喫茶鉄血   作:いろいろ

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皆さま、明けましておめでとうございます!
本年も喫茶 鉄血をよろしくお願いします!


お正月編・A面

1月1日、新年の門出となるこの日は世界中でお祭り騒ぎとなっていた。年末のカウントダウンにはもちろん花火が上がり、小さな村から大きな街まで場所、人間も人形も問わず人々は歓喜に沸いた。

そんな一大イベントから数時間、初日の出も終えた朝に代理人はキッチンに立っていた。

 

 

「ふぁ〜・・・・おはようOちゃん」

 

「おはようございます、D。 よく眠れましたか?」

 

「うん、まだちょっと残ってるかもだけど・・・・・それ、朝食?」

 

「えぇ、皆さん結構遅くまで飲んでいたようですから軽めのものを」

 

 

年が明ける前から飲み始め、昔話や近況報告をネタに結構な勢いで飲んでいた人形たちは、年が変わったあたりから一人また一人と潰れていった。

まず眠くなった少女を連れて処刑人がリタイアし、ついで飛ばしまくっていた執行人とアマゾネスがダウン、このタイミングで代理人も先に休んだため後のことは知らないが、D曰く日の出くらいまで飲んでいた者もいるようだ。あとサクヤとゲッコーは途中から見ていない。

 

 

「あ、あとハンターとユウトも早めに寝たかな。 このあとはあっちに行くみたいだし」

 

「なるほど・・・では私もそうしましょうか。 Dはどうしますか?」

 

「う〜ん、もう少しこっちにいるかな。 マヌちゃんとゲッコーと一緒にいるつもり」

 

「わかりました。 ではそろそろ皆さんを起こしましょう」

 

 

代理人の指示のもと、ぐっすり眠っている仲間たちを起こしにいくD。部屋でちゃんと寝ていたのもいるが、大体は大部屋で雑魚寝・・・というか寝落ち状態だった。一通り起こして顔を洗いに行かせると、合流したリッパーとイェーガーと共に部屋を片付け、朝食の準備に取り掛かる。

まだ眠そうに目を擦りながらノソノソとやってきたのを椅子に座らせ、代理人が料理を運んで朝食を摂る。

 

 

「ゔ〜・・・頭痛ぇ・・・・」

 

「少し、飲みすぎたわね・・・・・」

 

「そういえばハンターとユウトは何時ごろ出られる予定で?」

 

「時間は決まっていないが、食べたらもう出ようかと思っている」

 

「あら? じゃあ二人は明日の朝帰りかな?」

 

「なんでそうなるかな・・・・というより姉さんこそ、するならちゃんと扉を閉め切ってからしなよ」

 

「その・・・・結構聞こえてたから・・・・・」

 

「「えっ!?」」

 

「・・・・・なぁ、朝から糖分過多じゃないか?」

 

「もう一年分の糖分を摂取した気分だね」

 

 

そんなこんなで朝食も終わり、ハンターとユウトは街へと向かう。処刑人たちも少し落ち着いてから街に遊びに行くようで、残りはダラダラと過ごすつもりだったようだがマヌスクリプトとアーキテクトが持ってきたボードゲームで時間を潰すことになった。

罰ゲームがどうこうで揉めていたようだが、正月くらいは見逃してやることにした。

 

 

「ふぅ・・・・さて、私もそろそろ行きますね」

 

「うん、片付けは任せていいよ!」

 

「会いたい人たちもいるだろうしね・・・・・特にM4とか」

 

「ふふっ、そうですね・・・・・では、行ってきます。 ゲーガー、少し車を借りますよ」

 

「あぁ、出て右に止めてあるやつだ」

 

 

ゲーガーから鍵を受け取り、車に乗り込んだ代理人はS09地区の司令部を目指して出発した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あけましておめでとうございます、M4」

 

「あけましておめでとうございます!」

 

 

特に何事も起こることなく司令部へと着いた代理人は、これまたトラブルもなく敷地内へと招かれ(なぜか顔パス)、通りすがった人形に道を聞いてM4の元へとやってきた。

彼女以外の小隊員が皆それぞれの想い人たちと過ごしているので、必然的に彼女は一人ということになる。

 

 

「こういうのはお節介かもしれませんが・・M4はいい相手とかはいないのですか?」

 

「その言葉、そっくりそのままお返ししますね」

 

「「・・・・ぷっ、ふふふ、あははは!」」

 

「・・・・・今年もよろしくお願いしますね」

 

「はい、今年もよろしくお願いします」

 

 

その後、道行く人形たちに挨拶しながら指揮所を目指す。とりあえず初めにM4の元へと向かったが、普通に考えれば指揮官が最初・・・なのだがそこは誰も気にしない。

そうして指揮所まで来ると、案の定というか入り口でいがみ合う指揮官ラブな人形たちに遭遇する。おそらく一〇〇式あたりが布教しているであろう晴れ着を身につけているが、残念なことにお淑やかさのかけらもない。

 

 

「皆さん、あけましておめでとうございます。 年明けから相変わらずですね」

 

「おけましておめでとうございます。 一年の刑は元旦にあり、ですよ」

 

「つまり、この日を制するものが一年を制す!」

 

「で、いざ行こうとして尻込みと?」

 

『うぐっ!?』

 

 

彼女らも平常運転なようで安心したところで、代理人がスタスタと入っていく。というか彼女らを待っていると日が暮れても入れそうになかった。

 

 

「あけましておめでとうございます。 突然押しかけてしまい申し訳ございません」

 

「ん、代理人か。 あけましておめでとう」

 

「元旦からお仕事ですか、グリフィンも大変ですね」

 

「部下が休むためには必要なことだ、異論はない」

 

「ふふっ、部下思いの指揮官さんですね。 では・・・・・」

 

 

そう言って代理人はポケットから小さな紙をとりだし、そっと机の上に差し出した。

 

 

「お店は三日から開ける予定です。 これはその時に使用できるコーヒー一杯無料券ですので、またいつでもお越し下さい」

 

「あぁ、ありがとう」

 

「いえいえ、それでは私はこのあたりで」

 

 

簡単だが挨拶を済ませると、代理人はくるりと踵を返して扉を開く。

が、入り口にまだ例の人形たちがいるのを確認すると、振り返って少し大きめの声でこうも言った。

 

 

「そうそう、その券ですが・・・・・ペアチケットとなっていますので、必ず『ペアで』お越し下さい」

 

『代理人・・・・・・』

 

「ん? そうか、わかった」

 

 

そんなある意味爆弾発言だけを残して部屋を去ると、次に向かったのは代理人が個人的にでもお世話になっている人形たちの部屋。

すなわち、404小隊の部屋である。

 

 

「失礼します・・・・・おや、やはりいましたね45さん」

 

「あら、代理人じゃない。 珍しいわね」

 

「新年のご挨拶にということです。 ところで、お一人ですか?」

 

「え? えぇ、何故かね・・・・・嫌な予感しかしないけど」

 

 

そう言うと途端にあたりを警戒し始める45。言わずもがな9と416は揃って出かけており、G11は面白いことを求めて彷徨っているか炬燵のある日本銃の部屋にいるだろう。ゲパードはそれを探し回っている頃だろうし、残る一名は朝から見ていない。

 

 

「ふむ、では何かが起こる前に用件だけ済ませておきましょうか。 あけましておめでとうございます」

 

「あけましておめでとう、今年もよろしくね」

 

「はい。 それと、この無料券も差し上げますね」

 

「・・・・三枚?ってあぁ、ペア券なのねこれ」

 

「ちょうど六人なので、これで大丈夫のはずです」

 

「いや、人数だけならそうなんだけd「ペア券なら私と行こうよ45!」・・・・ほらやっぱり」

 

 

まるでずっと聞いていたかのようなタイミングで現れる40に抱きつかれ、途端にゲンナリとした表情になる45。というか誰だって鼻息を荒げた奴に抱きつかれれば鬱陶しくなる。

 

 

「あ、代理人あけましておめでとう! 今度あたいと45で遊びに行くよ!」

 

「えぇ、お待ちしてますよ」

 

「とりあえず離れなさいよ40、私は今日はここから出ない予定なんだから」

 

「正月から不健康だよ45・・・・・あ、もしかしてあたいと一緒にいたいってこと? きょうはお邪魔虫(F45)もいないから遠慮はなしだよ!」

 

「ええぃとりあえず離れろこのシスコン!」ブーメラン

 

 

姉妹仲良くじゃれ合う様子に微笑む代理人。どさくさに紛れて40が脱がしにかかっているが、止める様子はないようだ。

 

 

「ちょっ!? 40どこ触って・・・」

 

「45、胸って揉まれれば大きくなるらしいよ」

 

「それ迷信でしょ! つか年明け早々くらい自重しなさいよ!」

 

「45、一〇〇式からこんな言葉を教えてもらったんだ・・・・・・姫はj「ストッッッッップ!!!」

 

「ふふふ、では私はお邪魔のようなのでこのくらいで」

 

 

45が助けを求める声を都合よく聞き逃し、代理人は部屋を後にする。

そろそろ帰ろうかと思い玄関まできたところで、突然後ろから呼び止めれた。

 

 

「代理人!」

 

「ん? あら、ダネルさん」

 

 

そこにいたのは代理人一筋ガールのNTW−20、ダネルだ。そういえば久しく会ってなかったなぁと思っていると、そのダネルが代理人の目の前までやってきて、

 

 

「あけましておめでとう代理人、私と付き合ってくれ」

 

「あけましておめでとうございます、それとごめんなさい」

 

 

速攻でフラれた。という流れも久しぶりだがいつものことなので、互いに気まずくなることもない。

 

 

「ふふっ、あなたを振り向かせるにはまだ早かったようだ・・・・だが、この一年で必ず振り向かせて見せるぞ!」

 

「その抱負は叶いそうにありませんが・・・またいつでもお待ちしてますよ、お客様として」

 

「あぁ、またお邪魔させてもらうさ」

 

 

そうして最後はダネルに見送られて、代理人は司令部を去るのだった。

 

 

end




はい皆さん、あけましておめでとうございます(もう夜)
今年も喫茶 鉄血を、よろしくお願いします!

今回は代理人のお話で、次回はハンターとかユウトとかの話を予定してます。
書きたい話が結構あるので、もしかしたら今月ずっと正月回かも笑

では今回のキャラ紹介!

代理人
ゆっくりするとは言いながらじっとしていられない主人公。
基本真面目だが、楽しむときはちゃっかり楽しむタイプ。

M4
AR小隊が彼女を除いて彼氏彼女持ちになっているが、本人はあまり気にしていない。誰にでも優しいが恋愛に発展しにくい、男泣かせなタイプ。

指揮官ラブ勢
いつものメンツ。年末は怖気付いて年始も怖気づくあたりあまり成長していない。いがみ合っているが仲が悪いわけではなく、この後みんなで初詣に行った・・・・・神社は日系人と一〇〇式らが建てたもの。

指揮官
部下を休ませるために働くという上司。そのため指揮官と楽しみたい人形は何とかして仕事させないようにする。
シンプルに休み方が下手なタイプ。

45&40
正月をグータラで過ごそうとする人形たち。部屋で寝転びながらテレビを見て、時々起きてご飯を食べてまた寝転ぶ。
基本暇な部隊なので休み方は心得ている。

ダネル
代理人に明確な好意を抱く唯一の人形。
脈はないが……まぁ頑張れ
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