喫茶鉄血   作:いろいろ

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重装部隊実装、SOPと45姉のMOD告知・・・・それだけ難易度が跳ね上がるってことですか?(震え)

さて、今回のラインナップはこちら。
・人形にプライバシーなんてものはない(無慈悲)
・しばらく使っていないカードの番号とかのアレ
・Q.人形について
・シスターの一日


番外編42

番外42−1:人形にプライバシーなんてものはない(無慈悲)

 

 

人形は機械である。人工皮膚によって外見は人間と遜色ないが、中身が機械である以上はメンテナンスが必要となる。そのためには専用の設備が必要で、最寄りの工場か技師による出張メンテが必要となる。

そしてハード面以上に、ソフト面のメンテナンスも重要なのである。日々の記録整理やアップデートの積み重ねでバグが発生していないか、定期的に見なければならない。そしてこれもまた、専用の設備やら技術者などが必要となる。

 

そんな人形たちのソフト・ハードともに面倒を見ることができる人物、ペルシカリアは今日も濃い目のインスタントコーヒーをすすりながら人形たちのログをチェックする。

 

 

(ふむふむ、やっぱりこの地区(S09)の人形たちは随分と独特のマインドマップになってるわね・・・・趣味も多いし)

 

 

一体一体のログを流し読みし、気になる箇所をメモする。もしメンタルモデルに異常が見つかった場合、その原因となるものがどこにあるかを探しやすくするためだ。

・・・・・・もっとも、それは半ば建前化してしまっているのだが。

 

 

(相変わらず亀の歩みより遅いわねMG5とPKは・・・いっそどっちかのメンタルをいじる? いやいやそれじゃあ彼女たちのためにならないし・・・・スプリングたちも平常運転ね、マインドマップの指揮官の比率がまた6割を超えてるし・・・・ヤンデレ化する前に抑えとこ)

 

 

ペルシカとしては彼女たちを応援してあげたいが、間違ってもR-18Gな展開になってはいけないので手を下す。そのまま他の人形たちの様子も見ながらメモを取り続ける・・・・・その顔は結構悪いことを考えている顔だった。

 

 

(ふふふ・・・Vectorちゃん、君の趣味がバレていないとでも思っているのかな?)

 

(おやM16、そんなところに隠し酒蔵があったんだね・・・・M4には黙っといてあげるよ)

 

(ほほぉ〜・・・・KSGったら可愛らしいパジャマを持ってるじゃないか。 ま、バレるのも時間の問題だろうけどね)

 

 

16labの主任にして、戦術人形の第一人者ペルシカ。その立場と職権を利用したプライベート覗き見によって蓄積されたデータは計り知れない。

純粋に楽しいし、いざとなれば脅h・・・・交渉にも使えるカードになる。

そして、その中で最も多くを占めるのが・・・・・・

 

 

「んふふ〜、やっぱりSOPは可愛いなぁ〜〜」

 

 

そうして今日もペルシカは、だらしなく緩み切った顔でモニターを眺め続けるのだった。

 

 

end

 

 

 

番外42−2:しばらく使っていないカードの番号とかのアレ

 

 

M4たちがAK-12を迎えに行く少し前のこと。

最終調整を終え、装備のチェックと新兵装の動作チェックを行なっているM4とAR-15を、AR小隊のメンバーとペルシカはコーヒーを飲みながら見守っていた。

次々と出てくる的を、AR-15は両手に持った武器で正確に射抜き、M4はコンテナ型の武器を展開し、まとめて吹き飛ばすのを見ながら、M16たちは感嘆の声を上げていた。

 

 

「すげぇなアレ・・・・」

 

「個の火力を上げる最適解ではありますが、まさかこれほどとは」

 

「うぅ〜、私の出番減っちゃうよ〜」

 

「大丈夫よSOP、あなたの榴弾とM4のとは勝手が違うから」

 

 

嘆くSOPにD-15がそう言ってフォローするが、嘆きたくなるほどの性能をM4は獲得してしまった。SOPや416のようなグレネード弾を撃ち出すだけのものではない、まさしく榴弾を跳ばす銃なのだ。弾速も命中精度も比ではなく、SOPが落ち込むのも無理はない。

 

 

「それにしても、M16のコンテナがあんな物騒な武器だったなんてね」

 

「正確にはその改良型よ。 M16のはただのランチャーだけど、M4に装備しているのは電磁加速もつけたものだからね」

 

 

さらっと言うが、手持ちサイズの戦車砲とでも言えばいいだろうか。加えてその射撃に耐えられるように強度をあげた結果、殴打武器としても使えるようになってしまったのだ。

正直、やりすぎと言われてもおかしくはない。

 

 

「っていうかM16って、それ使ったことあるの?」

 

「そういえば見たことないですね」

 

「ん? まぁ結局使わなかったからなぁ・・・・製造後のテスト以来か?」

 

 

もはやただの荷物だったなと自身が背負う箱を手に取るM16。そして改めて言われると全然使っていないことに気づき、ちょっとした興味本位でテンキーを開く。

M4の場合は彼女自身と同期しているため彼女にしか使えないが、プロトタイプともいうべきこれはパスコードさえ打ち込めば誰でも使うことができる(扱い切れるかは別問題)。そのため、結構長めのパスコードが設定されているのだ。

 

 

「・・・・・・・・713、と」

 

「あの、パスを口にしながら入力するのはいかがなものかと」

 

「いや、久しぶりだったからうろ覚えでな・・・・ま、これで大丈夫だろ」ポチッ

 

ピーーーー

『バンゴウガチガイマス』

 

 

おや、と首を傾げるM16。どこか一つ打ち間違えたかなと再度入力し、今度こそ大丈夫だと決定キーを押すが・・・・・

 

 

ピーーーー

『バンゴウガチガイマス』

 

「・・・・・まさかM16、忘れたの?」

 

「い、いやいや! 人形の私がたかがパスひとつ忘れるはずが・・・・」

 

 

とか言いつつ派手に動揺するM16。大急ぎでメモリの海を漁るも、正直どれがどのパスかごちゃごちゃになっていてさっぱりわからない。とりあえずそれっぽいのを片っ端から入力するが、鳴るのはエラーの音ばかり。

そして10回目くらい続けた末に・・・・・・

 

 

ピーーーー

『バンゴウガチガイマス___システムヲロックシマシタ』

 

「「「・・・・・・・・・」」」

 

「・・・・・・・テヘッ♪」

 

 

ペルシカからのお叱りを受けたのは言うまでもない。

 

 

end

 

 

 

番外42−3:Q.人形について

 

 

S09地区を管轄とするグリフィン司令部。いくつもある地区の中でもかつてライバル企業であった鉄血工造の本社に近く、それ故に技術の最先端を投入されたここはグリフィン有数の施設規模を誇る。

また、鉄血クーデターとその前後で活発となった人権団体へ対抗すべく、人形の保有数も多い。

そんなS09地区を任されている指揮官を一言で表すなら、そんな質問を所属する人形たちにすると

 

 

『有能』

 

『信頼できる指揮官』

 

『ちょ〜〜〜〜〜っと鈍いのがアレだけど人形のことを思ってくれる人』

 

 

というのが大体の答えだ。

・・・・・では、当の指揮官は人形たちについてどう思っているのだろうか。

人形とて千差万別である。銃種に性能、性格や見た目などなど、同一の機種であってもメンタルに差異が生まれるほど個性豊かな人形たちについて、指揮官の想いを聞いてみた。

 

 

「・・・・・・いきなり押しかけてきたと思えば、そんなことか」

 

 

そんなこと、じゃあないんだよ指揮官。むしろこの答えを待ち望んでいる娘だっているんだから。

 

 

「そういうものか・・・・・・まぁいい。 だが質問がざっくりとしすぎているようだが」

 

 

お、それもそうだね。じゃあ・・・・・ぶっちゃけ指揮官の好みの娘は?

 

 

「好み、か・・・・・私は前線に立つ機会がないからな。 実際に使ってみた感触なら、M1911だろうか」

 

 

そういう意味じゃないんだけどなぁ・・・・じゃあ人形としての好みは?お気に入りの娘とかいるんじゃない?

 

 

「立場として、誰かを贔屓するつもりはないが・・・・スプリングフィールドの淹れるコーヒーは旨いと思う」

 

 

あとで録音したのを聞かせてあげよう・・・・・ふむふむ、じゃあ指揮官は家庭的な娘がいいんだね。他には?この娘はここがいい、みたいな。

 

 

「他と言われても・・・・・まさか全員分か?」

 

 

いやいや、流石にそんな無茶は言わないよ。パッと思い浮かんだ娘でいいからさ。

 

 

「ふむ・・・・なら、君でいいかなMDR。 ちょうど目の前にいるし」

 

 

・・・・・・・え?

 

 

「まずこの中では比較的新参だが、すでにムードメーカーとして打ち解けられているのは称賛に値すると思う」

 

 

いや・・・ちょっ・・・・・

 

 

「それに、君の情報収集能力は誰よりも優れていると言える」

 

 

ほ、ほとんどガセネタだったりするけどねっ!

 

 

「確かにそうだが、偽の情報にぶつかるほど積極的に動いているということだ。 それは誇っていい」

 

 

あぅ・・・うぅぅ・・・・

 

 

「あと他にも「指揮官ストップ!!!」・・・む?」

 

 

ま、まったく・・・・そりゃスプリングが夢中になるわけだよ。

じゃ、今日の取材はここまで!

 

 

「いいのか? 満足のいく回答だとは思えないが」

 

 

いいの。私が満足だからそれでいいのっ!

その代わり、また取材を受けてもらうんだからねっ!!

 

 

end

 

 

 

番外42−4:シスターの一日

 

 

S09地区唯一の教会、そこに住うシスター・アデーラの朝は早い。朝の5時には目を覚まし、身なりを整えて祈りを捧げる。簡単な朝食をとり、敷地内の掃除を始める。この日は集まっての礼拝はないので、敷地の端から端まで掃除する。

そしてシスターとして神(と呼べるかは疑問だが)を信ずる身として、悩みや懺悔を聞いたりもする。呼ばれれば必ず向かうようにしており、そのため信者からの信頼も厚い。

 

食材や日用品の買い出しのために街へと出るアデーラ。街の中心からやや外れた場所にある教会だが、アデーラは大抵の距離を徒歩で移動する。以前とある人形がバスやタクシーを使わないのかと聞いたところ、

 

『健康な体でなければ、血も濁ってしまうでしょう?』

 

と言われたらしい。なぜ血なのか気にはなったが、聞いてしまえば引き返せなくなりそうだったので聞かなかったのだとか。

そしてこの日用品の中で、アデーラが必ず外せないものがある。向かう先は、パッと見は普通の工具店。そんなシスターには似つかわしくないような場所に修道服のまま訪れたアデーラを、通りすがった客はギョッとしたように見る。

 

 

「いらっしゃ・・・・あぁ、シスターか」

 

「うふふ・・・いつものをお願いしますね」

 

「はいはい・・・・・ほれ」

 

 

カウンターの裏から持ち出してきた紙袋、その中には針付きの注射器と輸血パック・・・・・もちろん違法である。

 

 

「まったく、こんなもん何に使うんだか・・・・・おっと、詮索はなしだったな。 さ、見つからんうちに持っていけ」

 

「いつもありがとうございます」

 

 

信者たちも皆帰り、ただ一人教会に残るアデーラは狩人の僧に祈りを捧げる。

そしてふと周りを窺うと、懐から注射器を取り出し、慣れた手つきで腕に刺して血を抜いていく。健康的な真っ赤な血が注射器を満たすと、満足そうに微笑み仕舞う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガタッ

「あっ・・・・・・ヒィッ⁉︎」

 

「あら、あなたは・・・・・・うふふ、見ちゃいましたね」

 

 

教会の隅にひっそりと隠れていたP7が、小さく悲鳴を上げる。また司令部を抜け出してきたのか、それともアデーラを驚かせようとしたのかは不明だが、アデーラが一人になるのを待ってみれば大変な光景に出くわしてしまったのだ。

なにせ、薄暗い教会で自身の血を嬉しそうに抜いていくシスターの姿だ、冗談抜きでホラーである。

 

 

「怖がらなくても大丈夫ですよ・・・・・ただし」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ログイン絵のM4、一人くらいお持ち帰りしてもバレない説。
というのは置いといて今回の各話紹介。


番外42−1
人形のメンテする人って、絶対こういうことしてるよね・・・と思っています。
でも仕事だからね、仕方ないね。

番外42−2
あれ?この番号じゃない?もしかしてこっち?あれ、違う??先頭って大文字だったっけ?好きな食べ物ってなんて書いたっけ?
・・・・・あると思います。

番外42−3
リアル司令部未着任なMDR視点。指揮官・・・・・そういうとこやぞ。
未着任は基本的に書かないけど、この話が思い浮かんだ瞬間そんな決まりは忘れてしまった。
製造国の縁で、スプリングを応援している。

番外42−4
狂気まみれのブラボ界において一般NPCのくせに最恐ヤンデレのアデーラさんは伊達じゃない。
イベント『写真館の謎』の屋敷とか雰囲気的にあってると思うんだ。ランタンと注射器片手に暗がりの中からポォッと現れて・・・・・きっとWAちゃんとかカラビーナ嬢ならいいリアクションしてくれるはず。
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