これまで距離的に難しかったイベントに参加できる機会が訪れようとは・・・・・それまでにコロナが収束してくれることを願うばかりです。
そして今回のラインナップ
・需要過多
・酔いどれドールズ
・変化
・ダラけた部隊に喝を
番外40−1:需要過多
17labがダミー人形(ロリ)を開発した
そんな情報は驚くべき速さで司令部を駆け巡った。理由は言うまでもなく、
まぁつまり、そんなものを見れば暴走する人形が一定数いるわけで・・・・・
『あ、17labですか? 実はお願いしたいことが・・・』
『私のダミーも作っていただけませんか?』
『言い値で構いませんので』
こんな感じで、業務開始の朝から電話が鳴りっぱなしなのだ。問い合わせメールも殺到し、17labは一時的に大パニックに陥っていた。
もともと彼らもこういった自体は想定していたのだ。スプリングフィールドを巻き込んだ時点で他の指揮官ラブ勢が目をつけるなど愚問中の愚問である。
だが、事態はそれだけに止まらなかった。なにせダミーであれば多少の書類と手続きだけで申請できる上に、同性だろうが人形同士だろうが一切関係なく子供を作れてしまう。
『わ、私のダミーもお願いできるかしら・・・できればその、ハンターの要素も入れてくれると嬉しいんだけど』
『髪型はあたいで、顔立ちは45・・・あ、服はあたいと45のやつ両方で!』
こんな感じで、人形同士のカップルやその未遂の発注も多々あり、まだ技術試験中の段階であるにもかかわらず驚異的な需要を生み出していた。
「主任、どうしますかコレ?」
「とりあえず、認可待ちとしておいてくれ。 それと、指揮官や当人らでの合意を解る形で提示してほしいともな」
こうして、人形たちの暴走は一時的に収束されることとなる。この後このダミーについては『本人の趣味の領域』という区分になってしまい大層膨大な金額が設定されるのだが・・・・・そのせいで人形たちのモチベーションが跳ね上がったのは言うまでもない。
end
番外40−2:酔いどれドールズ
「でへへ〜、75おねえちゃ〜ん♪」
「ああもう、またかよ」
「あらあら、今度はかなり度数を下げてみたんですが」
週に一度のBar 鉄血、それを楽しみにやってきたCZ75だが、当然のようにSpitfireもついてくる。そして前回酔い潰れたことすら知らずに再び酒を口にし、また酔っ払ってしまっていた。
「こいつホントに酒ダメだな」
「そうですね、そしておそらく・・・」
「あぁ、今回のことも忘れるだろうさ」
ここのSpitfireは驚くほど酒に弱い。度数わずか数パーセントの酒で酔い潰れ、普段のきっちりとした雰囲気が吹き飛んでしまう。おまけに寝て目が覚めると酔っている間のことを綺麗さっぱり忘れてしまうのだ・・・・・記録領域ガバガバすぎやしないだろうか。
「まぁ帰りはまた背負って帰るよ、とりあえず水をくれ」
「はい、どうぞ」
代理人は水を渡し、別の客の元へと向かう。今日は客の入りが少なく、カウンターに座るのはCZ75とSpitfireの二人だけ。相変わらず壊れたラジオのように「75おねえちゃん」としか言わない妹の頭を、CZ75はそっと撫でた。
「んふふ〜、くすぐったいですよ〜」
「やれやれ、普段もこれだけ大人しかったらいいんだけどなぁ」
「・・・・75おねえちゃん」
「ん? なんだ?」
「・・・んふっ、なんでもないですよ〜♪」
「・・・・・まったく」
そう呟きため息をつくCZ75。
その表情は、紛れもなく姉として見守るものだった。
end
番外40−3:変化
最近、雇い主であるスケアクロウの様子がおかしい。
発端といえば今年の2月・・・後で思い出したがバレンタインとやらだったあの日だ。それまで他愛のない話で盛り上がれるくらいに話せていたのが、急にスケアクロウが挙動不審になり始めた。そのちょっと前からそういったそぶりがなかったわけではないが、ここまではっきりしたのはそれが初めてだった。
次の転機はその一ヶ月後。世間でいうところのホワイトデーだが、生憎世間一般の感覚に疎い俺は『お返し』の最適解を見つけられないでいた。で、どうやら不必要なことを言ってしまったようでしばらく雇い主はご機嫌斜めだった。
ところがつい先日、喫茶 鉄血で少し席を外した時にまたまた態度が一変していた。しかもそれ以降、何故かまともにこっちを見てくれなくなった。
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・・なぁスケアクロウ」
「な、なんでしょうか」
「正直俺の至らぬところがあるのは認めるけどさ、今度は何に怒ってるんだ?」
「べ、べつに怒ってなどいませんわ。 ただ・・・・」
「ただ?」
「〜〜〜〜っ、やっぱりなんでもありませんわ!」
そう言ってプイっと横を向いてしまう。ここ最近こんなのばっかりで、正直気が滅入ってくる。無理にでも問い詰めたいところだが、生憎今は運転中だ。脇見運転、ダメ絶対。
「・・・・・・レイさん」
「ん?」
「・・・次の街に着いたら、先に寄ってほしい場所があるのですが」
こっちから話しかけることはあっても、あっちから話すことは滅多に無くなってしまったのだが、珍しく向こうから声をかけてきた。というか、寄ってほしいところ?
「べつに構わないが・・・・またなんで?」
「で、できれば、聞かないでいただけたらと・・・・」
「? まぁいいさ、雇い主様の依頼だからな」
そう言うとなんだかまたムスッとしたような気がしたが、多分気のせいだろう。
S09地区を出た日、代理人のアドレスでマヌスクリプトさんとゲッコーさんから連絡をいただきました。
連絡、というよりかはアドバイスに近いものでしたが。
『そういえば次の公演、U02地区の方だよね?』
「え? えぇ、そうですが」
『ふむ、なら想いを伝えるには最高のタイミングだな』
『そうそう、なんたってそういう縁起のいい街だからね!』
「そういう・・・・・あ!」
『ふふふ、頑張るんだよスケアクロウ』
『補足するなら、その中でも東側にある高台の公園に行くといい。 街並みを一望できて雰囲気も申し分ないぞ』
誰かに背中を押してもらう、というのがこれほど力強いとは思っていませんでした。それにあの街に行くのは決定事項、なら後は覚悟を決めるだけ。
私はレイに気づかれないように、グッと拳を握り締めました。
end
番外40−4:ダラけた部隊に喝を
グリフィン特殊部隊「404小隊」。かつては
・・・・・・というのが世間での認識だが、悲しいかな特殊部隊というものはより難易度の高い任務に投入される。そしてここ最近のグリフィンの主な仕事といえば、管轄地区の警邏や護衛などなど。
はっきり言おう、彼女らの出番はほとんどないのだ。
「ま、そのおかげで楽できるんだけどね」
「楽しすぎてもう眠くもならなくなっちゃったよ」
「あたいは45の入れればそれでいいんだけどね〜」
「私もお姉さまといれれば〜」
そんな彼女たちは当然暇を持て余している。簡単な警備任務に駆り出されることもあるが、有事の際に不在では元も子もないので基本的に司令部に待機している・・・・・まぁ実際は街へ買い物に出かけたりしているのだが。
ピンポンパーン
『えー、404小隊の皆さんは至急指令室へお集まりください』
放送がなった瞬間、彼女らは即座に動き出す。乱れた服装を直しつつ髪を整え、司令室までのわずかな距離でものの見事に準備を終える。もっとも、これか『404小隊』として培ってきたものであるため、特殊部隊出ではないゲパードや40はやや遅れるが。
そして放送がなってからわずか数分、ほぼ移動時間のみで司令部の扉が開かれた。
「404小隊、二名を除き参上しました」
「ってあれ? 二人ともいるじゃん」
そこにいたのは404小隊の残り二名である416と9、そして45たちは見覚えのない白い人形・・・ジェリコである。
「ふむ、時間は守れるようだな」
「・・・・・ねぇ指揮官、この態度のデカいのはなんなの?」
「ちょっ、45姉失礼だよ!」
やたらと上から目線な人形にカチンときた45は、いつもの癖で辛辣な一言を放つ。知っている者からすればよくあることだが、そうでなければ怒りを買いかねない。
そして珍しく9がフォローに入る。よく見るとチラチラと顔色を伺うようにしてジェリコを見ており、一方の416は一切微動だにしないまま立っている・・・・・その日体から冷や汗が出ているが。
「? 二人ともどうしたのよ」
「45、お願いだから今回だけは静かにしてて」
416らしからぬほどの固い雰囲気に、45はさらに不信感を強める。場の空気はどんどん悪くなるが、そこでようやく指揮官が口を開いた。
「突然ですまないな。 彼女は本部の教導隊に所属するジェリコだ」
「はじめまして、404小隊の皆さん。 以後お見知り置きを」
本部の教導隊・・・それは各々の司令部が独自に編成している教導部隊とは訳が違う、人形の指導を専門とする集団だ。グリフィンではIoPから納入された人形はまず本部へと配属され、そこでの訓練ののちに各司令部へと配属される。その間の訓練を請け負うのが、彼女達『教導隊』である。その行動指針は、『配属即最前線』・・・要するに配属されたその日から戦力となるように、というものだ。
そんな教導隊様が一体なんのようなのか、と45は疑念を深める。
「あら、本部の教導隊様が何の用かしら? 言っとくけど、今更ご指導いただくようなことはないわよ?」
「あぁ、その件だが・・・」
「はい! それでは説明いたします!」
一触即発ムードが漂う中、まるでタイミングを見計らっていたかのように扉を開け放ちカリーナが姿を現す。まぁぶっちゃけ口下手というか必要最低限くらいのことしか言わない指揮官に説明させるよりかはまだなだめやすいだろう。
45は鼻をフンっと鳴らして引き下がり、ジェリコはまるで意に介さずに立ったままだ。
「まずジェリコさんは、本部からこちらに臨時で配属となっているため、特定の部隊への所属ではありません。 各司令部での訓練の質向上を目的としていますので、主に訓練への助言や補助をしていただきます」
「・・・・・じゃあ何で私たちが呼ばれたのかしら?」
今の説明だと、全体集会でも開いて伝えれば事足りる内容だ。あえて404を集合させる意味は無いと、45は言外にそう言った。
しかしそれに対し、カリーナは怪しい笑みを浮かべながらジェリコと指揮官を見る。ジェリコは相変わらず直立不動、指揮官も軽く目を合わせて頷いただけだ。
「実はですね、ジェリコさんはこちらに来られる前にHK416さん、UMP9さんのお二方と会っていまして」
「「・・・・・・・・・」」
「・・・・・二人とも、どうしたの?」
名前を挙げられた二人は、ジェリコと同じく直立不動のまま話を聞いている。二人とも素行が悪いというわけでは無いが、こういう会議やブリーフィングの際にビシッと姿勢を正して聞くタイプでは無い。というかそんなところを一度も見たことがない。
45の不審感が二人に向きはじめた頃、今度はジェリコが口を開いた。
「二人から君たちのことは聞いている・・・・・長らく暗部として戦ってきた歴戦の部隊であると。 ここの技量も申し分なく、私が教導を請け負う必要がない、ともな」
だが、と続けたジェリコの瞳は、先ほどまでよりも一層冷たい色になる。
「ここ最近、どうも規律が緩んでいるそうじゃないか」
「・・・・・・・・」
「目を逸らすなUMP45」
思い当たる節などない・・・と言い切るには些か、いやかなりダラけすぎたと思う。同じようにG11を始め隊員全員が目を逸らしているのが何よりの証拠だ。
「よって、私が貴様らの生活態度、習慣、その他規律を律してやる」
「ちなみにこの提案は私と指揮官様にも通されており、既に了承済みです」
「はぁ!?」
「そして、隊の規律はまず部隊長が率先して守らねばならない。 よって、私がこの司令部にいる間は貴様らと同室になる」
「嘘でしょ!? きょ、拒否! 拒否するわ!」
「UMP45、これは命令だ」
「指揮官!?」
その日、司令部からは45の絶望に染まった悲鳴が響き渡ったという。
end
ログイン画面が鉄血になってるから誰かのスキンも鉄血風のが出るんじゃないかなーとか期待してみたけどそんなことはなかったね!
アナイアレイターみたいなのでいいから鉄血スキン出してよ、鉄血部隊組ませてよ!(血涙)
そんなことは置いといて各話の解説!
番外40−1
17labのダミー騒動。
もはやダミーとはなんぞやというレベルでオーダーメイドの発注が殺到することに・・・・・ワイも9ちゃんのダミーが欲しいんや
番外40−2
自分で書いておいて酔ったSpitfireちゃんが可愛すぎたのでまた酔ってもらった。
この子に上目遣いで「おにいちゃん」とか言われた日には昇天すると思う。
番外40−3
U02地区について
U02地区が縁起の良い街とされる理由はその名前からで、「U02」を並び替えると「02 U」・・・つまりは「
・・・・・という深夜テンションからできた話です。
番外40−4
ここまで長くなるつもりはなかったんや・・・・・
うちの404のだらけっぷりは、休日をジャージで寝ながら過ごすくらいには手遅れです。