本当にありがとうございます!
いろいろ考えた結果、「D-15」と呼ぶことにしました。F小隊っぽいのと、ダミーに名前をつける→本体が拗ねる→本体にもつける→AR-15だけ?→他にもつける・・・と収集つかなさそうなので、あえてこの形にしました。
今後ともD-15をよろしくお願いします!
では各話のリストは以下の通り
・保護者なお子様
・後輩
・β版配信
番外15-1:過保護な保護者
「やぁ代理人、ウォッカを頼む。」
「おや、今日は保護者同伴ですね。」
「あはは、まぁ一応は。」
前回の騒動から一週間後、再び飲みにやってきたナガンは開口一番に
「ふふっ、そういえばモシン・ナガンさんがきた時は確か、『もう酒は飲まない』でしたっけ?」
「ちょっ!? そ、それは言わないでよ代理人!」
「はははっ!! なんじゃモシン・ナガン、お主そんな似合わん事を言ったのか?」
「あ、あの時は私もいろいろあったのよ!」
「まぁそれでも相変わらず妙なところでしおらしくなるがな・・・ほれ、この前の宴会でもいい雰囲気だったじゃろ?」
「そ、それはそうだけど・・・なんていうか、その・・・・・・」
「その?」
「・・・・・・・お、お酒の力を借りるなんて、ず、ズルイじゃない。」
「素面で告白できんくせに何を言っとるんじゃ。」
そう言ってモシン・ナガンの頭をポンポンっと撫でるナガン。同郷のよしみだし何より一番と言っていいくらい親しい二人だ。だからこそナガンも応援したいのだろう。
「あたって砕けるのは辛いかもしれんが、何もせんまま他に取られるのはもっと辛いぞ?」
「うぅ・・・でも・・・・・・」
「勢いというのも大切ですよ。 それがたとえお酒であっても。」
「・・・・う、うん・・・・・。」
しばらくじっとグラスを眺めていたモシン・ナガンだが、ウォッカの入ったそれを一気にグイッとあおると、
「わかった! 今からちょっと行ってくる!」
「おぉ頑張れよモシン・ナガン、今日は帰ってこんでいいからな。」
「お会計はまた次回でいいですよ。」
「ありがとうナガン、代理人!」
帽子をかぶり、ダッシュで店を飛び出すモシンナガン。
その姿を、ナガンはただ優しい目で見つめていた。
ちなみにその後、司令部に戻るまでに冷静さを取り戻してしまったモシン・ナガンは直前でやはりヘタレ、一時間後には泣きながら店に戻ってきたため、ナガンは朝まで付き合うことになったという。
end
番外15-2:後輩
AR-15のダミー騒動から数日後。
あの後ハンターと三人で一夜を共しに、翌朝に若干の疲労と多大な幸福感を漂わせながら帰宅した二人は、代理人からの説教と仲間からの冷やかしにげっそりとしながらも、ようやくいつも通りのAR小隊として動き始めていた。
その中でも以前とは違う点が一つある。
「えぇっと、こっちに纏めて置いてあるのが報告書類、こっちが経費関係ですね。」
「はい。 ・・・・あの、カリーナさん、こっちは?」
「これですか? これはよっぽどのことがなければ使いませんが・・・・・いわゆる始末書です。 最近多いのはスプリングフィールドさんですね。」
「なるほど・・・・・。」
「あとは隊員の給与明細とか16labへの報告書とか、そのくらいですね、AR小隊で必要なことは。」
「ありがとうございます。」
AR-15のダミー・・・改め『D-15』の扱いだが、戦闘能力がほぼ皆無であることやAR-15のダミー(つまりはそこそこ優秀)なことを考慮し、AR小隊専属の後方幕僚という立場に落ち着いたのだ。もともとAR小隊は単独で行動することが多く、また少々変わった任務を受けることも多かった。カリーナはその点でも非常に優秀だったが、流石に一人でなんとかできる限度を超えつつあったので、D-15の話は渡りに船だったのである。
そのため今、D-15はカリーナから業務を教えてもらっているのである。
「AR小隊独自のルール・・・はD-15さんには改めて言うこともありませんね。」
「はい。 ですが一応教えていただいた方がいいかと。」
「そうですね。 ではまずこれですが、M16さんがジャックダニエルを申請するときの審査書類です。 そしてこれが・・・・・・・」
そんな感じで順調に後方幕僚として学ぶD-15。カリーナも当初はただ教えるだけのつもりだったが、いつのまにか後輩として可愛がるようにもなっていた。
「でも、本当に良かったんですかD-15さん? ペルシカさんに頼めば戦うこともできたはずですよね?」
後輩ができて嬉しい、のは事実だが彼女はもともと『戦術人形』のダミー、もしかして仕方なくいまの立場にいるのではないだろうかとも考えてしまう。
「そう、ですね・・・・・・最初はそう思ってはいたんですが・・・・・」
「?」
「・・・・ちょっと恥ずかしいですね。 ハンターが愛してくれているのは、私と
彼女たちが無事帰ってこれるように支えたい、D-15はそう言った。ダミーだろうと本体だろうと、この真面目さは変わらないんだなと思うカリーナは、彼女の願いを叶えるべく、丁寧に教えていこうと誓うのだった。
「・・・というよりナチュラルに惚気るんですね、ごちそうさまです。」
「ふぇ!? そ、そんなつもりじゃ・・・」
「ふっふっふ・・・ところで、初体験はどんな感じだったんですか? 教えてくださいよ。」
「〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!」
end
番外15-3:β版配信
「あの・・・・私まだ何もしてないんですけど・・・」
先日の一件から数日、突然鉄血工造に呼ばれたマヌスクリプトは、通された部屋で縮こまりながら冷や汗を流していた。
無理もない、その対面に座るのは事実上鉄血最強のハイエンドモデル、アルケミストだ。何かあるごとに(だいたいマヌスクリプトが悪い)飛んできては鉄拳制裁をかますこの人形は、やらかす人形からすれば天敵に近い。
「『まだ』というところは引っかかるが、今回は別に怒っているわけではない。 というよりも協力して欲しいから呼んだだけだ。」
そう言って一枚の紙を渡す。受け取ったマヌスクリプトは恐る恐る広げるが、そこに書いてある文字にポカンとする。
「・・・・・『ダンジョン・クラフト』?」
「そうだ。 アーキテクトの作った仮想空間スキン、これを応用したオンライン型のゲームらしい。」
先日の一件でこの装置の応用の高さは実証された。その気になれば建物どころか広大なフィールドを作ることすら可能で、しかも自分自身がプレイヤーにもなれる。
いくつかのシステム(R18など)をオミットすることでこれをオンラインゲームとし、『基本無料』で配信しようというのである。
「・・・・・で、なぜに私は呼ばれたのでしょうか?」
「? なんでそこまで警戒しているのかは知らんが・・・・・まぁいい。 アーキテクトはモノは作れるが基本的に人形の装備メインだ。こういう『一般人が好むもの』には疎い。私にしてもゲーガーにしても同じで、サクヤさんは・・・・・そもそも興味がない。」
「は、はぁ・・・・。」
「そこで、ハッキリ言えば度し難いが俗世的で感性が人間よりなお前なら、いいアイデアを持っていると考えたわけだが。」
まぁ私はその監視だな、と言ってのけるアルケミストに、マヌスクリプトは微妙な表情だ。まぁ彼女とてエロしか描けないわけでもないし、こういうヤツは多分得意だ。
ではなぜ乗り気になれないのか、その理由は単純明快・・・・・・面倒だからだ。
「できないことはないけど・・・・・正直メンd「ちなみに売り上げの一部を報酬としてやろう。」任せなさい。」
金には勝てない、というより争うことすらせずに了承する。アルケミストがしてやったみたいな顔をしているが正直どうでもよく、彼女の頭にはすでに数え切れないほどのアイデアが浮かんでいた。
「ちなみにどこまでならOKなの?」
「システム的なことならアーキテクトがやる。 『設定年齢は高めだからD指定までならセーフ』と言えばわかると言っていたが。」
「OK! それで十分だよ!」
両目に「$」を浮かべながら端末に向かうマヌスクリプト。
この数日後、いくつかのアイテムやらモンスターやらを盛り込んだお試し版が配信され、多くのプレイヤーを引き付けたという。
「・・・へぇ、ファンタジーとかアクションとかだと思ってたけど、本当になんでもできるんだ・・・」
「サクヤさんもやってみる? ゲームの中なら結婚もできるよ?」
「それはいまだに独身の私に対する当てつけかなアーキテクトちゃん?」ピキピキ
「
end
自由にいろんなキャラクターになれる、そんな感じの映画がちょっと前にありましたね・・・・・見てないけど。
この作品を書き始めて日に日に強まる『鹵獲システム』実装の願い、運営さん実装はよ!
というわけで各話の解説!
番外15-1
六十一話のその後。
微妙にお子ちゃまなナガンもいいけどやっぱり面倒見のいいおばあちゃんもいいよね!
モシン・ナガンを出すたびに、あぁこの作品はこの娘から始まったんだなと感慨深くなります。
番外15-2
六十二話の後日談。
六人目のAR小隊、戦場ではドローンを操作したり妖精(手動)を使ったりでサポート。
本体との扱いは双子で、D-15は妹。区別のため、ストッキングや髪留めが逆になっている。
番外15-3
六十三話のすぐ後。
正直こんなゲームがしたいだけで書いたようなもの。乗りとしてはRPGツ◯ール並みの拡張性にマイン◯ラフト並みの自由度、洋ゲー並みの広大なマップと高いグラフィックに、VR(人形の場合はダイブ)機能をつけたもの。
作り手によってはモン◯ンにもCo◯にもダー◯ソウルにもシ◯シティにも塊魂にもなる。
拡張アイテムは有料。