よろしくお願いします。
芸術が宗教に影響されたように、科学技術も神を信じる宗教によって発展してきた“術”である。
この世界において、科学ないし真理を探究し続ければ説明できないことは起こらない。ごく一部を除いて。
これが、僕が前世で芸術を通して確信したことである。
そのごく一部が僕で、真理に近づきすぎたために死んだのだと、神に教えてもらった。
...同じ“術”を探究した者として、また、“術”を授かった者として、この博士という人間は単純に凄いと思う。現代の科学技術で再現できるラインを遥かに越えている。
他の作品に埋もれてはいるが、この中には、後2、300年待たなければ出て来ないような技術がたくさんある。
「博士さん!この機械は─────!」
「おお!この機械の凄さを分かってくれるのかね!?」
「ええ、ええ!実に先進的な作品ですね!」
「そうじゃろう!学会では理解されなかったのだが、これは─────」
始めは、仕方なくこの人の家に来たが、予想に反して、ここに来れたのは幸運なことだった。
科学技術は、真理の追求である。
ここまで話の分かってくれる人間は少ないので、この縁は本当に大切にしたい。
道を歩いている途中、スタイルの良い、ハットを被った銀髪の男の背が目に入った。銀髪という所から、俺の追っている“黒の組織”のジンを連想したが、明らかにジンより髪は短いし、体も細身だ。それに、何処と無く背中から悲しげな雰囲気が伝わってくる。
「死んだら幸せな気がするな。」
小さな声だが、聞こえたその言葉に焦って、その人に声をかけた。
「お兄さん!」
声をかけたその人が振り向くと、少し動揺した。
後ろから見た骨格から男性とは分かっていたのだが、見た顔は男性とは判断しにくく、カッコいいというよりは綺麗という言葉が似合う。
「どうしたの?」
「い、いや、お兄さんが死にたいって言ってたから...。」
その後、少し申し訳なさそうにしていたその人が口を開こうとして、少年探偵団がきた。
適当に理由をつけて、帰ろうとしていたその人を何とか連れて、阿笠博士の家に向かった。
少し強引だとは思ったのだが、死にたい、と言っていた人を放っておくこともできず、また、歩美が彼を連れていくのに乗り気だったため仕方なくだ。
それに、灰原を見た時の彼の表情が気になった。
「そういえば、お兄さん。僕、江戸川コナンって言うんだ。お兄さんの名前は?」
「そう。珍しい名前だね。僕の名前は─────工藤 聖(くどう ひじり)だよ。」
ありがとうございました。