そしてBGM-71を見ると、重力戦線の対MSミサイルを思い出しますね。
*例によって独自設定が含まれますのでご注意ください。
『グリフィン、新たなカテゴリーの人形を導入!』
そんなニュースがここ最近では毎日のように聞くことができる。今や民間軍事会社とは思えないほどの規模にまで発展したグリフィンだが、運用する人形に関しては創設以来ほとんど変わっていなかったのだ。
人間の指揮官のもと、HGやARなどの6種に分類される人形たちで部隊を編成し、紹介から攻撃、救助など幅広い任務を行う。
ではなぜこれほどまでにニュースとしてあげられるのか、それは今回の人形があまりにも異質なものだからだった。
「代理人、例のニュース見たか?」
「えぇ、毎日流れていれば嫌でも見ますよ」
「あの新型のことよね? そんなにすごいの?」
店に置かれている週刊誌を眺めながらハンターがそう言い、隣に座るAR-15もその話が気になるようだった。
週刊誌の1ページに大きく掲載されている写真には、ニュースで何度も見たあの人形たちの勇姿が写っている・・・・・
「新型戦術人形部隊・・・・グリフィンの正式名称は『重装部隊』、でしたね?」
「あぁ、というかAR-15は知らなかったのか?」
「噂程度は聞いてたけど・・・今は部隊での訓練が忙しいから」
「それもそうか」
なら、と言ってハンターは雑誌を閉じ、AR-15に向き合って説明する。
重装部隊・・・それはIoP、軍、鉄血の既存の人形とはまったく異なる人形たちのことである。個々の人形自体は大きく違う点はないものの、
最大の特徴は『四人で一つの兵装である』という点だ。
「例えばこの『BGM-71』は、設営から発射までの工程を四人が分担して行なっている。 お前が『AR-15』という銃とスティグマを結んでいるのと同じで、こいつらは四人とも同じスティグマを結んでいるということだ」
「それはまた・・・・・変わったシステムね」
「経緯についてはよく分からんが「では私が答えよう!」うわぁっ!?」
「ぺ、ペルシカ!?」
どこから現れたのか、というかいつからいたのか、コーヒーカップ片手に誘うと現れるペルシカ。服装は相変わらずラフな格好に白衣だが、最近は多少人目を気にしてかヨレヨレ感がなくなった。
持っているコーヒーカップはこの店のものなのだが、代理人も気づかなかったようだ。
「やぁ二人とも、デートの邪魔してごめんね」
「いや、別に気にしてないけど・・・・」
「まぁいい、なら後はペルシカさんの方から説明してもらうか」
「はいはい・・・・あと、そんな他人行儀じゃなくて
「遠慮しておく」
「ありゃ残念」
と言いつつそこまで残念そうでもないあたり、答えが分かっていた上でのことだったらしい。
気を取り直して、ペルシカは説明を始める。
「まず前提として、グリフィンの主戦力は人形・・・・つまり歩兵だね。 どれだけパワーがあっても頑丈でも、歩兵の範疇を越えることはないんだよ」
「そりゃそうよね。 戦車やヘリと正面きって戦うなんて無理だもの」
「その通り。 けど最近、一部のテロリストの装備が妙に近代化してるって知ってる?」
「・・・・他の部隊から聞いたわ、旧式とはいえ戦車まで持ち出してるんでしょ?」
「あぁそうだ、実際にこの目で見たさ」
ハンターは国際警察という立場だが、エリート戦術人形ということもあってしばしば軍やグリフィンと協力作戦に参加することがある。その中でも、事前情報では人形だけで十分のはずの相手が戦闘車両を投入してくることが何度かあったのだ。
「ひどい時は列車砲なんてものまで持ち出してきてな・・・・・なんとかなったが、少なくない被害も出ている」
「でも、グリフィンの人形の火力はどれだけ高めてもたかが知れているの。 現状では、M4のランチャーぐらいね」
「・・・・てことは、もしかして私たちの改造も?」
「そ、この事態に対応するためのものよ」
軍が対処すれば、所詮旧式は旧式。だが軍も軍で対処すべき相手もいる上に、民間企業を動かす方がコストも抑えられる。
そこでグリフィンが提唱した案は二つ。一つは個の戦力を上げること、もう一つが『対装甲・拠点戦力』である。
「その記念すべき制式採用一号が、その『BGM-71』ってわけ。有線式の対戦車ミサイルを標準に、タンデム弾頭なんかもオプションで付けられる仕様。人形による高い演算能力で命中率も大幅にアップで、人形だからパワーもスタミナも人間とは比べ物にならないさらにそれぞれの作業工程をインストールしてるから一連の流れも超スムーズいやぁここまで張り切ったのはAR小隊以来だね!」
「ペルシカさんストップストップ!」
研究員としてのサガか、途中からかなり早口で喋り始めたペルシカを代理人が止めに入る。途中までは店の客も聞き耳を立てていたのだが、スピードが上がるとついていけなくなったらしい。
そしてハンターとAR-15の二人も少々置いてけぼりになっている。最近はSOP関連で落ち着いているペルシカだが、元はマッド一歩手前な研究員であることを忘れてはいけない。
「・・・・ま、簡単に言うと対戦車部隊ってことよ」
「なるほどねぇ・・・・で、それってあの娘たちのこと?」
「うん?」
AR-15が自身の後ろを指差す。すると何やら写真で見たのと同じ顔ぶれが、店の前のメニューを見ながらやいのやいのと揉めている。
写真のミサイルランチャーこそ持っていないが、その如何にもな格好とグリフィンの社章は、間違いなく彼女らだった。
「あ、入ってくるみたい」
カランカラン
「こ、こんにちは〜」
「けけけケーキをくださいっ!」
「りょ、領収書には『グリフィンS09地区』で!」
「や、やっぱりダメだよぉ・・・・・」
入ってくるなり、なぜか緊張しながら口々にそう言うBGM-71たち。しかもどうやらこの食費を経費で落とす魂胆らしく、それぞれが微妙に罪悪感を感じながら言っているのがわかる。
が、その表情は一瞬で凍りついた。
「あ、あれ、ペルシカ博士・・・・?」
「な、なんでここに!?」
「ち、違うんですこれはその・・・・・リ、リーダーが言い出して!」
「ちょっ!? 最初に言い出したのはそっちでしょ!?」
「あーうん、とりあえず落ち着こうか君たち」
「随分と怖がられてるのねペルシカ」
「普段どんな扱いをしているんだ?」
「ご、誤解だよ!?」
冷たい視線にペルシカがたじろぐ。その間もBGM-71たちは誰が責任を取るかで揉め続け、最終的に全員で土下座するに至ったようだ。
が、それをAR-15が制する。
「代理人、あの子たちの注文は私につけといて」
『・・・・ゑ?』
「あら、よろしいんですか?」
と言いつつメニューを差し出す代理人。隣のハンターもやれやれと言いつつそれに乗っかる。
未だにポカンとしたままの彼女たちに、AR-15は手を差し伸べながら言った。
「え・・・・あの・・・・・・」
「いずれ、一緒に戦う仲間なんでしょ? これはその前金みたいなものよ・・・・・・改めてよろしくね」
「っ! はいっ!!」
パァッと笑顔になり、元気よく返事を返すのだった。
「あ、でも経費の件は別ね」
『ゔっ!?』
「まず、私たち人形は信用が第一なの。 たかがコーヒー一杯だろうと経費にしてしまえば横領と一緒よ。 お金がないとか仕方ないのもあるけどルールはルール、これから肝に銘じなさい。 あとやって悪いことっていう自覚があるなら最初からやらないように。 それと・・・・・」
「・・・・その辺にしといてやれAR-15」
「ダメよ、最初が肝心なんだから。 道を踏み外してからじゃ遅いのよ・・・・・聞いてる?」
『はいぃ!!』
その後、顔を見るたびに怯えられるAR-15であった。
end
バッテリーが・・・
資材が・・・・・・・・
記憶の欠片が・・・・・・・・
今回のイベントも色々消し飛びそう・・・・あと平然と部隊全滅エンドをでっち上げる指揮官スゲーって思いました。
では今回のキャラ紹介!
BGM-71
四人で一つの新型戦術人形。四人だけど書類上は一体なので、給料は少し多めでも一人当たりはちょっと少ない。
キャラ絵手前から『Bちゃん』『Gちゃん』『Mちゃん』『71ちゃん』と名乗っている。
自衛用の火器はあるが、お守り程度の効果しかないらしい。
AR-15
MOD化し、新設部隊へと異動になっている元AR小隊員。
ハンターと付き合いだしてから柔らかくなったが、根っこは生真面目なままなので今回の件は見過ごせなかった。
MOD化してもハンターには(いろんな意味で)勝てない。
ハンター
忘れられがちだが、警察組織に所属。犯人を徹底的に追い詰めることから、彼女に目をつけられることを裏社会では『狩場に迷い込む』と呼ぶらしい。
さっさと籍を入れろ by作者
代理人
自身や従業員の立場が立場なので、世間の情報や動向には常に神経を尖らせている。
ちなみにAR-15が止めなくてもちゃんと断るつもりだった。