コロナウイルスのニュースが連日流れていますが、個人的に思うのは『過剰に反応しないこと』ですね。うがいと手洗い、あとはそこまで『気にしない』こと。病は気からですよ!
それはともかく、今回のラインナップは
・これは看病です、下心なんてありません!
・ダメ人形製造機(AK-12限定)
・相棒たちの日常
・ノインの旅路XX
の四本です!
番外36-1:これは看病です、下心なんてありません!
代理人が食事を用意しに行き、ユウトの体を拭くようにと言われたM16とRO。
二人の理性と欲と願望と恋心の試練が、今始まる!<カーン
「・・・・・ど、どうする?」
「どうするって・・・い、言われた通りにした方が・・・」
「そ、そうだな! じゃあとりあえず・・・・脱がせる?」
「「・・・・・・・・・」」
「ね、ねえ二人とも、体を拭くぐらいは自分でもできるから」
わかりやすくテンパった二人に、ユウトは助け舟(?)を出す。自分でパジャマのボタンを外し、上半身を裸にして濡れタオルを手に取るが見るからに気怠そうで、正直むやみやたらと動かさない方が良さそうに思える。
こうなると流石に気恥ずかしいだのなんだのとは言ってられないので、二人とも恐る恐る体を拭き始めた。
「ち、力加減とか、大丈夫ですか?」
「い、痛かったら言ってくれよ?」
「だ、大丈夫です・・・・」
「「「・・・・・・・・・・」」」
黙々と拭き続ける二人と、黙って拭かれるユウト。互いに一言も話さないのは、なんとなく何を話しても会話が続きそうになかったからだ。
そんなこんなで十数分、あらかた拭き終えたというところで、ROが突然手を止め俯いた。
「え、M16・・・・・」
「ど、どうした?」
「その・・・・・『下』はどうしますか?」
「「・・・・・・え?」」
上半身を綺麗にした、となれば当然もう片方もというのは道理だ。が、ここにいる三人は初心なカップルである。
M16とROの視線がユウトの
「ふ、二人とも、こっちは自分でしますから」
「い、いやユウト、これは看病だ!」
「そ、そうです! そして一度始めたからには、途中で投げ出すわけには!」
「ちょっ、待っ、わぁああああああ!!!!」
「いけ、いけっ! 押し倒せっ!・・・・・あ〜ヘタレたかぁ〜」
「覗きはいい趣味とは言えないぞサクヤさん」
「見守ってると言って欲しいなゲーガーちゃん♪」
end
番外36-2:ダメ人形製造機(AK-12限定)
戦術人形、ANー94の朝は早い。この時期だとまだ日が昇るかどうかぐらいの時間に目を覚まし、スヤスヤと眠るAKー12の寝顔をたっぷり十数分鑑賞する。そして彼女を起こさぬようにそっとベッドから出ると、身支度を整えAKー12の服を畳んでおく。
「おはようございます、代理人」
「おはようございます、ANー94さん」
AKー12を起こす時間は大体決まっている。それまでの時間は喫茶 鉄血の開店準備を手伝うのが日課だ。といっても正式な従業員ではないANー94が手伝えることは少なく、せいぜいがテーブルを拭いたり表の掛け札をひっくり返したりする程度だ。
別に手伝わなくてもいいと代理人からは言われたのだが、居候という身分なので少しでも何かしたいらしい。
「さて、それでは朝食にしましょうか。 すみませんが、起こしてきてもらえますか?」
「はい、了解です」
店の準備もあらかた終えると、全員揃って朝食を取る。以前はほとんど不規則な時間だったようだが、AK-12が来て以降は出勤時間に合わせて時間を決めるようになった。
AK-12の部屋へと向かい、彼女を起こす・・・・・の前に、ここでもその寝顔をたっぷり鑑賞しておく。見飽きるものでもないし、なんだったら一生見てられるとANー94は語る。
「ふぅ・・・・・・AK-12、朝ですよ、起きてください」
「うぅん・・・・・あと十分・・・・」
「ダメです、朝食が冷めると代理人が怒りますよ」
「・・・・・・ぅ〜〜〜〜〜」
そう言うとようやくのそりと起き上がる。寝ても覚めてもまぶたは閉じたままだが、雰囲気で眠そうだというのは伝わるのだ。
AK-12がベッドに腰掛けると、ここからはANー94の仕事。まず用意しておいた濡れタオルを渡して顔を拭いてもらい、その間に櫛を手に取って髪をとく。寝癖になりにくい髪質ではあるが、それでもボサボサでは格好がつかないので、念入りに整える。それが終わると、今度は畳んであったAK-12の服を広げて順番に着せていく。これもここ数日で慣れたもので、AK-12がほとんど動くこともなく着替えが終わる。
「ほら、行きますよ」
「はいはい・・・・ふぁ〜〜〜」
大きなあくびをかますAK-12の手をとって階段を降りていく。まだ眠たげな様子なので慎重に誘導し、椅子を引いて座らせる。
「揃いましたね。 では、いただきます」
『いただきます』
こうしてようやく朝食が始まる。AK-12も食べると目が覚めるので、あとはもう時間になれば出勤するだけだ。
「・・・・・ANー94」
「はい、なんでしょうか?」
「親切にするのは構いませんが、甘やかせるのは違いますよ?」
「え? いつしてますそんなこと?」
「・・・・・・・いえ、なんでもありません」
「???」
end
番外36-3:相棒たちの日常
グリフィンの各司令部は、その需要やら要望やらに応じて施設や設備に差異がある。もちろん基本的な作戦室やデータルーム、食堂や宿舎はどこも完備してはいるが、一方で人形個人が使用もしくは申請しているスペースは基地によって異なる。スプリングフィールドのカフェはその部類であり、他にも農場やカラオケ、カジノにトレーニングルームにはたまた温泉などなど・・・・・言い出せばキリがないほど自由なのだ。
そんなある程度の裁量が認められている各司令部において、作戦とは全く関係ないにもかかわらず全ての司令部に設置されているものがある。それが、『救護室』と呼ばれるものだ。
「みんなおはよ〜・・・おや?」
「あら、ファルコンじゃない。 ピーちゃんの様子でも見に来たの?」
「えぇ、まぁ。 あとピーちゃんじゃないです」
妙に間延びした声で入ってきたのは、ライフル型戦術人形のファルコン。その彼女を出迎えたのは、日頃の心的ストレスの癒しを求めて救護室に入り浸るFALだ。二人とも相棒の動物をここに預けており、その様子を見がてらここで預かっている動物たちの世話をしている。
ここに集められたのはなんらかの理由で保護された動物たちだ。捨てられたり飼えなくなったり、はたまた飼い主に不幸が起きたりなど理由は様々だが、処分するのも可哀想だということでグリフィンは積極的に受け入れている・・・・・まぁ一応アニマルセラピーのように機能しているので善意だけというわけではない。
「まぁいいわ。 じゃああっちの鳥類エリアの掃除をお願いしていいかしら?」
「わかりました」
ファルコンはそう返事を返し、掃除用具を持って隣の区画に移動する。動物、と一口に言ってもその種類は様々で、生態系の捕食者被捕食者が混ざらないように細かく区切られている。
「さて、まずはみんなを外に出して・・・・・・あれ?」
鳥類エリアでも最も広い『猛禽類』コーナーへとやってくると、ふと違和感を感じた。いつもなら真っ先にやってくるはずの相棒が来ないのだ。不思議に思って視線をあげてみると・・・・・
「あらら・・・・・・・」
ファルコンの視線の先、この広い鳥籠のほぼ天井付近の止まり木に止まっている相棒は、ほかのことなど一切見向きもせずに一点だけを見つめていた。
その一点、つい先日新たに加わった大型の猛禽類、戦術人形Ballistaの相棒のリンである。
「おーい二人とも、降りておいでー」
ファルコンが呼んでみるが反応なし。それもそのはず、彼らは今まさにここのボスを争っているのだ。
鷲や鷹などの猛禽類は、言うなれば空の王である。よって誰よりも高く飛び、そん背中が狙われることなどない。あってはならない。というわけで分かりやすく相手の上を取り続けるうちに、もう上までいけないところまで来てしまっているのだった。
『オメェ、新入りがでかいツラしてんじゃねえぞ、あぁ?』
『ハッ、でかいツラなんてしてないさ。 俺の方が偉いのは事実だからな?』
「変なアテレコやめてくださいFALさん」
「あとリンはそんな不良みたいなことは言いません」
FALのどうでもいいアテレコに、後から来たBallistaも一緒にツっこむ。そして短く一度口笛を吹くと、それまで睨み合った(?)ままだったリンはBallistaの肩に降り立つ。そこでようやくファルコンの相棒も下に降り、それに続いてほかの鳥たちも降りてきた。
「あら、やっぱりそっちの方がボスなのね」
「そんなマフィアみたいな風に言わないでくださいよ」
「それを言ったらFALさんのフェレットだってそうでしょ?」
「え? そうよ?」
それが何か、と首を傾げるFAL。それにファルコンとBallistaは二人揃ってため息をつくのだった。
end
番外36-4:ノインの旅路XX
季節は冬、冬といえば雪。
そして雪と聞いて、諸君らは何を思い浮かべるだろうか?私ならそう・・・・・全てを凍てつかせる極寒の世界だ。
「そんなこと言ってないでちゃんと道案内してよ!!!」
「む? お気に召さなかったか我が主。 少しでも寒さを紛らわせようとしたのだがな」
「それで紛れるような生易しいものじゃないよ!?」
世界中を旅すること、もうすぐ一年になろうかというノイン。いつも通り太々しいダイナゲートを引き連れた彼女は今、真冬のロシアにいた。といっても流石に冬のロシアを突っ切ろうとは考えておらず、動ける程度に温かくなってから移動しようと考え、途中の町に腰を落ち着けたのだ。
今日は少し遠出して観光していたのだが、運の悪いことに帰り際に天候が急変、吹雪を通り越してホワイトアウトになってしまった。
「ひぃいいいい寒いいいいいいい!!!」
「ふむ、どうしたものか」
「ってまさか迷ったの!?」
「いや、それは問題ない。 だがこの吹雪で移動は危険すぎるだろう」
「それはそうだけどこのままここにいても凍死するだけだよ!?」
とる世界において戦術人形UMP9として活動していたノイン。だが義手にした片腕以外はちょっと丈夫な程度の人間であり、このままでは冗談抜きで凍死してしまう。
せめてどこかに避難を、と考えていたその時
「ん? 前方に反応、人形が二体だ」
「え? ほんと!? 誰でもいいから助けて!!!」
藁にもすがる思いで声をかけるノイン。相手が誰かもわからず声をかけるのは危険極まりないが、凍死とどっちか選べと言われたら迷わずこっちだろう。
そして幸いにも、全く見知らぬ人物というほどでもなかった。
「なんだ? っていうかお前UMP9か?」
「え、でも反応は人間だったわよアルケミスト」
「まぁそうだが・・・・・とりあえず玄関の前で死なれたら困るから入れ」
そう言って二人組、アルケミストとドリーマーはノインたちを招き入れた。立っていたのがちょうど二人の住むアパートだったのが幸運だったのだ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「へぇ、世界中をねぇ」
「はい、そろそろ一度戻ろうかと考えていますが」
「そっか、そりゃいい。 代理人も喜ぶだろう」
部屋に入ると、アルケミストは早速温めたミルクを渡す。毛布を何重にも包んで蓑虫のように固まったノインは、ようやく生きた心地がした。
「はふぅ〜〜〜・・・・・」
「くくっ、歳の割にしっかりしてるなとは思ったが、こうしてみると年相応だな」
「へ? そんなに子供っぽいですか・・・・?」
一瞬ムッとするノインに、アルケミストはケラケラ笑いながら違うと言い、ついでにちょっと膨らんだ頬に両手を当てた。
「子供っぽいんじゃない、お前はまだ子供だ。 どういう世界で生きてきたとかは生憎と私にはわからない。 だがこの世界は、子供は子供らしくしてりゃいいのさ」
少なくともここではな、と付け加えるとアルケミストもコーヒーを一杯飲む。言われた言葉をうまく飲み込めていないのかぼぉっとするノインだが、ふと我に帰ると一瞬ブルッと震える。流石にあの吹雪の寒さをミルク一杯程度では抑えられなかったようだ。
「ははっ! とりあえず風呂に入ってこい。 そのままじゃ風邪引くだろ」
「は、はい、お言葉に甘えて」
「固いって。 もっとフランクな感じでいいよ、ノイン」
「え、あ、はい・・・・いや、うん・・・・かな?」
「ま、それもゆっくり慣れりゃいいさ。 とりあえずさっさと入っちまえ。 ついでに背中も流してやるよ」
戸惑いながらも慣れようとするノインに、アルケミストはそう言って微笑む。そしてノインの手を引いて、一緒に風呂場へと向かうのだった。
『お? 脱ぐと結構あるな』
『へ? ちょ、ちょっとアルケミストさん!?』
『呼び捨てでいい、それかお姉ちゃんだ。 というわけで他人行儀の罰だ』
『ひゃぁあああああああ!!!!???』
「あんたのご主人がピンチのようだけど、止めなくていいの?」
「ふっ、主とて守られるだけの存在ではないさ。 あれぐらい自力でどうにかしてもらわねばな」
「ほんと、いい趣味してるわよあんた」
end
もうすぐバレンタインですね、楽しみです!だって書くネタがあるんですから!
・・・・・え?リアルな方?ちょっといいチョコ買って自分で食べますよ。
では今回の各話解説!
番外36-1
ユウトの看病の一幕。流石に病人相手だとちょっとだけ自重しないとね。まぁどうせバレンタインとホワイトデーでイチャつくし。
番外36-2
要介護人形。でもこれくらいだらしないお姉さんと暮らしてみたい、そしてこれくらいいっかりした妹にお世話されたい。
できれば下のお世話m(銃殺)
番外36-3
猫や犬はまだいい、鳩も問題ない。だがフェレットやらアザラシやらはおかしいだろ・・・・とずっと思っておりました。
Ballistaさんとゲッコー、いい感じのペアになりそうだと思うけどどうだろうか?
番外36-4
ノインちゃんは人間、だから成長する(どことは言わない)
アルケミストはなんか親戚のねーちゃんっぽいポジションが似合うと思うんだ。もしくは弟を揶揄う歳の離れた姉。