「ようやくこの時がきました……やっと、あなたをここから救い出せる」
声が聞こえた
「もとの世界ではありませんが、それでも私はあなたに生きていてほしいのです」
それはどこか懐かしく、優しい声だった
「わたくしが一緒にいれないのが残念ですが、それも湊様のためなら問題なしでございます」
なんだろう意識がまだハッキリとしない
「それではいってらっしゃいませ、湊様」
目の前に青い人影が見えた、そこに手を伸ばそうとして意識が途切れた。
ジリリリ……
目覚ましの音で目が覚める、何か長い長い夢を見ていた気がする。身体を起こし少しずつ意識を覚醒させていく、昔から朝は苦手だ……眠いから。とはいっても、今日から新しい学校に通うのだ、あまりゆっくりもしていられない。
今日から通うことになる文月学園というところは『試験召喚システム』という革新的な学力低下対策を導入している進学校だ。まあそこはどうでもいい、ここを選んだ理由は家から近いのと学費が安いから。ただそれだけ。
去年まではもっと近い高校に通っていたのだけど、資金難で潰れてしまったので二年からは文月学園に通うことになってしまった。
ちなみに僕に親はいない、小さい頃に自動車事故で死んでしまったらしい。
一昨年までは施設にいたのだが、高校生になってからは一人暮らしをすることにした。まあそれが一年で別の学校に通うことになるとは思わなかったけど……近くに学費の安い文月学園があってほんとによかった。
「さて、行くか」
忘れ物がないことを確認し、イヤホンをつけ音楽を聴きながら学校に向かうことにする。
学校は電車でひと駅、去年は家から徒歩五分でもっとラクだったんだけど。通勤ラッシュでギュウギュウの電車を降りると、周りにも同じ制服を着た人がちらほらと見えはじめた。
学校が近づいてきたところでイヤホンを外すとヒソヒソ声が聞こえた。
「なんか見ない顔の人だね」
「なんだろ転入生かな?」
「うわ、きれいな顔の人だなー」
聞こえてきた声を聞き流しながら校門に着くと、大柄な男性に呼び止められた。
「おい、ちょっと止まってくれ。見ない顔だな……新入生か?」
校門を通り中に入ろうとすると、大柄な男性に呼び止められた。
「……いえ、転入してきた有里です」
少し遅れたが、とりあえず聞かれた質問に答えると
「あぁ、高橋先生のクラスの子か。それなら職員室に行きなさい、職員室は入ってすぐのところあ
るからな。俺が案内してあげれればいいんだが、今はちとだめだからな」
「ありがとうございます、えっと・・・」
「ん? あぁ、俺の名前は西村というんだ。進路指導を担当したりしてるからこれからも会う事があるだろう覚えておいてくれ」
丁寧に案内までしてくれた。見た目はちょっと威圧感があるが、親切でいい人だ。外見で損をしていそうだな。
「はい、分かりました」
そう礼を言ってから職員室に向かうことにした。
と、いうわけでプロローグはここまでです。
キタローの名前は漫画版の『有里湊』です。あと、たまに変な夢を見るくらいでペルソナ3の時の記憶は持ってません。
なるべく早く続きを投稿したいと思います。