喫茶鉄血   作:いろいろ

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頭で思い浮かんだことがそのまま入力されればいいのに、と思う今日この頃。

というわけで今回は、
・サクヤのお年玉作戦!
・シスコン相談、延長戦
・G11の逆襲
の三本です!


番外編34

番外34-1:サクヤさんのお年玉作戦!

 

 

「お年玉をあげたい!」

 

「お、おう・・・・・」

 

 

正月もガッツリ過ぎたある日のこと、一人うんうん唸っていたサクヤが突然立ち上がるとそんなことを言い出した。同じ部屋で作業していたゲーガーも突然のことに生返事を返すしかなく、とりあえず十分に言葉の意味を噛み砕いた上で聞いてみた。

 

 

「えっと・・・サクヤさん、それは一体どういう意味だ?」

 

「え? そのままの意味だよ?」

 

 

そこから順を追って説明し始めるサクヤ。まず彼女は言うなればハイエンドたちの親のようなものであり、実際に彼女たちを娘のように可愛がっている。そして前の世界では果たせなかった親という役割、その中でもいかにも親っぽいイベントとして思い浮かんだのが、お年玉だということらしいのだ。

最後まで黙って聞いていたゲーガーだが、さすがに頭を抱えてため息をついた。

 

 

「・・・・・サクヤさん、気持ちは嬉しいがまず()()()はあなたが作った()()()()とは違うんだ。 それにみんなそれぞれ稼ぎ口もあるし、もう自立しているからお年玉もいらないだろう」

 

「え〜、でもどれだけ歳を重ねても私の大切な娘たちには変わりないよ!」

 

「それそうだが・・・・・・」

 

「ヤダヤダお年玉あげたーい!」

 

 

ついに駄々をこね始めた。表向きは理知的やら優しいお姉さんで通っているサクヤだが、根っこは若干我慢の効かない子供っぽい面もある。

 

 

「わかったわかった・・・・で、誰にどれくらいとかは決めているのか?」

 

「え? 欲しいだけあげれば良くない?」

 

「それは過保護と言うんだ」

 

 

まぁ彼女らに限って膨大な額を要求することはないとは思うが。

ともかく、このまま見過ごせばダメ人形製造機になりかねないが、かと言って無理やり止めるとそれはそれでサクヤが悲しむ。なんとかしてあげたいと思うゲーガーだったが、あれこれ考えているうちに事態はさらに悪化した。

 

 

「話は聞かせてもらったよサクヤさん! 私もお年玉が欲しいな!」

 

「フンッ!!!」

 

「アベシッ!!!」

 

 

最悪のタイミングで転がり込んできたアーキテクトを殴り飛ばし、これ以上余計なことを口走る前に追い出そうとする。

が、結局それも間に合わなかった。

 

 

「いいじゃんゲーガー! お年玉は子供だけって言うのはもう時代遅れだよ!」

 

「そうだよね! やっぱりそうだよね!? ほら、アーキテクトも言ってるよゲーガー!」

 

「というわけでサクヤさん、ギブミーお年玉!」

 

「はいはい、もちろんあるよ・・・・・いくら欲しい?」

 

「コラーーーーー!!!」

 

 

結局、上限を設けた上で次に訪れたときに渡すことにした。

 

 

end

 

 

 

番外34-2:シスコン相談、延長戦

 

 

「ねぇFAL、相談があるんだけど」

 

「・・・・・はぁ〜〜〜〜〜〜」

 

「なによそのため息は」

 

「いや、別に」

 

 

素敵な休日の午後を満喫していたFALは、そんな彼女の天敵とも呼べる相手によって平穏を失った。

つい先日UMP40とF45の相談に乗ったというのに、今度はその原因であるUMP45からの相談である。そりゃため息もつきたくなる。

 

 

「で、今度もまた妹絡み? あなたの場合は溺愛し過ぎてるだけだし適切な距離を保てば解決するわよ」

 

「なるほどなるほど・・・・って今回は違うわよ!」

 

「・・・・・じゃあなによ?」

 

 

なら珍しくまともな相談か、とFALは改めて椅子に座り直し、45の言葉に耳を傾けるべく注意する。

45は初めはなかなか話始めなかったが、やがて意を決したか深呼吸して話し始めた。

 

 

「・・・・・実は、40とF45のことなんだけど」

 

「OK、あの二人なら心配ないわ。 というわけで帰りなさい」

 

「ちょっ、待っ、いいから聞きなさい!」

 

 

席を立ってどこかに行こうとするFALにしがみつく45。結局妹絡みじゃないかと呆れるFALだが、一度乗ってしまった相談なので渋々椅子に腰を下ろした。

 

 

「・・・・で? 二人がどうしたのよ」

 

「いや、そのね、この前二人とデートにいたんだけど・・・・」

 

 

その時のことを事細かに話し始める45。要約すれば、二人ともこれまでとは別人のように大人しくなっており、久しぶりに純粋に楽しかったのだという。これに関してはFALのアドバイスが実を結んだのでよしとしよう。

が、問題はこの先だった。

 

 

「その・・・・二人とも本気で思ってくれてるから、どうすればいいかなって」

 

「どうって・・・・・どっちとも選べばいいんじゃないの? AR-15とかみたいに」

 

「で、でも私たちは姉妹よ? それに、選ぶなら最愛の一人にするべきじゃない!?」

 

「あんた、意外とまともな感性してたのね・・・若干前時代的だけど」

 

 

そう言いつつ、相談自体はまともな部類なので一応真面目には考える。というかさっさとくっついてもらった方が今後の平穏のためにはいいのでもう答えも決まっているが。

 

 

「まぁあんたの考えはわかるけど、別に姉妹での恋愛がダメなわけじゃないわ。 というかペルシカ博士とSOPだって、言ってしまえば親子よ?」

 

「そ、それはそうだけど・・・・・」

 

「それに、あくまでモデルとなった銃が姉妹銃ってだけで、人形に血縁関係もないのだから気にする必要もないわ」

 

「た、確かに・・・・」

 

「あと一人を選ぶって話だけど・・・・・選んだ後の関係とか気まずくない?」

 

「うぐっ」

 

 

まぁちょっと卑怯な聞き方だけど、と胸の内で謝りながらもFALは続ける。

 

 

「それが嫌なら、もう道は二つに一つよ・・・・・両方選ぶか、どっちも選ばないか」

 

「そ、それしかないかな?」

 

「そうね、ちゃんとはっきり言わないと後でもっと面倒なことになるわね」

 

 

それを聞いた45は、黙って俯いてしまう。まぁ今まで妹一筋でやってきて、その妹が姉離れして、今度は別の妹たちから好意を向けられてとそれなりに忙しい時間を過ごしてきた。

自身の恋愛観について考えることなど皆無だったため、こうして悩んでいるのだ。そういう意味では、FALに相談したのは正解だったのだろう。

 

 

「・・・・・わかったわ。 今すぐ、は無理だけど、ちゃんと答えを出す」

 

「そう、お互い後悔のないようにね」

 

「えぇ、ありがとね、相談に乗ってもらっちゃって」

 

「これくらいならお安い御用よ」

 

 

満足のいく結果となったのか、45は来た時よりも軽い足取りで戻っていく。

それを目で追ったFALは、45の姿が見えなくなるとふぅ〜っと息を吐き、天を仰いで呟いた。

 

 

「恋、かぁ・・・・・いいなぁ・・・・」

 

 

end

 

 

 

番外34-3:G11の逆襲

 

 

あの惨劇から数日後、被害者であるG11は復讐の念に燃えていた。すでに主犯格のメンツは判明しており、一部へは簡単な嫌がらせも実行済みだ。

そんなG11がメインディッシュに据えたのは二人・・・・・発案者のFALと、アドバイザーのF11である。

 

 

「ふっふっふ・・・・・私を陥れたことを、後悔させてあげる!」

 

 

そんな自分の罪丸ごと棚上げ少女による復讐劇が、幕を開けた。

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

「・・・・・・・やぁFAL」

 

「・・・・・・・久しぶりねF11」

 

「そうだね・・・・・お互い面倒なことになってるようだけど」

 

 

とある日、S09地区の小さなカフェで落ち合った二人は、互いの格好で色々と察した。ここ数日続く大小様々な嫌がらせと、チラつく影・・・・誰の仕業かなど分かり切っていたので、再び手を合わせようと立ち上がったのだ。

 

 

「あぁ、その、ジャージも似合ってるよFAL」

 

「センスのかけらもないけどね」

 

 

FALに対しての嫌がらせ、中でも一番大きかったのがこの服だ。なぜかいつもの服から私服に至るまで何もかもが没収され、代わりに入っていたのはコスプレとしか思えない服の数々。下着も全て子供っぽいものに変わっており、それなりに身嗜みに気を使うFALにとっては悪夢のような事態だ。

 

 

「そっちはまだいいじゃない。 まぁ晴れ着はもうシーズン過ぎてる感あるけど」

 

「服はまだいいよ・・・・服はね」

 

「ていうか他の服はなかったの?」

 

「浴衣とか振袖とか・・・・・そんなのばっかり」

 

「それがなんで晴れ着なのよ、動きやすいのなら浴衣の方が・・・・・・あ、まさか・・・・」

 

「・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・下着?」

 

「・・・・・//////」

 

 

F11への報復はさらに面倒だった。同じく普段着やらなにやらは没収され、代わりに入っていたのはいわゆる着物の類。一人でも着られる簡易版だったのはいいが・・・・・着物は下着をつけないという話に則ってか下着類が全てなくなっていた。

ちなみに着物には着物の下着のようなものがあるそうだが、そんなことくらいG11は知っている。そして当然のように無視した。

 

 

「うぅ〜〜・・・こんなの痴女一歩手前だよぉ」

 

「それは災難ね・・・・とりあえず、私の部屋に来る?」

 

「・・・・・うん」

 

 

そうして周囲からの視線に晒されながら、なんとか宿舎のFALの部屋へと戻ってくる二人。意識すればするほど羞恥心に苛まれたF11を座らせ、FALは自分の下着を渡すためにタンスを開き・・・・・・中身が空っぽなのを見てブチ切れながら閉めた。

 

 

「あんの性悪人形!!! どっかで覗いてんじゃないの!?」

 

「うぅ・・・もうやだよぉ・・・・・・」

 

「あぁほら、泣かないでよ。 とにかく、もう他の人形に頼るしかないわね、行きましょう」

 

「グスッ・・・・・」

 

 

F11の手を引き、部屋を出るFAL。とりあえずこういう時に頼れるAR小隊か、もしくはG11への抑止力である404小隊の部屋にでも行けばなんとかしてくれるかもしれない。

が、G11にとってはそれすらも折り込み済みだったようだ。

 

 

「ぅぉおねえさまぁああああああああ!!!!!!!」

 

「へ? ぎゃっ!?」

 

「うわっ!?」

 

 

横あいから何かが飛びつき、二人を押し倒す。それはつい先日に協力してもらった、ゲパードである。

 

 

「・・・・・あれ? お姉さまじゃない」

 

「いてて・・・・どうしたのよいきなり」

 

「いえ、こちらからお姉さまの香りがしたので」

 

「香りって・・・・・」

 

 

あんたは犬か何かなの?という疑問を思い浮かべる二人。とりあえずゲパードには退いてもらい、FALはF11を起こそうとした・・・・・ところでさらなる闖入者が現れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうした? なにか大きな音が聞こえたが?」

 

「あ、指揮官」

 

「む、ゲパードか。 それにそこにいるのはFALと・・・・・!」

 

 

ゲパードを見やり、ついで二人に視線を向けた指揮官は、首が折れそうな勢いで視線を逸らした。ここの指揮官は決して人形を差別するような人物ではない。まして顔を合わせようとしないことなど皆無だ。

となると、視線を逸らした理由は他にあり・・・・・・

 

 

「・・・・っ!? きゃぁあああああああ!!!!!」

 

「あっ! 見るなこの変態指揮官!」

 

「ま、待てFAL、誤解dグホッ!?」

 

「義姉さまにそんな趣味が・・・・・」

 

「ないよっ!? 断じてないよっ!」

 

 

その後、あまりにも度が過ぎるということでAR小隊・404小隊総出でG11の捕縛作戦が決行され、丸一日以上の説教コースが下された。

ちなみに、F11はショックのあまりしばらく引きこもってしまったと、F45から連絡があったという。

 

 

end




いかん、このままではFALがヘリアン化してしまう!(他人事)
決して残念美女とかではなのでそのうち相手を決める予定ですが・・・・・誰がいいだろう。 あえての鉄血組かな?

さて、では早速各話の紹介!

番外34-1
お年玉って響き、いいですよね。お金をもらっても罪悪感を感じないところが。
ちなみにハイエンド組で明確な職を持たないのはイントゥルーダーだけ。

番外34-2
亀の歩みよりも遅い45たちの関係がちょっとだけ進展しました。
FALが胃薬から解放されるのも近い・・・・・かも?

番外34-3
↑でそんなことを言ったのにこの様だよ!
ところで人形の中に明らかに履いてないこ娘がいるんですが、IoPの幹部はなにを考えているんでしょうかね?(歓喜)
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