バカとキタローと召喚獣   作:カズターノ

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ペルソナ5キタ━(゚∀゚)━!


第三話

 初登校から数日経ち、学校にも少しは慣れてきた。と、言えればいいのだが。あいも変わらず、僕は自分の行動する範囲以外はほとんど憶えていない。

 教室から学食までの最短距離とトイレの場所、ちゃんと憶えているのはそこぐらいで、それ以外の学校施設の場所はほとんどダメ。覚える気が無いと言われればそれまでだが、まだ数日しかたっていないのだ、その内勝手に覚えるだろう。と、僕はそんな風に考えていた。

 

「……有里君、お菓子食べ過ぎじゃないかしら」

 

 数日間の間に変化したことといえば、隣の席の木下さんともよく喋るようになったことぐらいだ。僕は専ら聞き役だけど。

 

「大丈夫、昼もちゃんと食べれる」

「いや、そうじゃなくてね」

「それに糖分は大切……」

「はぁ、もういいわ」

 

 なんだか呆れられてしまった……

 

「それにしても、普段の有里君を見てるとホントに勉強が出来るのか、怪しく思えてくるわね」

「よく言われる」

 

 実際、家では気が向いた時ぐらいしか勉強してないし。

 

「まあマグレで学年三位なんか取れないか」

「そうだね」

 

 そんなたわいも無い話をしていると、木下さんの背後から緑色の髪の女子が忍び寄って来るのに気付いた。

何かする気かな? 目線を向けないようにしながら、その様子を伺っていると、彼女は木下さんの耳の側まで口を近付け、フッと息を吹いた。

 

「ひゃんっっっ!!」

 

 木下さんが声を上げながらイスから滑り落ちた。

 

「あれ? もしかして優子、耳弱点だった?」

 

 そう、声をかけてくる女生徒にたいして、未だにイスから滑り落ちたままの木下さんは、声を荒げながら

 

「『耳弱点だった?』じゃないわよっ! 何するのよ愛子!!」

 

 愛子と呼ばれた女生徒は、特に悪びれる事もなく

 

「ごめんゴメン、ちょっとしたスキンシップのつもりだったんだよ。それにしても優子の弱点は耳なのか、おかげで面白い反応が見れた。君もそう思わない? 転入生君。」

 

 ちょっと考えてから、

 

「そうだね、面白い反応だった」

 

 そう答えると、やっと床から立ち上がった木下さんに、半目で睨まれながら

 

「あ、り、さ、と、くん? 何を言っているのかしら」

 

 あまり気分がよくなかったようだ。ならば

 

「言いかえる、可愛い反応だったよ」

「なッ!?」

 

 そういうと、顔を赤くして固まってしまった。

 

「おぉ〜、転校生君云うねー。どう可愛かったのか、もっと詳しく教えてあげると優子も喜ぶよ」

「ちょっと愛子!!」

「……そうだね。普段しっかりしてる木下さんが、慌てている時に見せる普段と違う表情が可愛かった。あと、最初にあげた『ひゃんっっっ!!』ていう声も可愛かった。それに――」

「ありがとう!、でも分かったからこれ以上はもうやめてー!!」

 

 そう叫ぶと、耳を塞いでしゃがんでしまった。

 

「そういう反応もカワイイ」

「ア、アハハ。いや、振ったボクがいうのもなんだけど、これ以上は優子恥ずかしさで死んじゃうからやめてあげて……」

「分かった」

 

 目線を今だにしゃがんだ状態の木下さんからとなりの女生徒に向ける、とりあえず乗ったがこの人は誰だろう?

 

「いや〜、キミ凄いね。あんなセリフを顔色ひとつ変えずに、真顔で言うんだもん。それは、優子もこんなになっちゃうよ」

「……無表情はいつも」

「凄いって言ったのはそこだけじゃないんだけどなー」

 

 天然かな? それとも……と、一人考えている女生徒の思考を遮り何者か聞くことにする。

 

「ところで君は誰?」

「ん? ボク? ボクは工藤愛子っていうんだ。ヨロシクね、転入生君」

「僕は有里……転入生君はやめて」

 

 転入生君は何かイヤだ。

 

「そう? 結構呼びやすくていいと思うんだけどなー。まあボクも一年の後半に転入してきたばかりだから、そこまで学校の事詳しい訳じゃないけど、なんかあったら聞いてね。答えられる事なら答えてあげる」

 

 そこで一旦話を切ると、一拍置いてから

 

「例えば、保健体育の実技とか」

 

 と、ウインクをしながら言ってきた。

 保健体育の実技? この状況を考えると運動とかそういう意味ではないと思う。つまりそれは――

 

「あぁ、エッ」

「そこまで、有里君も言わなくていいから。愛子、有里君をからかっても意味ないわよ」

 

 そう言って、やっと悶絶状態から復帰した木下さんが、会話を強制終了させた。

 まだ若干顔が赤いが……

 

「あらら、止められちゃった」

「まったく、あなたは毎回毎回そうやってーー」

 

 木下さんが工藤さんに説教をしている。後で僕も何か言われるかな?工藤さんに乗っかっちゃったし……

 そんな事を考えていると、教室前方のドアが勢いよく開いた。

 

「Cクラス代表の小山よ!! このAクラスに試召戦争を申し込みに来たわ」

 

 そう、声をあげながら入ってきた女生徒は、木下さんを見つけると一直線にこちらに向かってきた。

 

「木下さん、Cクラスを侮辱した罪は重いわよっ!! 必ず、アナタを痛い目にあわせてせてあげるんだからっ!!」

「えぇ! ちょっと、侮辱って何!?」

 

 木下さんがそう言っていたが、小山さんは聞く耳もたず、言いたいことだけ言って、Aクラスから出て行った。

 

「優子何したの?」

「知らないわよ。Cクラスの事についてなんて、何も話してないもの」

「ふぅん、それでどうするの?」

「どうするも何も、挑まれた以上断れないし……」

 

 木下さんはがっくりとうなだれている。どうやら午後からは忙しくなりそうだ……

 

 




 以上第三話でした。次回Cクラス戦と、もしかしたらFクラス戦も入るかも。

 前回からの修正:キタローの召喚獣の装備がアーマーから月光館の制服に変わりました。合わないのでは、という意見があったためです。

 このように、ご意見ご感想を頂けると大変助かります。これからもよろしくお願いします。
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