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先日発表された鉄血工造の最新鋭ハイエンドモデル、そして鉄血工造の業界復帰を受け、業界は一気に慌ただしくなった。元々鉄血工造の技術の高さは業界随一であり、安価で高性能といえば鉄血工造、軍にも匹敵する高性能機といえば鉄血工造と呼ばれていたほどだ。
実際、復帰と同時にローエンドの購入依頼が殺到するなど、一度は衰退したと言えど天下の鉄血工造に揺るぎはないのだ。
そんな鉄血工造の復活に、最大のライバルであるIoPが黙っているはずがなかった。特にこの件に深くかかわっているペルシカはむしろこの流れに乗ってやろうと、新たなプロジェクトを進めるのだった。
「・・・・・で、そのお二人がどこかに行ってしまったと」
「ペルシカちゃん、私が言うのもなんだけど管理不足じゃないかな?」
「ほぉ、アーキテクトにもその自覚があったとは驚きだ」
ところかわって喫茶 鉄血。カウンターに座るペルシカが珍しくへこんでおり、その場に居合わせたアーキテクトとゲーガー、カウンターの内側から代理人が事情を聴く。
アーキテクトと同じくらいの天才(高度な演算能力を備えた人形と同等の時点で十分化け物)であるペルシカは、鉄血工造の発表から僅か一カ月という短期間で試作機を完成させてしまった・・・・・もともとの設計があったとはいえ、驚くべき早さだ。
そんなわけで正式な発表の前に(なぜか)代理人の元へと連れてくるつもりだったのだが、少し目を離した隙にどこかへ行ってしまったらしい。
「確かにマイペースな子にしたけど、ここまでとは思わなかったのよ・・・・」
「って言う割にはちょっとうれしそうじゃない?」
「そりゃ、自分の意思で行動してくれるなら生みの親としては嬉しいのよ」
「だよね!」
「その思いつきに誰が振り回されると思っているんだ大馬鹿野郎」
ゲーガーの拳がアーキテクトに降りかかったところで、代理人はとりあえずの疑問を聞いておくことにする。そもそもなぜ喫茶 鉄血に連れてくることになったのかと、行方をくらませた人形の特徴だ。
「うん? 連れてくる理由は特にないけど・・・・まぁいざというとき頼りになるし」
「最初から部外者を頼りにしないでください。 というより、IoPもグリフィンも私のことをなんだと思っているんですか?」
「世話好きで面倒見が良くて放っておけない性格の優しい人形」
「言い換えれば『都合の良い人形』とも取れますが?」
「物は言いようだよ」
しれっと言い放つペルシカに、代理人は軽くため息をつく。もっとも、IoPもグリフィンも代理人に何かを背負わせるつもりは端からなく、現地で見守ることができないので代わりに気にかけてやってほしいという意味合いだ。
代理人もそれ自体に異論はないし、この店に人が集まる理由でもある。が、流石にこうも頻繁にあると、大元の管理体制を疑わざるを得ない。
「・・・・まぁいいでしょう。 それで、その方々の特徴は?」
「片方は白のショートに蒼い目だからすぐわかるよ、あとすごく無口だし」
「部隊のコミュニケーションとしてはどうなんですか、それ」
「で、もう片方はたぶんずっと笑ってるよ。 青い髪に赤目で、出るとこが出てる子だね」
「ジャッジちゃんが見たら発狂しs「誰が発狂するって?」・・・・や、やぁジャッジちゃん」
背中に銃口を突き付けられて冷や汗を流すアーキテクト。何ともタイミングのいいところで入ってきたジャッジは相変わらずむすっとした顔のまま、腰に手を当てて不満をあらわにしている。
ただどうやら一人ではないらしく、その後ろに二人ほど見慣れない人物が立っていた。見たことがない風貌なのだが、つい最近どこかで聞いたような見た目だが・・・・・・。
「久しぶりだな代理人、早速だが道中で見慣れない人形を拾って・・・何か知らないだろうか?」
ジャッジが後ろを指さすと、二人の人形は無表情と笑顔という真逆の表情で前に歩みでた。
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「じゃあ紹介するね。 白い髪の方が『W』で、青い髪の方が『H』よ」
「・・・・・よろしく」
「あなたが代理人? 今後はお世話になるわよ」
場所を変え、喫茶 鉄血の前の小さな公園にイスとテーブルを出して話を聞く代理人たち。場所を変えた理由は人数が多いのもあるが、一番の理由がWとHの装備にある。
IoP製試作戦術人形『W』、高い機動性と火力を有するARタイプとして開発された人形だ。最大の特徴はMODのデータを応用した二丁持ちと、既存の人形を超える火力を誇るマイクロミサイルで、シンプルながらまとまった性能となっている。反面、常に二丁のライフルを持ち歩くことになるため、必要以上に場所をとってしまう。
そしてもう一人、こちらも同じく試作戦術人形の『H』だが、彼女の場合はWの真逆ともいえる。ARとSGの中間をコンセプトとし、こちらもショットガンとアサルトライフルの二丁持ち。そして一際目を引くのが、背中に背負った身の丈を優に超えるレーザー砲。IoP初となるレーザー兵装だが、まだまだ試作ゆえにかなり大きくかさばってしまう。
というわけで、決して広いとは言えない店内では邪魔になるため、こうして外に出ているというわけだ。と同時に、少々気になることも言われた気がする。
「・・・・・
「あれ、博士から聞いてなかったっけ?」
「困ったことがあれば代理人に・・・・そう言われた」
「・・・ペルシカさん?」
そろそろと逃げようとするペルシカをサブアームで捕縛し、問い詰める。先ほどIoPが何かと代理人を頼りにしがちだと話したばかりだが、どうやらその筆頭は目の前にいたらしい。
「わ、私だって気にかけてるよ!? けどどうしても目の届かないところだってあるじゃない!」
「でしたら指揮官さんに頼めばいいではありませんか」
「指揮官としては有能だと思うけど無自覚女たらしはちょっと・・・・」
別に指揮官は悪くない・・・が、いかんせん人形からモテやすく、しかもその結果があの残念集団とくれば確かに不安にもなるだろう。そこにはアーキテクトやジャッジ、代理人でさえも同感だ。
だが、そういうことなら他にも頼む相手はいるはずだ。M4なんかは面倒見がいいし、ROに預けて一時的にAR小隊に置いておくのもいいと思う。そうでなくとも、基地の人形は皆優しく面倒見がいいので、そこまで心配することでもない気もするが。
「忘れてるかもしれないけどね代理人、この地区に集められる人形って訳ありの子も多いんだよ」
「それを『個性だ』と言ってそのままにしているのはIoPでは?」
「ついでに間違いなく、この二人もそっち側だよね?」
「
「ぐぅ・・・・・」
「まぁまぁ、そこらへんにしてあげなって」
四面楚歌状態のペルシカに救いの手・・・・Hから仲裁の声が入る。さすがは我が子、早くも親孝行かと目を輝かせるペルシカに、Hが言葉をつづけた。
「そもそもの話、メンタル部分を徹夜とエナドリとコーヒーのテンションで作り上げてるんだから個性しかないわよね!」
「ちょ、ちょっと!? その話はしないでって言ったでしょ!?」
「あれ、そうだっけ? ぎゃははは!!」
何がそこまで面白いのか、ゲラゲラと笑い続けるHの口をふさぐがもう遅い。ゲーガーや代理人はおろか、あのアーキテクトですら「うわぁ・・・」と言うような顔であきれ果てている。
「待ってくれ皆、これにはそれなりに訳があるんだ」
「良かったなアーキテクト、言い訳の仕方までお前と同類だぞ」
「良くはないよ!?」
「腕は信用している・・・・・けど、勢いだけでやるのはちょっと・・・・・」
「Wちゃんまで!?」
そんなこんなで談笑しているが、あくまでここは店の前の公園。店のマスターに全身ほぼモノクロの鉄血ハイエンド、白衣の女性と見た目のわりに物騒な銃を持った少女、極めつけは身の丈を超える何かを背負った女性と来れば、嫌でも目立つ。
加えてここは住宅地に囲まれた公園であるため、子供たちがわらわらと群がってきた。
「ねーねーおねえちゃん、それなぁに?」
「おっきいね!」
「みせてみせて!」
「ぎゃははは! いいよいいよ、せっかくだから見せてあげよう!」
「ちょ、こらっ!?」
子供たちの純粋無垢な要望に応えようと、Hが背中に背負った馬鹿でかい砲を展開し始める。慌ててペルシカが止めに入るがもう時すでに遅く、ところどころから火花やら電流やらを吹き出しながら展開されていく。ついでにエラーメッセージが鳴り続けているが、本人は意に介さない様子だった。
折りたたまれた銃身が接続され、明らかに人形が扱うサイズを超えた全貌が姿を現す。そしてそのままエネルギーの終息が始まり、充填率がどんどん上がっていく。
「・・・・・って、ここで撃つんじゃないぞ!?」
「ぎゃははは!! だけどこれ止まんないんだよねぇ!」
「ちょっ!? ペルシカ何してんの止めてよ!?」
「・・・・・これはまだ試作段階で、一度起動したら撃たないと止まらないんだよ」
「「「・・・・・・え?」」」
「ぎゃははっ! そんじゃ、派手にいこうか・・・・・・」
いつ暴発してもおかしくないほどエネルギーの溜まった銃身を、Hは軽々と持ち上げて真上に向ける。そして引き金を引くと同時に溜まりに溜まったエネルギーがあふれ出し、極太のレーザーとなって天を貫く。
もちろんその反動はすさまじく、Hの足元は陥没し周辺には暴風が吹き荒れる。とっさに代理人たちが庇っていなければ、子供たちは吹き飛んでいたかもしれない・・・・というか自重の軽いペルシカは吹き飛びかけていた。
あたりに静寂が戻るころには空にあった雲がぽっかりと消し飛び、遅れて遠くからサイレンの音が聞こえ始めた。
「・・・・・ペルシカさん」
「・・・・・・・・・」
「本日のお代と周囲の修繕費、16labに請求しておきますね」
「・・・・・・・はい」
「・・・・自業自得」
「はははっ、まぁそうなるよねぇ」
「「「はぁ・・・・・・・」」」
end
ブルーアーカイブ楽しいなぁ!
・・・・・はい、そのせいで遅れましたごめんなさい(代理人が)なんでもしますから
それでは今回のキャラ紹介!
※設定等を載せるため長くなります。
W
『次世代型戦術人形開発計画』で設計され、実際に開発されたうちの一人。
これまでMODによってのみ可能だった異なる銃の二丁持ちをデフォルトで実装、さらに試作段階のマイクロミサイルも発射可能。身軽でSMG並みの回避能力を持つが、装甲値はダイナゲートよりましという程度。
ただし、大破状態から一度だけ再起動可能。
無口でマイペース、何を考えているかよくわからないが、敵に対しては容赦しない。
元々高性能ではあるが努力家で、自身の強さに驕らない。
元ネタは『ARMORED CORE For Answer』のホワイト・グリント。
口調や声はフィ〇ナ寄り。
H
同じく『次世代型戦術人形開発計画』で設計され、開発された一人。
IoP製としては初となるレーザー兵装の運用を目的とし、そのために必要な機構を盛り込んだ結果、全体的に豊満なシルエットになってしまった。
肝心のレーザー兵装はかなり大型で、専用装備として換装しなければならないほど。
ほぼ常に笑っており、楽しければそれでいいという性格。加えて何かにつけて試したがるため、大体惨事になる。
家事等の基本スキルはあるのだが、上記の性格もあってまともには終わらない。
元ネタは『ARMORED CORE V』より、ハングドマン(と主任)。
笑い声は特徴的な「ぎゃはは」。
大型レーザーのモデルはヒュージキャノンだが、原作では実弾兵器。
ペルシカ
アーキテクト並みにやらかす天才研究員。
実はこれまで出てきた異常個体(純真なDSR-50など)も、元をたどればペルシカの仕業。
腕は確かだが、それがかえってトラブルを呼ぶ。
アーキテクト・ゲーガー
本当にその場に居合わせただけ。