喫茶鉄血   作:いろいろ

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間に合ったぁぁぁぁ!!!
そして結局9のバレンタインスキンは出なかったよコンチクショー!!!

この作品も結構いろんなカップルが生まれましたね。
今回はそんな彼女たちの話。

最っ高に苦いコーヒーをご用意ください。


バレンタイン特別回

二月十四日:バレンタインデー

その日にチョコを渡されたものは幸せを噛み締め、渡されなかったものは涙で枕を濡らし、諦めたものは嫉妬の炎に包まれながら壁を殴る。

 

そんなある意味世紀末とも言えるその日のちょっと、いやかなり甘ったるい人形たちの風景。

 

 

UMP9とHK416の場合

 

「はぁ〜〜〜、終わったぁ〜〜〜!」

 

「ご苦労だった。 今日はもう上がっていい。」

 

 

バレンタイン特別警備任務を終えた404小隊は指揮官に報告、ようやく休みに入ることができた。

この日だけで、乱闘騒ぎ三件にストーカー五件、傷害未遂二件と思いのほか多いトラブルにうんざりしているところだった。

 

 

「ほとんどが痴情のもつれじゃない。 諦めが悪い女は嫌われるのよ。」

 

「・・・それ、45が言うの?」

 

「余計なお世話よ11。 それより9、この後暇ならカフェに行かない?」

 

「あ〜ごめんね45姉。 この後用事があるの。」

 

「・・・うぅ〜11〜。」

 

「あーよしよし、私が一緒に行くから。」

 

 

G11に連れられて部屋を出る45。

そんな哀愁漂う背中を見送り、残された二人も続いて部屋を出て、別々の道を歩いて行った。

 

 

 

〜〜〜〜五分後〜〜〜〜

 

 

「・・・なんでわざわざ別々に分かれてくる必要があるの?」

 

「えへへ〜、その方が恋人ぽいかなぁって。」

 

 

そう言って笑う9。

416も呆れながら苦笑し、昼間にもらった箱をポーチから取り出す。中にはハートや星などの形に作られた一口大のチョコが八つほど並んでいた。

 

 

「せっかくだし、一緒に食べましょう。」

 

「うん!・・・あ、そうだ。」

 

 

なにかを閃いた9はチョコを一つとって口にくわえる。

 

 

「・・・ん。」

 

 

くわえたまま顔をつきだす9。

突然のことに驚く416だが、9が薄目を開けていることと耳まで真っ赤になっていることから、捨て身でからかいに来ていることを察する。

いくらかマイルドになったとはいえ根っこは未だに負けず嫌いな416がここまでされて黙っているはずがなく、薄く笑いながら一気に顔を近づけてチョコをくわえる。

もちろんマウストゥマウスである。

 

 

「っ!?!?!?!?」

 

「ふふっ、ご馳走さま。 美味しかったわよ。」

 

 

顔を真っ赤にして口をパクパクさせる9をよそに、416はチョコを一つ手に取る。

 

 

「じゃ、私もお返しいなくちゃね。」

 

 

そう言うと先ほどの9と同じように口にくわえる。違うとすれば目を開けてこっちをしっかりと見ている点だろう。

 

 

迫る416と箱の中に残る六つのチョコを交互に見て、墓穴を掘ったと知った9は、大した抵抗もできずにチョコ(とキス)を受け入れた。

 

結局箱がからになるまで終わらなかった。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

AR-15とハンターの場合

 

「これを二つ。」

 

「はいよ、六百円。」

 

「はい。」

 

「はい、ちょうど。 毎度。」

 

「・・・ハンター、あーん。」

 

「今日は随分甘えてくるな。 はい、あーん。」

 

「・・・ちょっと苦い。」

 

「ははっ、グリーンティだからな。」

 

「さっきのミルクチョコの方が好きね。」

 

 

二人がいるのはS05地区の町。

規模としてはそれほどでもないが、クリスマスやこの時期になると大きく盛り上がりを見せる町である。その理由が、この『チョコレート街道』と呼ばれる通りだ。

期間限定でさまざまな露店が並び、そのほとんどがチョコレート専門店という、チョコ好きにはたまらないイベントである。

 

 

「でも意外。 ハンターって甘い物好きなのね。」

 

「もともとってわけじゃない。 鉄血を出て初めて食べたのが、たまたまチョコレートだったというだけさ。」

 

「その割には随分と入れ込んでるようだけど?」

 

「お、なんだ? チョコに嫉妬か?」

 

「・・・バカ。」

 

 

チョコにもまさる甘ったるい会話を続けながら歩き、気がつけば通りの終わりが見えてきた。さすがバレンタインというだけあってすごい人ごみであり、油断すればあっという間に離れ離れになっていたことだろう。

 

 

「そのためのコレ(マフラー)じゃないか。」

 

「人混みのせいですごく暑いんだけど。」

 

「じゃあ外す?」

 

「・・・このままでいい。」

 

「了解。」

 

 

そうして通りの最後までチョコを満喫し、今度は人通りの少ない路地に入る。

周りに人がいないところまで来ると、AR-15はハンターの肩を掴んで唇を重ねた。

 

 

「ん・・・なんだ、随分と積極的だな。」

 

「だって、あんな人通りでするわけにもいかないでしょ。」

 

「私は構わないさ。 むしろ見せつけてやりたい。」

 

「恥ずかしいからやめ・・・ん。」

 

 

言葉を最後まで聞かずに再び唇を塞ぐ。

そのまま舌を絡め合い、息を荒げながら熱いキスを交わし続けた。

 

「ぷはぁ!・・・・・甘い。」

 

「そりゃチョコばっか食べたからな。」

 

「それだけじゃ、ない。」

 

「ふふっ、そうだな。」

 

「・・・なんか余裕ね。」

 

「そうでもないさ。 ・・・もう色々と我慢の限界だ。」

 

「・・・・・バカ。」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

NTW-20とM4と代理人の場合。

 

「・・・わざわざ店じまいのタイミングまで待っていたのですか。」

 

「あぁ。 流石に大勢の前で渡すのは恥ずかしいからな。」

 

「その大勢の前で告白した人が言いますか?」

 

 

最後の客が帰り、閉店の準備を進めていた喫茶 鉄血。

それを狙って現れたのは代理人に愛を叫び続ける人形、NTW-20である。その手に持っているのは所々シワがよりながらも頑張って包装したであろうチョコの箱。

 

 

「はぁ・・・まぁせっかく来て頂いたのですから、お茶くらいは出しますよ。」

 

「やった! あ、あとコーヒーで頼む。」

 

「わかりました。」

 

 

そう言って店の奥に消える代理人。

あの代理人と二人きり。そんな状況からあらぬ方向に思考がトリップし、一人でにやけ続けるNTW。(他の従業員のことなどはなから眼中にない)

 

 

(まず代理人にチョコを渡してあわよくばあーんなんてしてちょっといい雰囲気になったらキスなんかもしちゃってそのまま部屋でキャーっ!!!)

 

 

が、彼女の夢気分は唐突に終わりを迎える。

 

 

「し、失礼します。」

 

 

恐る恐るといった感じで入ってきたのは、あの代理人のもとで働くといううらやまけしからんこと(NTW目線)を成し遂げた人形、M4A1。

その姿を視界に収めたNTWに電流が走る。

 

ちょっとおしゃれな私服、綺麗に包装された箱、モジモジとした仕草と表情、しかも薄く化粧までしている。

 

 

(マズイっ!?)

 

 

こちとら任務が終わって飛んできた身である。服は初期装備のものだしなんなら化粧もしていない。

今のところほぼ完敗である。

 

 

「や、やぁM4、どうしたんだ?」

 

 

平静を装うが顔が引きつっているのが自分でもわかる。

 

 

「い、いえ、おかa・・・代理人に用事があって。」

 

「そ、そうか・・・。」

 

「・・・・・。」

 

「・・・・・。」

 

 

気まずい。

入り口で立たせるのもなんなのでとりあえず手招きで座らせるが、互いに一言も話さない。

 

 

「お待たせいたしました・・・あらM4、来ていたのですか。」

 

「あ、お邪魔してます。」

 

「いえいえ。 あ、ではあなたの分も入れてきますね。」

 

 

そう言って再び店の奥へと消える代理人。

とはいえ代理人が来てくれたおかげで幾分か気が楽になったNTWは、とにかく何か話してみることにした。

 

 

「・・・それ、チョコか?」

 

「え、えぇ。 あなたもですか?」

 

「あぁ。」

 

「そうですか。」

 

「・・・・・。」

 

「・・・・・。」

 

 

再び沈黙。

いやそれチョコかなんて聞くまでもなかっただろうと一人後悔するNTW。この状況でM4がチョコを渡す相手など一人しかいないわけで、それが無性に不安を煽ってくる。

チラッとM4を見る。

元の良さを十二分に引き出した化粧は一体誰のためのものか。というかコイツが化粧をする時点で相当おかしいわけで、もう十中八九()()()()()()なのだろう。

 

 

「・・・なぁM4。」

 

「なんでしょうか?」

 

「お前、代理人のことが好きなのか?」

 

「・・・・・・・・・・。」

 

 

黙り込むM4。ただ時間だけが過ぎて行く。

 

 

「・・・わからないんです。 この『好き』がどんな意味なのか、自分でも。」

 

「・・・。」

 

「ダネルさんみたいな意味なのか、それとも家族愛のようなことなのか。 一緒にいたいと思っていても、何故そう思うのかわからなくて。」

 

「・・・・・M4。」

 

「・・・?」

 

「そんなもん私もわからん!」

 

「えっ!?」

 

「愛だとかなんだとか言っているが本音を言えばさっぱりわからん。 何せ私たちは生まれてからこれまで戦うことしかしてこなかったんだからな。 世間一般を知らない私たちが、普通の恋などわかるはずがない!」

 

 

完全に開き直ったNTW。

だが、と続けて

 

 

「私も代理人と一緒にいたいと思っている。 恋とか愛とかはよくわからないが、代理人が笑っているのを見ると私も嬉しくなる。 その笑顔を守りたいとも思っている。」

 

「・・・・・。」

 

「私の全てをかけて守りたい、だから好きだ!・・・というわけだ。 私の思いは通じただろうか代理人?」

 

「えっ!」

 

「・・・いるとわかっていながら語り続けるあなたの真っ直ぐさには、本当に驚かされますね。」

 

「隠す意味がないからな。」

 

「・・・・・M4。」

 

「ひぇ!? あ、はい。」

 

「彼女にも言いましたが、私は同性愛者ではありませんので、その気持ちに応えることはできません。」

 

「・・・。」

 

「ですので、あなたのことは大切な友人の一人、そしてこの喫茶 鉄血の家族であると思っています。」

 

「代理人・・・」

 

 

M4の頭を優しく撫でる代理人。途端に涙がこぼれ始めるが、それをハンカチで拭き取り、優しく抱きしめる。

 

 

「本当に泣き虫ですね、M4は。・・・さて、コーヒーも入れましたし、皆さんで食べましょうか。」

 

 

M4は涙を拭って笑顔を浮かべる。

NTWはどこか満足したような顔でコーヒーを啜る。

思いは通じなかったが、忘れることのできないバレンタインとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「代理人、私もここで働きたい。」

 

「ちゃんと許可をとってから来てください。」

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

SOPMODとペルシカの場合

 

「ペルシカ〜! ハッピーバレンタイン!」

 

「お? ありがとねSOP。」

 

 

場所は16lab。

そこにいるのはここの主任研究員のペルシカと、16lab製作の人形M4 SOPMODⅡ。

この日の業務を終えて解散し、自身も後片付けを終えて上がろうと思ったその時、SOPMODから緊急の連絡が入る。

駆動系に違和感があるから()()()()()みてもらいたい、すでにそっちに向かっている、と言うものである。

16labの傑作機の一つにしてペルシカにとって我が子にも等しい彼女からの連絡とあれば断る道理はない。ほとんどの研究員は帰ってしまったが検査と修理なら自分一人でもどうにかなる。

そうして準備を始め、終わった頃にSOPMODが到着、出会うと同時に冒頭のセリフとともにチョコを渡された。

 

 

「しかしまぁ律儀だねぇ、自分の異常があるのにチョコまで買ってきちゃって。 もう少し自分を大事にするんだよ。 ・・・はい、じゃあそこに寝て。」

 

「あ、あの、ペルシカ。」

 

「ん? なに?」

 

「・・・ごめんなさいっ! ほんとはどこも悪くないの。」

 

「・・・・・へ?」

 

「その、あの、えっと・・・」

 

 

急にモジモジとし始めたSOP。ペルシカからしてみれば、異常が嘘だと言われただけでも衝撃なのだが、次の瞬間彼女が取り出した()()()()をみてさらに驚愕する。

 

 

「ちょっ!? SOP、それは!?」

 

 

彼女が取り出したのは、ある一件(番外4-3)を受けて16labが押収したはずのあの薬。それをSOPは一息に飲み込む。

破天荒だが常識のある自慢の人形が繰り広げる奇行をただ呆然と見るしかないペルシカ。保管棚を見れば確かに一本少ない。

 

 

「・・・・ペルシカっ!」

 

「な、何?」

 

「好きよ、愛してる!」

 

「お、落ち着いてSOP。 あなたは薬のせいで・・・」

 

「ペルシカは知ってるでしょ!? これがどんな薬か!」

 

 

そう、確かに彼女は知っている。あの薬h自分の内なる感情を表に出すだけの薬だ。強い憎悪を持っていれば嵐のような罵倒が飛んでくるほどに。

だが裏を返せば、今の彼女が話すことすべてが、彼女の本音であると言うことだ。

 

 

「ほんとはこんな薬なんかに頼りたくなかった。 でも、この想いを伝えられない方がもっと嫌だった! ・・・ダメだよね。 これに頼らなきゃ言えないなんて。」

 

「・・・・・。」

 

「ペルシカ、私やっぱりおかしいよ。 おかしくてどうにかなりそうだよ! ・・・助けて、助けてよペルシカ!?」

 

 

頭を抱えて泣きわめくSOP。いくら引きこもりで常識に疎いペルシカであっても流石にわかる。

SOPは私のことが好きなのだ。いつからかはわからないが、こんな薬に頼らなくてはならないくらい追い込まれるほどだ。

ペルシカは拳をぐっと握った。

 

 

「SOP・・・あなた達がこの研究所を出る時、私がなんて言ったか覚えてる?」

 

「・・・・・。」

 

「自分たちの有用さを証明してきなさい、エリート部隊であることに誇りを持ちなさい、そう言ったわ。 でもね、最後にこう言ったの。

 

 

幸せになりなさい、ってね。」

 

「・・・!」

 

「思い出してくれた? だからAR-15がハンターと付き合ってるって聞いた時、驚いたけどそれ以上に嬉しかった。 私の言葉を覚えててくれたんだって。」

 

「・・・・・。」

 

「・・・SOP、まだ私は答えを返してなかったよね?」

 

「・・・っ!?」

 

 

悲痛な表情を浮かべ、目に涙を浮かべるSOP。

その瞳には、拒絶されたくないという思いと、選ばれるわけがないという諦めが一緒になっていた。

そんな彼女を、ペルシカが優しく抱きしめる。

 

「・・・え?」

 

「・・・はい、よろこんで。 私もあなたのことが好きよ、SOP。」

 

「・・・ペル・・・シカ?」

 

「ん? なぁに?」

 

「ほ、ほんとに?」

 

「えぇ。」

 

「・・・で、でも・・・・んっ!?」

 

 

何かを言いかけたその口を、ペルシカは自分の唇で塞いだ。

 

 

「・・・これで、証明できたかな?」

 

「・・・う・・・うぅ・・・ペルシカ〜!」

 

「ふふっ、何?」

 

「グスッ・・・好き・・・大好き!」

 

「私もよ、SOP。」

 

 

言葉を確かめ合い、再び口づけを交わす二人。

 

 

 

 

 

 

カラン・・・

 

 

「「えっ?」」

 

「ヤベッ」

 

「アッ」

 

「違うんです主任! こ、これはですね・・・」

 

 

音のした方を見れば、帰ったはずの職員一同がそこにいた。

気まずい沈黙と同時に、ペルシカは自身の体温の上昇と、耳まで真っ赤になった顔を自覚した。

 

 

「じゃ、じゃあ私らこれで、失礼しますっ!!!」

 

「「「「「「失礼しますっ!!!」」」」」」」

 

 

脱兎のごとく逃げ出す職員達。

 

 

 

 

後日、彼らのボーナスはなくなったという。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

指揮官と指揮官ラヴァーズの場合

 

「「「「「・・・・・あ。」」」」」

 

 

指揮官の私室の前。

自らの思い人に会うべく行動した五人の乙女たちは、ものの見事に鉢合わせた。

 

 

「あら皆さん、こんな夜更けにどうされました?」

 

 

ハートの描かれた包みを大切そうに抱えながら笑顔で、しかし目は一切笑っていない顔で話すスプリングフィールド。

 

 

「そっちこそ、非番だからこんなところに用はないはずだよ?」

 

 

自身の服と同じ真っ白の箱に赤いリボンが巻かれたものをもって、スプリングフィールド同様に敵対心をあらわにするモシン・ナガン。

 

 

「まあまあお二人とも、喧嘩は他所でやってくださいな。・・・ここではないどこかで。」

 

 

ハート型に箱を両手で抱え、前半は優しく、しかし後半は空気が凍るような冷たい声で告げるKar98k。

 

 

「寝る子は育つと言いますよKar。 そのまま回れ右して部屋に戻りなさい。」

 

 

派手すぎない柄の箱を手に、暗にちびっこはすっこんでろと告げるウェルロッドMkⅡ。

 

 

「皆仲ようしようや。 ・・・それとも、他のと一緒に渡したら受け取ってもらわれへんって思っとるくらい自信ないんか?」

 

 

薄ピンクの箱を片手に、背後から猛虎のごとき覇気を出すガリル。

 

互いに睨みを効かせたまま微動だにしない五人。

彼女たちはわかっているのだ。今前に出れば確実に沈められることを、後ろに行けば大人しく帰るしか無くなることを。

 

 

「・・・指揮官は、私たちが争うことを望んでいません。」

 

「せやな。 やけど譲る気もあらへん。」

 

「一斉に動くのが最も公平・・・だけど」

 

「部屋の入り口は一人分。」

 

「・・・手段は限られまわね。」

 

 

瞬間のアイコンタクト。荷物を両手で持っていたものは小脇に挟み、片手を開ける。

決めるのは一人でいい。

勝負は一瞬。

 

 

「「「「「・・・・・じゃんけんぽんっ! あいこでしょっ! あいこでしょっ!! あいこでしょっ!!! あいこで・・・」」」」」

 

「「「「「しょっ!!!!」」」」」

 

 

握られた手が四つに、大きく開かれた手が一つ。

その手がぐっと握り締められ、

 

 

「やっっっっったああああぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

「そ、そんな・・・」

 

「こ、こんなの嘘ですわ!?」

 

「・・・くっ!」

 

「・・・あ〜〜〜、負けてもうたかぁ。」

 

 

かつてこれほどまでに喜びをあらわにしたスプリングフィールドを見たことがあるだろうか。

普段は皆のお姉さんとして広く認知されている彼女が、まるで子供のように飛び跳ねている。

 

 

「・・・・・さて、そろそろ行きますか。」

 

「「「「(ゴクッ)」」」」

 

 

スプリングフィールドがドアノブを握り、ゆっくりと回す。

皆が固唾を呑んで見守る中、扉が開かれ・・・・・

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

「・・・ねぇ指揮官。」

 

「ん? なんだ?」

 

「本当に良かったの? 私なんかと食事で。」

 

「構わない。 むしろ君には苦労をかけているからな、FAL。」

 

「・・・まぁ最近はおとなしいからね、あのシスコンたち。」

 

「それにこちらこそ礼を言う。 招待券を持っていたが相方が見つからなくてな。 この店には、一度きてみたかったんだ。」

 

「他にもいたんじゃないの?」

 

「いや、なぜか皆食堂にこもっていてな。 誘おうとしたら追い出されてしまったよ。」

 

「そ、そぉ・・・私、刺されたりしないわよね?

 

「ん? どうしたFAL?」

 

「な、なんでもないわ!」

 

「?ならいいが。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、FALの部屋に五人の人形が押しかけたのは言うまでもない。

 

 

end




総文字数七千字越え!
長くなってしまって本当にすみません!!!
バレンタイン回だからって詰め込みすぎは良くないですね、反省します(目そらし)


ではでは今回は、それぞれのカップリングの紹介。


UMP9とHK416
第十話のフライングバレンタイン回でお披露目になったカップリング。今回の話はその警備任務の後、9が渡したチョコを二人で食べる話。
416の慌てる顔を見るために一芝居うったつもりが逆に喰われるという結末に。
時系列的には、第十話→コレ→番外3-3、なので、この時は45はまだ知らない。


AR-15とハンター
本作で唯一、開始時から成立しているカップル。
私の脳内ではハンターの方がAR-15より5センチほど背が高いことになってます。今回登場したマフラーは、番外1-3でハンターがプレゼントした相合マフラー。
ハンターが攻めでAR-15が受け。


NTW-20とM4A1と代理人
くっついてはいないが一応。
NTWは第九話でその思いを明かしたが、M4のきっかけは第八話。
NTWは終始ギャグ調で行くつもりだったのだが、M4にアドバイスすることに。
敵に塩を送っていることになるが、本人は全く気にしてない。


指揮官と指揮官ラヴァーズ
モシン・ナガン(第一話)、Kar98k(第七話)、ガリル(第十三話)、スプリングフィールドとウェルロッドMkⅡ(第十六話)。
ラブコメ系主人公を外から見たらどうなるか、をやってみた結果ヒロインがどんどん残念なことに。
描いてみてライフル勢が多いことに気がついた。
あくまで出てきたことのあるキャラのみであるため、今後も増える。
FALも指揮官ラブだが、こんな指揮官なので諦め気味。今回の誘いも、そういう意図がないことがわかっていた。


M4 SOPMODⅡとペルシカ
擬似母娘恋愛。
本作で唯一成立している人形と人間のカップリング。
作中で飲んだ薬は、ペルシカにチョコを渡す→ペルシカが受け取り空いてる棚に入れる→その隙に入手。
ファンタジーによくある惚れ薬ではなく『ちょっと正直になる薬』なので、本心ダダ漏れである。
ペルシカさんの貴重な赤面シーン。


以上です!
皆さん、良いバレンタインを(今更)
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