ところでもうすぐ『深層映写』が始まりますね、なんでもUMP40が出るとか・・・これは頑張らざるを得ない!
鉄血工造、研究開発部
「ゲーガーちゃん、休憩しよー。」
「うるさい、黙って手を動かせ。」
「・・・ゲーガーちゃん、休憩しよー。」
「・・・・・。」
「・・・ゲーガーちゃん、休憩しよー。」
「あぁもううるさい! 貴様それでも私の上司・・・か・・・」
「・・・ゲーガーチャン、休憩シヨー」
(ちょっと出かけてくるから身代わり人形置いとくね!byアーキテクト)
「あのポンコツがぁあああ!!!!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
同刻、S09地区・喫茶 鉄血前
鉄血工造が誇る天才にして天災、フ◯ム脳に染まったトラブルメーカーであるアーキテクトは、業務を全て部下に押し付け遥々S09地区までやってきた。
目的はただ一つ、鉄血の最新鋭ハイエンドであるマヌスクリプトに会いにきたのだ。
「いや〜楽しみ! どんな娘なのかな?」
期待を膨らませつつ、軽い足取りで店に入る。
マヌスクリプトは鉄血工造製ではあるが制作に関わったのはサクヤだけで、しかも完成してすぐに出ていってしまったためアーキテクトは一度も会っていないのだった。
単純に会ってみたくもあるし、何よりサクヤが一人で作り上げた人形というものに興味がある。
「いらっしゃいませ・・・おや、久しぶりですねアーキテクト。」
「こんにちは代理人、ちょっと息抜きにね。」
間違ってはいない、ただ部下に一言も言わずに出てきただけである。
「では空いている席へ。」
「ありがと。 ・・・ところで代理人、マヌスクリプトっている?」
「そういえば会っていませんでしたね、連れてきますか?」
「ん〜ちょっと会ってみたいかな。」
わかりました、とだけ言うと代理人は水を置いて奥へと下がる。
そして入れ違うように、マヌスクリプトが注文を聞きにきた。
・・・のだが。
「おまたせー! あなたがアーキテク・・・」
「お? もしかしてマヌスクリ・・・」
互いに目を合わせた瞬間、ほぼ同時に動きが止まる。似通った部分があったのか、二人の心境的には『目と目があう〜』とか『ティンときた』とか・・・とにかく運命的なものを感じたのだ。
もちろん悪い方向で。
「・・・ねぇアーキテクト。」
「何かな?」
「魔改造って・・・どう思う?」
「っ! ・・・じゃあ逆に聞くけど、欲しいけど無い物があったらどうする?」
「もちろん作るわ。」
「・・・・・。」
「・・・・・。」
ガシッ
二人は固く握手を交わした。このわずかな問答で、二人は同じ志を持つもの同士であることを理解したのだ。天才を・・・いや、天災を知るのはやはり天災なのだろう。
アーキテクトにしてみれば17lab主任以来の、そして人形では初めての同類であり、マヌスクリプトにしても生まれて初めて出会う仲間である。
それを影から見つめる代理人は深くため息をついた・・・これは、会わせてはいけない者同士だったのではないか、と。
「・・・で、これが今考えてるプランなんだけど・・・」
「マンティコアに・・・レーザーブレードとビーム兵器、ブースターも増量と・・・・超短期決戦だね。」
「ロマンは詰め込んだけど実用性がねぇ・・・」
「え? ロマンで作っちゃダメなの?」
「その言葉を待っていた。」
止めるべきか?いや、まだ様子見だろうか。
代理人は葛藤していた。このまま放っておくと確実にゲーガーが倒れるし、最悪の場合アルケミストにも余波が及ぶ。世間的には「また鉄血か」で済むが、身内が倒れるのはできれば避けたい。
しかし、アーキテクトとマヌスクリプトがここまで生き生きしている時間を奪いたくもない。せっかく同志が見つかったのだ、目一杯好きにさせたいとも思う。
皆のことを考えるあまり、思考が堂々巡りとなってしまっていた。
「ジュピターって、前に改造版を出したんじゃなかったの?」
「あんなのはただの改造。 魔改造なんてとても言えないかな。」
「砲身を伸ばして超射程化・・・だけじゃ面白みに欠けるね。」
「あ、じゃあ車輪をつけて自走させよう!」
日頃はここら辺で止められるであろう話を、ストッパーがいないのをいいことに延々と語り合い続ける二人。
後に代理人は語る、無理矢理にでも止めておくべきであったと。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
時間がさらに経ち、西日が差し込むくらいになった頃。
喫茶 鉄血も閉店時間が迫ってきたために店内にはまばらな客しかいない。だがその一角、午前中からずっと居座っているアーキテクトが一心不乱に設計図を書き続けていた。マヌスクリプトは流石に仕事があるのでずっとではないが、時間が空けば頻繁にいるようになっている。
今日何杯目かのコーヒーを飲み干し、凝り固まった体をほぐすように伸びをするアーキテクト。彼女の目に広げられている端末には、今日一日で書き上げたであろう設計図がいくつもある。
「アーちゃんおつかれ〜、はいコーヒーのおかわり。」
「あ、ありがとマヌちゃん。」
作業が終わったタイミングを見計らってコーヒーを注ぎに来るマヌスクリプト。この短時間で信頼関係を築いた二人は互いを『アーちゃん』『マヌちゃん』と呼ぶようにもなっていた。
「で、これ全部作るの?」
「流石に今すぐには無理かなぁ。 とりあえず二、三個作ってみようかと。」
そう言いながらデータを保存して端末を閉じる。カフェのど真ん中で作業しているが、本来は完全社外秘の機密情報ばかりである。
・・・もっとも、見たからといって作ろうとするものなどまずいないのだが。
ともかく作業を終えてのんびりするアーキテクトに、マヌスクリプトは黒い笑みを浮かべながら手を伸ばす。
「・・・じゃあ、協力した報酬をもらおうかな。」
「くくくっ、わかってるよ。」
差し出された手に乗せたのは、ごく普通のUSBメモリ。
もちろんアーキテクト印の超容量タイプだが、このUSB自体にそこまでの価値はない。
報酬はその中身・・・それをマヌスクリプトは自前の端末に刺し、中身をチェックする。
「・・・どう?」
「・・・・・いい・・・いいわ! 最高よ!!!」
「喜んでもらえたようで何より。 データはあっても形にできないまま埋もれてたらからね。」
「なんてもったいないことを・・・でも大丈夫! 私がこの全てを描いて見せるわ!」
恍惚の笑みを浮かべてよだれまで垂らし、薬でもキメてるんじゃないかという表情を浮かべるマヌスクリプト。データの中身は、設計段階で(他のハイエンドから)ストップがかかった鉄血用スキン集である。
IoPのものも参考にされたそれは、メイド服やナースといったコスプレの王道とも言えるものからロリスキン、文字にするだけでR-18にされそうなくらいの過激なやつまで・・・マヌスクリプトからすればお宝資料のような内容だ。
ちなみにこのデータには秘密裏に17labも関わっている。
なぜかって?彼らも立派な変態だからだよ。
「ふっふっふ・・・これで夏のネタは決まりね、さぁ早速描くわよ!」
「それは構いませんがマヌスクリプト、まだ仕事は終わっていませんよ。」
不意に肩に手を置かれ、振り向くとそこにはそれはいい笑顔の代理人が立っていた。
まだ付き合いの長くないマヌスクリプトでもわかる、これはアカンやつだと。
「あなたの趣味にとやかくは言いません、交友関係に関してもです・・・が、それはサボっていい口実にはなりませんね?」
「いや・・・あの・・・」
「言い訳は聞きません。 今日は片付けまで休憩無しにします。」
「( ;°д°)」
涙目で固まるマヌスクリプトに心の中で手を合わせるアーキテクト。だが代理人は笑顔のままアーキテクトに向き直る。
「・・・それとアーキテクト。」
「うぇっ!?」
「先程ゲーガーから電話がありまして・・・あなた、仕事を押し付けてきたそうですね? サクヤさんもお怒りでしたよ。」
「ゔっ・・・それはちょっとマズイかな・・・」
ゲーガーが怒っているのはある意味いつも通り(だいたいアーキテクトのせい)だが、サクヤまで怒っているとなると流石によろしくない。
サクヤに怒られるといろいろと堪えるのだ・・・主に精神的に。
そしてタイミングを計っていたかのように店のドアが開け放たれ、人形と人間の二人組が姿をあらわす。
「見つけたぞアーキテクト!」
「今日という今日は許さないからね!」
「ひぃ!? ごめんなさい〜!!!」
一気に騒がしくなる店内に、しかし客たちは特に気にすることもなく眺めている。
ある意味いつも通りな喫茶 鉄血は、こうして一日を終えていくのだった。
「書類仕事なんてヤダヤダヤダ〜〜〜〜」
「あぁもううるさい! その構想案?の中から二つくらいなら作っていいから仕事しろ!」
「言ったね!? 作っていいって言ったね!? 約束だよ!」
end
リクエスト消費回。
アーキテクト×マヌスクリプトの奇天烈アイデアのお話でした!
ゲーガーの胃袋やいかに!?
というわけでキャラ解説
マヌスクリプト
頂いたアイデアから生まれたオリジナル人形。艦◯れでいうところのオータムクラウド先生みたいなポジション。
関係ないけど裸をかける人ってめちゃくちゃ絵が上手ですよね。
アーキテクト
公式からしていろいろおかしい人形。ノリと勢いに頭脳と閃きがくっついてしまった暴走特急。
ピンクのネイルが可愛い。
代理人
問題児たちに手を焼く一方で、好きなことを好きなだけ追いかける彼女たちを好ましく思っている。
行き過ぎた時は言うが基本的に自由にさせている。
ゲーガー
被害担当人形。今作では45姉と並んでイジられる役に。
立ち絵の腰のくびれがエロい。
サクヤ
ある意味この作品の代名詞みたいになったバッドエンド救済、その第一号。
しれっとハイエンドを作るあたりペルシカ並みの天才だと思う。
なお常識度で言えばサクヤ>ペルシカ>アーキテクト=17lab主任