喫茶鉄血   作:いろいろ

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今更ですが、ドルフロ癒し編2期を見ました。
とりあえずナレーション:若本さんは卑怯すぎる笑

というわけでがっつりアニメに影響された回です。
そういえば頭身が低くない方のアニメ化も決まりましたね・・・シリアスすぎて最後まで見てられるか不安ですが笑


第二百話:サン〇ーンの輝き

 パラレルワールドというものがある・・・・・と語り始めるには今更な気もするが、この世界とは似て非なる世界のことである。ある世界では人間と人形が争い、またある世界ではさらに違う世界からやってきた者たちが生き延びるために戦う・・・・・その一方で、全く姿かたちの同じ人形や人間がいるなど、考えれば考えるほど不思議な世界である。

 そして今日も、そんな不思議な世界の不思議な住人たちが迷い込む。

 

 

「~~~♪ 良かったね、Oちゃん」

 

「えぇ、安くしてもらえただけでなく、まさか珍しい豆も買うことができましたからね」

 

 

 S09地区の大通りを抜け、少し入り組んだ路地を歩く見た目そっくりな二人組、代理人とDは両手で紙袋を抱えながら自分たちの店である『喫茶 鉄血』への帰路についていた。紙袋の中身は通りにある専門店のコーヒー豆であり、日頃から仕入れているものとは別に時々こうして買いに出ているのである。

 街中を、双子もびっくりな瓜二つの女性がメイド服で歩いているというのはずいぶんと浮いているようにも見えるが、この街でこの二人を知らないものはモグリと言われるほどの有名人なので、誰も特に気にしていない。

 

 

「あらこんにちは、今日は二人でお買い物?」

 

「こんにちは」

 

「こんにちはー、お姉さんもお買い物?」

 

「まぁまぁお姉さんだなんて・・・・Dちゃんはいい子ねぇ」

 

 

 とまぁ、こんな感じで街の人からも受け入れられている。この街がとくに人形に対して好意的なのもあるが、多くの場合は代理人たちの人柄によるものだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、そんな二人が喫茶 鉄血の近くまで帰ってくると、なにやら子供たちの声が聞こえてくる。はしゃいでいるようにも言い争っているようにも聞こえ、代理人とDは顔を見合わせて様子を見に行く。

 近寄ってみると、近所の子供たちが五、六人集まり、家と家の隙間をのぞき込んでいた。

 

 

「やっぱり妖精さんだよ!」

 

「えー違うよ、妖精さんはドローンに乗ってるもん!」

 

「でも小っちゃかったよ!」

 

「皆さん、どうされましたか?」

 

 

 わいわい騒ぐ子供たちに代理人が声をかけると、子供たちは一斉にしゃべり始めた。それぞれが言いたいことを言い始めるのでチグハグな内容だが、要約するとこうなる。

 近くの公園で遊んでいた時、子供たちの一人が小さな影を見かけたらしい。後を追ってみると、ずいぶんと小さく丸い頭身の人形(?)が辺りをきょろきょろと見渡しており、お互い目が合うと同時にその人形はこの隙間に逃げ込んでしまったらしいのだ。

 何人かが(お世辞にも上手いとは言えない)似顔絵を描いてくれて、それが代理人たちも知る妖精のような姿であることは分かった。

 

 

「でも妖精って、あのドローンの立体映像のことだよね?」ヒソヒソ

 

「子供たちの前では黙っていましょう。 どうやらこの子は妖精とは少し違うようですね」コソコソ

 

 

 しかしそうなると、代理人たちにとっても正体不明ということになる。またIoPか軍か鉄血工造の新型と考えられなくもないが、いずれにせよ子供たちが不用意に近づいていいものではないと判断、一先ずここは任せてほしいとだけ伝えて子供たちを帰した。

 さて、と気持ちを落ち着けると、代理人は店にいるリッパ―を呼び出して荷物を持って帰らせ、Dと二人で隙間をのぞき込む。どうやら奥は行き止まりになっているようで、暗くてよく見えないが突き当りに何かいるようだ。警戒しているのか、身を縮こめているようにも見える

 

 

「初めまして、この近くでお店を開いている代理人です」

 

「同じくDっていいます。 あなたのお名前は?」

 

 

 まずは警戒心を薄めるところから、と二人で自己紹介をする。それに反応した影はしばらくじっとしていたが、やがておずおずと二人の方へ歩み寄る。徐々にシルエットがはっきりとし始め、やがてその姿が露わになると、代理人もDも目を丸くした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「エ、エージェント・・・・ですか・・・・?」

 

 

 怯えた様子の()()()M()4()は、豆鉄砲のようなM4A1を構えながらそう尋ねた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅん・・・・・確かにM4A1で間違いないわ。 これでも立派な戦術人形よ」

 

「こ、こんなに小さいのにですか?」

 

「原理も製法も不明だけど、正真正銘『M4A1』よ」

 

 

 いったん保護という形で喫茶 鉄血へと連れてこられたチビM4。そこに連絡を受けたペルシカとM4も合流し、机の上に乗っかったチビM4を囲んでいる状況だ。針の筵とはこのことではないだろうか。

 加えて鉄血工造に対して少なからず警戒心と敵対心があることから、どこかで非合法に作られた模造品ではなく、別世界の人形であると考えられる。幸いM4とは打ち解けられたようで、そのおかげでペルシカの検査にもすんなり応じてくれた。

 

 さて、そうなると次に気になるのは、彼女がいつ・どこから・どうやって来たかだ。

 

 

「えっと・・・・散歩に出かけていたら、急に目の前がまぶしくなって・・・・・・気が付いたらあそこにいました」

 

「なるほど・・・・これはアレだね」

 

「そうですね・・・となると、そのうち帰れるはずでしょう」

 

「M4ちゃん、あーん」

 

「え? あ、あーん・・・・お、美味しい!」

 

 

 未だ緊張した面持ちのチビM4に、M4は甲斐甲斐しく世話を焼く。こう見ると、姿形は全く違うが本物の姉妹のように見えてくるから不思議だ。

 一先ず緊急を要する事態ではないようだし、とすればしばらく待てば元の世界に帰るだろう。そんな楽観視ができる程度にはこんな事態になれていることに苦笑した代理人は、この場をM4たちに預けて奥へと下がっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「M4! M4!」

 

「こ、これ本当にSOPが作ったの?」

 

「あ、ありえないわ・・・・・・」

 

「ペルシカそれどういう意味?」

 

 

 しばらくして代理人が戻ってくると、M4とペルシカに加えてAR-15・SOP・M16・ROが揃い、さらにテーブルの上にはチビM4、そしてさらに小さいS()O()P()()()()()()が鎮座していた。サイズとしては、小さいM4よりさらに小さい人形サイズで、SOPによく似た声でチビM4を呼んでいる。

 

 

「あの・・・・これはいったい?」

 

「えっと・・・どこから説明すればいいのか・・・・」

 

「あ、代理人! ケーキセット一つ!」

 

「それは後で!」

 

 

 状況をまとめるとこうだ。

 代理人たちがチビM4と話をしていたころ、AR-15とROたちAR小隊が道端で倒れている小さいSOP(SOPMODⅡJrというらしい)を拾った。最初は玩具の人形かと思った四人だが、そうでないと知ると全員で顔を見合わせ、とりあえず代理人に相談しようということで喫茶 鉄血を訪れた。

 その後チビM4とSOPJrが再会し、これが別の世界のSOP製であることにペルシカが衝撃を受けたというわけだ。

 

 

「私だって高度な戦術人形なんだよ! プログラムを組むぐらいできるんだから!」モグモグ

 

「いや、それは分かるけど・・・・・」

 

 

 ちなみにSOPに限らず、見た目や言動の幼い人形であっても中身は高性能であるため似たようなことが可能だ。それを一番よく分かっているのはペルシカのはずだが、どうにもSOPに対しては「幼い娘」という感じが抜けないらしい・・・・・その「幼い娘」と付き合っているという点で犯罪臭がするが。

 

 

「M4! おうちかえろ!」

 

「帰ろうって・・・でもどうやって帰ればいいか」

 

 

 ちらっと時計を見れば、ここに集まってからすでに一時間以上経っている。全く見ず知らずの土地にやってきたチビM4からすれば、元の世界の仲間が気になって仕方ないのだろうが、帰る方法がわからないのではどうすることもできない。

 しかしSOPJrには(表情からはよくわからないが)何か考えがあるようで、これまたどこからか取り出したSOPJrサイズのスマホを掲げる。画面に映ったアプリの一つをタップすると、突然スマホが光り出す。

 

 

「眩しっ!」

 

「な、なに!?」

 

「目が、目が~~~~~!!!」

 

「姉さん今ふざけてるときじゃないです!」

 

「Oちゃん、あれ!!」

 

 

 店内が阿鼻叫喚の様相となている中、Dの声で顔を上げた代理人は見た。突如として中空に現れ、SOPJrのスマホ以上の輝きを放つ『角ばった太陽のような物体』・・・・それがさらに光を強め、辺り一面を真っ白にすると同時に忽然と姿を消した。

 光彩調整機能をフルに使って何とか視界を取り戻した代理人たちが目を開けると、謎の物体はもちろん、チビM4もSOPJrも姿を消していた。

 

 その後、店内を探してみてもチビM4たちは見つからなかったため、どうやら元の世界に戻っていったらしい。

 これまでとは少し違った体験をした代理人であった。

 

 

 

end




私が言うのもなんですが、あの世界もまぁまぁむちゃくちゃですよね(笑)

今回の話のモデルになったのは、癒し編2期でAK-12とAN-94が迷い込んだ回。そういうアニメだからこその頭身なのかと思いきや、まさかのゲーム準拠の等身が現れるとは・・・・・これだから中国ゲーは面白いんだ!


というわけで今回のキャラ紹介!

(チビ)M4A1
ノーマルスキンのほぼ二頭身M4。気が弱く、ほとんど戦闘描写がないほど。

M4SOPMODⅡJr
チビM4の世界のSOPが、鉄血の残骸から作った人形。ちゃんと自立するし、ぞうきん絞りしても壊れない頑丈さを持つ。

謎の物体
サンb・・・・・光り輝く謎の物体。逆らってはいけない。
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