喫茶鉄血   作:いろいろ

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コラボ回だぁぁぁぁぁ!!!

彼女たちが出る作品には「自由とは何か?」みたいな話がつきものですが、こっちは初めから自由なので無問題。


第十九話:自由を求め・・・なくても自由な世界

(じーーーーーーーーー)

 

「・・・あ、あの・・・」

 

「ほら、45姉頑張って!」

 

「Don’t worry, you can do it.」

 

「ほら、深呼吸深呼吸。」

 

 

特大寒波のせいで寒さの厳しい日が続く二月某日の金曜日。

喫茶 鉄血に訪れた404小隊はあまりの衝撃に言葉を失う。45はいつもの不敵な笑みから一転して随分間抜けな顔に、9も口を大きく開けてポカンとし、416は全思考AIがフリーズ、G11に至っては寝ぼけた目がかつてないほど見開かれている。

そんな彼女らの前にいるのは見慣れた人間と見慣れない人間、そして見慣れすぎた人形四人。

 

 

「あ〜、まさか君達もここに来るとはね。」

 

「ふむ、まさに想定外ですな。」

 

「いやいやいやいやちょっとなにこれどういうこと?」

 

 

ため息をつくペルシカともう一人の男性(首から17labと書かれた名札をぶら下げている)。

そして彼女たちの隊長であろうUMP45もどきはさっきからテンパったままあたふたしている。

 

 

「・・・まぁ想定外の遭遇だったからね。 私から説明するよ。」

 

 

そうして語られる404もどきたちの説明。

まず彼女たちはF計画(feedback=フィードバック)によって生み出された第2.5世代人形であること。F計画は文字どうり、日々成長する人形たちのデータを整理し、それを反映させたAIを搭載した人形たちを作る計画であること。

404小隊に

似ているのは、暇だ暇だとうるさい彼女らに訓練と称してデータを提供してもらったからで、その際隊長には話を通してあることを説明した。

 

 

「・・・45姉?」

 

「し、知らないわよそんなこと!」

 

「確かあの時君はテレビを見ながら話半分に聞いていたよね。」

 

「・・・どういうことかしら()()()()?」

 

「・・・・・11?」

 

「自業自得じゃん。」

 

「45姉のバカッ!」

 

「ぐはっ!?」

 

 

地に伏したUMP45(ポンコツ)を放置して話を進める。

 

 

「まずこの子はF11。」

 

「はじめましてG11。 あなたの活躍は聞いているわ、よろしく。」

 

「お、おう。 ていうかデカイ。」

 

「で、次がF416。」

 

「Nice to meet you, HK416.」

 

「・・・話し方が気になるけど、とりあえずよろしく。」

 

「Yeah. Also, is it true that you are going out with 9?」

 

「ちょっ!?」

 

「・・・んで、次がF9。」

 

「よろしくね!」

 

「うん! こちらこそよろしく!」

 

「そして最後がF45・・・ほら、ちゃんと前に出て。」

 

「え、えっと・・・よ、よろしくお願いしましゅ!」

 

「・・・・・・・・・・。」

 

「・・・あのぉ・・・UMP45、さん?」

 

「・・・お姉ちゃんって、呼んでみて?」

 

「ふぇ? えっと・・・お姉ちゃん?」

 

「・・・ペルシカ、この娘は私がもらっていくわ。」

 

「ダメに決まってんでしょ。」

 

 

そうして一通りの挨拶を終えて改めて比べてみると、やっぱり微妙に違う。

F9はまだUMP9に近い、というかそのままだ。F45がアレなのでその分しっかりしているというくらいだろう。

F11は元のG11よりもやや背が高い。おまけに眠そうな感じもなくシャキッとしている。

F416は外見の差異こそないがなぜか英語しか話さない。一応通じるので特に問題はないが、なぜ英語なのだろうか?

そしてまるっきり別人のF45。肌の色がオリジナルよりもさらに白く、その性格も臆病そのもの。F9の妹と言われても信じるレベルである。

 

 

「私たちはともかく、45のなにをフィードバックしたらこうなるわけ?」

 

「45のダメなところをまとめて綺麗にしたらこうなるんじゃない?」

 

「ちょっと二人とも酷すぎない!?」

 

「そ、そうだよ。 45お姉ちゃんはそこまで悪くないはずだよ。」

 

「あぁもう大好きよF45!」

 

 

最近9が416とベッタリなせいかF45にデレッデレな45。

周りが一様にため息をつく中、代理人が人数分のコップを持って現れる。

 

 

「あら? これは?」

 

「せっかくの機会ですから、歓迎会など開いてみてはいかがでしょうか? 幸い今日は金曜日ですから、お酒もいくらかは出せますよ。」

 

「・・・そうね。 じゃ、お言葉に甘えて。」

 

 

閉店間際ということもあって客が少ないので、急遽ここで歓迎会を開くことになった。

運ばれてくる料理や飲み物の中には、当然お酒も含まれていた。

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

「・・・ねぇ。」

 

「はい、何でしょうか?」

 

「F45のプログラムにやたら拘ってたのはあなたよね?」

 

「えぇ、そうですが?」

 

「何であんなに酒に弱いのよ。」

 

「可愛いでしょう?」

 

「そうじゃない!」

 

 

開始わずか十分。

乾杯の一杯ですでに赤くなり、ジュースみたいだから飲みやすいはずと勧められたカクテルでさらに酔っ払ったF45のせいで場は混沌としていた。

 

 

「んぅ〜〜〜暑い〜〜〜!」

 

「ちょっ!? 45姉ダメだって! 他のお客さんもいるんだから!」

 

「やらぁ〜脱ぐの〜〜!」

 

「わ、わかったから! パーカーは脱いでいいからってダメダメ下はダメ!」

 

「・・・人形なのにあんなに酔うの?」

 

「・・・I don’t know.」

 

「こっちはお酒関係なく寝ちゃったけど。」

 

「ZZZzzzz・・・・」

 

「・・・・・お姉ちゃん・・・」

 

「ん? 何かしらF45っておわっ!?」

 

「お姉ちゃん、好きー!」

 

「そ、そうお姉ちゃんも嬉しいわだけどちょっと離れて顔が近いんむぅ!?」

 

 

酔ったF45はUMP45に抱きついた次の瞬間には熱いキスを交わしていた。舌まで入ったディープなやつである。

 

 

「ちょ、ちょっと待ってF45って今度はどこ触ってひゃん!?」

 

「えへへ〜、お姉ちゃん可愛い。」

 

「ちょっ、やめっ、あっ、んっ、やぁ・・・」

 

「45姉ストオオオォォォォップ!!!!」

 

「これ以上はまずいって!!」

 

「This novel is an all age version!!!」

 

「そんなメタいらないから止めてよ!?」

 

 

悩ましい声を上げるUMP45と変なスイッチが入ってしまったF45。

そんなカオスな状況と周囲の何かを期待する目の中、ようやくF45が眠りについた時にはほぼ全員が満身創痍だった。

そんな時、店に一人の男性が入ってくる。

 

 

「すみません、遅れましt・・・何だこれ。」

 

「あぁ、来たね。」

 

「ペルシカ、彼は?」

 

「・・・本当はもっとちゃんとしたとこで紹介するつもりだったんだけどね。」

 

 

そう言って男の隣に立つペルシカ。

コホン、と咳をして紹介を始める。

 

 

「F小隊の設立に伴い、新たに彼女ら専任の指揮官を任命した。」

 

「はじめまして。 F小隊の指揮官を務めることになりました、ディミトリ・ベルリッジです。」

 

「彼共々、F小隊はここS09地区の指令部に配属となり、研修を積むことになるわ。」

 

「よろしくお願いします。」

 

 

 

 

 

 

 

「・・・あ〜〜〜、自己紹介はありがたいんだけど、まずこっちを何とかして欲しいかな。」

 

「アッ、ハイ。」

 

 

なんとも締まらない自己紹介を終え、ひとまずお開きにすることに。

完全に泥酔したF45を指揮官が、いろんな意味でぐったりした45を9が背負い、寝てる11を416が蹴り起こしてそれぞれ店から出る。

 

 

「ごめんね代理人。 せっかく用意してもらったのに。」

 

「構いませんよ、これくらい。 またいつでもお越しください、とお伝えください。」

 

「・・・お酒は無しで。」

 

「当然です。」

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

「ようこそS09司令部へ。 大した歓迎もできずにすまない。」

 

「いえ、こちらこそこんな時間に来てしまって。」

 

「君たちの部屋は用意してある。 好きに使ってくれていい。」

 

「ありがとうございます。」

 

「・・・むにゃむにゃ・・・お姉ちゃん・・・」

 

「・・・研修は明日の午後からにしておくから、ゆっくり休むといい。」

 

「すみません。 お言葉に甘えさせてもらいます。」

 

「気にしなくていい。 じゃあ改めて・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ようこそ。 君たちを歓迎するよ、F小隊。」

 

end




はい、というわけでみんな大好き404-F小隊の登場だ!
ちなみに彼女らは『404小隊(大嘘)』の頃の彼女らなのでショットガン内蔵でもコア複合でもありません。

彼女たちはしばらくここで研修を行い、別地区の司令部に異動になります。なので、当分はこの地区にいます。いつでも出せるぜ!


というわけでキャラ紹介・・・と補足。

F45
みんなのアイドル。
他の作品の例にもれずここでも極端に酒に弱く、酔うと脱ぎはじめたりキス魔になったり・・・サイコーだなおい!
元作品では壊滅的な命中率を誇っていたが今作では逆にその辺は優秀。
ユノちゃんと同じく非常に描きやすいキャラ。

F9
オリジナルとの違いが一番少ない(というかほとんどない)キャラ。
なので今作では、『小隊長をサポートすることに特化した支援型人形』という設定を付け加えた・・・結局使わなかったけど。
F9もUMP9も姉の呼び方が「45姉」なので描きわけが結構難しい。

F416
グー◯ル翻訳先生のありがたみがよくわかる人形。
元作品ではかなりきついスラングを使うが今作では割とマイルド。性能面ではHK416よりも多めに榴弾を持っていることが特徴。これはF9やF11に特殊機能をつけたため全体的な火力が下がったから。
面倒見がいい。
オリジナル同様、胸がでかい(重要)

F11
作戦中に寝ない、サボらないG11。
加えて電子戦モデルでもあるため、ハッキングやクラッキング、ジャミング対策もお手の物。G11と比べて語尾に「〜わ」がつきやすい。
あとちょっと背がでかい。

いつもの404
もう何回目の登場かわからないけどよく出てくる。
出てくるたびに45姉が残念になるのでそろそろ救済したいと思ってます。
オンの時はエリートにふさわしい活躍ぶりだが、オフになると四六時中イチャつくカップルに基本的に起きない寝坊助に失った妹分を何かで埋めるように彷徨う姉という変貌っぷり。

新任指揮官
本名:ディミトリ・ベルリッジ
言わずもがなF小隊の指揮官である。
元作品ではF45が変わるきっかけとなった一人だが、今作ではいたって普通の指揮官。
残念ながら多分もうでない。


補足
ハンター&デストロイヤーについて
F小隊といえばこの鉄血二人ですが、今作ではF小隊誕生の経緯からして一切接点がないので、残念ながら元作品のような立場の二人は出ません。







おまけ


コンコン

F45「?・・・はーい。」

UMP45「F45、今大丈夫?」

「うん。 どうしたの、お姉ちゃん?」

「だ、大事な話があるんだけど・・・」

「???」

「あ、あのね・・・私・・・あなたのことが・・・」


続きは番外編で。

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