喫茶鉄血   作:いろいろ

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ネジの外れた科学者たちの熱い奮闘劇。

えっ?何を作るかって?
・・・・・察しろよ・・・・。


第十四話:激突!人間の可能性(前編)

「・・・新スキンのコンペだと?」

 

「はい、IoP主催で開催いたします。」

 

「また急な・・・で、言い出したのはどこのどいつだ?」

 

「17labです。」

 

「「「あぁ、あの変態か。」」」

 

 

久しぶりに行われたグリフィン人間会議(仮)。

前回(第五話)の制服スキンが成功を収め、いくつかの司令部ではすでに導入が始まっているなかで、新しいスキンについて話し合おうかと言った矢先のことである。

 

 

「スキンのコンペ、とは言っていますが他にも試作段階の人形や兵装の発表と展示も行われるそうですわ。 鉄血工造グループからも参加するそうです。」

 

「そっかぁ、アーキテクトがいるんだから当然っちゃ当然よね。」

 

「その辺りは放っておいてもいいだろう。 目下最大の懸念事項は・・・」

 

「17labが何を企んでいるか、ですね。」

 

「うちに話を回してくるってことは、要するにこのコンペで直接ぶつかるつもりね。」

 

 

その話の通りで、今回の発端は16labを(一方的に)ライバル視している17labの差し金であった。と言っても非合法なことなどするわけにもいかないので、公の場で叩き潰すつもりらしい。

・・・溢れ出る自信とぬぐいきれない不安が漂ってくる。

 

 

「連中が何を出してくるかはわかりませんが、相当な自信作であることは間違いありません。 よって、今回は我々も本気で挑むと同時に、新たな助っ人を呼びました。」

 

 

彼女たちです!とヘリアンが声を張り上げると同時に、いつから待機していたのか店の奥から二人ほど出てくる。

 

 

「・・・お久しぶりです、クルーガーさん。」

 

「ちょっと前まで追われる身だった私が、まさかグリフィンの重役の前に出るなんてね。」

 

「というわけで◯◯地区の指揮官、レイラと整備士のヴァニラです。」

 

「・・・あれ? ユノちゃんは?」

 

「裏で試供品をもらってますよ。」

 

 

現れたのは別地区の指揮官であるレイラと、ハッカーから人形整備士という異色のジョブチェンジを果たしたヴァニラである。

ちなみに今回の報酬はこの喫茶店での飲食全額負担、これにレイラが『娘の分も入れなさい』と強引にねじ込んで了承した。

その(ユノ)は裏で試供品を食べていることになっているが、実際は商品にも手を出しており、現在進行形で支払額が増えている。

 

 

「さて本題。 今回私たちが勝負するスキンは・・・これよ。」

 

「・・・バレンタインとひな祭り?」

 

「時期が近い以外何も接点が見えないんだけど。」

 

「あぁそれは問題ない。 バレンタインに関してはもともと話が進んでいたものだ。」

 

「で、今回のコンペに勝つにはあとひと押したりないと思い、考え出したのがひな祭りというわけよ。」

 

「・・・バレンタインは即決だったの、クルーガーさん?」

 

「・・・・・せめて人形からでもいいから貰いたいんだよ。」

 

「あぁもうそんな顔しないでくださいよ、私があげますから。」

 

「本当かっ!?」

 

「・・・話を戻すわよ。 服装自体はほとんど問題ないんだけど、どの人形を対象にするか決めかねててね。」

 

「一〇〇式以下日本由来の人形は決まりだな。 他となると・・・」

 

「元々の行事にちなんで子供っぽい人形にする方がいいのでは?」

 

「いや、雛人形そのものは大人のようだ。 その点はこだわる必要はないだろう。」

 

「でもそうなるとどこでインパクトを出すか・・・」

 

「男雛とか五人囃子とかならいいんじゃない? M16とかトンプソンとか似合うわよ(じゅるり)」

 

「「「それだ!」」」

 

「時期限定、となるとこのくらいの価格が妥当ですわね。 オプションで何かつけられますか?」

 

 

三人寄ればなんとやらというが、ものすごい勢いで話が進んでいく。あっという間にラフ画を書き上げ、それぞれが問題点や改善点を洗い出していく。

とその時、奥から代理人が困った顔で現れる。

 

 

「・・・あの、ペルシカさん。 もう着替え終わりましたが?」

 

「ん?・・・あっ、忘れてた。 連れてきてくれる?」

 

「かしこまりました。」

 

「・・・あんたうちの娘に何したのよ?」

 

 

訝しむレイラをよそに代理人は店の奥に消え、今度はユノの手を引きながら出てきた。

 

 

「う〜〜〜、この服重い〜〜!」

 

「「「「「!!!!!」」」」」

 

「どうよ?」

 

 

出てきたのは十二単に身を包んだユノ。

あっけにとられる客とドヤ顔のペルシカ、そして彼女を襲うアイアンクロー。

 

 

「いだだだだだだだだだだだだ!!!!!!!」

 

「何うちの娘を勝手に着せ替え人形にしてるのよ!」

 

「これ・・・いい・・・グハッ(鼻血)」

 

「ちょっとうちの子に欲情しないでよ!」

 

「ユノちゃ〜ん、はい、チーズ! ・・・これはいい値がつきますわ!

 

「はい没収っ!!」

 

「お母さん、どう?」

 

「よ〜〜〜〜く似合ってるわよユノ〜〜〜!(デレデレ)」

 

「あれが、母親の顔か・・・・ガクッ」

 

「・・・・・はぁ。」

 

 

目の前の惨状にただただため息が出る代理人。なおこのあと会議は無事終了し、16labはコンペまでの間の睡眠時間トータル一桁台を敢行することになる。

余談だが、この一件で代理人が着物の着付けができることが広まり、一時期着物ブームとなった。

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

「・・・IoPとの共同制作、か。腕がなるじゃない!」

 

「程々にしろよアーキテクト。 今回はグリフィンからの依頼でもある、おふざけは無しだ。」

 

「わかってるよゲーガー。 だから()()()()真面目だよ!」

 

「・・・・・()()()()?」

 

「あっ」

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

「我々は立ち上がるっ! 何故か!?」

 

「「「そこにロマンがあるから!!!」」」

 

「しかしそれは茨の道だっ! 君たちは何を差し出す!?」

 

「「「全てだ!!!」」」

 

「素晴らしいっ! では行こう! 世界に我々の技術を見せつけるのだ!!!」

 

「「「うおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」」」

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

「くっ、このままでは間に合わない!」

 

「諦めないで! これは私たちの悲願よ!? 必ず完成させるの!」

 

「各員! エナジードリンクの残量を確認しろ! ここからが正念場だ!」

 

「やってやる、やってやるぞ、五徹六徹がなんだ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後編へ続く

 




まさかの前後編。
描き始めた当初は一話に収まる予定だったんですが、ちょっと面白いことを考えたので分けました。
会話ばかりでどれが誰のセリフかわかりずらいことに・・・台本形式にしようかとも思いましたが、読者様の想像に委ねてみることにしました!

代理人以外全員人形という始末・・・ま、いっか。


ではでは解説を。

グリフィン人間会議
第五話以来の登場。
クルーガー・ペルシカ・ヘリアン・カリーナの人間組に今回はレイラとヴァニラ(ついでにユノちゃん)が合流。
グリフィンのトップがこんなとこにいていいのかと思われるかもしれないが、一応S09地区と喫茶 鉄血の視察という建前で来ている。

レイラ
コラボ回だけの予定だったが面白そうなので再度登場。
クルーガーからしてみれば自分の周りで数少ないまとも寄りな女性。
ヘリアンからすれば(元)既婚者という勝ち組。
娘にはとことん甘い。甘ーーーーーーーーーい!

ヴァニラ
同じくコラボ回から。
元作品と同様の変態。 この点に関してレイラは彼女を迎え入れたことを後悔しているほど。
整備士としての腕前はたしかで、整備の際の目や手の動きが怪しかったら鼻息が荒かったりするがほぼ完璧に修復、メンテナンスができる。
実に動かしやすい変態。

ユノ
コラボk(ry
みんなのマスコット。
可愛いは正義という言葉がよく似合う。
ハイエース?やれるもんならやってみろ。

ちょっと出てきた技術者たち
後編への布石。
今考えている『ちょっと面白いこと』が成功した際には出番がもらえるが、失敗したら出番はない。
16labがあるくらいだから1〜15もあるだろうという思いつき。



それでは、後編をお楽しみに!
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