大戦から数百年が経過した。悪魔、天使、堕天使の各陣営はケストラーに与えられた被害は甚大であり、その立て直しに奔走していた。
天使は、神を失い人間に与えられていた加護がなくなってしまった。ミカエルが代理で天界の加護システムを動かしているが、それでも加護のいきわたる人数は少なくなってしまっている。また、神がいなくなったことで天使が生まれることがなくなってしまい、種族的にも危機に陥っている。
堕天使は、神器の研究に着手し始め、神器所有者の勧誘、または拉致か抹殺を行っており、自陣営の強化を図っている。
悪魔は、ある程度立て直しを終えたが、魔王の血縁者を筆頭とした戦争続行を唱える政府と戦争反対を唱え、自陣営の改革を行うことを目的とする改革派とで内紛が起こっていた。
そんな世界の情勢とは関係のない次元の狭間にて、一つの小さな箱が漂っていた。聖書の神・エル=シャダイが、対ケストラーに作り上げた
ケストラー封印の後に次元の狭間に落ち、人間に宿ることなく漂い続けていた。
そんな箱に近づく存在がいた。奇抜な黒のゴスロリ服を着た少女だった。しかし、少女の姿をしてはいるが、少女は人間ではなかった。
次元の狭間を支配するドラゴンを除き、世界最強といわれるドラゴン。
オーフィスは箱に興味を持ったのか、箱を開けようと力を込める。見た目は少女だが、箱を開けるために込められる力は尋常ではない。並の存在では軽く裂けてしまうほどの力が加えられていた。
箱からミシミシという音がしてくるが、なかなか開くことはない。
「?・・・・・・開かない」
オーフィスは開かないとわかると、箱そのものを破壊する為叩き始める。パッと見、ペチペチと叩いているように見えるが、実際はドゴォ!という音を立てながら箱を叩いている。箱も流石にそれだけの力を加えられてボロボロになっていく。
しかし、オーフィスは中々開かない箱に興味を失ったのか、箱をその場に放置して何処かへと飛び去っていった。
だが、箱は過度の力を加えられ綻び、一部が欠けていた。そこから禍々しい力が溢れ出してきた。僅かに漏れでた力は一つになっていき、人の形になっていく。
ケストラーであった。だが・・・・・・・・・。
「・・・・・・力が落ちているな」
その姿は、本来なら頭に左右へと生えている角がなくなっていた。そしてその身に宿っていた凶悪な魔力も落ちていた。ケストラーは自分の状態を確認すると、自らを封印していた箱を手に取る。
「残りの力は箱の中か・・・・・・」
ケストラーは自らの力をその身に戻そうと、箱の綻びから力を吸おうとするが、力をつかむような感覚はあるが、自らへ引き寄せることができなかった。
「やはりダメか。・・・・・・まぁいい、一先ずは居城に戻るとするか。それに、久しぶりに会いたいしな」
ケストラーは転移魔法陣を展開し、自らの城へと転移する。
転移をし、自らの玉座の間へと来たケストラーは玉座の上の方へと視線を向け笑を浮かべる。
「久しぶりだな------エル」
そこには、結晶に閉じ込められた一人の女性・聖書の神エル=シャダイの姿があった。
ケストラー復活しましたが、完全に復活するのはまだ先です。