トカレフちゃんのスキンめっちゃ可愛い(このコメントは本編の内容とは一切関わりはございません)
喫茶 鉄血には特にこれといったルールはない。全席禁煙でもなければペットの持ち込みも可能、 子連れからお年寄り、学生に至るまで誰もが使える喫茶店なのだ。とはいえ他の客とのトラブルを避けるべく、喫煙者とペット同伴者は外の席に行くことが多いが。
そんな喫茶 鉄血のカウンター席に座る人形に、今ちょっとした注目が集まっていた。一人は新顔なので当然といえば当然なのだが、もう一人はまるっきり雰囲気が変わっていたのだから。
「うふふふふふふふ・・・・・」
「あの、FALさん?」
「大人しくて可愛いわねぇ・・・鳥を飼ってみるのもありかも。 ね、ピーちゃん?」
「目が怖いですって!? あと勝手に私の相棒に変な名前つけないでください!」
目が若干イってしまっているFALにやや引き気味の人形は『ファルコン』。本部から送られてきた精鋭であり、製造数もごくわずかという人形である彼女がFALと共にいるのには訳がある。というのも二人の共通点として、動物を相棒としていることが挙げられる体。FALの場合はフェレットを、そしてファルコンは猛禽類だ。ただ本人もこれが鷹なのか鷲なのか隼なのかはわかっていないらしい。そんなわけで動物と戦場を駆け抜けてきた先輩ということで話を聞きにきたのだが・・・・・やたらとご機嫌なのは何故だろうか。
「うふ、うふふふふふふ・・・・・♪」
「あら、珍しく機嫌がいいですねFALさん・・・・・それとお隣の方は?」
「あら代理人、紹介するわね。 本部から今日付で配属されたファルコンよ」
「あなたが代理人さんですね。 本部でも噂は聞いていました、よろしくお願いします」
「う、噂、ですか?」
絶対ろくなものじゃないと思う代理人。そしてその予想は当たっており、元鉄血で美味しい喫茶店のマスターというまともな情報が4割、人形の悩みを解決してくれるありがたい人というのが6割である。何故か社内報に話を聞いてもらった人の体験談などが載ることがあり、本部では知らぬものなどいない有名人である。
特に人形は最初必ず本部で研修を受けるため、一度は噂を聞いたことがあったりする。
さてそんなことは置いておき、代理人が気になるのはやはりこのFALの機嫌の良さ。彼女とて四六時中憂鬱な表情というわけではないが、少なくとも喫茶 鉄血に来る=目が死んでいるイメージしかないのだ。
「何かいいことでもありましたか?」
「あら、いいこともなにもここ最近は平和よ。 いえ、もうこれ以上にないってくらい幸せなの! その証拠に最近は胃薬のお世話になることがほとんどないわ!」
「い、胃薬?」
新米のファルコンはまだ知らない、極度のストレスを受けると人形とて胃薬が必要なことを。そしてこのFALの装備品には必ず胃薬が一瓶用意されていることを。
とはいえそれも過去の話で、今は彼女を悩ませるある集団がかなり大人しくなったからだ。まずシスコンMGことMG34は本部へと移動となり、それに伴い妹の配属も本部となったためもう暴走を止める必要がなくなったこと。そしてシスコン会会長であるUMP45はUMP40やF45に追いかけ回されていてそれどころではない。あとはM16だがこいつ一人だとそこまで暴走しないので、結果的のようやく平穏が訪れたのだった。
「そう、これで今までの地獄のような生活からはおさらば・・・これから輝かしい日々が待っているのよ・・・・」
確かに血の気は良くなったがなんとなく危うい儚さを宿した目でそう呟くFALに、ファルコンはもしかしなくてもブラック司令部に来てしまったんじゃないだろうかと心配する。もちろん司令部自体はホワイトなのだが、ホワイト過ぎるが故の一部暴走である。
「例の会から解放されたのはわかりましたから戻ってきてください、ファルコンさんが怯えてますよ」
「はっ! ごめんなさいねファルコン。 用があるから呼んでくれたのに」
「い、いえ、大丈夫ですよ」
「じゃあ早速話を聞こうかしら。 ついでに何か食べる? 奢るわよ?」
「本当に機嫌がいいんですねFALさん」
代理人も苦笑するほどのいきいきとした表情である。というわけで軽食にサンドウィッチとパンケーキ、コーヒーを注文してからFALのお悩み相談開始だ。
シスコン会でなんとかやっていけていたことから、もともと彼女は人の話を聞くのがうまい。そしてそれなりに経験と実績があるので、こうして相談を受けるのはわりと得意なのだ。
「相談、というよりもアドバイスをいただきたいんです。 FALさんは相棒のフェレットさんと一緒に行動していた後聞きましたので、私たちも何か参考にしたいなと」
「参考、ねぇ・・・・といってもあなたと私じゃまるっきり運用方法が違うからね」
ファルコンの相談事、それは彼女とその相棒でどのように活躍すれば良いかだ。人形がなんらかの補助装備を使うこと自体は珍しくなく、妖精もそれに含まれる。しかし動物と、となるとFALくらいしか前例がないのだ。
しかしFALの言うとおり、二人は銃種も違えば相棒の動物も違う。FALはARとして前衛での戦闘がメインであり、場所も閉所から荒野まで幅広い。相棒のフェレットはそんな彼女の補助的な『目』であり、しかも小さいのでどんな隙間からでも侵入し偵察できる。
「でもあなたはライフルで、しかもピーちゃんって鳥でしょ? となると私と同じようには難しいわね」
「うっ・・・・それはそうですが・・・・あとピーちゃんじゃないです」
ファルコンの相棒を撫でながら呟くFAL。今更だがピーちゃん(仮)はかなり大人しく、撫でられようが触られようが全く動じていない。
そんなピーちゃん(仮)を撫でつつ、面倒見の良さからなにかしらアドバイスは言おうと思うのだった。
「まぁ思いつく限りじゃ、ピーちゃんに敵を探してもらってそれを狙い撃つっていうのが妥当なんじゃない?」
「それが訓練じゃ通じなかったんですよ」
「当たり前よそんなの。 互いにどんな人形がいるのかわかってるんだし、なにより演習場に鳥が飛んでたら違和感しかないでしょ?」
「え?」
ポカンとするファルコンに、FALはため息混じりに説明する。まず訓練では互いの戦力が開示された状態だし、ファルコンが相棒と連携を取るというのも丸わかりだ。真上に飛んできたら、黙っていてもあっちから近づいてきてくれるとわかるだろう。
逆に実戦ならどうかというと、当然ながら互いの情報はスパイでもいなければわかりようがない。舞台も演習場のようななにもない場所は少なく、頭上を鳥が飛んでいたところでそれが敵の策であるなどとは思いにくいのだ。
「ってわけだから、そこまで重く受け止めなくていいのよ、私だって訓練の時はボコボコにやられたんだから。 大切なのは、状況に合わせた戦い方ができるかどうか、よ」
「な、なるほど・・・・」
「まったく、この子の相棒を名乗るんだったらもっとシャンとしなさい。 グリフィンの訓練課程を終えたんだからね」
ちょっと厳しめに、でも感情的にはならずにそう論する。本人としてはアドバイスともいえないようなアドバイスだが、ファルコンにはどうやら響いてくれたようで一安心する。
「じゃ、私はもう戻るわ・・・・ご馳走さま代理人」
「はい、またのお越しを」
「あ、あの! 今日はありがとうございました」
ペコリと頭を下げるファルコンに、片手だけを上げて背中を向けるFAL。ファルコンはその頼りになる背中を、黙って見送ったのだった。
で終われればよかったのだが、残念ながらFALの受難は続く。
バンッ
「あっ! FALさん!」
「見つけました!」
「な、なに!? なんなの!?」
突然現れたのはUMP40とF45。思わず一歩後ずさるFALに詰め寄ると、二人はFALの両腕をガシッと掴んだ。
「「FALさん! 45(お姉ちゃん)のこと詳しいよね!? ちょっと話を聞かせて!!」」
「は!? ちょっ、待っ、離してっ! 助けて代理人!!!」
悲痛な叫びを残し、無情にもドアは閉まる。ファルコンにとっての頼りになるFALのイメージは、瞬く間に苦労人へと変貌したのだった。
end
もう呪われてんじゃないかなってくらい苦労が舞い込む女、それがFAL。
ファルコンちゃんのボイス実装はよ
ということでキャラ紹介
FAL
本作屈指の苦労人。シスコン会自体には呼ばれることは減ったが、シスコンの呪縛からは逃れられそうにない。
彼女の求める素敵な出会いは訪れるのだろうか・・・(他人事)
ファルコン
本部から送られてきた新造人形。成績は優秀・・・なのだが訓練の結果のせいでやや自信がない。グリフィン的にはいつものように代理人に相談させる予定だったらしい。
気がつけばあと二ヶ月ちょっとで一周年になるんですね、なんかあっという間。
というわけで今回もリクエストや感想、受け付けてます!
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