いやぁ、こういうフィギュアを買うのって初めてなんですけど、1/7って意外とでかいですね(置き場所を考えてなかった者の末路)
今回は新キャラの登場!
そしてお馴染みの独自設定!!
「不審者・・・ですか?」
「はい、もし見かけたら教えていただきたいんです」
寒さの続く一月某日、まとまって来るには割と珍しい面々・・・・AR小隊が店を訪れた。話を聞いてみると、近頃周辺の地区や町で見慣れない人物を目撃することが多いらしく、本社からの通達に従って注意喚起を行っているらしい。
年明けの変なテンションを振り切った変態の類かとも思ったが、どうにもそんな楽観的なものではない様子。小隊長であるROを筆頭にSOPⅡ、M16、そして非戦闘員であるはずのD-15までもがフル装備で警戒態勢を敷いている。
「珍しいですね、
「一応戦闘関連のシステムがないというだけで、訓練すれば銃を扱うことはできますよ。 まぁ今回は現地での記録が主ですけど」
そう言って掲げるのは割と真新しいカメラ、しかもグリフィンのロゴまで入った軍用モデル。いざというときはこれを持ち帰ってさらなる対策を練るという、割と重要な役割のようだ。
今回は市街地での近接戦闘が予想されることからか、カービンモデルのROはもちろん、火力担当のSOPもアンダーバレルをショットガンに切り替えており、周囲への被害を最小限にしようという意気込みが感じられる。
「それで、これがその不審者・・・・の似顔絵ですか?」
「監視カメラの映像や目撃情報しかなかったので。 ほかにも数名いるようですが、我々が追うのはこの二人です」
「髪形以外ほぼ同じ・・・・よっぽどそっくりな双子か、同型の人形だろうな」
最先端を行くグリフィンには少々不似合な、まるで西部劇に出てくるような指名手配の紙。そこに写るのは確かに瓜二つな二人の人物で、黒っぽい服とツインテール・サイドテールの髪が特徴的だった。ただ見た目以外は不明らしく、名前欄もただの『不審者A』『不審者B』とだけ。あまりにも質素なその手配状に、代理人も思わず苦笑する。
「すでにこの地区全域に配布し、街のいたるところに貼っています。 情報が入るのは時間の問題でしょう」
「そこを私たちが一網打尽!」
「成功報酬で酒盛りだ!」
「・・・・・という理由でモチベーションを保っています」
微妙に不安要素を残しつつ、代理人も手配書を数枚受け取るのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
それから数日後のこと。意外にも早く手配書の効果が表れ、街中に警戒態勢の軍とグリフィンの部隊が溢れかえっていた。予想通り不審者二人組はこの地区にやってきて、さらに昨晩にはこの街に入ったようだと伝えられた。
今のところはただの不審者・・・・しかしあらゆるデータベースを探しても該当する情報がないため、軍とグリフィンは『違法製造人形』として捕獲する方向で進んでいる。先に捕まえた方で解析される予定のため、互いの威信をかけて捜索活動が行われているのだ。
そんな様子を窓から見下ろし、ふぅっとため息をついてカーテンを閉めた代理人は、
「随分と騒ぎになっていますね・・・・・一応ここにいる限りは安全かと思いますが」
「どうかしらねぇ・・・・・」
「我が身に安息などなく・・・・ところでこのコーヒー美味しいですわね」
「あんたはもうちょっと警戒しなさい!」
開店直前に店の近くに現れたこの二人・・・・ツインテールの方が姉の『ニモゲン』、サイドテールの方が妹の『マーキュラス』という名だ。偶然発見した代理人が半ば強引に匿い、現在に至る。
身を隠す目的で被っていた黒いローブだが、それがむしろ不審者感丸出しだった。結果として彼女たちは身を隠すことができたのだが、ニモゲンの方はまだ代理人のことを信用していない様子で、長い袖から四つ爪のアームを覗かせて警戒する。
「いきなり信用して頂けるとは、こちらも思っていません。 まずは互いのことを知る必要があると思いますが?」
「・・・・・そうね。 ならあなたのことはこう呼んだ方がいいかしら、『鉄血工造衰退の元凶さん』?」
「ふむ、実際その通りですね」
「ちっ・・・・表情一つ変えないなんてね」
忌々し気に毒づくニモゲン。どうやら彼女たちは代理人のことを知っているようで、しかも最近製造された人形では知らない者も多い鉄血工造時代の代理人も知っているようだ。そのことに内心驚きつつ、今度は代理人も二人を観察する。
髪型以外だと服の装飾の色くらいしか違いがないことから姉妹機だと考えられるが、それ以上のことは所属も含めて不明のまま。ただ昨今の人形にしては珍しい四つ爪のアームは、少なくともIoP製ではないことを表している。
「ふふっ、そんなに熱心に見つめて何か分かったのかしら?」
「残念ながら、見てわかること以外は何も」
「うふふ、そうでしょうそうでしょう」
「なにせ私たちは『お父様』の最高傑作・・・・つまりは最強なのです」
どうやら彼女たちは『お父様』という人物が造った人形であるという。しかも話しぶりから彼女たち以外にも存在するようで、その中でもトップクラスの性能を持つということだろう。
あと、もしかするとマーキュラスの方はちょっとだけアホの子なのかもしれない。
「お父様・・・ですか? その方はどういう目的であなた方を?」
「あらあら、さっきからそちらからの質問ばかりね」
「目には目を、歯には歯を」
「マーキュラス、それちょっと違うわよ」
冷静にツッコミを入れるニモゲンだったが、二人が一瞬目配せした次の瞬間、二人の袖口から勢いよくアームが伸びる。虚を突かれた代理人が動くよりも早く、二人のアームの先端が代理人の喉元に突き付けられる。俊敏性と正確性、そして二人の一糸乱れぬ連携が、彼女たちが自身を最高傑作と呼ぶに相応しい人形であることを示している。
「今度はこちらの番よ、
「もちろん、協力してくださいますわよね?」
先ほどまでとは雰囲気を一変させた二人から放たれる、機械的な殺意。従わなければ一切の慈悲もなく
相手の性能が分からない以上、救援を呼ぶなどの迂闊なことはできないし、抵抗して下にいる仲間や客までもが巻き込まれるのは何としても避けたい・・・・・恐らくただの
「お利口さんね」
「こちらの手間も省けるというもの・・・・では早速」
「「私たちをここに住まわせt『グゥ~~~~~~・・・・・』
無駄に大きなノイズが流れ、二人の表情が固まる。聞き間違いでなければそれは二つの音が重なったような感じで、少なくとも可愛らしさとかそういうものの欠片もないような音だったと思う。
何かを言おうとした途中で固まったままの二人はゆっくりと再起動し、やや前のめりだった姿勢を正すと・・・・・・ゴンッという鈍い音とともにテーブルに突っ伏した。
「・・・・・あの・・・大丈夫ですか?」
「うぅ・・・・お腹すいたぁ・・・・・」
「我が力の根源・・・・すでに虚空の彼方に・・・・・」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツ
「お二人とも、そんなに慌てて食べると体に悪いですよ」
「|うるひゃいわね、ほっひはほうはんひふぃふぉふぁふぉほひ《うるさいわね、こっちはもう何日もまともに》ゴクンッ・・・・食べてないのよ!」
「五臓六腑にしみわたります・・・・・」
出した皿がちょっと目を離したすきに空になるのを、代理人は苦笑しながら見守る。喫茶店なので量も決して多くはないのだが、それでもすさまじいペースで平らげている。見た目だけならお嬢様と言ってもよい二人が脇目も振らず食らいつく光景はかなりシュールだろう。
ニモゲンの言う通り、二人が最後にまともな食事をとったのはずいぶんと前・・・・・まだ『お父様』のもとにいた頃が最後だった。そこから家を出て
『お父様』の期待を裏切らないように、そして『お父様』の最高傑作であるという自負から引き返すという選択はなく、ほとんど飲まず食わずでようやくここにたどり着いたのがつい昨日のこと・・・・・いくら人形とはいえ無茶をするものだ。
「まぁいいでしょう。 で、先ほどおっしゃったことですが」
「えぇそうよ、ここに住まわせてちょうだい」
「お父様のご指示ですので」
「・・・・・・その『お父様』という方は何者なのですか?」
「『お父様』は『お父様』よ、それ以外の何者でもないわ」
「『お父様』は『お父様』です、それ以外の何者でもありません」
『お父様』と呼ばれる存在の謎は深まるばかりだが、その代わり彼女たちの目的を知ることはできた。いや、そもそも目的らしい目的はなく、その『お父様』の指示で喫茶 鉄血でお世話になるように言われただけなのだという。それ以外の指示も特になく、そこに疑問を抱かなかった二人はこうして遥々やってきたということだった。
・・・・・相手の了承も得ずに決めた『お父様』とやらに若干の敵意を抱きつつ、代理人はひとまず追い返す方向で話しを進めようとするが。
「あぁ、なんということでしょう。ここへ受け入れてもらわねば、私たちは雨風に曝される哀れな人形に」
「いえ、その場合グリフィンが保護することになると思いますが」
「なんと!あなたはあの極悪非道な組織に身を投げろというのですか!?」
「極悪非道って・・・・まぁ私はそれでもかまわないかと」
「おお神よ、彼女には人の心がないのでしょうか?」
「生憎と、私は人形ですので」
マーキュラスの無駄に仰々しい語り口調とそれを止める気もなく笑うニモゲンにイラッとしつつ、しかしふと妙案を思いついた代理人は一度席を立つと、あるものを取りに店に戻っていった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
二十分後、なにやら分厚い本を持って戻ってきた代理人は、妙にニコニコしながら二人に向かい合う。
「お待たせしました。 お二人をここに置いておくこと自体は問題ありません」
「あら、じゃあ決まr「ですが、一つだけ条件があります」・・・・・なにかしら?」
条件、と聞いて再び警戒心をあらわにする二人。それくらいは代理人も想定済みであるため、かまわず一枚の紙を差し出す。
そこには大きく、『雇用契約書』と書かれていた。
「働かざる者食うべからず、お二人にもここの従業員として働いていただきます」
「お断りよ、誰がそんな面倒なことをするのかしら」
「『お父様』の指示にもありません」
代理人の要求を一周するニモゲンとマーキュラス。特にニモゲンはあからさまに不機嫌な態度になり、下手なことを言おうものなら武力行使も辞さないという雰囲気すらある。
だがこれも代理人にとっては想定内のことで、契約書とは別の小さな紙を差し出す。店名と商品名、そしていくつもの数字が並ぶそれは、もちろんこの二人が食べたもののレシートだ。
ただでさえ路銀の尽きた二人には到底払えないほどの数字がそこにある。
「お二人ともたくさん食べましたもんね」
「あ、あれってタダじゃないの!?」
「別にタダと入っていませんよ」
「横暴ですわ!? ヤクザですわ!?」
二人がどれだけ喚こうと、代理人の笑みは崩れない。食べたことは事実だし、無理やり食べさせられたわけでもなく価格自体も適正のもの。今ここで逃げ出せば無銭飲食で追われる身となり、そうならないようにするためにはここで働くしかない。
「お二人は今、グリフィンと軍が血眼になって探しているお尋ね者です。 この街から逃げ出すのは不可能といってもよいでしょう」
「うぐぐ・・・・・・」
「それに、お二人の目的はここを拠点とすること。 そういう意味では、ここで働くこと自体に問題はないはずでは?」
「むむむ・・・・・・」
「私はどちらでも構いませんが、この店の主である以上は従業員の安全を守る義務があります」
「あ~もう、わかったわよ!!!」
やけくそ気味にペンを掴み、二人分の名前を記入するニモゲン。印鑑などは持っていないが、さすがにここまで来て偽物ですということは無いはずなので問題ない。
契約書を受け取った代理人は目の前でレシートを破り捨てると、二人に用意していたマニュアルを手渡しながら言った。
「ようこそ、喫茶 鉄血へ。 あなた方を歓迎いたします」
翌日、指名手配中の二人が働いているということで騒ぎになるのだが、それはまた別のお話し。
end
ここまでひどいキャラ崩壊がいまだかつてあっただろうか・・・・・・・わりとあったな。
というわけで、今の今までどうやって出そうか決めかねていたパラデウス勢も無事出場です。知れば知るほどヤベー連中なうえにその根源にあるのがコーラップスだって言うんだから・・・・どうやってうちの世界線に出せっちゅうねん!!
そんなわけで原作設定を大幅に無視した独自設定盛盛でお送りしておりますので、ご了承ください。
それでは今回のキャラ紹介!
ニモゲン
出自不明の人形A、マーキュラスの姉。
丁寧なように見えて相手を微妙に見下してるような口調が特徴だが、根はいい子。
普段は四つ爪のアームを使うが、一般的な人形の手も袖の中に格納されており、任意で換装可能。
原作ではかなりアレな出自だったが、ここでは純粋な高性能人形。
マーキュラス
出自不明の人形B、ニモゲンの妹。
お嬢様のような喋り方かと思えば妙に芝居がかった口調や慣用句などを使って話し始め、しかも時々用法を間違える。
アームは先のとがった触手型で、ニモゲン同様に普通の手と感想可能。
原作のセリフは詩などの引用らしいが、(作者がそこらへん疎いので)ここでは口調が安定しないキャラ。
ニモゲンと合わせ、この世界ではコーラップスのコの字もない。
AR小隊
隊長にRO、副長兼専任指揮官のD-15、突撃担当のSOP、オールラウンダーのM16で構成される。
M4とAR-15が抜けたことで戦力は低下したが、その分使い勝手のいい部隊になったため出撃回数はむしろ増えている。
なお、プライベートでの治安はあまりよろしくない。
代理人
異世界の人間・人形がいるくらいなので、出自不明の人形程度驚くほどでもない。
ちなみに、破り捨てたレシートはコピーしたものなので、原本はまだ手元にある。