そしてこの人数になるとどうしても細かいところで内容のズレが出ちゃうけど、そこも含めてコラボの面白さだと思っているのでよろしく!
「・・・・・デカいな」
地平線を真っ直ぐ横切る一本の鉄道。起伏のほとんどない平野とバックにそびえる山がまるで一枚の絵画のような光景に、ジャッジはポツリとそう零す。だが、それを名画とするにはあまりにも大きすぎる異物がそこにはあった。
一言でいうなればバカでかい『箱』。見るからに寸胴で重厚感のあるそのシルエットこそ、ジャッジたちの攻撃目標である列車砲『アルゴノーツ・パピス』であった。
アルゴノーツ・シリーズの後部車両であり、カライナ、ヴィーラと比べると特段珍しい武装は積んでいない。攻撃力も見た目相応で、ぱっと見では最も脅威が少ないようにも見えるだろう。しかしその分堅実な性能を誇り、主砲・副砲ともに威力と連射性能を両立させている、兵器といての完成度の高いタイプだ。
「幸い、主砲は使用不能のままだといいますが・・・・」
「副砲は健在・・・いや、むしろ主砲を頭数にいれなくていい分、遠慮なく撃ってくるだろうな」
背後に控えるAegisの言葉に、ジャッジはそう付け加える。彼ら鉄血工造の輸送部隊とジャッジが率いる正規軍の混成部隊が、このパピス奪還作戦に投入された前戦力である。
三両の列車砲の中で最も脅威レベルが低く、加えてゆっくりとではあるがS09地区から離れて行っているという関係上、ここに投じられる戦力が少なくなるのは仕方のないことなのかもしれない。だが低いといっても脅威であることには変わらず、人形とはいえ歩兵戦力中心というのはどうにも不安をぬぐえない。
「安心しろ、俺達には
「俺、帰ったら姐さんに告白するんだ」
「花束も買ってあったりして(嘘)」
「・・・・・最悪こいつらを盾にするか」
もしくは強力無比な援軍が送られてくるかしなければ、相応の損害は覚悟しなければならないだろう。それを胸に刻み、ジャッジは作戦開始の合図を告げた。
その冗談じみた期待が現実のものとなることを、この時の彼女はまだ知らない。
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『な、なんなのよこれ・・・・・』
『ちょっと!? あんなのいるなんて聞いてないだけど!?』
「あら、結構イケてる男じゃない」
「戦闘に集中してくださいAK-12」
砲弾と対空砲火の雨を掻い潜り、どうにかカライナに取りついたM4たちだが、状況は芳しくない。流石に三機まとめて近づけるほどぬるい砲撃ではなかったため、AR小隊とも404小隊ともバラバラの場所に降下することとなった。一先ず制御中枢を目指すべく各個に行動を開始するも、数だけは多いテロたちの抵抗に思うように先に進めない。
さらに軍用の重装甲に相当な自信があるのか、甲板部分に直接副砲をぶっ放すという無茶苦茶な攻撃もあり、加えて今この瞬間にもS09地区へと近づいているというプレッシャーが焦りに変わる。
そんな彼女たちの前に突如として現れたのは、まさに『常識外れ』に相応しい異世界の精鋭たちだった。
『警告、直上に所属不明の
司令部でオペレーターを務めるカリーナからの通信の直後、猛威を振るっていたカライナの主砲が爆発、沈黙する。自分たちの最大火力をあっさりつぶされたテロリストたちが慌てふためく中、運悪くソレの下にいた一人が踏み台よろしく押しつぶされる。
「あなたは・・・・」
「この世界の時代では初めましてですね。 私はPMCレイヴン所属、実働部隊隊員。 グレイヴキーパーと呼んで下さい、M4さん達」
唖然とするも一先ず敵ではないと判断したM4は、やや警戒を強めるAR-15たちを制す。『グレイヴキーパー』を名乗る女性も次々と降下してくる仲間たちの指示を出し、ぞろぞろと内部になだれ込む・・・・・どっちがテロリストかわかったもんじゃない。
しかしテロたちにとっての悪夢はまだまだ続くらしい。M4たちも内部へと乗り込んだ直後、また別の入り口の扉が派手に吹き飛び、これまた運悪く近くにいた男の顔面を直撃する。言葉にならない悲鳴を上げながら転がる男を一瞥することなく、
「よぉ久しぶりだな、こっちの世界のM4。 超豪華特急列車の旅に応募したんだが、乗車券はどうすりゃいい? 乗務員が物騒過ぎて渡す気にもなれねぇんだが」
いや、そんなこと聞かれても・・・と根がまじめなM4は返事を返しそうになるが、『ネロ』の傍らに姿を現した
「これはとんでもない援軍ね・・・、テロリストどころか悪魔も泣き出す連中の登場とはね」
それを合図にしたかのように、夏場の羽虫みたくワラワラとテロリストたちが現れ・・・・次の瞬間にはそのことごとくが木の葉のように宙を舞い、鍔と鞘が合わさる音で間抜けな声とともに地に伏せる。
「ば、バカな・・・・」
「ひ、怯むな! 銃は剣よりも強i『キィィン』ウボァー」
「フッ、やつは突撃隊の中でも最じゃk『ギュィィィイイン』アベシッ」
「・・・・・帰っていいかしら、私たち」
戦闘というにはあまりにもあんまりな蹂躙劇を前に、AK-12がそう零した。
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『座標特定、完了・・・・どうか、ご無事で』
「えぇ、ありがとうございます」
通信士からの言葉に礼を言いつつ、代理人は受け取った座標と自身の座標を繋げていく。テレポートを使える人形がそもそも少ない、というかほとんどいないためイメージするのは難しいが、代理人曰く「点と点を結ぶだけ」らしい。そして一つの直線の距離は限られるが、いくつもの点を経由することで長距離移動も可能なのだとか。
最終的なルートの確認を終え、代理人が目を開ける。そこへちょうど準備が整ったゲッコーとマヌスクリプトが寄ってきた。
「Dから連絡があってな、いつぞやにきたユノとノアの姉上も飛ばされてきたらしいぞ」
「ほんと、この世界は未知であふれてるね!」
「ガンスミスさんのところの皆さんに、DG小隊とバルカンさんたち・・・・初めましての方々もいらっしゃいましたね」
特にあの2メートル近くあるアレは本当に何者なのだろうか、という疑問が頭をよぎるも、とりあえず敵ではないなら問題なしとしておく。
面識のあるなしに関わらず本来無関係な彼女らの手を煩わせてしまうのは心苦しいが、今だけは頼りにさせてもらうのだ。
「では、終わったら何かご馳走しませんとね」
「もう終わったつもりだなんて、代理人は余裕だね〜」
「だがもてなすというのなら賛成だ・・・全部終わってから、な」
『ジャキッ』という音を立てて、使うことがないだろうと思われていた装備一式のセーフティが解除される。マヌスクリプトはその両腕と背中のサブアーム一杯に担いだ銃火器を、ゲッコーは手持ちのマシンピストルを構え、代理人の近くに集まる。
そして次の瞬間、幾何学的な模様の光が代理人を中心に発生し、三人を包み込む。いよいよテレポートが始まるのだ。
「では二人とも、手筈通りに・・・・油断は禁物ですよ」
「りょ~かい! 資料集めのついでにパパッと片しちゃうよ」
「今度は『18G』か? 万人受けするとは思えんがな」
「違うよ!? 健全本の戦闘シーン用だよ!」
「そこまでです、時間ですよ」
光が三人を完全に包み込むその瞬間、三人の目が
再びあの日常を取り戻すという決意を固め、代理人はテレポートを起動した。
続く
次回、喫茶 鉄血組の戦闘開始!
また、今回のようにそれぞれの戦場を人形・人間目線で少しずつ描いていこうと思います。このコラボを通じていろんな作品を知っていただければな、と。
一応ここまで書いた目度として、おそらく1-4か5くらいで私の方のパートは終わるかと思います。
また、終演の際の調整も含め、ご参加いただいています作者様方にはいずれ個別にメッセージを送らせていただくかもしれませんの笑