喫茶鉄血   作:いろいろ

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なんとか年内間に合ったあああぁぁぁぁぁ!!!!!
というわけで今年最後の投稿です。


皆! 読む前に! 大掃除は! 終わらせような!!! (自分の事は棚上げ)


第三話:それぞれの道

十二月も終わりに近づきはじめ、年内の営業も残りわずかとなった『喫茶 鉄血』。

街がクリスマスや年末年始に向けて盛り上がりを見せている中で、ここは普段と変わらず穏やかな時間が流れていた。

訪れる客もいつもと変わらず、コーヒーや紅茶を飲みながらクリスマスや年末の予定を話し合っている。

 

そんな中、店の入り口が何やら騒がしいことに気付く代理人。

よくある揉め事ならば問題ないが、営業妨害の可能性も考慮しある程度警戒しながら店の扉を開ける。

 

と、そこには・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よぉ、代理人。 久しぶりだな。」

 

「急に押しかけてすまない。 年越しくらいは一緒に過ごしたいと思ってな。」

 

 

鉄血のハイエンドモデル、かつての彼女の部下であり親友の『処刑人』と『ハンター』が嬉しそうな表情で立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サンタの格好で、子供たちに囲まれながら。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「いや〜、大変だったぜ。 まさか身動きが取れないくらい集まってくるなんてな。」

 

「ある程度は仕方がないとは思っていたが、遠足帰りの集団に鉢合わせるとは思わなかった。」

 

「・・・まずその格好(サンタスキン)で来た理由を聞きたいのですが?」

 

 

なんとか店内に入ることができた処刑人とハンターは、カウンターでコーヒーを飲みながら話しはじめ、代理人がつっこめば二人とも「その方が面白い」とやたら真面目な顔で答え、代理人は頭を抱えてため息をつくという普段見ることがない光景が広がっていた。

処刑人は完全に愉快犯だが、ハンターはそういうものだと思い込んでいるド天然である。久方振りに訪れた悩みのタネに辟易とするも、代理人の表情はどこか嬉しそうでもあった。

 

 

「そういえば、他の人たちは?」

 

 

と、代理人が尋ねる。ハンターにとって『一緒に過ごしたい』の『一緒』とは、鉄血ハイエンドモデル全員を指すことを知っていたからである。

 

 

「ん? あぁ、デストロイヤーは今ちょっと手が離せないらしくてな、31日の朝に来るそうだ。」

 

「スケアクロウとイントゥルーダーも今すぐは動けないらしい。まぁ、数日後には来るだろう。」

 

「ウロボロスのやつは『なぜワタシが行かねばならんのだ! ヤツに来させろ!』とか言ってたらしいけどドリーマーとアルケミストが無理やり連れてくるらしい。」

 

「・・・まぁ、普通はまだ仕事がありますからね。 ところであなた方は?」

 

「「アーアーキコエナーイ」」

 

 

要するに全員来るということである。しかしデストロイヤーですら年末ギリギリまで働くのにこの二人は良いのだろうか?

代理人が二人の職場での素行を気にしだしたその時、受付にいた鉄血員(鉄血の従業員なのでこう呼んでいる)が団体の入店を伝えに来た。

 

 

「こんにちは。10名で予約していましたM4です。」

 

「いらっしゃいませ。 M4様ですね、お席へご案内します。」

 

 

やってきたのはAR小隊と404小隊、そしてペルシカリア。

どうやら年始のある計画の話し合いのようであり、事前に申し出があったためこの時間は人形の入店を制限している。

 

 

「あら、久しぶりに会ったわねぇ頭スカスカ女。」

 

「おうおうご挨拶だなぁまな板サイドテール。」

 

「久しぶりね。 南米に行ってるって聞いたけど、大丈夫?」

 

「あぁ。 地元の警察と合同で密売一斉確保はやったが、お前ほど腕の立つ奴には会えなかったよ。」

 

 

顔を合わせるなり毒を吐き始める犬猿の仲(UMP45と処刑人)

そして久方振りの再開で盛り上がる恋人同士(AR-15とハンター)

いつまでも立ちっぱなしというわけにも行かないので、代理人がとりあえず席まで案内する。

 

と、何かを閃いたのか少し考え込み、二人の暇人に向かって言った。

 

 

「二人だけ働かないというのもなんですか、少しここで手伝いなさい。」

 

「「・・・・・・・・・・はい?」」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「処刑人はチキって出てこないにパフェ一つ。」

 

「じゃあ私は処刑人じゃなくてハンターがそうなると思う。 パフェ一つ!」

 

「私は9の選択を信じるわ。 パフェ四つよ!」

 

「え〜〜パフェばっかじゃん。 じゃ、私は二人ともノリノリにコーヒー一杯。」

 

「ダメダメ! 賭けなんだからもっと大きく賭けないと! というわけで二人ともちゃんと働くに今回のご飯代!!」

 

「・・・ハンターが私に愛を囁く。 ケーキ一つ。」

 

「人様で賭けなんてみっともないですよ。 というかAR-15は何を言ってるんですか?」

 

「や、やっぱり賭けは良くないかなと・・・」

 

「やっぱりM4はいい子だな! お姉ちゃん嬉しいぞ!」

 

「・・・平和ね。」

 

 

処刑人とハンターが店の奥に変えてすぐに始まった賭け。

ちなみに上から416、9、45、G11、SOPMOD、AR-15、RO、M4、M16、ペルシカである。

こんなことをしているので肝心の話し合いは大して進んでいない。まぁグリフィンとIoPに嫌がらせをかけることは決まっているので特に問題はないが。

 

と、そうこうしているうちに代理人が出てきた。どうやら着替え終わったようである。

 

先に出てきたのはハンターだった。

ただし、服装はこの店の制服であるウェイトレスではなく、ピシッとした執事服であった。

 

 

「ウェイトレスは前に着たからな。 今回はこっちにしてみたが似合うだろうか。」

 

「「「「「「「「「うわぁ〜」」」」」」」」」

 

 

もともと黙っていればイケメンの類のハンターが執事服なんて着ればそりゃ似合う。

皆から感嘆の声を聞く中、AR-15だけは何も言わないことに気がついたハンターは意地悪く笑うと目の前まで近づき、

 

 

「おかえりなさいませ、お嬢様。」

 

「・・・・・(パタン)」

 

 

あまりの衝撃にAIがシャットダウンしたAR-15。それを見て慌て出すハンター。だがもちろんこれだけでは終わらない。

 

いよいよ処刑人の登場とあって全員(二名除く)が注目する。特に45はいつでも大笑いする準備ができている。

 

扉が開き、中から出てきたのはウェイトレス姿の処刑人。

普段絶対に履かないスカートを履き、まっすぐこちらに向かってくる。45以下数名が大笑いしようとしたその時、処刑人がスカートの両端を摘み、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おかえりなさいませ、お嬢様♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「「「「 ( °д°) 」」」」」」」」」

 

 

店内全ての客の動きが止まった。ザ・ワールドもかくやというフリーズっぷりである。

いち早く回復した9がとりあえず声をかける。

 

 

「・・・あー、えっと、処刑人?」

 

「はい、なんでございましょうか?」

 

 

再び絶句する人形たち。というかここまで変わると驚きというよりホラーに近い。

思っていたよりも悲惨な状況なので、仕方なく元に戻す処刑人。

 

 

「あー、仕事がらこういうのには慣れててな。 ほら、ウェイトレスが『俺』とか言わねーだろ?」

 

「いや、でも、えぇ〜・・・」

 

 

それでもこの豹変っぷりに追いつけないようで、結局そのあまりのインパクトから賭けもうやむやになってしまった。

 

ちなみにそれぞれの働きは、代理人曰く「ずっといてほしい」らしい。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

それからさらに数日後のある日。

平日にもかかわらずこの日は休業日となった『喫茶 鉄血』では、ささやかながらパーティーの準備が進められていた。

31日まで来れないと思われていたデストロイヤーが突然休暇をもらい、急遽ウロボロスらと合流してこっちに来ることになったらしい。

店内では代理人を始め鉄血員のメンバー、処刑人、ハンターがテーブルクロスをひき皿を並べ、なんとか間に合わせようと動き回っていた。

 

 

「・・・なぁ、代理人。」

 

 

そんな中、処刑人が代理人に声をかける。もちろん手は動かしたままだ。

 

 

「なんでしょうか? 処刑人」

 

「あんたは何でここにいるんだ?」

 

 

突然の質問。

しかし代理人は表情を変えずいつも通り淡々と答える。

 

 

「前に話した通りです。 私たちが目の敵にしていた『人間』を見てみたかった。 それだけでs」

 

「違うな。」

 

 

会話に割り込んできたのはハンターだ。

その顔はいつになく真剣で、そして納得のいったような顔だった。

 

「私は世界中のあちこちで厄介事に首を突っ込んでいる。 初めは仕事のたびに思ってたさ。 『あぁ、やっぱり人間は愚かだ』って。」

 

「だけどいつからか、そんなどうしようもない人間をどうにかしたいって思うようになった。 何より睨まれるよりも笑ってもらえる方がいいと思えるのさ。 」

 

「酒場の人間や露店の老人、公園のガキどもと話して、笑って、やっと気付いた。 私は人間を嫌っていたんじゃない。 ただ失望していただけなんだなって。」

 

「俺も同じさ。 いろんな奴と出会って、泣いて、笑って、思ったさ。 もう一度、人間を信じてみようってな。」

 

「あんたもそうなんだろ? 代理人」

 

 

代理人は何も答えない。ただ黙々と準備を進めているだけだ。

こうなってはもうどうしょうもないと分かっているため、二人とも作業に集中する。

 

そうこうしているうちに予定の時間が迫ってくる。

なんとか準備を終えたタイミングでハンターの端末が鳴る。

 

 

「・・・デストロイヤーからだ。 もう間も無く着くらしい。」

 

「お、そうか。 なら玄関で出迎えてやるか! な、代理人。」

 

「・・・・・ええ。」

 

 

相変わらずな代理人に二人は肩を竦めながら玄関に出る。

さてこの空気をどうしたものかと思案する処刑人とハンターに、代理人が口を開いた。

 

 

「私には、まだ分かりません。」

 

 

二人は何も言わない。

ただ代理人の話が続く。

 

 

「あの時の私は、確かに人間に対して良い印象は持っていませんでした。」

 

「ですが、今はそれがわからないのです。」

 

 

 

「情けないですね。 人間を知るために鉄血を抜けたのに、この有様です。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「情けなくなんかねぇよ。」

 

 

処刑人が答える。

口調はきついが、その顔は笑っていた。

 

 

「あんた一人で分からないんなら、皆で探しゃいいじゃねぇか。」

 

「俺たちだって、いつまでもあんたのおんぶに抱っこってわけじゃねぇからよ、皆で分けちまおうぜ。」

 

 

 

 

 

「俺たち、『家族』だろ?」

 

 

ハンターがフッと笑う。

処刑人がニヒヒッと笑みを浮かべる。

 

代理人の顔は変わらない。

ただずっと、前を向いている。

その瞳に、小さな影が映る。

 

 

「お、来た来た。」

 

「あんなに笑顔で走ってきて、まるで子供だな。」

 

処刑人とハンターが迎えに行く。

代理人はその場から動かず、しかし一度目を閉じ、深呼吸をした。

 

 

「・・・そうですね。 では早速、その『家族』を頼らせてもらいましょうか。」

 

 

そう呟いて、ゆっくりと目を開ける。

そして前へ歩き出す。

 

 

 

 

 

いつのまにか大きくなった、家族を迎えに。




というわけで、鉄血ハイエンド勢揃いです。
45とかM16は二話連続の登場ですが、まぁほとんど喋ってないし、今年最後くらいAR小隊と404小隊を出したかったので出しました。
ペルシカ? たまには引きこもりも外に出さないと。

*今回はキャラが多いので一部纏めます。
今更ですがすでに出ているキャラは紹介しません。


処刑人・・・元鉄血の切り込み隊長。現在は傭兵、といっても病院や医師団などを護衛することを専門にしている。始めた頃はその性格や言動から怖がられることが多く、なんとか打ち解けようとした結果、なんか色々できるようになった。子供に好かれやすい。

ハンター・・・元鉄血の特攻隊長。 現在は無制限警察(本作オリジナル職:フリーの警察で、各国の警察組織と合同で動く。割と融通がきく)。 AR-15とは恋人関係にある。基本的には冷静で頼りになるが、変なところで天然なので変人扱いされることも多い。女にモテる。

AR小隊・・・おどおど隊長以下シスコンに豆腐メンタルにトリガーハッピーに委員長気質とやたら濃いメンツが集まる。普段は他の部隊同様に周辺警備や調査が主だが、紛争介入や災害支援、式典参加など何でも屋のように扱われる。休みが少ない。

404小隊・・・かつての404 NOT FOUND 小隊。現在は存在を公にしているが、以前の名残で暗殺等の特殊任務にしか出動要請が来ない。基本的に暇。メンバーはシスコン隊長以下全人形で数少ない良心、完璧完璧と言っていた時が黒歴史、暇すぎて寝るのにすら飽きた人形。

ペルシカリア・・・天才。引きこもり。天才ゆえにめちゃくちゃだが普通にいい人。というか今後出るかどうかすら怪しい。

鉄血ハイエンド勢・・・世界のあちこちで働いている。全員鉄血を抜けているので、現在の鉄血はノーマルモデルだけで運営している。鉄血というだけで差別を受けたことがあったが、それぞれのやり方で見返した(例:ウロボロス・・・建築・解体業。スティンガーバーストのピンポイント射撃で解体時間が大幅に短縮)。





では皆様、良いお年を!
そして来年も良いドルフロライフを!!
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