エリカ、転生。   作:gab

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4年-15 第三の課題 裏

 

 

1995年 6月 24日

 

 課題の数日前、私は早朝のひと気のない時間を見計らってリトル・ハングルトンの墓地に影をジャンプで送り込んだ。

 まず“円”で誰もいないことを十分確認してから、儀式やそこでの戦いに介入しやすそうな場所を慎重に選びジャンプポイントを設置しなおす。

 

 儀式は夜に行われるから、ステップの距離はさほど稼げない。

 だけどいきなり戦いのど真ん中に転移してきてアバダケダブラの流れ弾にあたるなんて馬鹿々々しい事は避けたい。

 それに影は肉体がある。問題なのはナギニだ。ナギニがどんな種族の蛇かはわからない。温度を感知するタイプの蛇ならいくら影が“隠”と“絶”で気配を絶っていても体温で気付かれてしまう。

 

 だからある程度は距離を取った場所にジャンプポイントを設置したいのだ。

 

 墓地にまばらに生えている灌木の影をジャンプポイントに決めた。ここならトム・リドルの墓石もよく見えるけど距離はじゅうぶん離れている。

 いい場所じゃないかな。

 HUNTER×HUNTER時代に買った人除けの念具を設置した。人除けの念具は魔法族も入ってこれない。これでこの灌木は私専用になった。

 

 

 リトル・ハングルトンはうら寂れた小さな村で、教会も小さくて墓地も普段からあまり人の来ない場所だ。それでも人が全くいないわけでもない。

 当日はワームテールがマグル除けの魔法をかけてから、儀式のための大鍋を設置したり溶液を用意したりといった作業を行うんじゃないかな。

 

 本当は15体の影で待ち伏せしたかったんだけど、影が見つかって計画を断念されちゃうと困る。

 影軍団を送り込むのはシリウス達が行くのと同時にしよう。

 

 

 

 

 

 

 『第三の課題』の日。午後を回ったあたりで“隠”+“絶”の影を1体だけリトル・ハングルトンへ送り出した。数分後、影の記憶が流れ込んでくる。墓地は何の変わりもなく、人の気配もないようだ。

 

 そうやって1時間置きに影を送ると夕方に奴らの姿が見えた。ナギニは警戒の為か周囲を這い回っている。

 彼らが計画通り動いていることがわかってほっとした。これで最悪の事態――こちら側の動きがバレて逃げるか反対に罠を仕掛けられる虞はなくなった。

 

 

 

 そして――

 

 

 

「では……ホイッスルが鳴ったら、ハリーとセドリック! ――いち……に……さん」

 

 ピーっとバグマンが笛を鳴らす。ハリーとセドリックが迷路に走りこんでいく。私達は精一杯の拍手で見送った。

 

 そろそろ動き始めるんじゃないかと審査員席へちらりと視線を動かす。

 後ろの方に隠れていた黒人の背の高い男性がダンブルドアへ寄り添った。闇祓いのシャックルボルトだ。ダンブルドアがシリウスと視線を交わし頷きあう。

 

 観客達の関心と視線が迷路に集中しているうちに彼らが動き出し、スタンドに設置された灯りで照らされた範囲を外れて闇に消えていった。

 どうやらリトル・ハングルトンへはダンブルドア、シャックルボルト、シリウス、リーマスさん、ルシウス叔父様の5人でいくらしい。

 

 相手はワームテールとお辞儀様とナギニしかいないけど、大蛇の強さが不明なことや、ワームテールがネズミになって逃げるかもしれないこと、赤ん坊サイズでも魔法が使えるヴォルデモートが厄介なこともあってメンバーを揃えたんだろう。

 というか、ダンブルドア陣営が彼ひとりではつり合いが取れないからシャックルボルトを呼んだんじゃないかな。

 

 

 “円”を広げる。あ、私は観客席ではなく、競技場の端の木に隠れて見ております。

 何か起きた時に狭い観客席から移動するといくら“絶”にしても人に触れてバレるもの。

 

「皆様お待たせしました! 次のホイッスルで、ビクトールの番です! ――いち……に……さん」

 

 ピーっというバグマンの笛の音でまた大きな声援が聞こえる。きっとクラムが迷路へ入ったんだろう。

 その声を聴きながら“円”に感じる情報を捉え続ける。

 

 ダンブルドア達は大きく距離を取って暗闇の中を移動し、人目のない場所から迷路の生け垣を壊して入っていった。生け垣の穴は彼らが通った後すぐに閉じられた。

 彼らの気配はそのまま最短距離を通ってまっすぐ中心へ向かっている。さすがダンブルドア達。生垣も魔法生物もなんのその。無人の野を行くがごとくすごい勢いで進んで中心まで行ってしまった。そして一ヶ所に集まって……消えた。

 

 私の影達も出動させよう。

 小窓を開いてガーデンへ手を入れると、ガーデン内へ影を15名送り込む。真っ黒のローブを目深に被った影軍団に親指を立ててみせると、同じように一斉に親指を立てた彼女達がジャンプで順に消えていった。まかせたよ。

 

「待ち時間終了です! 次のホイッスルで、最後の選手、フラー嬢! ――いち……に……さん」

 

 ピーっというバグマンの笛の音と共に大きな声援が巻き起こる。デラクールもこれで迷路へ入っていった。あとは観衆は待つだけ、なんだよね。

 彼らの姿が見えなくなると、観客席はそれぞれ選手の話や迷路の中に何がいるかなど盛んにおしゃべりを交わしている。

 

 

 さてと。

 マッドアイ-ムーディの方はどうなっただろう? ここから感じ取れる範囲にはスネイプ先生とクラウチ・ジュニアはいない。

 周囲を監視しているはずの先生方も今はこちら側にいないため迷路に沿って移動していくと、いた。

 

 スネイプ先生が倒れ込んだマッドアイ-ムーディの身体を魔法で縛り上げている。

 しまった。スネイプ先生の雄姿を見損ねた。

 きっといつもの仏頂面のまま華麗に騙し討ちを決めたはず。見たかった。きっとかっこよかったはずなのに。

 

 あまりの無念にうぐぅ、と声が出た。スネイプ先生がさっと杖を向ける。急いで声をかけた。

 

「先生、私です」

 

「エリカか……何をしておる」

 

 久しぶりのエリカ呼びきました。

 

「すみません。心配だったもので」

 

「こやつ程度、何ほどのこともない。君は戻りたまえ」

 

 不審者が私だとわかってすぐに先生は視線を足元の男へ向ける。さっと杖を振るうと、マッドアイ-ムーディの身体から杖が彼の左手に飛び込む。もう一本、さらにもう一本と何度も杖が飛んでくる。何本隠し持ってるの杖。凄いな。私も見習おう。

 その後ポリジュース薬の入ったスキットルやいくつもの防衛の魔法具などを手早く回収しながら、スネイプ先生が「いつまでここにいるつもりだね」と言った。

 

 ちぇ。諦めて観客席へ戻ろうとした時、“円”で逆側からこちらに近付いてくるマクゴナガル先生に気付いた。

 

「先生、マクゴナガル先生が来ます」

 

「そうか、ちょうどいい。……君はもう戻りたまえ」

 

「はい」

 

 来た方向へ戻りかけると、後ろの方でマクゴナガル先生へ呼びかけるスネイプ先生の声が聞こえた。

 

「ミネルバ、来てくれ」

 

 マクゴナガル先生の少し早い足音が聞こえる。

 

「どうなさったのです? セブルス。……っ! 何をなさっているのですか、これはっ」

 

「おちつけミネルバ。こやつはポリジュース薬で――」

 

 スネイプ先生の説明を聞きながら暗闇を抜けて観客席へ歩く。ダンブルドアも動いたしね。もう情報解禁ってわけだ。

 それにしても。マクゴナガル先生も不死鳥の騎士団でムーディと一緒に戦っていたはず。9月からずっと傍にいたムーディが偽物だっただなんて知って、きっと怒りと驚きで目をまわしそう。

 

 

 さて。あちらはどうなっただろう。

 影と本体に直接の連絡方法はないけど、必要に応じて影のひとりが消えて私に記憶が戻ることでこちらへ注意を促す手筈になっている。何も言ってこないってことは順調なんだろう。

 

 あまり心配はしていない。

 よっぽどのことがない限り、お辞儀様は捕まり、ワームテールとナギニは死ぬはず。

 

 よっぽどのこと……ダンブルドアの指示を受けた闇祓いがルシウス叔父様やシリウスを襲うとか、そんなのは……まあ、ない。

 

 クラウチ・ジュニアの目を欺くため、まだダンブルドアとちゃんと話ができていないのが不安要素なのだけど、ダンブルドアとしてもヴォルデモートの捕獲は彼の主旨に反しないはず。

 ここまでは共闘できる。

 だから問題はないだろう。

 

 お辞儀様はきっとみんな最優先で確保するだろう。ワームテールはシリウスが「わたしの獲物だ」と言ってたからきっと彼が殺すんじゃないかな。

 問題はナギニだ。分霊箱って言えてないから、殺しそこなうのが怖い。でも主を置いて自分だけ逃げるようなことはしないだろう。忠実そうな蛇だったし。

 ゴブリンの短剣を託したから大丈夫だと思うんだけど……不安だ。

 万が一逃がしそうなら私の影が殺す。ってか衝撃波で逃げられないよう気を失わせる。

  

 私はそのまま観客席に行き、手近な席に腰を落ち着けた。

 

 

 

 

 

 

 

 迷路の中からは時折り激しい破裂音が鳴ったり、何か魔法生物の鳴き声が響いたり、選手達がそれぞれ迷路攻略に励んでいるようだ。

 

 原作では服従の呪文をかけられたクラムが他の選手を襲っていたし、ハリーの進路に居る魔法生物を斃したり呪いを排除したり、クラウチ・ジュニアはずいぶん仕事をしていた。

 

 クラウチ・ジュニアはもうスネイプ先生に排除されちゃったから、中ではまっとうにそれぞれが頑張っていると思う。選手に選ばれた4人はこれまで乗り越えてきた試練で互いにそこそこの絆もできている。きっと正々堂々とした競争になっているんじゃないかな。

 

 

 

 あ、そういえば。優勝杯はダンブルドア達が掴んで行っちゃったけど、ちゃんと彼らのためのポートキーになっていない優勝杯は用意してあるのかな。その辺りは聞いていないから私は知らないのだけど。

 

 帝王復活阻止のニュースを大々的に発表したいのだから、きっと優勝選手と一緒に迷路から出てくると予想している。

 

 

 しばらく待っていると、巨大迷路の入り口から人が現れ、観客席が熱狂に包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 影が帰ってきたようだ。記憶が私に流れ込む。

 

 影達はシルヴィアを構えて、一斉に距離を取りつつ周囲を取り囲んだ。影の気配に気付いた者はいない。ノヴさんモラウさんに厳しく仕込まれた隠密の技術で気配を殺して彼らを見守る。

 

 

 ハリーが来るはずのポートキーでダンブルドア達がやってきたことに、ヴォルデモート達は驚いた。

 ダンブルドアの姿に恐れおののいたワームテールは手に持っていたものを投げ捨てるように下ろして身を翻した。が、すぐ傍に姿現わししてきたシリウスに退路を塞がれる。

 

「どこへ行くんだワームテール」

 

「や、やあシリウス。ひ、久しぶりだね。懐かしい我が友パットフット。会えて、と、とても嬉しいよ」

 

「わたしも嬉しいさ、薄汚いドブネズミをやっとこの手で殺せるこの瞬間がな」

 

 ワームテールは情けない声をあげた。

 

「君は丸腰のものを殺すというのかい? ほら、杖だって構えていない。僕は、脅されていただけなんだよ、助けてくれよ、友達だろう?」

 

「その友を裏切って殺したのは貴様だ」

 

 問答無用で殺すと言っていたにもかかわらず、結局ワームテールの弱者ムーブに乗せられて時間を稼がれているシリウスに、リーマスさんが杖を構えたまま声をかけた。

 

「シリウス、奴の思う壺に嵌っているぞ。隙をついてネズミになって逃げだすつもりだろう」

 

「そんなことはさせないさ。おわりだワームテール」

 

「待ってくれ、待って、た、たすけて、嫌だ!」

 

 叫ぶなりひゅんと翻ってネズミに変わると背を向けて走り出す。その瞬間。

 

「無駄だと言っただろう」

 

 リーマスさんの魔法がネズミを捉える。ネズミは人の姿に戻りながら吹き飛んだ。

 

「死んで詫びろ。アバダケダブラ」

 

 シリウスの杖から発せられた緑の閃光がワームテールを貫く。驚きの表情を浮かべたままゆっくりと倒れ込み、そのまま動かなくなった。

 ワームテールへの厳しい視線をそらさぬままリーマスさんがシリウスに近付きその肩を抱いた。シリウスもリーマスさんの背に腕をまわす。

 ふたりは肩を抱き合ったまま、しばらく動かなかった。

 親友の仇をやっと討てたことをしみじみと噛みしめているようだった。

 

 

 

 

 

 ワームテールが自分だけ逃げだそうと放り投げるように地面に転がされた布の包みは、闇の帝王その人だった。

 そこに真っ先に近付いたのはダンブルドアだった。

 

「なんとまあ、無様な姿じゃのう、トムよ。生にしがみつく姿は浅ましいものよのう」

 

「黙れダンブルドア。この老いぼれが俺様に聞いたふうな口を利くな」

 

 ヴォルデモートは小さな身体を蠢かせて杖を振るう。ダンブルドアは緑の閃光を躱しながら笑った。

 

「その仮の姿で何ができるというのじゃ。おぬしもこれで終わりじゃの」

 

「黙れ!」

 

 そこへナギニが主を助けようと飛び込んできた。恐ろしい勢いでダンブルドアに襲い掛かった大蛇は彼の振るった杖で飛ばされた。

 間に入ったシャックルボルトとルシウス叔父様が大蛇に対峙する。

 

 主を守ろうとするナギニをけん制し攪乱しながら徐々に帝王から距離を取らせようとする。下手に近くであの巨体を斃し、帝王を殺してしまうわけにはいかない。

 

「ルシウス! お前は俺様を裏切るのか! 今なら許してやる。俺様を助けろ!」

 

 墓地にヴォルデモートの叫び声が響いた。ルシウス叔父様の身体が硬直するように一瞬竦む。その隙を狙って大蛇が襲った。鋭い牙を剥いたナギニの攻撃がルシウス叔父様の喉を嚙み切る寸前シャックルボルトの攻撃が大蛇にあたった。

 

「シャアアア!」

 

 大蛇がのたうつ。が、すぐにまた鎌首をもたげると尾先を強くうち振るう。彼らが距離を取った。

 

「すまないシャックルボルト」

 

「ああ、気を抜くなマルフォイ」

 

 ルシウス叔父様とシャックルボルトがもう一度大蛇へ向かう。そこにまたヴォルデモートの声が響く。

 

「ルシウス! 助けにこい! ルシウス!」

 

 ルシウス叔父様はもうヴォルデモートの声に負けなかった。

 

「うるさい! お前なぞ恐れはしない。わたしは……わたしは死喰い人ではないのだからな!」

 

「良く言ったマルフォイ」

 

 朗らかにシャックルボルトが言うと長い脚でナギニを蹴り上げる。身体強化なのか、大蛇の巨体が宙を舞った。

 シャックルボルトとルシウス叔父様が大蛇を追って走った。

 

「ふぉっふぉっふぉ。ワームテールには投げ捨てられ、マルフォイには切り捨てられた。おぬしに忠誠を誓う者は蛇しかおらぬようじゃの」

 

「たわけたことを」

 

「おぬしはもう終わったのじゃ。眠るがいいトム。おわかれじゃの」

 

 ダンブルドアの魔法がヴォルデモートの身体を拘束する。赤子のような小さな身体が宙に浮きあがる。もう一度ダンブルドアが杖を振るうとヴォルデモートはそのまま眠りについた。

 地面に落ちた布を持ち上げるとヴォルデモートの身体を注意深く包んだ。

 その手つきはやけに悲し気だった。

 

 

 

 

 

「毒をもっているやもしれん。気を付けろマルフォイ」

 

「言われずとも! シャックルボルト」

 

 ルシウス叔父様とシャックルボルトという原作ではありえないふたりの共闘だった。

 戦い慣れている二人は初めての連携にも関わらず上手に互いの死角を補い合いながら杖を振るう。ナギニは巨体に似合わぬ速さと動きで彼らと渡り合っている。魔法が乱れ飛ぶ戦いだった。

 

 ルシウス叔父様の喉元にナギニの牙が迫る。叔父様は身をよじって牙を躱しざま、右手を振るった。

 

「キャシャアアアア!!」

 

 ナギニが苦悶の声を上げる。ルシウス叔父様の手にはゴブリンの短剣があった。大蛇の側面に細い切り傷が刻まれている。

 

「なるほど。毒蛇にもこの剣は効くようだな」

 

 叔父様が痛みにのたうつ大蛇の頭に短剣を振り下ろした。刃渡りの短い剣では大蛇の身体には心もとなく見えるけど、効果は劇的だった。激しく跳ねる尾をシャックルボルトが踏みつけて押さえる。

 男達が足で蛇を裏返し、叔父様が短剣で蛇の喉元を切り裂く。大蛇は大きく痙攣するとやがてその動きをとめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 大迷路の入り口から姿を現したのは、選手4人全員だった。みんなそれぞれ怪我をしていて、ハリーは足を引きずっていたし、クラムは腕から血を流している。誰も彼もボロボロだったけど表情はやり切ったことで明るかった。

 戻ってきた彼らに拍手を送りながらも、誰が優勝なのかがわからない観客席は戸惑いの声が聞こえる。

 

 選手達が顔を合わせて微笑みあうと、迷路の正面にさっと4人が並んだ。

 そして、その中のひとりが、大きく両手を上へもちあげ、優勝杯を掲げてみせた。

 

 優勝者は、セドリック・ディゴリーだった。会場は割れんばかりの歓声に包まれた。

 

 そういえば優勝杯って、中央地点にあったんだっけ。ポートキーじゃないってことはゴール地点が誰にも見えていないってこと? え? なんでだよ。

 どうせなら掴んだ瞬間スタート地点に飛ばされるべきじゃない?

 それとも優勝杯を掴むのは折り返しで、そこからスタート地点までは優勝杯の取り合いで戦えってことだったのかな。

 

「えー! 優勝者が決定いたしました! 厳しい戦いを勝ち抜いた選手はディゴリー! セドリック・ディゴリー選手だ! みなさん盛大な……」

 

 バグマンがまるでやけくそみたいに大声で叫ぶ。「盛大な拍手を」と言うつもりだったのか、その声は選手たちの目の前に数人の男達が転移してきたことで途切れた。

 

 男達は中央に大きな優勝杯を囲んで立っていて、それぞれ杯を手で掴んでいた。5人で持ちやすいよう優勝杯に拡大呪文をかけていたんだろう。

 

 布に包まれたなにかを腕に抱いたダンブルドア。

 シリウスとリーマスさんはそれぞれがワームテールの腕を掴んでいたが、転移が終わったことで手を離して遺体を前へ横たえた。

 ルシウス叔父様とシャックルボルトは大蛇を掴んでいた。これも手を離し、大蛇がどさりと倒れ込む。

 観客席から悲鳴があがった。

 

「静まるのじゃ!」

 

 ダンブルドアが声を張り上げる。

 

「さて、紳士淑女の皆様方へ、ひとつ、我々から知らせねばならんことがある――」

 

 

 

 




優勝者を誰にするかすごく迷いました。
ハリーは善戦するでしょうがクラウチ・ジュニアの助けがないのでもっと時間がかかっただろうと判断。
クラウチ・ジュニアが服従の呪文をかけていないのでクラムもしっかり善戦するでしょう。同じくクラウチ・ジュニアに失神させられたデラクールも無事だから失格になることもない。
誰が優勝してもおかしくない。勝負強さでクラムを取るか、正統派王子に勝たせるか迷い、ホグワーツに優勝杯が欲しくてセドリック・ディゴリーとしました。

英里佳はファンタスティックビースト1までしか履修していません。ナギニが人間だったことを知りません。
もし知っていたとしてもおそらく殺したでしょうが。
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