AK-12の大破animatedがカッコいい!!
アメリのスキンがエッッッッッッッッッッ!!!
というハイテンションで今回のラインナップ!
・事実認定
・世にも奇妙な拾い物
・つーん!!!
・通気性と機能性を兼ね備えた合理的なファッション
番外44−1:事実認定
鉄血工造の若手社員ユウトのご両親への挨拶というイベント、その話は特定の人形を中心に広く広まった。大多数は「今更か」とか「ようやくか」といった感想だったのだが、一部の人形たちにとっては目から鱗の大事件であった。
彼女ら曰く、「その手があったか」と。
「おはようございます、カリーナさん」
「ん? あら、スプリングフィールドさん! 珍しいですわね、購買にやってくるなんて」
噂を聞きつけた翌朝、開店早々の購買部に足を運んだのは『見た目は淑女、頭脳は煩悩』のスプリングフィールドである。彼女自身がカフェを運営していることもあり、購買にやってくることは滅多にない・・・・ましてやこんな時間にやってくるなど。
「それで、今日はどのようなご用件でしょうか? 本日のお客様第一号ということで、お安くしてあげますわ!」
「あら、本当ですか? では・・・・・・」
スプリングは嬉しそうに微笑むと、軽くしゃがんでからスッと腕を上げ・・・・・いかにも頑丈そうなアタッシュケースを机の上においた。流れるような手つきでカリーナの方に向け、これまたなれた手つきで鍵を開ける。
アタッシュケースに収まっていたのは、許容量目一杯まで入った札束だった。
「・・・・・あの・・・これは?」
「うふふ・・・実はカリーナさんに売っていただきたいモノがありまして」
「えっと、その、これほどの金額のものはうちには置いていないというか・・・・・」
「ええ、知っています。 ですが私が欲しいものは・・・・・・
指揮官のご実家です」
瞬間、カリーナは昨日入った情報と合わせて全てを悟った。この一見人畜無害そうな人形は、どうやら
自分の職場の上司の個人情報、大量の金、明らかに不純な動機・・・・どう考えてもアウトだった。
「か、考え直しませんか?」
「はい」
「ぷ、プライバシーを切り売りするようなことは「カリーナさん」・・・っ!」
笑顔のまま、愛銃を握りしめるスプリング。その目は笑っておらず、暗に「断ったらどうなるか」と語っていた。
だが、一部からは守銭奴と呼ばれるカリーナであっても折れるわけにはいかない。というかこんな大金怖くて受け取れない。
スプリングは普段無駄遣いしないタイプであり、この大金が彼女の全財産とまではいかなくともかなりの額であることがわかる・・・・その本気っぷりがなおさら怖い。
(ど、どうしましょう・・・・・)
もう止められない、というか止めても止まりそうにない様子についにカリーナの白旗も上がりかける。
だが、天は彼女に味方したらしい。
「む、スプリングフィールドか」
「あ、指揮官様!」
「ふぇっ!? お、おはようございます指揮官!」
突然現れた指揮官に顔を真っ赤にして慌てるスプリング。普段はこんな時間にここへ来ることのない彼女は知らないが、指揮官は毎朝カリーナの購買部に足を運んでいる。特に何かを買うわけではないが、品物を眺めたりカリーナと話すのが楽しいらしい。
そんな予想外なエンカウントに、カリーナはパァッと表情を明るくさせた。
「あ、そうですわ指揮官様。 スプリングさんがなにやらお聞きしたいことがあるそうで」
「ヒェ!? か、カリーナさん!?」
「ん? そうなのか?」
「あわ、あわわわわわ・・・・・・・」
まさかの攻撃(?)にたじろぐスプリング。そしてさっきまでカリーナに問い詰めていた内容が頭の中をグルグルと駆け巡り、気がつけば『指揮官と一緒にご挨拶』という実に都合の良い妄想に変貌する。
両親公認となって二人で式場を選びそして・・・・・・
「・・・・・・・・・」バタン
「す、スプリングフィールド!?」
突然頭から煙を出して倒れ伏したスプリングに、指揮官が慌てて駆け寄る。そしてそのまま彼女を抱えて修復室へと運んでいった。
後日、その時の様子を収めたカメラをいいお値段で売りつけるカリーナの姿があったという。
end
番外44−2:世にも奇妙な拾い物
S09地区にあるとある橋。
この街の主要道路の一部だけあって交通量も多いこの橋だが、ここでとある事件が起きたのは記憶に新しい。不気味な繭のような爆弾に、まるで化け物のような姿のテロリスト・・・・ということになっているのだが、その正体は異世界から紛れ込んできた『悪魔』の仕業である。
そして、それらを討ち倒したのもまた異世界から来た者たちだった。この事実はごく一部のものしか知らず、しかも厳重な箝口令によって伝わることもない。
「ま、言ったところで信じてもらえないでしょうけど」
「だろうな・・・・で、そんな感傷に浸るためだけにここに来たのか?」
「まさか、これはちゃんとした任務よ。 指揮官を通じて、クルーガー社長直々のね」
そんな会話をしながら橋を渡るのは、当地区の司令部所属の戦術人形、FALとダネルだ。見ようによっては奇妙な組み合わせだが、この二人は共にそれなりの技量を有しており、不測の事態にも対抗できる。
そして何より、あの日『悪魔』と戦った部隊にいたのだ。
「悪魔が現れたなんて頭がおかしくなったと思われても仕方ないのに、それの調査だなんて普通じゃないな」
「理由はいくつかあるみたいだけど・・・ざっくり言えば、常に最悪の事態を想定してのことらしいわ」
今回彼女たちに与えられた任務は、悪魔たちの痕跡を見つけて回収または処分すること。
悪魔がなんたるか、どのような存在なのかもわからない以上、頼りになるのは伝承や御伽噺のみ。もしかしたら、悪魔の死体に誘われてまた別の悪魔がやって来ないとも限らない・・・そう判断したらしい。
結論から言えば今回はイレギュラー中のイレギュラーであり、この世界が悪魔に侵略されることはないのだが、それが知られることはない。
「あら、渡りきっちゃったわね」
「なにもなかったな・・・・死体や武器はおろか、身に纏った布切れ一枚もないとは」
「例のデビルハンター?が言うには、あいつらはもともと実態なんてないらしいわよ。 今回の連中は砂を媒体にしてたらしいわ」
「なるほど、どうりでなにも見つからないわけだ」
その砂も、日々の人々の生活の中で流されていったため、まるであの日のことが夢であったかのようにいつも通りになっている。しかし、実際に体験した以上それは夢でもなんでもなく、だとすれば僅かなりにでも何かが残っているはずだ。
半ばヤケのようになって探し出すこと一時間、橋のしたの浅瀬で何かが光るのを見たFALが一目散に走り出し・・・・・悲鳴を上げて転んだ。
「お、おい、大丈夫か!?」
「え、えぇ・・・・って違うわよダネル!? こっち来て!」
全身ずぶ濡れになりながらも慌てたように呼ぶFAL。色々と透けているが大丈夫だろうかと呆れながらも向かったダネルに、FALは拾ったものを突き付けた。
「・・・・なんだ? 水晶か?」
それは淡く光を放つ赤い水晶のようなものに見える。まるで血を固めたような赤色は見るものを惹きつける輝きを放ち、思わず手に取りたくなる衝動に駆られる。
ダネルが手を伸ばしたところでFALはその水晶の向きを変え、途端にダネルも悲鳴を上げて尻餅をつく。
「な、ななななんだそれは!!!???」
「ほんと、なんなのかしらねこれ・・・・
手に持ったそれを怪訝な表情で見る。
苦悶に満ちた表情がありありと浮かび、まるで苦しむ人をそのまま固めたかのようなリアリティある表情はいまにも叫びたしそうだ。
悪魔の血が結晶化したもの、それがこの『レッドオーブ』である。
「・・・はいダネル、あげるわ」
「いやいらん! というか押し付けるな!」
「私だっていらないわよ!」
不毛な押し付け合いが始まり、やがて無意味な取っ組み合いに発展する。それも浅瀬とは言え川の中でやってるもんだから余計に目立つ。
後日、上官からのお叱りを受けると同時に市民から『面白い二人組』のレッテルを貼られてしまうのだった。
ちなみに肝心のレッドオーブはいつの間にか無くなっていたらしい。
end
番外44−3:つーん!!!
スケアクロウが拐われ、レイが死にかけるという事件から数ヶ月。
延期されていたショーやイベントも順調に開催され、スケアクロウは多くの人々を喜ばせる。大破したダイナゲートやスカウトもバックアップを取っていたおかげで復活し、彼女の指揮に合わせてステージを駆け回っている。
さてそんなスケアクロウと専属契約を結んでいる男、レイもまた完全復帰していた。
が、ちょっと前に二人の関係にも変化が訪れ、それに伴いレイの肩書きも変化している。
「お、レイの旦那! 今日もいいステージだったぜ!」
「ちゃんと嫁さんをねぎらってやるんだぞ!」
「まだ嫁じゃねぇよ!」
特に言いふらしているわけでもないのに、いつの間にか知れ渡っていることだが、レイとスケアクロウはつまりそういう関係である。あの一件で互いに掛け替えのない存在であると認識してのことだが、改めて人から言われると少々照れ臭くもある。
・・・・・が、同時にレイにとっての悩みの種にもなっていたりする。
「あの、レイさん!」
「これ差し入れです!」
そう言って紙袋を手渡してきたのは若い女性の二人組、それもそれぞれ人間と人形だ。当然レイの友人とかそういうわけではなく、彼女たちはスケアクロウのファンである。
なのだが同時に、そのボディガードであるレイのファンでもある。
「あ、あぁ、ありがとう」
手渡すと同時に猛ダッシュでその場を去る女性たち。なにやら俳優かアイドルにでもなった気分だが、以前はここまであからさまではなかった。
きっかけはやはりスケアクロウとの関係の噂、それに加えてどこから漏れたのか、レイの体の一部に人形のパーツが使われているからだ。そこから尾鰭がつきまくって最終的に・・・・・
「『人間・人形問わず(性的に)受け入れてくれる男性』、ですね」
「あぁ、終わったのかスケアクr・・・・・」
大切な人の声に振り向けば、そこにいたのは一切の表情を消し去ったスケアクロウが。もうそこそこの付き合いになる上に一歩進んだ関係にあるレイは察した・・・・・『今回も』怒ってらっしゃる。
「わかってると思うがそういうんじゃないからな?」
「えぇ知っています、知っていますとも・・・・ですので別になんとも思っていませんよさあその袋を渡してください」
「YOUなに言っちゃってんの!? ていうか絶対怒ってんだろ!?」
「つーん!!!」
「ま、マジかよ・・・・・」
今日も二人は仲良しである。
end
番外44−4:通気性と機能性を兼ね備えた合理的なファッション
「フハハハッ! 待たせたな諸君!!」
「「「うわぁ・・・・・・」」」
いい感じで料理やコーヒーの指導を行なっていた代理人。だがその頭の片隅で何かを忘れている気がしていた。そのうち思い出すだろうとぼんやり考えていたのだが、無理にでも思い出しておくべきだったと悟る。
扉を開け放ってきた
「・・・・・それで、その服はなんですかマヌスクリプト?」
「お、早速聞いちゃう? 代理人もせっかちだねぇ!」
「皆さん、そろそろ片付けましょうか」
「うわぁああん! 冗談だから無視しないで〜!」
正直このまま無視しておきたいところだが、期限を損ねたらそれこそ何をしでかすかわからない以上は放っておくこともできず、仕方なく話だけでも聞いてやることにする。
マヌスクリプトはコホンと咳払いすると、抱えていた服を一気に広げた。
「どうよ! これが今夏の制服(仮)だよ!」
「あら、これは・・・・・・」
「い、意外とまとも、か?」
このテンションだから一体どんなハレンチコスプレかと思いきや、意外と落ち着いた感じのものだった。
パッと見では代理人の標準着に近く、スカートがやや短いものの良識の範囲内だ。半袖と少し開いた胸元が涼しげで、夏服というにはぴったりだと思う。
「でしょでしょ! せっかくだから着てみてよ!」
「あ、私着てみたい!」
まともな服だとわかり、Dが真っ先に手をあげる。なんだかんだでマヌスクリプトとノリが合う彼女は、マヌスクリプトの服を結構気に入っていたりする。
Dが服を持って奥に引っ込み待つこと十数分、出てきた彼女の顔はなぜか真っ赤だった。
「ま、マヌちゃん、これ・・・・・」
「D、どうしました?」
不審に思い声をかける代理人。するとDはオドオドしながらもくるりと体を回転させて背中を見せる。
正面からではわからなかったがこの服、背中が大胆に開かれており、色白な背中を惜しげもなく見せつけるものだった。
「き、聞いてないよぉ・・・・・!」
「・・・・・マヌスクリプト?」
「涼しげでしょ?」
何か問題が?とでもいうようなドヤ顔に、代理人は深くため息を吐く。
そしてゆっくりと手を振り上げ、拳を握りしめてからまっすぐ振り下ろすのだった。
end
局地戦区のルールやら仕様がいまだにわかっていないけど元気にやってます。
まぁ新重装人形が手に入ればなんでもいいけどね!
では各話の解説!
番外44−1
久々に登場の暴走春田さん。
いろんな作品での春田さんを見てると、春田さんの可能性はきっと無限大なんだと実感しますね。
番外44−2
コラボ回の後日談的なやつ。DMCといえばコレってアイテムだけど、どう見ても呪いのアイテムにしか見えない。
特に悪魔を呼び寄せるとかはない。
番外44−3
こちらもコラボ・・・・というより書いていただいた話の後日談。
スケアクロウに嫉妬させたいだけのお話。
番外44−4
最近大人しかったので。
背中がみえる服って、背筋をツツッて指でなぞりたくなりますよね?