バカとキタローと召喚獣   作:カズターノ

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お待たせしました。記念すべき第一話です。


第一話

職員室

 

「失礼します」

 

 ノックをしてから職員室の扉を開けると、先生達が忙しそうに動き回っている。声をかけずらかったので、少しのあいだその様子をぼーっと眺めていると、突然うしろから声をかけられた。

 

「何か御用ですか?」

 

 びっくりしながら後ろを振り返ると、そこには影の薄そうな初老の男性教師が立っていた。

 

「……びっくりした」

「それはすみませんでした、それで何か御用ですか?」

 

 マイペースな人だ。そう思いながら、とりあえず自分の目的を伝えることにする。

 

「高橋先生に用事が……」

「そうですか。高橋先生ならそこに……あれ、居ませんね?」

 

 そこでまたしても後ろから声をかけられた。

 

「福原先生、私に何か御用でしょうか?」

 

 振り向くと、そこには一人の女性が立っていた。問いかけられた質問から、この人が高橋先生だと判断する。

 

「あぁ、そちらに居ましたか。この生徒さんがあなたに用事だそうですよ。」

 

 それを伝えると、福原先生はすぐにどこかへ行ってしまった。普段からそんな感じなのか、高橋先生は特に気にもとめずこちらに目を向けた。

 

「それであなたは?」

「あの、今日からここに転入することになってる有里湊といいます。」

 

 そう、自己紹介をすると、先生はそれだけで何の用事か分かったようで

 

「あぁ、あなたが有里君ね。それじゃ、あまりゆっくりもしていられないから手短かに連絡事項を伝えるわね」

「お願いします……」

「それならまずクラス分けの結果を教えるわ、有里君は私が担任のAクラスになります。テストの成績も良かったし、Aクラスの一員として期待してるわね」

 

 そう言われたが、特に何かを頑張る気もない僕は、あいまいに返事をする事しかできない。

 

「有里君のテストの点数は、この紙に書いてあるから後で確認しておいてください。この点数が、召喚獣を戦わせるさいに重要になりますので、自分の点数は常に把握しておいてくださいね」

「はぁ……」

「試験召喚戦争の説明もしたいところだけど、それは長くなるから後でクラスの人に聞くか、放課後また先生の所に来てくれれば説明させてもらうわ」

 

 なんだか分かったような分からないような……まあ、どうでもいいか

 

「あとは、クラスの設備の説明とかだけど、それは教室で他の生徒にも説明するからその時にね」

「分かりました」

「それでは、今から教室に向かいますのでついてきてください」

 

 そういうと、高橋先生は僕を連れてAクラスの教室に向かった。 途中、職員室を教えてくれた西村先生とすれ違ったので、かるくお辞儀をしたりしながら高橋先生について行くと、【2ーA】と書いてある教室の前で立ち止まった。

 

「それでは私が先に入りますので、呼ばれたら中に入って来てください」

 

 先生に呼ばれるまで外でぼーっと立っていると、背の高い野生的な感じの生徒に声をかけられた

 

「何してるんだ? Aクラスの見学か?」

「……誰?」

「ん、あぁわるい悪い俺はFクラスの坂本って者だが、あんたはこんなとこで何やってるんだ? 偵察か何かか?」

 

 えらくグイグイ話しかけてくるな。と思って、ちょっと戸惑っていると、高橋先生から入ってきてくださいと言われてしまった。

 

「転入生の有里……じゃあね」

 

 簡潔に答え、教室内に入ることにする。教室に入ると、一斉に好奇の目に晒される。あまりいい気分ではない。

 

「じゃあ、軽い自己紹介をお願いします」

 

 さて、何を言おうか

 

「有里湊です。趣味は、ぼーっとすることです。よろしく……」

 

 ちょっと間が空いてから、ぱちぱちと拍手が起きる。何だろう何かマズいことでも言ってしまったかな? と、内心首を傾げる。

 

「え、えぇ〜、そうしたら有里君の席は木下さんの隣の席になります。木下さん、手をあげてください」

 

 そう、先生が言うと一人の女生徒が手をあげた。

 

「それでは有里君、席に着いてください」

 

 そう言われたので、席に向かう。ついでに、お隣の木下さんにも挨拶しよう。

 

「よろしく」

「え、えぇ、よろしくね」

 

 そんな風に、お隣と和やかに挨拶をかわしたところで、高橋先生の話が始まった。

 内容は、主に教室内の設備の事についてだった。自分専用のノートパソコンや個人エアコン、冷蔵庫、リクライニングシートその他にも飲み物やらお菓子やらなんでもござれときている。

 自分の家より住み心地が良さそうだ、ここに住むことは出来ないのかな? などとくだらない事を考えていると、一人の生徒が呼ばれていた。

 

「では、クラス代表を紹介します。霧島翔子さん。前に来てください」

「……はい」

 

 そうして前に出てきたのは、最近あまり見ない、黒髪を腰の辺りまで伸ばした大人しそうな感じの子だ。

 

「……霧島翔子です。よろしくお願いします」

 

 僕と雰囲気が似てる、とか思っていると紹介が終わったらしく、再び高橋先生が話はじめた。

 

「それでは皆さん。これから一年間、霧島さんを代表に協力し合い、色々な経験を積み重ね精進していってください。これから始まる『戦争』で、どこにも負けないように」

 

 そう締めくくり、またクラスから拍手が起こる。僕の時と拍手の大きさが違うような? まあ、いいか。

 

 HRが終わると、一人の男子生徒が話かけてきた。

 

「やあ、有里君。僕は学年次席の久保利光という者だ。先生から君のことを頼まれてね、何か分からない事はあるかな?」

 

 久保という男子生徒に話しかけられた、顔立ちの整った親しみやすそうな笑顔でこちらに話しかけてくる。

 

「ありがと、そうだね。この教室に住むことって出来るのかな?」

「へっ!? さ、さぁ無理じゃないかな〜」

「そう……」

 

 ちょっと期待したけどやっぱり無理か。そう、残念そうにしているとまた話しかけられた。

 

「ま、まあ学校にいる間は好きに使えるんだし。ありがたい事だよ」

「そうだね」

 

 会話が終わってしまった。まだ何か聞く事があっただろうか……そういえば高橋先生に、試召戦争のことをクラスメイトに聞くよう言われていたんだった。

 

「あと、試召戦争の事を教えてくれない?」

 

 そう久保君にいうと、嫌な顔一つせず教えてくれた。いい人だ。

 

 話を聞いて分かったことは、試召戦争に負けるとクラスの設備を交換しなければならないらしい。なるほど、他のクラスはいい設備が欲しくて上のクラスに挑む為に頑張り、Aクラスはこの居心地のいい教室を守るために頑張れるという訳か、よくできてるな。

 

「とりあえず試召戦争ついてはこんなとこかな。何か分からないところはあったかな?」

「いや……ありがとう助かったよ」

 

 そう笑いかけると、久保君は

 

「あぁ、やっと笑ってくれた。君はあまり表情が変わらないから、迷惑になってないかな? と思ってちょっと不安だったんだ」

「……よく言われる」

 

 久保君とは、仲良くやっていけそうだ。そう思った……




はい、というわけで第一話は終わりです。この作品のキタローはボケが多いですね。

前回コメントを下さった方、並びにお気に入りに登録して下さった方、大変ありがとうございます。
この小説の投稿日時は特に決めてません。続きは書けしだいあげていく方針です。そして文字数ですが、徐々に増やしていければと思います。

それでは、この作品を読んでいただき大変ありがとうございました。
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