喫茶鉄血   作:いろいろ

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待たせたな、番外編だ!
思えば三作品とコラボしたり前後編やったりと結構ネタが溜まってしまった・・・まだまだ物足りないけどな!

というわけで今回はコラボ回のその後のお話が多め+α

・二つの世界と一つの店と
・方言女子
・人形がちょっと素直になるお薬
・「ケースレス弾にしたら効率が上がるのでは?」

の四本立て!



番外編4

番外4-1:二つの世界と一つの店と

 

カランカラン

 

「いらっしゃいまs・・・あらユノちゃん。 一人?」

 

「こんにちは代理人さん。 お母さんたちは司令部でお話があるから後で来るよ。」

 

「そう。ご注文は?」

 

「う〜〜〜ん、オレンジジュース!」

 

「かしこまりました。 ご一緒にケーキはいかがでしょうか?」

 

「じゃあそれも!」

 

「かしこまりました。」

 

 

そう言うと早速準備に取り掛かる代理人。

ユノの方はちょっとでも大人ぶりたいのか、子供が座るにはやや高いカウンター席によじ登るように座る。

そこでふと、机の端に置いてあるコインに気がついた。

 

 

「あれ? これって・・・」

 

「ん? あぁすみません。 そこに置いたままでしたね。・・・・・どうかしました?」

 

「ん〜〜〜〜〜〜、わかんない。 見たことないけど、見たことあるような。」

 

「・・・・・。」

 

 

やっぱりわかんないや、と言うとその()()()()()()()()()()()コインを代理人に返す。

にへ〜と笑う彼女に、もう会うことのない友人を重ねる。

受け取ったコインを大事そうにポケットにしまい、トレーを持ち出す。

 

 

「はい、オレンジジュースとスペシャルケーキですよ。」

 

「わぁ〜〜〜〜〜!!! いただきまーーーす!!!」

 

 

 

この後、彼女を迎えに来たレイラが伝票と娘の顔を見比べ、涙をこらえながら支払ったという。

 

 

 

「何故一番高いケーキを進めた!?」

 

「子供の笑顔はプライスレスですよ。」

 

end

 

 

 

番外4-2:方言女子

 

「ほなさいなら〜」

 

「おおきに〜」

 

「なんでやねん。」

 

「・・・・・。」

 

「何してるの? FAL。」

 

「あなたのせいでしょうが!?」

 

 

現在、一部の人形の間では方言ブームが起きている。そのなんとも形容しがたいゆるい言葉遣いが受けたらしい。

その火付け役?となったのが、FALとG11である。

 

 

「あなたがっ! あのことをっ! 言いふらいたからでしょっ!!!」

 

「あのことってどのこと?(ニヤッ)」

 

「そ、それは・・・くっ・・・」

 

 

広まった理由は、FAL自身の油断(第十三話の最後)にあったわけだがなんとこの人形、それを他の人形に喋ったのである。

・・・人畜無害そうな外見でなかなかエグいことをしてくれる。

 

 

「そんなに方言を使いたいなら本人に直接聞いたらいいじゃんか。 ほら、噂をすれば。」

 

「なんやなんや、気ぃついたら似非方言で溢れかえっとるわ。 なんやこれ?」

 

「FALが、指揮官の気を引こうとして練習したのが始まりだよ。(嘘)」

 

「ちょっ! 違っ!?」

 

「ふ〜ん? そんなんで気ぃ引けんの?」

 

「・・・あなたが思ってるより、その喋り方はその、可愛いのよ。」

 

「あっはっはっはっはっ! そらおおきに。 けどウチはこの話し方しかできへんからなぁ。 別に狙ってやっとるわけやないで。」

 

「そうだけど・・・。」

 

「人間、自然体が一番や。 それはウチら人形も変わらへん。」

 

「・・・そうね。 ありがとう、なんだかスッキリしたわ。」

 

「うんうん、それでええんや。・・・・・あ、指揮官! 今からお昼か? 一緒に行かへん?」

 

 

すごい猫なで声だ。それはもうすごい変わり身である。

 

 

「・・・・・・。」

 

「方言は狙ってないけど、自分の強みはわかってるみたいだね。」

 

「・・・やっぱり方言使う。」

 

end

 

 

番外4-3:人形がちょっと素直になるお薬

 

「というものを作りました。」

 

「素晴らしい!」

 

「そして早速投与した被験tゲフンゲフン・・・協力者がこちら!」

 

「・・・・・。」

 

「あれ? アーキテクト様、失敗なんじゃないんですか?」

 

「そんなはずは・・・おーい、ゲーガー?」

 

「・・・・・や、やっぱり無理だ!」

 

 

顔を真っ赤にして脱兎のごとく逃げ出すゲーガー。

予想外の反応に固まる開発陣(アーキテクトたち)

だが実験は成功したと考えたアーキテクトらは、かねてより渡すことを決めていた協力者たちへ残りの試作品を渡すことにしたのだった。

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

「こ、これが・・・。」

 

「・・・・・。」

 

 

受け取ったのはなかなか素直になれない二人の人形(スプリングフィールドとウェルロッド)。お互いに目配せし合い、意を決して一気飲みする。そしてすぐに実感する。

これはヤバイ。

体の芯から熱くなるような、いや、何かを求めるような熱にどうにかなってしまいそうだった。

時計をチラッと見る。この時間ならまだ指揮官は執務室だ。そしてこの時間のは大抵仕事が片付いている。

 

 

「・・・お、女は度胸です。」

 

「戦術的撤退は・・・ありえません。」

 

 

覚悟を決めた二人はすぐさま、しかし火照った体のせいで無駄に時間をかけながら、執務室へと向かった。

たっぷり数分かけてたどり着く二人。この扉の奥に思い他人がいるとなると、否が応でも体が求めてしまう。

 

 

「・・・行きますよ。」

 

「・・・ええ。」

 

 

ところでこの薬はまだ試作段階である。

しかもモルモっt・・・実験に協力してくれたのはゲーガーのみ、あまりにもデータ不足であった。

そのわずかなデータから得られたことが一つ

 

 

 

 

 

 

 

効果時間はわずか十分であること。

 

そして二人が扉を開いたまさにその時、ちょうど十分が経過した。

そしてこれはゲーガーからは得られなかったことだが、薬の反動はすぐに出る。その反動とは、一転して驚くほど冷静になること。当然服用中の記憶も残る。

さて二人は扉を開いたタイミングで薬が切れた。

これの意味するところはただ一つ、

 

 

「・・・・・。」

 

「・・・・・。」

 

「・・・ん? どうしたんだ二人とも?」

 

 

最愛の人がそこにいる、のだが今二人はそれどころではない。先ほどとは全く別の意味で体が、特に顔が熱くなり、声にならない悲鳴をあげて部屋から飛び出した。

 

この後、指揮官は二人に嫌われたと思い一人泣いたという。

 

end

 

 

番外4-4:「ケースレス弾にしたら効率が上がるのでは?」

 

弾丸とは弾そのものと薬莢に分かれる。対象に当てるのは弾の方であり、薬莢はいわばゴミである。もちろん拾って再利用すればいいのだが、戦場にばらまかれたそれを誰が好き好んで拾うというのか。

そんな無駄に最近気づいたクリエイターは、

 

 

「なぁバルカン。」

 

「ん? なんだ?」

 

「ケースレス弾なんてどうだろうか?」

 

「ケースレス弾?」

 

 

ケースレス弾とは・・・薬莢の出ない弾のことである。(雑)

詳しくはググるか某ガンスミスの武器紹介を見よう!

製造コストや使用面が限られること、湿気などに弱いといった欠点もあるが、クリエイターにかかれば何の問題でもない。

製造コスト?材料は現地調達だ。

使用面?はなから全部ケースレスにしてしまえば問題ない。

湿気?製造即使用なら問題ない。

 

 

「この際だからファクトリーから直接給弾できるようにもしよう。」

 

「そいつはいい! ・・・けど、ファクトリーの方は大丈夫なのか? 前線に出るわけだが。」

 

「装甲を追加すれば問題ない。 移動にしても、ファクトリー用の台車でも作ってしまえば解決する。」

 

「なるほど・・・ならやってみるか!」

 

 

さらっといっているがバルカン用のケースレス弾が作れ、しかもその方が安上がりというあたり、彼らがどれだけ規格外か分かることだろう。

のちにこの二人は、『人形版ボニー&クライド』と呼ばれることになるが、それはまた別のお話。

 

end

 

 




書きたいから書いた! 後悔はない!

・・・すみません、やりすぎました。


はい、というわけで解説です!

4-1
第十二話と「それいけポンコツ指揮官と(ry」の『不思議の世界のユノちゃん』で置いてったコインを回収。
なんとかこの二つの世界線のユノちゃんを繋げられないかと考えた末のこの話。
ちょっと不思議ちゃんになった気がしますが、愛嬌ということで。
スペシャルケーキ:1,500円

4-2
第十三話の後日談。
方言女子は方言を意識してないから可愛いと思います。
そしてなぜかG11が愉悦部に仲間入りしてしまうことに・・・まぁ同じ小隊があんな感じなら無理もないと思う。

4-3
第十六話の後日談。
・・・というよりこの薬を出したかっただけ。
構想自体は第五話を書いてる頃からあったものの、誰に飲ませるか決まらずに。春田さんに飲ませたらエロいんじゃないかと思います!
というかエロい!
で、またゲーガーが犠牲に笑

4-4
第十七話の後日談。
大した知識もないくせに書くからめちゃくちゃなことに・・・。
とはいえこの二人はなんか書きやすいんですよねぇ。
ところでガトリングの先に銃剣をつけて回すとグライ◯ドブレードみたいになると思うのは気のせいでしょうか?


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