喫茶鉄血   作:いろいろ

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!オリジナル人形注意!


リクエストを受けてからいったいどれほどの時間が経ったのやら・・・・大変遅くなり申し訳ございません!
というわけで今回はオリ人形が登場します。苦手な方はブラウザバックを・・・・まぁ今更なんですけどね。


※今回のキャラは某FPSのイメージが強くありますが、架空銃ではなく実銃なのでクロスオーバー(CO)という表記ではありません。


第百八十四話:新生AR小隊

 戦術人形は、人形とそれに対応する銃とセットで一つである。人形が先だったのか銃が先だったのかは今となってはあやふやだが、両者には特別なつながりがある。そのため、その銃に限れば人間よりもはるかにうまく扱い、そしてその不調をほぼタイムラグなしに察知できたりもする。

 また、彼女たちの持つ銃自体もかなり特殊なものである。元となる銃の製造年・国・生産量にはかなりのばらつきがあり、当然ながらその中にはトラブルの絶えないものもあったはずだ。しかし人形が扱う銃は基本的にそのようなトラブルに見舞われることなく、よっぽど局地的でなければどんな状況でも使える。銃に詳しい者たちからは「旧式の皮を被った化け物銃」とさえ言われるほどだ。

 

 さて、そんなある意味「欠陥を持たない銃」は、当然ながら新造される人形にも適用される必要がある。外観は旧世代を模しつつ要求される性能を満たす、そんなもはや趣味の領域とすら呼べる注文に応えながら設計・開発を担当するIoP職員の心労は計り知れないだろう。

 

 

「おい、今度の新型はどうなっている?」

 

「人形の方はあらかた完成していますが、武器の方が・・・・」

 

「モデルとなる銃がひどい欠陥で、使用中に爆発するんですよ!」

 

「えぇい、とにかくガワだけ似ていれば問題ない! 急ぐんだ!」

 

 

 身もふたもない文句と要求が飛び交う中、ある職員の視界にふと、真新しい人形が映り込む。見たところ人形も銃も完成済みのようだが、それならそれで保管庫か納品待ちの列に並ぶはずだ。

 

 

「主任、あの人形は?」

 

「うん? あぁ、あれか。 あれはまぁ・・・・()()()ってやつだ」

 

「訳アリ?」

 

 

 頭に疑問符を浮かべながら、もう一度その人形たちに目を向ける。並んだ二体の人形はまだ起動前らしく、銃とともに箱に収まったその姿は文字通り人形のようであった。

 二体とも背丈はやや高めで、片や青を基調とした軍服らしい服装と腰のポーチ、同じ箱に納められているリュックからはショベルやピッケルが覗いている。もう一方は暗い緑に鉄製のヘルム、全体的に軽装で機動性に優れているように見える。

 

 そして職員の目には、彼女たちが扱うであろう銃に見覚えがなかった。この仕事について長く、それなりの知識を有している彼であってもだ。

 

 

「あれは近々、ペルシカ博士が直接受け取りに来ることになっている。 いいか、触るんじゃないぞ? 勝手に触ると人体実験の材料にされるからな」

 

「へぇ? ちなみにそれって誰のことかな?」

 

「それはもちろんあの腹黒女の・・・・・ハッ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まったく、人のことをなんだと思ってんだろうね」

 

「お前の普段の行いのせいじゃないのか?」

 

 

 余計なことを口走った生ごみを処分し、不満を隠そうともしないペルシカに付き添いのヘリアンは苦言をこぼす。今でこそ丸くなったペルシカだが、16labに引きこもっていたころはあの言われようでも文句は言えなかっただろう。

 

 

「こんなに清く優しい女性に向かって失礼の極みよ」

 

「それはツッコミ待ちか? マッドサイエンティスト予備軍」

 

「部下のナマモノを世に出すような変態には言われたくないね」

 

「娘同然の相手に手を出すお前も大概だ、いいから作業を進めろ」

 

 

 不毛な言い争いを続けながらも、ペルシカは人形につながった端末に必要なプログラムをインストールしていく。ほぼ完成と言ってもいい状態であるため今回導入するのは起動用のプログラム、ペルシカお手製の通称「ラストピース」である。これをインストールすることですべてのプログラムが動き始め、人形として完成する。逆に言えばこれがなければ起動することはなく、まさに最後のピースというわけだ。

 二体同時に進められ、端末上の表記が100%に達し文字の色が緑色に変わる。つながれたケーブルを引き抜いて数秒後、二人の眠り姫は目を覚ました。

 

 

「無事起動したみたいね・・・・二人とも、私のことはわかるかな?」

 

初期設定の適用……完了・・・・おはようございます、ペルシカリア博士」

 

「それとあんたはヘリアントス上級代行官だな?」

 

「む・・・・すでにグリフィンのデータも入力されているのか?」

 

「今回は設計段階からグリフィンに納入することが決まっていたからね、その方が楽でしょ」

 

 

 それもそうか、とつぶやき納得すると、ヘリアンは改めて二人に向き直る。つい数秒前に起動した二人はすでに愛銃を担ぎ直立するあたり、やはり人形なんだなと思ったりする。

 それはそれとして、これから二人を預かる身としてどうしても聞いておきたいことがある。まぁ知ってはいるが、()()()()()()()()()()ことの証明のようなものだ。

 

 

「さて、ではお前たちのことを確認しておきたい。 名乗ってくれ」

 

 

 その言葉に二人は足を揃え背筋を伸ばし、右手を額の上に持ってくる。

 

 

「前線支援型戦術人形『フェドロフM1916』、銃種はアサルトライフルです」

 

「突撃型戦術人形『ヘルリーゲル1915』だ! ・・・・・いや、『です!』つったほうがいいか?」

 

 

 普通とは違う肩書を名乗った二人、フェドロフとヘルリーゲルの所作にヘリアンは思わず目を見張る。通常、IoP製の戦術人形は豊かすぎるほどの個性を持ち、初対面相手にため口なんてよくあることだ。まして敬礼なんてする方がよっぽど変わっているといえる。一見適当な口ぶりのヘルリーゲルも、どうやら時と場合に応じて切り替えれるタイプらしい。

 次いでその肩書、とくにフェドロフの『前線支援型』という区分はヘリアンですら初耳だった。彼女の持つAR自体に特別な何かを感じないので、その秘密は人形の方にあるということか。

 

 

「ふむ・・・・まぁいいか。 では早速だが」

 

「そうだね。 じゃあ二人とも、起きてすぐだけど行こっか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「「戦力補強???」」

 

「あ、それって今日でしたっけ?」

 

「いや、正確には明日だけど、先に顔合わせをと思ってね」

 

 

 陽が真上を通り越してしばらくしたころ、喫茶 鉄血の個室に集まったのは二人の人間と七人の人形たち・・・・IoPから直接やってきたペルシカとヘリアン、フェドロフ、ヘルリーゲルと、いつものパトロール中だったAR小隊だ。来て早々に「個室を貸してほしい」と言われるあたり、グリフィン関係者の待ち合わせや打ち合わせ場所として定着しつつあることは喜ばしいことなのだろうか、と代理人は一人考える。

 それはさておき、ペルシカの口から語られたのは『AR小隊の戦力補強計画』だった。グリフィンのエリート部隊として発足から今日に至るまでに高い知名度を誇ってきたAR小隊。隊長のM4A1をはじめとして高い作戦遂行能力を持ち、どんな状況にも対応できる彼女らは、まさしくグリフィンの顔なのだ。

 が、それはあくまで以前のお話。M4A1、AR-15のMOD化とそれに伴う新部隊設立を受け、AR小隊の人員は三名まで減ってしまったのだ。依然として優秀な部隊に変わりはないが、戦力の低下は否めないので人員を補充することになったという。

 そしてその配属を明日に控えたところでの顔合わせに、フェドロフとヘルリーゲルは少なからず緊張していたのだが・・・・・

 

 

「そして、そのための人員が明日配属される・・・・・前にそう言いましたよね姉さん、SOP?」

 

「あ、あぁもちろん覚えてるよ! なぁSOP!?」

 

「えっ!? あ、当たり前じゃん!?」

 

「では当然、お二人の名前も覚えていますよね?」(ニッコリ)

 

「「・・・・・・・・」」

 

 

 鈍い音が二発続き、テーブルに沈む二人と終始笑顔のM4を見比べ、この人形には絶対逆らうまいと心に誓う新人二人であった。が、微妙に緩い空気に二人の緊張もほぐれ始める。

 そんな空気を察してか、M4がテーブルの呼び鈴を鳴らす。すると間髪入れずに扉が開き、人数分のケーキとコーヒーを運ぶ代理人が現れる・・・・・さし合わせたわけでもないのに息ぴったりだった。

 

 

「では改めて、AR小隊『元』隊長のM4A1です。 で、こっちが・・・」

 

「同じく『元』AR小隊のST AR-15よ」

 

「M4の後を受け継いだAR小隊隊長、RO635です」

 

「で、そこで暢気に寝ている眼帯の方がM16、小さいほうがSOPです」

 

「「紹介雑っ!?」」

 

「あ、それとここのマスターの代理人さんです」

 

「以後、お見知りおきを」

 

「「いや関係ないだろ(でしょ)!?」」

 

 

 グリフィンのエリート部隊とは何だったのか。見ているペルシカもけらけらと笑い、ヘリアンは額に手を当てながらため息をつく。

 が、そこは根っこはまじめなM4とRO、一度だけ咳払いをして本題へと入る。

 

 

「さて、お二人の情報はすでにいただいています。 攻撃型の前衛に補助型のAR、お二人の加入は我々の戦略の幅を広げることができるはずです」

 

「様々な状況に対応とは言っていますが、実際のところは攻撃過多な部隊ですから」

 

 

 M4の苦笑と、隊のメンバーを見比べてあぁと同感するヘルリーゲル。

 AR小隊はROが加入するまではその名の通りARのみで構成され、とにかく前進と攻撃というスタンスだった。ROの加入である程度前衛と後衛に分かれることができたものの、SOPの榴弾も含め攻撃的な部隊であることは間違いない。結果としてROに頑張ってもらいつつ弾幕を張るというMG寄りの戦術も少なくなかったのだ。

 

 

「それに、隊の指揮を執る都合上あまり前に出すぎるわけにもいきません。 ですのでヘルリーゲルさんには積極的に前に出てもらうことになります・・・・・あなたもそれを望んでいるようですからね」

 

「ほぉ? なかなか話の分かりそうな隊長さんじゃねぇか。 いいぜ、任せな」

 

「そして、M16とSOPには機動戦を仕掛けてもらうことが増えるでしょう。 フェドロフさんは支援と援護を中心に行っていただきます」

 

「お任せください、務めを果たして御覧にいれましょう」

 

 

 新人二人の頼もしい言葉に、ROもM4も満足そうに笑う。そしてスッと立ち上がり、右手を差し出した。

 

 

「ではフェドロフM1916、ヘルリーゲル1915・・・・少し早いですが、お二人を歓迎します」

 

「えぇ、よろしくお願いしますね、隊長さん」

 

「あんたの期待には応えてみせるぜ」

 

 

 三人が握手を交わし、ここに新生AR小隊が誕生したのだった。

 

 

 

 

end




主人公(代理人)の出番がほとんどなかった件
さてさてまたもや週一投稿を逃してしまうこの体たらく・・・・だめだこいつなとかしないと。
今回はリクエストいただいた銃を人形化しました!第一次大戦の銃なんてかなりろロートルだな・・・・と思ってたけどナガンおばあちゃんなんかはさらに古いんですよね。

それはそれとして、ドルフロのビンゴイベントは皆さん順調ですか?
ビンゴと言えばチャット任務がありますが、送る相手に迷ったら遠慮なく送ってきてください。都度返信させていただきますので!


ではでは今回のキャラ紹介!

フェドロフM1916
ロシア帝国時代に製造された自動小銃。のちにソ連・ロシア連邦を代表するAKたちの大先輩にあたる。
日英の6.5mm×50SR弾(三八式実包)を使用していたらしい・・・・のでソビエト樹立後にはフェードアウト。
本作では某FPSでの使用兵科にちなんで『前線支援型』としている。負傷した人形の応急処置が可能で、簡易的ではあるが損傷した回路も修復できる・・・が、本作に戦闘描写はほとんどない。
作者の勝手なイメージで、帝政ロシア時代の貴族らしい落ち着いたキャラに。

ヘルリーゲル1915
オーストリア・ハンガリー帝国の『重』短機関銃、参考にした某FPSでの区分はSMG・・・・・トンプソンっぽい感じかな?
資料がほとんど残っていないため謎が多いが、ドラムマガジンというロマンのある見た目が特徴。
性能は普通のSMGだが、地雷等の対装甲武器を所持する・・・が戦闘がないので描写もない。
やや男勝りな性格。

AR小隊
原作ではちゃんとした意図のある名称だが、ここでは単純にアサルトライフルのみで編成されたことに由来する。きっと寝不足気味だったペルシカが適当につけたのだろう。

ペルシカ
自身も娘同然の人形に手を出した人。

ヘリアン
自分の部下をネタにする人。KENZENからウ・ス異本までジャンルは幅広い。
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