大魔王に転生   作:akyu

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うまく書けたかな?


決戦

 二天龍の騒動から暫く経ち、三陣営は再び戦争を開始せんと、戦場に集う。

 前回と違うところを上げるなら、悪魔の陣営の先頭に大魔王ケストラーがいるところだけである。

 三つの陣営は互いに睨み合いを続けるが、一人が動いたところで戦端が開かれた。

 

 三陣営は同時にケストラー(・・・・)に対して一斉に攻撃を仕掛けた。

 

 光の光弾、光の槍や炎、氷、雷といった様々な攻撃が放たれていく。ケストラーは突然の出来事に少し驚くが、すぐに何時も通りになり、攻撃を受けたままルシファーに問う。

 

 「ルシファー。これはどういう事だ?」

 

 それに対してルシファーは、鼻で笑い答える。

 

 「貴様が二天龍を始末したあと、神と堕天使に貴様を殺す為に手を組まないかと提案したのだ。奴らも貴様を危険と判断し、承諾してくれたよ」

 

 ルシファーはそう言うが、俺を殺す理由はそれだけじゃないだろう。

 

 「俺を殺すのはそれだけが理由ではないだろう?」

 

 「ああ、そうさ!大魔王を名乗るなど、我々四大魔王のプライドが許さん!何れ始末しようと思っていたが、こうも早くチャンスが訪れるとは思わなかったがな」

 

 それを聞き、俺は納得する。こいつを含めた魔王を含めた悪魔は利益を優先するが、それ以上にプライドが高い。いつか裏切るだろうと思ったが------

 

 

 俺にとってこんなに都合のいい状況で裏切ってくれるとは嬉しい誤算だ!

 

 「では、ルシファー。これで遠慮はいらないな」

 

 俺は手に魔力を込め、それを地面に押し付けるように魔力を地面に流す。

 

 「ッ!?」

 

 エルが何か気づき、こちらに向かってくるがもう遅い。地面に魔力を流した瞬間、戦場全てを覆うように巨大な魔法陣が展開される。

 

 「皆さん!ケストラーが何かしました、気をつけてください!」

 

 エルが注意を呼びかけるが関係ないな。そして魔法陣が発動し、戦場にいる全員から生命力を吸い始める。

 

 「ガッ!?」

 

 「くっ・・・苦しい!」

 

 「ち、力が、魔力が吸われる!?」

 

 「ァ、ァァ、ァァ!」

 

 戦場にいる三陣営は立つこともできずに膝をつき、苦しみ出す。例外は神であるエル位か。

 

 「ケストラー!何をしたのです!!」

 

 「何、この戦場にいる全員を喰らおうと思ってな」

 

 「!?」

 

 「これの名前は決めてないが・・・・・・・魔王の食卓(サタン・テーブル)と言ったところか」

 

 俺はエルから、倒れ苦しんでいる四大魔王に体を向ける。

 

 「さて。裏切りの代償はいつの時代でも死だったな」

 

 魔王達に口を開く間も与えず、手の爪を伸ばし貫き、直接命を喰らう。

 

 「「「「ギッ、ガッ、ァァ、ァァ、ァ・・・・・・・」」」」

 

 四大魔王は瞬く間に命を吸われ、体が崩れ塵となっていった。周りの者達は、魔王が成すすべもなく殺されたことに言葉が出なかった。

 

 「クックックッ!やはり魔王なだけ美味いな。一気に喰らったのはもったいなかったか。まぁいい、他の奴らを味わいなが喰らうとするか」

 

 

 

 

 

 

 俺はルシファーからケストラー討伐を提案された時は驚いたが、納得もした。ルシファー達からすれば、自分たちが認めたとはいえ、大魔王を名乗るケストラーは目障りで仕方ないだろう。

 俺達神の子を見張る者(グリゴリ)や神は二天龍を容易く殺したケストラー危険性は計り知れない為、始末するのに反対はなかった。だが、ケストラーを甘く見ていた。二天龍を殺すほどの力を持っているのだから、誰一人やつを甘く見る者はいなかったが、それでもまだ甘いと言えた。

 ケストラーは戦場全てを覆うほどの魔法陣を展開し、俺達を一斉に喰らい始めた。俺達は全員地に倒れ伏し、四大魔王達はケストラーに直接喰われた。

 唯一立っているのは神だけだった。神は聖なる力を周囲に開放した。すると、体が軽くなった。

 

 「私の力で魔法陣の力を弱めました!今の内にケストラーを!!」

 

 「よしっ!これなら何とか。お前ら!迂闊に近づくな、距離を取りながら戦え!!」

 

 俺は体が動くのを確認し、部下に指示を出していく。 

 天使達はミカエルが指示を出しているが、悪魔達の方はトップが殺せれて動きに統率がない。だが、気にしている余裕はない。

 動ける奴らは皆空から攻撃を仕掛けるが、ケストラーは自らが作った椅子に足を組みながら障壁を張り、余裕で全て防いでいる。

 

 クソッ!!これぐらいじゃ効きゃしないか!

 

 「おいおい、お前達。頭が高いぞ」

 

 ケストラーがそう言った瞬間、魔法陣の力が強まり、再び地面に倒れてしまう。見れば、神も苦しそうな表情で聖なる結界を張っている。

 

 神が目一杯やっても、まだケストラーの方が強いのか!?

 

 そして力の弱い奴から次々に命を吸い尽くされ死んでいく。この儘では全滅と思われたその時、悪魔陣営の方から声が聞こえた。

 

 「解析が終わったぞ!サーゼクス、私が構築した術式にお前の魔力を注いでくれ!」

 

 「わかった、アジュカ!」

 

 あれは、グレモリー家のサーゼクス・グレモリーにアスタロト家のアジュカ・アスタロトか!

 

 アジュカが構築した術式にサーゼクスが滅びの魔力を注ぐと、ケストラーが展開していた魔法陣が消滅した。

 

 「今だ!皆一斉に攻撃しろ!!」

 

 俺は声を張り上げ、陣営に関係なく聞こえるように叫ぶ。そして一斉に攻撃を仕掛けるが、ケストラーも黙ってるわけではなく、手に魔力を込め、こちらに向けてくる。

 しかし、神がケストラーの動きを封じるため、奴の四方に十字架を出現させ、そこから伸びる鎖で奴を椅子ごと拘束する。

 

 「ケストラー。これで貴方は攻撃できません!」

 

 「ふむ、なかなかやるなエル」

 

 ケストラーは焦ったそぶりも見せなかった。様々な攻撃がケストラーに着弾する寸前、その手前に展開された障壁に阻まれる。

 

 障壁は意思一つで展開できるってか!

 

 「なら、これならどうだ!!」

 

 俺は光の槍を造り、それを構えてケストラーに突っ込む。部下も俺に続き突撃する。だが、槍は障壁に阻まれ、ケストラーを貫くことはなかった。

 

 「クッソ!硬すぎるだろ!!」

 

 いくら押しても槍は障壁を破ることができなかった。そこにケストラーは、障壁を操作し、俺達の槍が当たっている位置の障壁を多重展開し、俺達を吹き飛ばされ、地面に叩きつけられた。他の奴らも見ると、俺と同じように吹き飛ばされていた。

 

 「アザゼル!!」

 

 俺の元へ、先ほどの赤髪の青年・サーゼクスが近寄ってきた。

 

 「何だ?ない打開策でも思いついたのか?」

 

 俺が冗談交じりに聞くと、サーゼクスは頷いた。

 

 「ああ。ファルビウムが思いついてね。まず、攻撃を威力よりも貫通に特化したものにしてくれ」

 

 「だが、それじゃあいつにダメージはいかないぞ。それに防御障壁を貫通するかもわからんぞ?」

 

 「障壁を弱らせればいい。弱ったところに私が攻撃をして障壁を消し飛ばす!」

 

 「!成るほど。だったら任せろ。 おいお前たち!威力は捨てて、貫通させることに集中しろ!」

 

 俺は部下達に指示を出したあと、俺も障壁を削るため攻撃を仕掛ける。ダメージはいかないが、徐々に障壁が削れていく。そこへ突如膨大な魔力が発生したのを感じ取りそちらを見ると、そこには滅びの魔力を纏った、いや、滅びの魔力そのものとなったサーゼクスがいた。その魔力は四大魔王の十倍はあろうものだった。

 

 サーゼクスは周囲を消滅させながらケストラーへと突っ込んでいく。ケストラーもそれに気づき、多重障壁を展開するが、サーゼクスはそれすらも消滅させ、けっして動きを緩めることはしなかった。

 サーゼクスはケストラーを拘束している神の術式ごと貫いた。

 

 「やったか!?」

 

 だが、すぐにおかしいことに気づいた。滅びの魔力を直接受けているにもかかわらず、ケストラーは胸を貫かれている以外変化がなかった。

 

 「・・・・・素晴らしい! 先ほど喰らった魔王たち以上の魔力だ!」

 

 「!!サーゼクス!ケストラーから離れろ!!!」

 

 俺の声で、すぐさま腕を抜き後退するが、ケストラーは爪を伸ばし、サーゼクスを貫いた。

 

 「ガッ!・・・ハッ!」

 

 「さっきはすぐに喰らってしまったが、お前はゆっくりと喰らってやろう」

 

 「ギ、ガアアアアアアァァァァ!!」

 

 ケストラーはサーゼクスを貫いたまま魔力を喰らい始めた。

 

 まずい!この儘ではサーゼクスも殺されちまう! 俺は咄嗟に助けに入ろうとしたが、それよりも速く聖なる力で形成された光の刃がケストラーの伸びた爪を切断した。見れば、神が光の刃の槍を持っていた。

 

 「あれは、黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス)か!!」

 

 神器(セイクリッド・ギア)。神が人間に超常の力を授けるために作ったシステム。本来は人か人の血を持つ者に宿るものだ。それを製作者本人が使用している事実に驚く。だが、それだけ神が本気だというのが伝わってくる。

 

 「先ほどの術といい、今の槍といい。エルは色々と楽しませてくれるな」

 

 「あなたを生かしていては、人に大いなる災いを招きます。そうなる前に私自らの手で貴方を滅ぼします!」

 

 槍から聖なる力を迸らせながら、神はケストラーに斬りかかる。ケストラーはそれを魔力で強化している手で防ぐか逸している。

 ケストラーに対抗できるのはもはや神だけか。

 

 

 

 

 私が今持てる力でケストラーに斬りかかるが、全て防がれるか逸らされてしまう。何度も斬り込むがまともに当てることは出来ずにいた。

 

 「やはり、エルは俺が見込んだ通り、素晴らしい女性だ。だが・・・・・・・」

 

 「!?」

 

 ケストラーに槍の柄を掴まれ、引き寄せられてしまう。

 

 「あの時あった時よりも力が落ちている、いや、疲労していると言ったほうがいいのか?」

 

 「!」

 

 気づかれてしまいましたか・・・・。

 

 私はこの戦争が始まる前に、忘れ去られた世界の果てで黙示録に記された獣を発見し、危険と判断して封印した。しかしその影響で私は極度に疲労し、四大魔王より上程度まで力が落ちていた。

 この状態でケストラーを相手にするのは荷が重すぎるが引くわけにはいかない!

 

 「クックックッ・・・・・・こんなに気分がいいのは初めてかもしれないな!」

 

 そういい、ケストラーは槍の柄は掴んだまま、椅子から立ち上がった。大地にたった瞬間-------

 

 

 大地震が起きた。

 

 

 

 突如起きた地震に全陣営が狼狽する。

 今まで本気を出していなかったの!?

 

 「何をするつもりですか、ケストラー!?」

 

 「何、そろそろ幕引きと行こうと思ってね」

 

 おもむろに手を開き天へ向けた。そしてそこから高純度の魔力弾を打ち上げた。

 

 拙い!!

 

 「皆、急いで逃げなさい!!」

 

 大声で逃げるように言うが、無慈悲にも先ほど打ち上げられた魔力弾が戦場全域に降り注いだ。着弾と同時に爆発を起こし、多くの命を奪ってゆく。

 

 キッ!とケストラーを睨みつけ、言葉を発しようと口を開こうとした瞬間、

 

 

 ケストラーに唇を奪われた。

 

 

 

 

 突然のことに呆然とするが、急いでケストラーから離れようとしたができなかった。唇から直接力を吸われていた。

 

 (!?・・・あ、ああ・・・・力、が・・・抜けて・・・・・・・・・)

 

 私は槍を発現させておく力も失い、槍が消えていく。唇が離れて私が崩れ落ちる前に、私はケストラーに抱きとめられていた。

 

 「クックックッ、キスも力も美味かったぞエル」

 

 私は抵抗しようにも力が入らず、皆がケストラーに殺されていくのを見ているしかできなかった。だが、諦めるわけにはいかなかった。最後の力を振り絞りミカエルへ念話をする。

 

 〈ミカエル、聞こえますか? ミカエル!〉

 

 暫くするとミカエルから念話が返ってきた。

 

 〈主よ!助けに行けず申し訳ありません!〉

 

 ミカエルは現在、味方を守るために奮闘し、私の援護に回ることができずにいた。

 

 〈構いません。ですが、ケストラーの注意を、僅かでいいので私から逸してください〉

 

 〈何を為さるおつもりですか主よ!?〉

 

 〈ケストラーを封印します〉

 

 〈!?・・・・・・・分かりました。ですが出来て一瞬が限界です〉

 

 〈大丈夫。それだけあれば・・・・・・・〉

 

 ミカエルは意を決し」、堕天使達に、避難指示を出しているアザゼルへと声をかける。

 

 「アザゼル!少しでいい、協力してください!」

 

 「!?何する気かわからんが、この状況じゃ仕方ないか!」

 

 ミカエルとアザゼルはすぐさまケストラーへ向け、今持てる力の全てを放つ。ケストラーは表情を変えず、片手で防いでしまう。

 

 この隙に!

 

 私は、対ケストラー用の神器を取り出す。それは小さな箱の形をした封印用の神器であり、一度限り等、様々な条件を付けることでケストラーを封印できるようにしたものだった。

 それをケストラーに向け開く。

 

 「!?グッ! エル、それはまさか!」

 

 これが何か気づいたようで、私を離し初めて焦ったような表情になる。

 

 「そうです。あなた用に私が造った神器、名称を禍封じし箱(パンドラ・ボックス)です!!」

 

 そうして話している間にもケストラーは徐々に吸い込まれていく。

 

 「クッ、ハハハハハハ!!まさか俺が封じられるとはな!してやられたよ。だが・・・・・・タダではヤられん! エル、君は頂いていく」

 

 「!?」

 

 ケストラーは封印されながら、私に向けて巨大な魔力を放ってきた。

 

 (しまった!!)

 

 封印していたことに加え、力も吸われた直後でもあったため避けることができずに飲み込まれた。最後に見たのはケストラーが箱に吸い込まれていくところだった。

 

 

 

 

 

 

 三陣営の世界の覇権を賭けた戦争は、ケストラーから受けた損害が大きく、もはや戦争が出来る状態ではなかった。

 

 悪魔は、四大魔王全てと多くの上級悪魔を失い、天使は神と多くの天使を、堕天使も同じように幹部と部下の多くを失った。そしてケストラーが封印された神器は次元の狭間に飲み込まれていった。

 

 そして戦争は決着のつかぬまま終結した。多くの者が大魔王ケストラーに対する恐怖を心に刻まれたまま。

 

 

 

 

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