昨日、おみくじを引いたら大吉でした。
よろしくお願いします。
僕の家は、仕事場のある米花町から、電車で20分ほどの所にある。
数年前今の両親に引き取られてから住んでいるこの家は、とても広く小説や色々な資料があって、仕事の時には役立っている。
阿笠さんの家から帰宅した僕は、リビングへと向かった。
「おかえりなさい!」
「今日は随分と遅かったね。」
僕の今世の義理の親、工藤 優作(くどう ゆうさく)さんと工藤 有希子(くどう ゆきこ)さん。
数年前、今世の実の両親が死んで、身寄りの無かった僕を引き取ってくれた人達だ。
「ただいま帰りました。」
今世の両親は覚えていない。僕自身が両親に対して関心が無かったことに加えて、もともと一年に一度会うか会わないかの関係だった。両親が事故で無くなったと病院に呼ばれた時、両親本人かを確認してくれ、と医者に言われても出来なかったほどだ。家にあった写真なんかを見つけて確認はしたが、今世の両親などその程度の存在だった。
しかし、工藤夫妻にはとても感謝...どちらかと言えば申し訳ない気持ちが強い。年頃の息子さんがいるにも関わらず、快く僕を迎えてくれた。
両親の葬式で、
『今日から私が君の父親だ。』
と言われ、優作さんがあっという間に僕の保護者になり、葬式が終わった後手を引かれて、優作が泊まっていたホテルに行くと、
『有希子、この子は今日からうちの子だ。』
優作さんがそう言うと、一瞬驚いた顔をしていた有希子さんだったが、すぐに僕に近づいてくると、
『キャー!貴方何て可愛いの!この銀色の髪も綺麗!今日から私のことを“ママ”って呼ぶのよ!』
と、何の疑問も持たず、僕を迎え入れてくれた。
それから、今まで被っていた黒のかつらを取り上げられ、銀髪を晒してデパートに連れていかれ、服選び、もとい僕のファッションショーが開かれた。不満と言えばその一つくらいである。
いつもは空が暗くなる前に帰宅するのに、連絡することもなく遅くなってしまった。まあ今までも、仕事に熱中しすぎて連絡を怠ることは多々あったが。
「今日は、博士さんという方の家にお邪魔してきました。凄い作品が沢山ありましたよ。」
そう言うと、二人は驚いた後に難しく眉をひそめて、
「...そう.....そういえば来週は聖君、パーティーに呼ばれていたでしょう?明日は、三人でデパートに行きましょうね。」
「それは良いな。聖君、午前中は私が忙しいから、午後になったら、三人で行こう。」
「...はい。」
明日またファッションショーをやるのか、という気持ちと、あからさまに話を反らされたことを不審に思いながら、僕は自室へ戻った。
ありがとうございました。
大吉なのに、書いてある内容は厳しいものが多いです。