、と首を傾げながら玄関へと向かうノイン。絶賛旅中の彼女は今、現在でも世界の中心である巨大国家・アメリカ合衆国を訪れていた。東西南北、同じ国とは思えないほど多種多様な文化があり、世界を見て回ると決めたノインであっても流石に移動しっぱなしは骨なので、安宿を借りてそこを拠点にこの国を見て回っていた。
ようするにちょっとの間定住しており、今日はそのノインの元に宅配便が届いたのだ。
「ではこれで」
「はい、ありがとうございます・・・・・なんだろ、これ」
ひと抱えほどの箱はそこそこ重量があり、とてもじゃないが持って旅ができるほどではなさそうだ。間違いかとも思ったが、送り先の名前はちゃんとノインであり、ついでに送ってきたのは代理人だった・・・・・どこでこの住所を知ったんだろうか?
「まぁいっか。 代理人だったら食べ物かな?」
これがそこらの人形とかIoPの研究員とかだったら開けることなくポイなのだが、代理人が送ってきたものなら少なくとも害はないはずだ。その絶対の信頼の元、ノインが箱を開けると・・・・・
「Open sesame」(CV.中ry)
バタンッ!!!
目にも止まらぬ速度で箱を閉じ、ついでにテープやらロープやらでぐるぐる巻きにする。そしてもう一度送り主の名前を確認し・・・・・『代理人』の文字の右下にめちゃくちゃちっさい字で『サクヤ』と書かれているのを発見する。比較的マシな部類の研究者だと思っていたが、どうやら認識を改める必要がありそうだ。
「ひどいではないか、わざわざ遠路遥々箱に詰められてやってきたというのに」
「って勝手に出てこないでよ!? というかなんなの!?」
「見て分からんか? ダイナゲートだ」
ノインの知るダイナゲートとはえらい違いである。少なくともこんな無駄にいい声で喋らないし、勝手に箱から出てくることもない。あとその場に座ってるだけなのに妙に太々しいのは気のせいだろうか?
「まぁ落ち着け、送り主を見ただろう? 代理人はお前のことを心配して、私を送りつけたのだよ」
「・・・・・ダイナゲート一匹で何ができるの?」
「索敵や閉所の捜索、それとライブカメラ機能でいつでも代理人たちに会えるぞ。 それと多少のものなら運んでやろう」
無駄に偉そうだなこいつ。とはいえまぁまぁ役に立つ機能ではある。それにダイナゲートは(たとえこんなAIであっても)休眠の必要がほとんどなく、人間であるノインの無防備な睡眠時の防犯に役立つだろう。それに、旅先でいつでも連絡できるというのもありがたい。
「ああそれと、たった今所有者登録を行った。 これからよろしく頼むぞ『
「それやる前に一言言ってよ!?」
こうして、ノインの旅に一匹のダイナゲートが加わった。愉快な一人と一匹の旅は、まだまだ続く。
end
番外27-2:MG部隊の一幕(夜)
司令部には風呂がある。結構大きめで複数の部隊が入っても問題ないくらいには広い。一応男湯もあるのだが、指揮官含め男性が少ないこともあり、基本的に両方とも人形が使っている。
そして今、その片方に訓練を終えたMG部隊が入っていた。
「あぁ〜〜〜生き返る〜〜〜〜」
「おっさんみたいよ、そんなんだからBarちゃんって「な・ん・で・す・っ・て?」・・・・イエナニモ」
「ほら姉さん、いつまで恥ずかしがってんだ背中くらい流してやれって」
「む、無理よ! それはもっと深い関係になってから・・・」
「もう十分そんな関係だろ!?」
「相変わらずね副長」
「逃げるように身体洗いに行った隊長もだけどね」
そんないつも通りの光景を眺めていると、ガラッとドアが開き一人の人形が入ってくる。新入りのAmeliだ。
「あ、Ameli! こっちこっ・・・・・ち・・・・・?」
「・・・・あの、どうしましたか?」
「へっ!? い、いや、なんでもないよ・・・うん」
「? では、失礼します」
そう言って湯船に入り、はぅ〜っと息を吐くAmeli。だがそれを隣で見るM1918の心中は穏やかではない。Ameliは小柄な人形であり、PKPと同じかやや低いくらい。一方M1918はMG5やPKと同様に背の高い方で、ある意味それ相応のものが付いている。
だが、Ameliのアレはなんだ?サイズ的にはもしかしたら自分や隊長と同じなのかもしれない。だが先の通り小柄な身体である。そのせいで明らかにおかしいくらいデカく見えるのだ。
「・・・・いつまでガン見してるのよBar」
「Barって言わないでよ! でもあれは見ちゃうでしょ」
「まぁ、確かにすごいわよね彼女・・・・浮いてるわよアレ」
M1918の隣でそう呟くSAW。無論彼女とて十分なものを持っているのだが、Ameliと比べると貧相に見えるから不思議なものだ。
と同時に・・・・・
「・・・・・アレ、柔らかそうよね」
「え? もしかしてSAW・・・」
「違うわよ。 ただなんとなく気になっただけ、深い意味はないわ」
SAWの言葉に一応引いてはみたものの、M1918とて気になる。だってみるからにマシュマロなのだ、なんかこう・・・グワシッとつかんでみたくなる。
「「・・・・・・・」」
風呂の熱気に当てられたのか、二人の目に怪しい光が灯りだす。そして二人はゆっくりとリラックスするAmeliに近づき・・・・・
その日以来、Ameliから避けられるようになった二人だった。
end
番外27-3:新生活
「ほら、入ってこいよ」
「・・・・・・・」
処刑人は住んでいるマンションの鍵を開け、少女を手招きする。しかし少女は玄関先で固まったまま入ってこない。といっても警戒しているとかそんなわけではなく、ただ単純に部屋の内装に圧倒されているだけである。別段贅沢しているわけではないが、そこそこ金を使った普通の部屋は、孤児院暮らしだった少女には遠い雲の上の存在に思えたのだろう。
というわけで恐る恐る入っていき・・・・・・部屋の扉をくぐった先で処刑人に捕まった。
「よっと・・・とりあえずシャワー浴びてこい。 上がったら飯にすっぞ」
「・・・・・・・」
なされるがままに脱がされ、風呂場に連れて行かれる。一通り説明を受けると処刑人は部屋に戻っていき、残された少女はキョロキョロと周りを見渡しながらこれも恐る恐るシャワーを使い始める。
といっても、出てすぐのはお湯ではなく水であり、勢いよくかぶった少女は驚いて尻餅をつく。
「っ!? ・・・・・・!!!!」
「おい! 大丈夫か!?」
物音がして飛んできた処刑人だが、何が起きたかを察して笑いだす。そして今度はシャワーを適温にすると、自身も服を脱いで少女の体や髪を洗い始めた。
「うわっ、すげーボサボサだな・・・・・シャンプーするから目ぇ閉じてろよ」
「・・・・・・」コクッ
キュッと目を瞑ったことを確認すると、処刑人はワシャワシャと髪を洗う。最初は強張っていた少女だが、次第に力を緩めていき処刑人に体を預けるようになる。頭からシャワーをかけてシャンプーを洗い流すと、なおも目を瞑りっぱなしの少女にニヤリと笑ってくすぐり始める。
「〜〜〜〜〜っ!!!!」
「あははっ! ほら、洗い終わったから開けていいぞ」
「っ! 〜〜〜!!!」
「あ〜悪かった悪かった、そんなに怒るなって」
ポカポカと殴る少女を抱き上げると、脱衣所に向かって体を拭いてやる。さっきくすぐったのがそんなに嫌だったのか、いまだにむすっとした少女の頬を突きながら処刑人は言った。
「ほら、いつまで膨れてんだ。 着替えて飯にしようぜ」
「・・・・・・・・・・」コクン
処刑人はラフな部屋着に着替え、少女に途中で買ってきた服を着せるとキッチンに戻って料理を仕上げていく。いつものザラザラな服に慣れていたせいかどうにも落ち着かないようだが、次第に香り始めた匂いにつられてキッチンの方に向かう。
「お? なんだ、我慢できなくなったか? もうできるから座って待ってな」
「・・・・・・」コクッ
少女は言われた通りにテーブルの前にちょこんと座る。ちなみにちゃんとしたテーブルと椅子もあるのだが、椅子が一個しかないので座って食べられる低い折り畳みのテーブルを買ってきたのだ。
やがてトレーを持った処刑人が現れ、テーブルに料理を並べていく。冷蔵庫にあるものと、少女のこれまでの環境を考えて消化しやすいものということで、処刑人が作ったのはシチューだった。ついでに残っていたパンも並べておく。
「さ、熱いうちに食おうぜ」
「・・・・・・・・」
本人も腹が減っていたのかがっつく処刑人。それに釣られるように少女もスプーンを握って一口食べた。
「・・・・・・・・」ポロポロ
「ん? うぉっ!? ど、どうした、不味かったか!?」
「! ・・・・・・!!」フルフル
突然泣き出した少女にうろたえる処刑人だったが、少女は首を振ってまた食べ始める。どうやら美味しいからだと理解してホッとする一方、こんな料理でも泣くほどの彼女の境遇に改めて処刑人は
(・・・・・私がなんとかしねぇとな)
「・・・・ほら、おかわりはあるからゆっくり食え」
「・・・・・・」コクコク
夢中でシチューとパンを頬張る少女に、処刑人は微笑みながらそう言い、次は食器の持ち方を教えるかと一人呟いたのだった。
end
番外27-4:春田さんの衝撃
その日、S09地区の司令部でカフェを営むスプリングに衝撃が走る。それはカフェに入ってきた三人の男女。一人は彼女の愛する指揮官であり、もう一人は彼女の(一方的な)恋敵であるDSR-50。
だが、もう一人は・・・・・・
(誰!? 誰なのあの清楚ぶった悪魔は!?)
やたらと誘ったようなDSRとは真逆の、露出の限りなく少ない服装に身を包んだ女性。その顔立ちはDSRとよく似ており、しかし見るからに全然違うので姉妹銃か何かだろうと結論を下す。
そんなDSR2号(仮)が、愛しの指揮官と仲良く話しながらやってきたのだ。春田さんの心中やまるで大荒れの海原である。
(何!? 何なの!? そもそも清楚キャラって、私と被ってるじゃない!!!)
被ってねーよ、というツッコミが聞こえてきそうだがそんなこと春田さんにとっては関係ない。一応仕事モードなので笑顔のままだが、その手に持った皿は怒りに任せて磨いているせいでもう結構すり減っている。
「そんなことが・・・・・・だが君は君だ。 『DSR-50』らしさではなく『自分らしさ』でいいと思う」
「そういうこと。 だから私は私なのよ『私』♪」
「だ、だからといって! 過激な服装で街に行くのは遠慮してもらいたいんです!」
何言ってんだ清楚ぶりやがって、などとは口に出さず目の笑っていない笑顔で視線を送り続ける春田さん。しかも聞いたところによればアレもDSR-50らしい。おそらく何らかの理由があってああなっているのだろうが、彼女の中では『DSR-50=敵』である。何だったら今すぐ銃剣突撃でも構わない、いやむしろ滅多刺しだと強い念を送る。いつのまにか磨いているのが包丁になっている。
「ところで指揮官様、この後お時間はありますか?」
「む? 構わないがどうした?」
「少し、ご相談したいことが・・・・・お部屋に伺っても?」
「なるほど、わかった」
パキィ!
ミルに入れようとしていたコーヒー豆を握り潰し、額に青筋を浮かべる春田さん。
指揮官の部屋に行く?一人で?相談したいこと?・・・・・・・・・・ギルティ。
その夜、指揮官の部屋に突撃をかましたはいいもののめちゃくちゃ真面目な戦術相談だったため恥ずかしくなって逃げ出すことになるのだが、この時の春田さんは知る由もない。
end
ダイナゲートメインの短編が思い浮かんだのでもしかしたら書くかも。
というわけで早速各話の解説!
番外27-1
コラボ回で登場したダイナゲート、その送り先。戦闘能力はないに等しいが役に立つ。以後、ノインと行動を共にする。
マスターと従僕の関係だが、何となくセラスとアーカードっぽくもある。
番外27-2
あの体型を活かせるのは風呂回だと思った(真顔)
ちなみにSAWは『FF M249SAW』のこと。ドロップ限定人形であり、何気にスキンもある。
描写がない部分は妄想力で補うのだ!
番外27-3
処刑人と暮らし始めた少女。名前はないがいっそこのまま『少女』でもいい気がする・・・・・案があれば採用するかも。
処刑人ってパパもママもこなせる万能キャラだと思う。
番外27-4
全ての春田さん好き指揮官から命を狙われてもおかしくないくらい酷い話。でも悪いな、うちの春田さんはコレなんだ。
ぶっちゃけ暴走させて一番楽しいのはこの人。
リクエスト受付がメインになってますが、質問があれば答えます。あとオススメのドルフロ小説とかあれば教えてくれると嬉しい・・・・・最近新規開拓できてない気がするし笑
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=204672&uid=92543