それはそれとして、以前予約した代理人フィギュア到着まであと1か月ですね、今からすでに待ち遠しいです!
では、今回のラインナップ
・MDR式放火術
・対不審者撃退装備
・教官と教え子
・敵の装甲車を発見!
番外46-1:MDR式放火術
戦術人形「MDR」・・・ARタイプの人形として高レベルでまとまった性能を持ちながら、ある意味問題児ばかりが集まったこのS09地区に配属された人形。あまりにも過剰な戦力として有名なS09地区だが、その実態は優秀な指揮官によって運用されている・・・・否、ここの指揮官ぐらいしかまともに運用できないほど一癖もふた癖もある人形たちが配属されているというだけのことである。
さて、そんな司令部に配属されるからにはMDRにも相応の理由がある。それは戦術や戦闘面での話ではなく、むしろプライベート寄りの内容のせいだった。
「むむむ・・・・この前のスレの反響悪かったな~、その前のは良かったんだけど」
MDRの趣味・ストレス発散・生きがい、それらの大部分を占めるのがネット上での活動だった。しかもごく普通のネットサーフィンなどではなく、書き込みを無意味に荒らしたり炎上させたりそれっぽいスレを立てて釣ったり・・・・お世辞にもいい趣味とは言えないものばかりである。しかもMDRにとって都合がよいことに戦術人形は美形ぞろい、閲覧数を稼ぐネタには困らない。
「『激写! 戦術人形の夜!』シリーズは受けがいいけどマンネリだしなぁ」
そして、大体被害にあうのは同期で同室のAA-12。ちなみにそのスレでははだけたパジャマの寝姿が激写され、世の変態紳士の関心を集めたスレとなった。一応プライバシーを考慮し目元は隠したが、それがかえって受けたようだ。
そんな調子で何人もの人形の姿を世に晒してきたが、MDRはさらなるスリルと称賛をお望みのようだった。
(いや、むしろリアルにパニックになるようなネタがあればその方が・・・・・おや?)
スマホ片手に通りを歩くMDRの視界が、見覚えのある人物をとらえる。服装こそ普段のものとはまったく違うが、戦術人形として登録された人間の顔や背格好を間違えるはずがない。
その人物・・・・MDRの上官である指揮官の後ろ姿とその隣を歩く人物を見るや否や、MDRの目がきらりと光るのだった。
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戦術人形は、一見すると人間そっくりである。その姿かたちも行動も、時には思考でさえも人間と変わらないほどだ。そして彼女たちはまるで歴戦の兵士のごとき活躍を見せるが、実稼働時間=生まれてからの時間はそれほど長くない。
要するに、新しいものに敏感なのだ。それが物であっても、情報であっても。
「姉さん、そろそろ寝る時間ですよ?」
とある日のこと、S09地区の数少ない良心であるM1ガーランドはそう言いながら部屋の電気を消そうとする。いつもならここで姉が「もう少し! もう少しだけ!」と駄々をこねながら指揮官の写真を眺めているのだが、今日は珍しく写真ではなく個人用の端末だった。そして珍しいことに、妹の声に一切反応がなかった。
「・・・・・・姉さん?」
姉の・・・・スプリングフィールドの奇行などよくあることだが、今回のようなケースは初めてだ。端末を見つめたまま石のように固まり、しかし不意に立ち上がるとどこからか縄を取り出し天井につるして丸い輪っかを作り・・・・・
「って姉さんストップストップ!?!?」
「離してくださいガーランド! 私はこんな現実認めません!!!」
「とりあえず落ち着いて! なにがあったのか教えてください!」
今にも本当に首を吊りそうな勢いのスプリングフィールドを押さえ、最終的にはそのロープで縛りつけることでようやく鎮めることができた。
なお余談だが、人形が首を吊ったところで死ぬことはない。呼吸も疑似的なものだし、何より首と胴体が分離しても問題ないのだ。ガーランドが恐れたのは、宙ぶらりんのままこれ以上何かをやらかす姉を見たくないからである。
「指揮官が・・・・指揮官がぁああぁぁぁぁ・・・・・」
「これは・・・・・!?」
スプリングフィールドが差し出してきた端末に映る一枚の写真。『衝撃!? 指揮官に意中の相手現る!?』という見出しとともに、そこには彼女が(一方的に)愛している指揮官と、その腕に抱きつく女性の姿が映っていた。後ろ姿だけだが、その雰囲気から友人以上の何かを感じることができる。
・・・・・が、それは
「・・・・・ってこれ、指揮官のお母さまじゃないですか」
「・・・・・・・・・・・・え?」
「姉さんは知らないかもしれませんが、指揮官のお母さまで間違いありませんよ。 それにこの記事を書いたのってMDRですよね。 知らないからしょうがないとはいえ、こんな紛らわしいタイトルまでつけて・・・・・・姉さん?」
「ふ・・・・ふふ・・・・うふふふふふふ・・・・・」
ゆらりと立ち上がる姉の姿に一抹の不安を覚えるガーランドだが、今までの経験からこれがどういう状況であるかを即座に理解していた。
この姉はもう、止められない。
「MDRゥゥゥウウウウウウウウ!!!!!!」
扉を蹴破り淑女さの欠片もない声と形相で走り去る姉を呆然と見送り、ガーランドは部屋の電気を消して眠りにつくのだった。
end
番外46-2:対不審者撃退装備
最近、司令部の風紀というか規律が乱れている、と相談を受けることがある。それは本部から出向しているジェリコさんだったり、生真面目なWAさんだったり、はたまた乱れた風紀に振り回されがちなFALさんだったり。
とはいえこれといって大きな事件もない平和なこの地区では、戦術人形である彼女たちが暇を持て余すのも無理はない。加えて指揮官様も人形たちに制限をほとんど設けていないため、自由を通り越して自由すぎる空気が生まれているのです。
「そして目下の問題は、Saiga-12さんのスキンシップでしょうか」
「えぇ、しかも見境ないってくらい守備範囲が広いのよ・・・・・とくに小柄な人形なんかは狙われたら逃げるしかないわ」
カリーナのため息交じりのつぶやきに、同じくため息をつく57。ちなみに彼女も両刀だとかアブネーやつだとか言われることがあるがそれは別の地区の彼女のお話で、むしろ彼女は『Five-seven』としては珍しいくらい普通なのだ。
Saiga-12は自他ともに認める両刀だが、ここの指揮官には手を出そうとはしない。ラブ勢たちの存在もあるが、それ以上に男女比99:1という状況ゆえに、同性を狙う方が手っ取り早いからだとか。
「・・・・で、頼んでたものは仕入れられたの?」
「もちろんです! 物自体は特別珍しいものでもありませんし、生産量も多いですから」
「そう、じゃああとは配るだけね。 手伝うわよ」
「ありがとうございます」
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「ふんふんふふ~ん・・・・・お?」
宿舎の廊下を上機嫌に歩くSaiga-12、そんな彼女が見つけたのはHGタイプの戦術人形P7。修道服から飛び出す耳が大変可愛らしく、Saiga-12曰く「誘ってる」だそうだ。
さて、ただ今の時刻は夕方の五時。夕食をとる者もいれば外へ出かける者もおり、逆に宿舎の人影は減る時間帯だ。加えて、一応の規律を守るためにも銃種別の宿舎間を行き来できる時間が決まっており、設定された精神年齢が低めな人形が多いHGの宿舎は、陽が沈み始めるころには他銃種の立ち入りが制限される。
そしてここは、そんなHG用の宿舎である。
「はぁ~相変わらず無防備な耳だね・・・・・・つまり合法?」(論理の飛躍)
「・・・・・・・ん? ヒィッ!?」
邪な気配を感じてP7が振り向き、小さな悲鳴を漏らすのも無理はない。目を見開きよだれを垂らしながら両手の指をわさわさと怪しげに動かすSaiga-12の姿を見れば、誰だってそうなる。加えて彼女がどういう人形かはすでに周知のことであり、あのいたずら好きなP7ですら怯えるほどだ。
だが、今日ばかりは違った。
「さぁお嬢さん、私とイ・イ・コ・トしましょ?」
「そ、それ以上来ないで!」<スッ
「あら、可愛らしいストラップn『ビーーーーッビーーーーッビーーーーッ』
P7がポケットから取り出したのは、小さなクマのキーホルダー。一見何の変哲もないそれだが、背中についた紐を引っ張った途端けたたましい音を立て始める。
あらゆる不審者を撃退し協力者を呼び寄せる万能アイテム、『防犯ブザー』である。
「な、なに? 何なのそれ!?」
「いたぞ! あそこだ!」
「そこまでよ!」
「おとなしくお縄につきなさい!!」
こうして、また一つ犯罪が未然に防がれたのである。
グリフィンは、今日も平和だ。
end
番外46-3:教官と教え子
「さてHK416、私が何を言いたいかはわかっているな?」
「はい」
私利私欲のために無断外泊と訓練不参加というとんでもないことをしでかした翌々日。9とともに妙にツヤツヤしながら帰ってきた416だが、司令部の敷居をまたぐと同時に雰囲気を一変させ、ジェリコがいるであろう訓練所に直行した。ジェリコもそれがわかっていたのか、訓練所の真ん中で待ち構えていた。
「ふむ、聞き分けがいいのはこちらとしても助かるな・・・・・ではHK416、貴様には明日から特別強化訓練を受けてもらい、期間中は通常任務は受けなくていい。 指揮官にはすでに合意を得ている」
「了解しました・・・・・で、本日は?」
「私とて暇ではない。 今日はもう戻って構わん」
「わかりました、では「あ、それと一ついいか?」・・・・?」
「今晩、少し付き合ってもらいたい」
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その夜、司令部から少し離れたレストランで食事をとることになった416とジェリコ。ジェリコから誘われることも珍しいが、なによりこのお世辞にもオシャレや小綺麗とは言い難い雰囲気の店を選んだことも、416にとっては意外だった。とはいえ416とジェリコは元教え子と教官という間柄、二人で食事をとっても緊張を感じることはなかった。
料理を注文し、先に注文していた飲み物(416はノンアルコール)で乾杯する。
「相変わらず酒には弱いんだな」
「人間と違って、強くなることなんかありませんよ」
「それもそうか・・・・・しかしまぁ、随分と大胆なことをしたものだ。 以前のお前なら考えられん」
以前、というのは教え子時代のことであり、そして表向き存在しない『404小隊』の頃の話である。よく言えば任務に忠実、悪く言えば融通の利かないエリート意識の高い人形で、故に誰からも評価されない・・・いや、
教官という立場であったため特別に彼女に関する記憶が消されずに済んだジェリコだが、陰ながらにそのことをずっと気に病んでいたのだ。
「そうですね・・・・以前の私なら、考えもしないことでしょう」
「それが今や、404小隊一の破天荒になるとはな」
人形も変わるとはいえ、変わりすぎだ。そう呟きながらグラスを傾けるジェリコに、416は困ったような笑みを浮かべる。ごく自然なそれに、ジェリコも口元を緩ませた。
「先に指揮官と話をしたが、指揮官もお前の行動には驚いてはいたものの、とくに罰をという話にはならなかったよ。 まぁ組織である以上何のお咎めもなしというわけにはいかんが」
「それについては覚悟の上です。 むしろもっと厳しい罰が下るとばかり思っていましたが」
「ふっ、そうだな。 お前の教官だったころならば、この程度では済まなかっただろう。
・・・・・私も少しうれしかったのさ。 任務任務だったお前が、こうも変わるものかとな」
ジェリコのその言葉に、416は驚いたように目をパチクリさせる。416に対するジェリコの評価同様、彼女にとってもジェリコの言葉はあり得ないものだったからだ。
「ん? どうかしたか?」
「いえ・・・・まさか教官が仕事に私情を挟むなどと思わなくて」
「そうか? 私とて殺戮マシンとして作られたわけでもないし、軍用のモデルでもない。 私情の一つや二つくらいあるさ」
強いて言うなら、教え子へのお節介だ。ジェリコがそう言ったところで、タイミング良く料理が運ばれてくる。
尊敬する教官の意外な一面を見た416は、料理と同時に置かれた会計伝票をジェリコよりも先に取り上げた。
「教官、今日は私に奢らせてください」
「む、なんだいきなり」
「ただの恩返しですよ・・・・ふふっ」
「・・・・・ふっ、そうか。 では言葉に甘えて奢ってもらうとしよう」
その後は二人とも、仕事のことなど忘れて食事をし、語り合い、夜は更けていくのだった。
end
番外46-4:敵の装甲車を発見!
フェドロフとヘルリーゲルが配属されてから数日後のこと。パトロールや治安維持活動が主なこのS09地区にも、頻度は少ないが出撃命令が下ることがある。一見して栄えている場所というものは、その影もまた深いのだ。
『こちらM16! 敵の装甲車両だ!』
『えぇ!? ここからじゃ届かないよ!!』
「SOP落ち着いて、目の前の敵に集中して!」
人形擁護筆頭であるグリフィン、その中でも有数の戦力を誇るS09地区司令部のお膝下で暗躍する非合法人形バイヤー、さらにその背後には過激派の人権団体・・・・数こそ順調に減らしているがそれでもなお一定数存在する厄介極まりない連中だ。ここに人形を快く思わない傭兵やら民間軍事会社やらの非公式な支援も加わり、練度に反して十分すぎるほどの戦力を有することとなってしまった。
当然ながら軍も掃討作戦に参加、戦車などの重戦力を相手取る。とはいえグリフィン側の相手も少なからず戦闘車両を有しており、戦況は五分五分といったところだ。
『こちらSG部隊、流石に機関砲までは防げないわよ!』
『AR小隊! SOPの榴弾で何とかできないの!?』
「そのSOPが足止めされているんです! もう少し耐えてください!」
『こちらD-15。 RO、ヘルリーゲルを見なかった?』
前線指揮を任されたROと、それを補佐するD-15の指揮でなんとか被害らしい被害が出ずに済んでいるなか、そのD-15が気になることを言い出した。さっと顔を出して確認すると、確かにヘルリーゲルの姿だけ見えない。フェドロフの方を見ても、首を振るだけだ。
まさか、知らぬ間にやられてしまったのか?
そんな悪い予感は、意外な形で裏切られる。
『あーあー、こちらヘルリーゲル、二十秒後に仕掛けるからそれまでもってくれ!』
「ヘルリーゲルさん!? いったい何を・・・・」
『そう心配するなよ隊長さん、派手に決めてやるからよ』
それだけ言って通信を切る。とりあえず無事であったことによる安堵と、詳細を語らない不安が入り混じるが、今は彼女を信じることにした。
そして予告の時間まで五秒を切ったころ、敵装甲車両を囲むように周囲の遮蔽物から五つの影が飛び出した。ヘルリーゲルとそのダミーたちだ。そしてその手には、やや大ぶりの手榴弾が握られている。
「ROより各員! 火力を集中しヘルリーゲルさんを援護!」
『はっ! 今度の新人は思い切りがいいな!』
『勇気と無謀は違うと思うが・・・・・・・・時間だ』
ダミーも含めた五人のヘルリーゲルから放たれた手榴弾が炸裂、正確無比に敵の戦闘力を奪う。下のもぐりこんだ一つは車輪と駆動系を破壊し、高く上がった一つはぴったり銃口の前で爆破、他にもアンテナやエンジン部などを潰し、装甲車をただの鉄の箱へと変える。
こうなってしまえば連中になす術はなく、増援も正規軍に追って鎮圧されてしまい、止む無く投降することとなった。
「いやー、上手くいったな!」
「上手くいった、じゃありませんよ! 突っ込むならそうと一言言ってください!」
「つーかお前、左腕やられてんじゃん」
後処理を軍に任せ、集合地点へと集まる人形たち。各部隊でダミーを失うといった多少の被害こそあったものの、未帰還者ゼロという十分な成果を上げられていた。
が、敵部隊に最も接近していたヘルリーゲルは左腕を丸ごと持っていかれ、しかも痛覚遮断が不調をきたしたのか痛そうに顔をしかめる。
そんなヘルリーゲルの前に、いい笑顔で現れる者がいた。前線支援型として製造されたフェドロフは、その手に大ぶりの注射器を構えながらヘルリーゲルへと近寄る。
「・・・・・おい、それはなんだ」
「人形用の応急処置用ですよ。 一種のウイルスで、痛覚機能を一時的にマヒさせることができるんです」
「OKわかった、私は大丈夫だから来なくていいぞって来るな寄るなこっちに向けるな!」
「大丈夫ですよヘルリーゲル、ちょ~~~っとだけチクってするだけですから」
「そういうわけで大人しくしてくださいヘルリーゲルさん」
「隊長てめぇ! さてはさっきの仕返しだな!?」
その日、安全であるはずの集合地点から悲痛な断末魔が聞こえた、と軍の報告書に挙げられたという。そしてこの日以降、ヘルリーゲルに注射器を見せると大人しくなるようになったとさ。
end
本作と一切関係ない私事ですが、先日『Super Grouples』×『Bloodborne』の腕時計を予約しました。いろんなゲームやアニメとのコラボ商品を扱っているので、気になる方は是非見に行ってみてください!
アズレンとのコラボがあるくらいだからドルフロのコラボとかしてくれんかぁ
では、今回の各話解説。
番外46-1
MDRと言えばこのネタ。事実確認の前にまず報道、が基本。
それにしても春田さんってなんでこんなに使いやすいんだろ笑
番外46-2
防犯ブザー(社会属性範囲攻撃)
ブザーの紐だけなくして延々と鳴り続けていたのはいい思い出。
番外46-3
416への罰、その前日譚てきなやつ。
ジェリコって普段は厳しいけど不意に見せるやさしさとか気遣いとかがあると思うんですよ。
なお、特別強化訓練は手を抜かない模様。
番外46-4
ヘルリーゲルのはBF1の実況とかで見る光景、敵装甲戦力への一斉攻撃。
ドルフロのスキルに当てはめると、手榴弾系のスキル。ただし
フェドロフ・・・というより援護兵といえば注射というイメージ。