喫茶鉄血   作:いろいろ

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前書きで書くことが特に思い浮かびませんでした。
というわけで今回の番外編はこちら!

・SKSの訓練風景
・私の姉は甘々
・凸凹姉妹
・デートin水族館


番外編29

番外29-1:SKSの訓練風景

 

 

S09地区司令部、屋内訓練施設。屋外程ではないがそこそこの広さがあるそこでは、主に新入りの戦術人形たちが様々な方法で訓練を重ねている。ライフルタイプであれば場の端に陣取り迫りくる目標を狙い撃ち、マシンガンはより数の多いそれをなぎ払う。

そしてSMGやハンドガン、ARたちは、普段の射撃訓練ではできない訓練を行うのだ。

 

 

「榴弾、撃てぇー!」

 

「45姉、行くよ!」<閃光弾

 

「えぇ、合わせて」<発煙弾

 

 

ライフルやマシンガンと違い、状況に応じて様々な武装を使う彼女らは、こうした場でその使い勝手や感触を確かめる。とはいえこれらのほとんどは高い火力を持つか非殺傷武器である。そのため訓練用ドローンではいまいちその効果の高さがわかりにくく、どうしてもより実践的な相手が必要となる。

というわけで・・・・・・

 

 

 

 

 

 

「ぎゃああああああああ!!!!!!」

 

「そっちに逃げたわ、追って!」

 

「ふふふ、逃がさないわよ」<火炎瓶

 

「うわっ!? 熱っ、熱いって!」

 

「そこっ!」<断罪の魔弾

 

「ひぃいいいいい!!!?」

 

 

そんな『実践的な訓練』を担当するSKSの苦労は計り知れない。なにせ飛んでくるものが多すぎるのだ。MGやRFのような単純に銃弾の数や威力が変わるだけならさほど苦労はしない。だがグレネードが放物線を描き、合間を縫って特殊弾が飛んでき、煙幕やら閃光やらがそこかしこで焚かれるのだ。

ダミーをいくら増やしたってキリがない。

 

 

「も、もういやあああああああああああ!!!!」

 

 

そしてこの数十分後、SKSは大泣きしながら正面玄関を走る抜けるのだった。

 

 

end

 

 

 

番外29-2:私の姉は甘々

 

 

「んぅ・・・ふあぁ・・・・・」

 

 

とある日の朝。大きなあくびをしながら目を覚ます9。最近一段と朝が寒くなり、温もりを求めるために隣に手を伸ばすが、残念ながら隣で寝ていた()()はすでに起きてしまっていたようで、わずかに暖かさが残るだけである。

とはいえこれはまぁいつものこと。というよりもいつもは起こされるまで起きない9が珍しく起きただけである。なら早めに食堂に行こうかと思い、のそのそとベッドを出る。

 

 

「あれ? G28?」

 

「ん? あ、義姉ちゃん!」

 

 

寝ぼけたままの目を擦りながら廊下を歩いていると、何やらコソコソしているG28を発見する9。どうやら食堂の、厨房側の扉の前にいるらしく、まるで覗きのような姿勢でへばりついている。

 

 

「義姉ちゃんって・・・・・それで、何してるの?」

 

「んふふ・・・・珍しいのを見つけたから覗いてたの」

 

「? 珍しいの?」

 

「こっちこっち」

 

 

G28に言われるがままに、ちょっとだけ開いた扉の向こう側を覗き込む。そこにいたのは・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

『〜♪〜〜〜〜♪』

 

「よ、416?」

 

「めちゃくちゃご機嫌だよね、あれ」

 

 

上機嫌に鼻歌を歌いながら包丁を握る416。長い髪を後ろで結い、部屋着の上からエプロンを纏って料理を作るその姿のなんと違和感のないことか。しかしそれなりに付き合いの長い9はもちろん、妹のG28ですらそんな彼女が鼻歌を歌うくらい上機嫌なところを見たことがない。というか鼻歌自体初めて聞いた。

 

 

「ね? 珍しいでしょ?」

 

「う、うん・・・・でもなんでだろ?」

 

「そりゃ・・・・昨夜はお楽しみだったから?」

 

「え? でも今まで何度かあったけどこんなのは初めてだよ?」

 

「え、本当にお楽しみだったの?」

 

「・・・・・・・・/////」

 

 

余計なところで自爆する9に襲いかかりたくなる衝動を、G28は必死に押さえ込む。基本的に416が攻めになるのは知っていたが、こんなのを見せられたらそりゃ襲いたくもなる。

とはいえこれが原因でないとすると、ますますわからなくなる。しかも真面目が服を着て歩いていると言われたことがあるくらいな416が、部屋着のままでいること自体驚きだった。

 

 

「あれ? 9とG28じゃん」

 

「おはよう二人とも」

 

「あ、45姉とG11、おはよう!」

 

「二人はこれから任務?」

 

「ええ、泊まりでね。 だから今日は帰らないわ」

 

 

ガッチガチに装備を固めた45とG11が通りかかる。この二人で任務というのも珍しい・・・・・というわけでもなく、9と416がくっついてからは割とよくあることだった。そんな二人はこれから出発らしい。

 

 

「ゲパードも本部で訓練、40は鉄血工造の方に用事があるそうよ」

 

「へぇ、じゃあ残るのは私と416だけだね」

 

「そうね・・・・・・・ハメを外さないようにね」

 

「もう! 何言ってるの45姉!」

 

 

ぷんぷんと怒る9を見て、どことなくやり切った(9成分を補給した)45は眠たげなG11を引っ張って出て行く。その直後、9たちの背後で扉が開き、416が顔を出した。

 

 

「あら、もう出発なのね。 言ってくれれば朝食くらい出したのに」

 

「わっ!? 416!」

 

「そこまで驚かなくても・・・・・で、何してたのよこんなところで」

 

 

扉の前でじっとしていたことを指摘され、顔を見合わせる9とG28。そして観念したのか、G28が恐る恐ると言った感じで尋ねる。

 

 

「いやぁ〜・・・416が妙に上機嫌だったから珍しくて・・・」

 

「は、鼻歌まで歌ってたもんね」

 

「えっ!? あんたたち聞いてたの!?」

 

 

途端に顔を真っ赤にして狼狽る416だが、聞かれてしまったものは仕方がないと二人を招き入れ、出来上がった朝食を出してから話しい始めた。

416は起きてから早速指揮官に今日の予定を聞きに行き、なんと自分と9以外宿舎(404用)に残らないことを知る。そして今日は二人とも非番で、午後から雲行きが怪しくなるので出かけるのは控えたい。そこまで考えた416は、今日一日を()()()()()()()にしようと考え、テンションが振り切った結果ああなったらしい。

 

話を聞いたG28は、今日一日外でどう過ごそうかと考えるのだった。

 

 

end

 

 

 

番外29-3:凸凹姉妹

 

 

「お前はいちいちガサツなんだ!」

 

「細々したのは面倒なんだよ!」

 

 

喫茶 鉄血での騒動から少し経った後、なんやかんやあって結局処刑人の部屋にお邪魔することになった執行人は、その処刑人と絶賛口論中だった。

あの一見で和解し、行くあても金もないので引き取る形で処刑人が連れてきたわけだが、一緒に過ごしてその日のうちに彼女の問題点が浮上した。

 

 

「別に釣り銭ぐらい良いじゃねえか!」

 

「そうやって金が無くなった奴が何言ってんだ、ちっとは反省しろって」

 

「煩えよ、つかいちいち姉貴面すんじゃねえ!」

 

 

この通り、執行人はその行動も思考もかなり大雑把なのだった。基本的に支払いは札ですませ、しかも細かいのが気に入らないという理由で釣り銭も受け取らない。そのくせあっちこっちで金を使いたがるので、小遣いとして渡していたお金が早くも底をつく形となった。

ちなみに釣り銭はちゃんと少女が受け取っている。

 

 

「はぁ・・・・とにかくだ、お前には生活する上での最低限だけは教えてやる。 それができなきゃここを追い出すからな」

 

「ゔっ! わ、わかったよ・・・・」

 

「よし、そうと決まりゃ早速晩飯でも作るか。 今日は特製シチューだ!」

 

「・・・・!」

 

 

シチュー、と聞いて顔を輝かせる少女と執行人を引き連れ、若干狭いキッチンに向かう。

この後、まだ練習中な少女の危なっかいさと大雑把な執行人に翻弄されることになるのだが、処刑人はまだ知る由もない。

 

 

end

 

 

 

番外29-4:デートin水族館

 

 

「ゲーガーちゃん! ペンギンと触れ合えるんだって!」

 

「わかった、わかったから落ち着いてくれサクヤさん! 館内は走るなと書いてある!」

 

 

そう言いつつ子供のようにテンションの上がったサクヤを追いかけるゲーガー。普段の運動不足はどこへ行ったのかというほど元気に走るサクヤに呆れつつも、ゲーガーは少し安心していた。なにせもともとサクヤがいた世界にはない場所である。それでふとした拍子に昔のことを思いだし、悲しんでしまわないかと心配していたのだが、どうやら今のところは杞憂で済んでいるらしい。

 

 

「わぁ! ゲーガーちゃん、こっちは爬虫類コーナーだって!」

 

「はぁ・・・ペンギンのところに行くんじゃなかったのか?」

 

「時間見てなくて・・・次は三時間後だって」

 

 

テヘッと笑うサクヤに、再び大きなため息をつく。時々見せる子供っぽさが可愛くもあるのだが、普段のしっかりした彼女が完全に鳴りを潜めてしまうので大変なのだ。

とはいえサクヤ一人で楽しんでいても意味がないし、サクヤに気を使わせてしまうかもしれない。ということでゲーガーも手近にあった展示を見る。そこにいたのはかなり細身の蛇で、緑の体色が周りに紛れていて探すのも一苦労だ。が、人形のセンサーを使えば擬態など無いに等しい。

 

 

「お、これか」

 

「え!? どれどれ!?」

 

「うわっ!?」

 

 

いつのまにか近くまで来ていたサクヤが、同じものを見ようとして顔を寄せる。すぐそばまで迫った思い他人の顔にたじたじなゲーガーだが、そのその気も知らないサクヤはさらに寄る。

 

 

(さ、サクヤさん! 近いって!)

 

「む〜〜・・・・全然見つからない・・・・・」

 

 

隅々まで探そうと目を細め、徐々にゲーガーの方に寄って行くサクヤ。それにドキドキしつつも離れられないゲーガーの内心はもう嵐のようである。

そしてついに、両者の距離が0になった。

 

 

フニュ

「ん? ひゃっ!?」

 

「わわっ!」

 

 

互いの頬がくっついたことで慌てて飛び退く二人。二人ともすっかり赤くなってしまっているが、幸か不幸か互いの顔を見れていないので気付かれていない。

だが、これまでにも似たようなことは何度かあったし告白までしているのだ。ここでいかなくてはハイエンドの名が廃る(?)と思い込み、意を決してゲーガーはサクヤに抱きついた。

 

 

「きゃっ! げ、ゲーガー・・・ちゃん?」

 

「せ、せっかく二人なんだ・・・・・い、いいだろ?」

 

「・・・・・・うん」

 

 

今日は客が少なくて本当によかった、そう思うゲーガーだった。

 

 

end




番外29-1
百十四話の前日談。ごめんよSKS、でもスキルMAXにするためには9回もスキル訓練がいるんだよ。

番外29-2
百十五話の後。G28の一日的な感じにするつもりだったが、気がついたらいつもの二人の話になっていた。9はハメを外すなと言われたが、416は言われていないのでセーフ(暴論)

番外29-3
百十六話の後日談。ちなみに執行人も傭兵として活動しており、そこそこの稼ぎがあるはずなのに金欠。
少女にとって、処刑人のシチューは特別なものなのだ。

番外29-4
百十七話の後。ちなみにこの後ちゃんとペンギンを見に行き、ペンギンを持ち上げたサクヤに「赤ちゃんを抱いてるみたいだな」と言って二人とも盛大に照れてしまう。
もし蛇に人並みの感情があれば、今頃砂糖を吐きまくっていうことだろう。
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