組み合わせはなんとなくです。
昼過ぎの喫茶 鉄血。
その窓際の席は、毎週火曜日になると決まってある人形が座っている。二十四時間睡眠すら可能とする寝坊助人形、G11だ。
ちょうど日が傾き始めた頃合いでフラッと現れ、アイスティーだけ注文して二時間近くそこにいる。
「・・・・・。」
別に何をするわけでもなく、飲み物を飲みながら窓の外をぼんやり眺めるだけ。外はまだまだ寒いが、暖房の効いた店内は暖かく、冷たいアイスティーを飲むには最適だ。
ぼんやりと外を見て、アイスティーを一口飲んで、また外を見る。
睡眠こそが至高のG11が、睡眠の次に愛してやまない場所がここなのである。
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ちなみにこの席は二人席である。丸いテーブルで向き合うように椅子が並べられ、いまその片方にはG11が座っている。
彼女が入店して三十分後、これまた決まってもう一人の人形が入ってくる。
サングラスと帽子が特徴の、トンプソンだ。
彼女は入ってそのまま窓際の席、G11の向かい側に座り、カバンから本を一冊取り出して読み始める。
「・・・・・。」
「・・・・・。」
お互い何も言わないのはいつものことで、ついでに彼女らが飲むものもいつも同じ。トンプソンの場合はアイスコーヒーだ。
「はい、どうぞ。」
「ん、ありがとう。」
代理人がコーヒーを持ってくるときだけ顔を上げるだけで、あとはひたすら本を読み進めるかコーヒーを飲むだけ。
いつもの豪快な彼女を知る者からすれば意外な光景だが、彼女のオフは読書かタバコである。
彼女らは初めからこうだったわけではなく、最初は席もバラバラだった。というよりもともとG11一人だったこの席に、後からトンプソンが来るようになったのである。
きっかけは特になんでもないある日のこと。その日はたまたま客が多く、G11はいつもの席に座れたもののトンプソンが来た頃には満席だった。店内を見渡して空いている席を探すも見当たらず、斯くなる上は相席でもいいと探し始め、窓際で一人座るG11を見つけた。
「・・・悪い、ここいいか?」
「・・・ん? 静かにしてくれたらいいよ。」
「じゃ、そうさせてもらうよ。」
といった感じでこの相席が出来上がったのである。以来なぜかトンプソンはこの席に座るようになり、G11も特に何も言わないので今も続いている。
日によってはどちらかがいないこともあるし、来る時間がずれることもある。が、ほとんどの場合はこうなっている。
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カランッ
少し溶けた氷がグラスの中で鳴る。
トンプソンが来て約一時間半、本を一冊読み終えた彼女は大きく背伸びをし、固まった体をほぐす。ほぼ同時にG11ものそのそと動き始め、いつもなら特になんの会話もなく別れる。が、今日は珍しくG11の方から話しかけてきた。
「・・・ねぇトンプソン、いっつも本読んでるけど面白い?」
「ん?まぁな。 そういうお前こそずっと外見てるだけだろ?」
「なんとなくね。」
「そっか・・・今度お前の分も持ってきてやろうか?」
「・・・じゃあお願いするよ。」
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昼過ぎの喫茶 鉄血。
その窓際の席には、よく二人の人形がいる。
片方はずっと窓の外を眺め、もう片方はずっと本を読んでいるというのが周りの印象である。
それは今でも変わらないが、ある日を境に二人とも本を読んでいたり、窓の外を見ていたり、ちょっとした会話があったりという変化が生まれた。
少しだけ賑やかになった、いつもの火曜日。
end
(オチなんて)ないです。
かつてこれほど平和で何もない喫茶 鉄血があっただろうか。
・・・平和すぎてすごく短くなってしまったのはちょっと反省。
さてさてキャラ解説です。
G11
公式、非公式問わずほとんどの作品で寝坊助な人形。
本作でも寝坊助ではあるのだが、404自体が暇すぎるのでネタにできない。そんな寝坊助の寝る以外の楽しみというのがこれ。この時に話しかけられるのはあまり好まないが、多少の会話なら可。
これ以上ないくらいまったりした雰囲気にはなったと思う。
トンプソン
カチコミ姉貴、という印象が強いけどオフは読書に耽る・・アリじゃね?
喫煙者だがないと死んでしまうとかではないし、喫茶 鉄血は全席禁煙。読書中でも話しかければ返してくれる。
本は表紙と裏のあらすじで買うタイプ。ジャンル不問。
ちょっと合宿免許行ってくるので次回投稿は遅れます(最短でも二週間ちょい)
ではこれで!