喫茶鉄血   作:いろいろ

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シスコン会が有耶無耶になった今、FALの心労は消え去った・・・・・とでも思っていたのか?

FAL「っ!?」


第百三十七話:シスコン担当員FALさん

兄弟姉妹、というのは特別な存在である。家族という単位の中でもさらに親密な関係で、自分と似ていながら全く似ていない、不思議な相手である。

血のつながりがない、もしくは親が違うこともあるが、それでも似るところは似てくるというのは面白い関係に思う。

姉妹銃という区分を持つ戦術人形たちにも、これが当てはまることが多い。性格が全く似ていないカルカノ姉妹、容姿の共通点がほとんどないPKとPKP、逆に見た目が結構似ているUMP姉妹などなど・・・・・そんな彼女たちも、姉妹という特別なつながりを大切にするのだ。

 

そして、その姉妹愛が時には行きすぎたものになるなどしょっちゅうのことである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「代理人、コーヒーをもらえるかしら?」

 

「あらFALさん、あけましておめでとうございます」

 

 

年明け開業から数日、ふらっと現れたのはこの喫茶 鉄血常連客の一人であるFAL。相棒のフェレットを肩に乗せ、相変わらずのセンスで着崩した服を身にまとう。

そんな彼女だが、この店で常連と呼ばれる原因の大半には他の人形たちの存在がある。が、見渡す限りそんな集まりがあるようには見えない。

 

 

「あ、今回は普通に客としてきたのよ。 ここ最近大人しくなってくれたしね」

 

「それもそうですね・・・・・あとは、MG34さんくらいですか?」

 

「本部に(MG42)と一緒に送られたわ。 これでもう一安心ね」

 

「あらまぁ、それはおめでとございます」

 

「ふふっ、ありがとう。 あぁ、ついに胃薬のいらない日がやってきたのね!」

 

 

まさに感無量、といった感じで喜びをあらわにするFAL。決して彼女は例のシスコン会を嫌っているわけではないが、不毛な議論に巻き込まれては収拾をつけなければならなくなる心労というものは如何ともし難いのだ。

相棒のフェレットは主にそんな彼女の癒しとして機能してはいるのだが、FALの悩み自体をどうにかすることはできないので、これで本当に解放されたと喜んでいる。

 

 

「これなら今年一年は安泰ね。 そのまま45がゴールインしてくれれば言うことないわ」

 

「・・・・若干フラグみたいなことになってますよFALさん」

 

代理人が苦笑しながらそう言うが、上機嫌なFALにはもう聞こえていなかった。まぁ一時の彼女は本当に疲れ切っていたので、今の様子は代理人としても喜ばしいのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

が、どうやら天はFALには優しくないようである。

 

 

「こんにちは代理n・・・・・あっ、いた!」

 

「? どうしました40さん?」

 

 

妙にそろ〜っと入ってきたのは、404小隊の新戦力にして新たなシスコンのUMP40。そんな彼女は店内を見渡し、ある人物を見つけるとササっと駆け寄った。

 

 

「あなたがFALだね?」

 

「・・・・・・え? 私?」

 

「うん。 実は相談したいことがあって」

 

 

相談、その一言で見る見る目が死んでいくFAL。しかも現れたのがあの45絡みでシスコンの40。今年は良い年を迎えられたという喜びから一転して、FALは新年の到来を呪いたくなった。

流石に不憫なので、代理人も助け舟を出す。

 

 

「あの、40さん。 何かお困りごとなのでしたら私も相談に乗りますが?」

 

「本当!? でも、こういうことはFALに相談した方がいいって聞いたから」

 

「「・・・・・それ、どなた(誰)に?」」

 

「え? G11だけど」

 

「あんの愉悦人形がぁああああああ!!!!!」

 

 

ついにFALがブチ切れた。目の前の40はまだ付き合いがそこまで古くもないので詳しくは知らないが、G11といえば面白いことには首を突っ込み、さらに炎上させるという一部の間では要注意人形である。早い話が、起爆剤と燃焼剤がマッチを持って彷徨いているようなものなのだ。

 

 

「アイツゼッタイユルサナイ」

 

「心中お察しします・・・・・ですが、別に彼女でなくてもいいのでは?」

 

「う〜ん、でも誰に相談すればいいかわかんなくて・・・FALなら親身になって聞いてくれるって、G11が」

 

「うぅ・・・・私の、平穏な一年はどこに・・・・・」

 

 

泣く泣くコーヒーを啜るFALだが、流石に40をそのままにしておくのもアレなので隣に座らせる。なんだかんだ面倒見のいい彼女は放っておけないのだ。

コーヒーを飲み干し、おかわりと追加で40の分も注文したFALは、気持ちを切り替えて40の話を聞き始めた。

 

 

「・・・で? どういった悩みなのかしら?」

 

「えっと、実は今度45とデートに行く約束をしたんだけど、正直どこに行けばいいかわかんなくて・・・・」

 

「意外とまともな相談・・・・じゃなくて、それはあなたと45の二人だけなのよね?」

 

「うん。 今度はF45に邪魔させないよ!」

 

 

そう、と呟くとFALは真剣に考え始める。シスコン相手なので少々不安ではあったが相談自体は至ってまとも、ならば真面目に答えてやらねば失礼だ。

これでもそれなりにセンスがあることを自負しており、さらに傷心旅行みたいな感じであちこちに遊びに行っているので割と詳しい。

 

 

「ふふっ、真面目に相談には乗ってあげるんですね」

 

「まぁね。 さて、まず単刀直入に言うけど、あなたに対する45のイメージは決して良いものではないわ」

 

「うっ・・・・や、やっぱり?」

 

「自覚はあるのね、じゃあ結構。 というわけで今回のデートでは、あまりがっつかないようにするのを心がけましょう」

 

「がっつかない・・・・・それってどこまでがセーフ?」

 

「手を握るとか・・・・・アーンくらいかしら?」

 

「え、チューは?」

 

「まだ早いわよ」

 

「そんなぁ〜・・・」

 

 

アーンも早いと思います、と言おうとした代理人だがとりあえず黙っておいた。確かに現状45と40の関係は姉妹愛であり、恋愛ではない。とりあえずしばらくは45の警戒を解くのを優先するべきだろう。

 

 

「でしたら、映画やショッピングはいかがでしょうか? それだけでも十分楽しめるものなら、関係改善もうまくいくのでは?」

 

「そうね。 ただ映画なら恋愛モノは避けて、ショッピングは相手の選びたいものに任せるのが条件だけど」

 

「なんでその条件?」

 

「あなたが暴走するからよ」

 

「しないよ!? ・・・・・・・多分」

 

「「多分って・・・・」」

 

 

この辺りの積極性はさすがシスコンだと思うFALと代理人。とは言え、幸いなのはまだ比較的まともな部類(比較対象:去年始めの方の45)なので治そうと思えばなんとでもなる。このまま上手いこと更生できれば、将来的に降りかかる火の粉を抑えることができるはずだ。

もっとも、相談に乗った時点で「困ったら相談=FAL」という図式になってしまっていることには気付けていないのだが。

 

 

「まぁいいわ。 とにかく、今回は変な気を起こさなければ大丈夫よ、できる?」

 

「うん!」

 

「よろしい。 ならこれ以上言うことはないわ、頑張ってきなさい」

 

 

そう言って40を追い返し、再びコーヒーを啜る。

 

 

「慣れてますね」

 

「嫌でも慣れるわよ・・・やってみる?」

 

「あら、その場合はうちのマヌスクリプトとアーキテクトの二人と交換ですね」

 

「遠慮しておくわ」

 

「代理人それ酷くない?」

 

 

奥からひょこっと顔を出したマヌスクリプトがそう文句を垂れる。

何はともあれ、今回は比較的穏便に済んだようでFALの胃が痛むこともなかったようだ。代理人もホッと一息つき、またコーヒーのおかわりを注ぐのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガチャッ

「ふぁ、FALさん! 今度45お姉ちゃんとデートするんだけどどうすれば!?」

 

「ちょ、ちょっと今度は何よ!? つかなんで私なのよ!」

 

「だって相談するならFALさんだってG11が!」

 

「ぬがぁあああああああああ!!!」

 

 

end




すまんなFAL、今年も君の扱いは変わらんよ。
そろそろG11にお灸を据えねばならないかもしれませんね笑

では今回のキャラ紹介!

FAL
シスコン絡みで苦労を背負い込む胃薬愛用人形。
他にも、とある事情により指揮官ラブ勢からも目をつけられている。

代理人
代理人ができるのは、コーヒーを出すことくらいである。

UMP40
初めはシスコンではなかったようだが、長年会えなかった間に想いが募りこじれてこうなった。
本人曰く、気がついたら手を出していたらしい。

F45
初めは40への対抗意識だけだったが、気がつけばかなり積極的になってしまった。
酒の勢いがかなり強いのが特徴。
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