今回はムリーヌ様の作品『とある復讐者の追憶』から。
前作から読むことをお勧めします。
*『とある復讐者の追憶』10話からのコラボです。
・・・・・流れ着いたキャラの中で一番『危ない』人形だと思う。
「・・・・・・・うっ・・・・ここ、は・・・」
目を開けるとそこには重く暗い曇天が広がる。少し首を動かすと周りは土砂となぎ倒された木々。先ほどまで雨が降っていたのか、地面がぬかるんでいるようだ。
痛む身体に鞭打ち、体を起こす。鋭い痛みが走り、胸を見ると小さな穴が空いている。幸い重要な器官からは外れているようだが、まともに戦えるかは怪しいところだ。
「・・・・・そうか・・・私は・・・・・・・・」
直前の記憶を思い返し、状況を把握する。
アーキテクトからメンテナンスの要請があり、渋々SO10地区から移動を開始したのが数時間前。順調かと思われていた道中でグリフィンの大部隊に遭遇し、交戦状態に入る。ハイエンド由来の高性能を活かすもこちらはただの移動のための最低戦力、多勢に無勢で次々と仲間を失った。
そして、なんとか生き残った私は重症のリーを連れて歩き、銃声と同時に胸の痛みを覚えながら崖から落ちて・・・・・
「っ! リーは・・・・・リー!!!」
痛みを無視して立ち上がり、叫ぶ。どうやら逸れたらしい。近くに落ちていた私の武器である大斧と散弾銃を拾い上げ、よろめきながら探す。
「りー・・・どこだ、リー。 返事をしてくれ・・・・・」
また仲間を失うのか・・・・・その恐怖に苛まれながら、私は足を進めた。
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「土砂災害の現場は・・・・・ここですわね。」
「幸い近くに民家はありませんでしたが、これは・・・・・・」
グリフィンの管轄する街、その近くで土砂崩れが起きたと通報が入った。最寄りの基地であるS09地区から急行したKarとカラビーナは、その惨状に息を飲む。
「雨は止みましたが、またいつ崩れ始めるかわかりません。 急ぎましょう。」
「えぇ。」
彼女らはもともと、晴れ予報であるあしたに調査を始める予定であった。前泊するために訪れた街で、その情報を聞くまでは。
「『土砂が崩れると同時に、悲鳴が聞こえた。』・・・・本当なら早く見つけなければ。」
情報からのおおよその方角、そしてセンサーだけを頼りに探す二人。雨でぬかるんだ土砂の上を慎重に歩き、周囲を注意深く探す。だが目視はもちろん、センサーにも一切の反応がない。
間に合わなかったのか・・・・そう思ったその時、カラビーナから通信が入る。
『Karさん、こちらカラビーナ。 負傷したリッパーを発見しました。』
「リッパー? 悲鳴は彼女のものなのでしょうか。」
『わかりません、ともかく救助をっ!?』
「カラビーナ? カラビーナ!」
突如、息を飲む音とともに地面を蹴る音。
そして、何者かの絶叫が響き渡った。
『やめろぉおおおおおおおお!!!!!』
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「やめろぉおおおおおおおお!!!!!」
地面を蹴り、飛び上がる。勢いのままに斧を振り下ろすが、先に気がついていたのか難無く躱される。
これがそこらのグリフィン人形なら、ここまで激昂することもなかっただろう。だがコイツは、コイツだけはダメだ!
軍帽に大きめのコート、長い銀の髪を揺らし身の丈ほどある銃を手にした人形・・・・・かつて私から
そいつが倒れたリーに手を伸ばした時、視界が真っ赤になった。
また、奪うのか?私から仲間を、最後の仲間を!!!
「うぉおおおあああああああ!!!!!」
「っ!? なんてデタラメな・・・・!」
奴にとっても想定外の接触だったのか、あの余裕に満ちた顔ではない。それでわずかに溜飲が下がるが、それだけだ。
「奪わせない・・・・これ以上貴様に! 奪われてたまるかぁああああああああ!!!!!!」
大斧を振り抜き、散弾銃をばら撒く。そのおおよそ高機動戦には向かなさそうな見た目とは裏腹に、そいつは倒れた木々や土砂の山を巧みに使い避け続ける。
「誰と間違えているのかは存じませんが、今すぐ武器を下ろして投降なさい! これ以上はこちらも応戦せざるを得なくなります!」
「投降だと・・・? 捕虜を虐待し、ボロ切れのように捨てたお前が、そんなことを言うのかああああああ!!!!!!」
その時だった。飛びのいたやつの足元が崩れ、体勢を崩す。
この好機を逃しはしない、一直線に走り、力の限り大斧を振り下ろす。
「・・・・っ!!!」
「なにっ!? がはぁ!!?」
斧が当たる直前、逆にこちらに飛び込んできたのだ。突然のことに思わず斧を落としてしまい、そのまま斜面を転げ落ちる。
「くっ・・・・このっ!!」
「なっ・・・・・あぐぅ!!!」
だがこの距離ではコイツも何もできない。首を思いっきり掴むと地面に押し倒し、そのまま馬乗りになって首を絞める。
「苦しいか? 怖いか!? あいつは・・・・・アウストはそんなことも言えずに死んだ! お前にっ! 殺されたんだっ!!!!」
「かはっ・・・なに・・・を・・・・・」
「なぜだ・・・・・なんでこうなった・・・グリフィンも、鉄血も・・・・どうして・・・・・・・」
「グリフィン・・・・鉄血・・・・・・まさか・・・あなたも・・・・・」
目の前のコイツも何か言ってくるが、ジョジョに抵抗も弱まり瞼が閉じ始める。
あと少し・・・あと少しで・・・・・・・
タァーーーーーーーッン
「っ!?」
「うぅ・・・・・Kar、さん・・・」
銃声が鳴り響き、私のすぐそばの土が爆ぜる。顔を上げるとそこには、目の前で苦しむ人形と瓜二つの人形が、鋭い眼光で銃を握っていた。
「そこまでです。 どうやらお互いの認識に齟齬が生じている様子・・・一度話し合いましょう。」
齟齬・・・だと・・・・?コイツは私の仇だ、それのどこに齟齬がある?
・・・・・お前も・・・お前も私の邪魔をするのか!
「ふざけるなぁああああああ!!!!!!」
「聞く耳持たず、ですか・・・・・仕方ありませんわね。」
キッと睨みつける私に、ヤツは小さく溜息を吐く。そして構えを解いて銃を背負うと、足元に手を伸ばし・・・・・何かを引き上げた。
「っ!? リー!!!」
「この方はあなたのお仲間なのでしょう? こちらとて無益な殺傷は避けたいところです。 ・・・・・投降しなさい。」
はらわたが煮えくり返りそうになる。ヤツは言外にこう言っているのだ・・・・・従わなければ殺す、と。
震える手を必死に抑え、押し倒したやつの首から離す。それと同時にヤツは勢いよく立ち上がり、腕をひねり上げて逆に押し倒された。いつのまにかヘリの音まで聞こえ、私たちの上空に一機、ホバリングを始める。
私はただ、無力さを噛み締めることしかできなかった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
場所は変わって鉄血工造のラボ。以前の旅行で海水の影響がないか、代理人はメンテナンスを受けにきていた。
「・・・・・うん! 異常なし!」
「・・・サクヤさん?」
「ちょっとぉ!? 私の診断が信じられないのぉ!?」
「あはは・・・・まぁアーキテクトの言う通り、異常なしだよ。」
憤慨するアーキテクトを無視して話を進める二人。まぁ普段の行いというヤツだ。
プンプンとわざわざ口に出して怒ってますアピールのアーキテクトは、コーヒーもらってくると言って部屋を出ようとし・・・・・
バァン!!!
「アーキテクトさん! 急患ですわってあら?」
「お、久しぶりKarちゃん。」
「アーキテクトなら、そこにいますよ。」
「え? こっち・・・・きゃあ!? どうされたんですか!?」
壁とドアに挟まれてペッチャンコになっていた。それにあたふたするKarと、微笑ましく眺めるサクヤと代理人だったが、次に入ってきた人物たちを見てギョッとする。
まずは泥だらけのカラビーナ、次に彼女が背負っているボロボロのリッパー、そして極めつけは見たこともない鉄血人形(たぶん)。しかも後ろ手で拘束までされている。
「・・・・カラビーナさん、これは?」
「・・・・・・・おそらく、
「だ、代理人? なんだこれは・・・・どうなっている・・・・・・」
目の前のものがまるで信じられない、そういった目だ。そして代理人も、そういった目の持ち主をたくさん知っている。
「・・・ともかく修復が先ですね。 サクヤさん、アーキテクト、頼みますよ。」
「まっかせて代理人! 『アーアー、アーキテクトよりメンテ班へ、緊急修復案件につき全員ラボに集合!』」
「サクヤさん、シャワーをお借りしてもいいでしょうか?」
「ん? いいよ。 場所はわかる?」
「えぇ、案内板もありますので。 行きましょうKarさん。」
「さぁさぁその子だね、うわ結構ひどいな・・・・あ、君もおいで、すぐに治すから。」
「え? あ、あぁ・・・・・・。」
何が何だかわからずに、それこそ拘束具が外されていることにすら気がつかずにアーキテクトの後を追う人形。
代理人は喫茶 鉄血のDに連絡を取り、今日は帰らないことを伝えて後を追った。
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『・・・・・・・・・・。』
「あ、あの・・・・リベンジャー様、これは?」
「私に聞くな・・・・・」
結論から言えば修復はなんの問題もなく終わった。まぁ別世界の天才と、ぶっ壊れているバカだがハイエンド1の天才にかかればどうということはない。ついでに彼女の直接的な配下の人形たちも、戦闘・生活・家事・その他日常能力のほぼ全てを犠牲にして高度な
お陰で完全復活を遂げた二人だが、この重い空気の原因もまた、彼女たちにある。
修復にあたり、特に直前に何があったのかがわからない人形はその記憶を調べながら修復する。場合によっては当時の記憶を消す必要もあるからだ。
そしていつも通り記憶を除き、そこで見た地獄に皆閉口しているのである。
・・・だが、いつまでもそうしているわけにもいかない。彼女がいつまた、カラビーナたちに襲いかかるかもわからないからだ。
「・・・・・アベンジャーさん、そしてリーさん。 お二人には大事な話があります。」
「「・・・・・・・。」」
「・・・ここは、あなた方が生きてきた世界とは全く違う、いわゆる別世界というものです。」
「・・・・・・・・・え?」
「じょ、冗談がすぎるぞ代理人・・・・・・そんなことが・・・」
「事実ですわ。」
カラビーナが口を開くと同時にアベンジャーがキッと睨みつける。過去を見た今、アベンジャーがどれほど『Kar98k』を憎んでいるか、それは睨まれたカラビーナも痛いほどよくわかっていた。
「・・・崩壊液、コーラップス、北蘭島事件、蝶事件、そしてグリフィンと鉄血工造との抗争・・・・・・そのどれも、この世界では起こっていません。」
「嘘だ! そんな話が信じられるか!」
「では今この状況をどう説明しますか? グリフィンが鉄血に降った? それともその逆?」
「それは・・・・・・」
悔しそうに俯くアベンジャー。だがカラビーナはなんと彼女のもとに歩いて行き、その手に自身の手を重ねる。
一瞬ビクリとしたアベンジャーだが、特に抵抗はしなかった。
「ここに来る間も、大勢の人間や人形とすれ違った。 ですが、あなたはその誰にも敵意を向けなかった・・・・・私とKarさんを除いて。」
「・・・・・。」
「・・・きっと、そちらの私とあなたは因縁浅からぬ関係なのでしょう。 恐らくは、あなたが本当に殺したい相手。」
「・・・・っ。」
するといつの間に取り出したのか、カラビーナはアベンジャーの手に一丁の拳銃を握らせていた。仲間が慌てて駆け寄ろうとするもそれを片手で制し、銃口をまっすぐ自分に向ける。
「私もかつて、この世界に流れ着いた者です。 もしあなたが望むのなら、私がその仇となりましょう。」
「カラビーナっ!?」
「ですが、一つだけ約束してください。 ・・・・・『復讐者』という名前を、過去を捨てると。」
さぁ、とカラビーナは手を離し、まっすぐに向き合う。銃口は未だしっかりと眉間に向けられており、引き金を引けば彼女は死ぬだろう。
アベンジャーは、ゆっくりともう片方の手を添えて狙いを定める。視界が再び赤く染まり出し、殺意が腕を伝って指先に力を入れる。
その視界の隅に、一体の人形が写り込んだ。他の人形では気にもしなかっただろうが、その人形もまた、
そいつは泣いていた。きっと同型の彼女にとっては大切な仲間なのだろう。それを私が殺そうとしている。
(・・・・・・あ。)
アベンジャーがどこか違和感が、どこかで見たような光景だと思っていたこの状況が、ようやく理解できた。
あの時と同じだ。
そしてはっきりと今、アベンジャーと『Kar98k』が
「あ・・あぁ・・・・うぁあああああああああ!!!!!」
バンッ
「はぁ、はぁ、はぁ・・・・・はぁ。」
「・・・・・え? あ・・・」
きつく瞑った目を開く。
その手を握っていたのは、
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
「・・・・な、なんで・・・・・・・」
「はぁ・・・はぁ・・・・・っ!」パァン
乾いた音とともに、左頬に鈍い痛みが走る。だがコイツはそれでもおさまらないのか、もう一度手を振り上げる。
「カラビーナさん! ・・・・・もう結構ですよ、ありがとうございます。」
「・・・・・・・。」
代理人に止められたカラビーナはしばらく腕を振り上げたままだったが、やがて立ち上がって部屋から出て行った。
入れ替わるようにして抱きついてきたのはリーだった。
「リー・・・・・」
「アベンジャー様・・・・死なないでください・・・いなく、ならないで・・・・・私を一人にしないでください!」
それを言われて、ようやく自分がなにをしたのか、してしまったのかを知った。私は、コイツを残して一人楽になろうとしたのだ。この世界に、一人残して。
「・・・・アベンジャー、彼女にはあなたが必要です。」
代理人はそう言って私から銃を取り上げ、仲間を連れて部屋から出て行った。
それから私はリーを震える手で抱きしめ、泣いた。
互いになにも言わず、二人のすすり泣く声だけが聞こえていた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「さてカラビーナ、何か申しひらきはありますか?」
「・・・・・・・・。」
「では、しっかり歯を食いしばりなさい。 ・・・・・・フンッ!」
スカッ・・・・・・・パァン
響きのいい音と同時に、カラビーナがよろめく。
・・・・・空を切った音も聞こえたが、そこは誰も言わなかった。
「まったく・・・・いいですかカラビーナ、あなたがなんと言おうと、あなたは私の仲間で、かけがえのない友人なんですのよ。 なのに勝手に命を投げ出そうとして・・・・・聞いてますの!?」
ちょっと遅れてこの部屋に入ってきた代理人らだったが、かつてないほどの剣幕で怒るKarにやや引き気味だ。まぁキレるのも無理はないし、なんだったらビンタ一発では絶対に済まさない。
「あなたは彼女の復讐を終わらせるつもりだったのでしょうけど、それで全て元どおりになると思っているのですか!? しかも結果的に彼女を追い詰めてしまってますし、完全に悪手ですわよ!」
「あの、Karちゃんそのへんで・・・・」
「いぃえまだですわ! だいたいあなたは自分のことに頓着がなさすぎるんですわ! 食事や衣服は百歩・・・いえ一万歩譲ったとしても命にまで頓着なしとはどういうおつもりですの!?」
カラビーナの両肩を掴んでガックンガックン揺するKar。泣きながら怒りながら叫びながら揺らすという実に忙しく動いているが、絶賛絶叫中のカラビーナも反省の意を込めて大人しく聴いている。
「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ・・・・・今日は、この辺にしておきますわ。」
「『今日は』?」
「ともかく行きますわよカラビーナ! まずはあの方々に謝って、あとはその場の勢いですわ!」
『えぇ・・・・・』
呆れ返る一同をよそに、Karはカラビーナを引っ張っていこうとする。ちなみに長時間正座で説教を受けていたカラビーナはなかなか立ち上がれそうにない。
そんな時、部屋の扉が開き目元を赤くしたアベンジャーとリッパーが入ってきた。
「・・・・・その、すまなかった。 すぐに此処を出る・・・・迷惑になるだけだからな。」
あ、と行ったのは誰だったか。アベンジャーがそう言ったのはまぁ別にいい、責任を感じてのことだし言うのはわかっていた。
問題は、未だ収まりきっていないKarがそれに反応してしまったことだ。
「『迷惑だから』・・・・・ですか?」
「え?」
「なんっっっっっっっにもわかっていませんわね! ちょっと泣いて落ち着いたと持ったら自分から除け者扱いですか!? 一体いつ! 私たちが!! あなたのことを!!! 邪魔だと言いましたかっ!?」
「「ひぃ!?」」
「Kar、怯えてますよ。」
一応代理人が声をかけるが止まりそうにないため、仕方なく鉄血兵数名で押さえ込んで強制退出させる。
入れ替わって彼らの前に来たのは、ようやく足のしびれから立ち直ったカラビーナだ。
「こちらこそ、申し訳ございません。 あなたのためと思いながら、不必要に追い込んでしまいました。」
「・・・・・いや、いいんだ。 もともと先に手を出したのはこちらだ。 恩を仇で返してしまったしな。」
謝罪の堂々巡り、なので一通り話がついたところで代理人がわざとらしく咳払いし、二人の間に入る。
「ともかく、この件は双方の不可抗力ですのでこの辺に。 ・・・・・アベンジャー、リッパー、私とともに来なさい。」
「「え?」」
「右も左も分からずに出て行くなどと認めるわけにはいきません。 しばらくはこちらで・・・この世界を、感じてください。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あの騒動から数日が経った。半ば無理やり連れてこられたこの『喫茶 鉄血』で、私とリーは働いている。といっても最初はただの居候だったし、なんなら働かなくてもいいとさえ言われていた。
だがまぁいつまでも居候というのも、というわけで働き始めて、ようやく此処が私たちの生きた世界ではないことを理解した。
夢なんじゃないのか、そう思えるほどに私の夢見た世界だった。人形が笑い、遊び、恋できる、そんな世界。
「いらっしゃいませ。 お席はご自由にどうぞ。 ・・・アベンジャー、注文を。」
「はい。」
もし彼と・・・アウストと会った世界が此処だったなら、私もまた『復讐者』ではなかったのかもしれない。
(もっとも、過ぎた話だが・・・)
ひとり自嘲気味に笑い、新しく来た客の元に向かう。その客の風貌がどことなく『彼』に似ている気がするのは、私の思い込みだろう。
そう思っていたからこそ、その顔を見た瞬間のことを、私は忘れない。
「お待たせしました、ご注m・・・・・・・・・」
「あ、えーっと・・・アイスコーヒーを。」
「・・・・・・・・・・。」
「・・・・え? 何? どうしたの?」
「・・・・・・・・アウスト・・・・」
end
と、言うわけでムリーヌ氏の作品から『アベンジャー』をお借りしました!
・・・・・なんかすごい文字数になったけど許してちょんまげ。
はいそんなことは置いておいてキャラ紹介!
アベンジャー
ムリーヌ氏の『鉄血兵を拾いました』と『とある復讐者の追憶』から。数あるドルフロ作品の中でも狂気が垣間見える世界なので読む際はご注意を。
もとはリッパーだがそんな面影はほぼない。
出会いや別れを短い期間で受け過ぎたためメンタルに不安定さが見られる、という解釈で書いてるので話し方もばらつきがある。
流れ着き組の中では最強クラス。
リー
『とある復讐者の追憶』から。
普通にリッパー。アベンジャーが見分けがつかないという理由で名付けたが、本人は気に入っている様子。
おどおど気味で可愛い。
Kar
気がつけばお節介説教小娘になってしまった。シリアスからギャグまで幅広く対応でき、お姉さんキャラもチンチクリンもラブ勢もできる万能キャラ。
戦闘能力はカラビーナにこそ劣るが、カラビーナが高すぎるだけで決して弱くはない。
カラビーナ
流れ着き組。
アベンジャーとKar98kの因縁というなら出さないわけにはいかない、という理由で出した。
人間味は出てきたがまだまだ。
客
最後に出てきた客。
この話は番外編でだが・・・・・もちろん『彼』。
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