バカとキタローと召喚獣   作:カズターノ

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超簡潔な前回のあらすじ


工藤さんと一緒に木下さんをからかっていたら、Cクラスに戦争をふっかけられた。


第四話

「ごめんね、代表。代表がいない間にCクラスに戦争を申し込まれちゃった」

 

 そう肩を落とす木下さん。それに対し霧島さんは、

 

「大丈夫。お互い初めて同士の試召戦争だから、こういう場合は点数が高い方が有利」

 

 と、気負いはないようだ。まあ、木下さんが落ち込んでいるのは、身に覚えのない理由とはいえ自分のせいで戦争が起きたからなのだが……

 

「それでどうしますか? 点数が勝っている以上、力押しでも勝てる気がしますが」

 

 とは、久保君の提案。

 

「せっかくの試召戦争だから、皆を召喚獣に慣れさせたいわね。特に、有里君は召喚獣の操作も経験ないしね」

 

 こちらに話しかけながら木下さんも会話に参加してくる。どうやら復活したようだ。

 

「別に全員を戦わせる必要もない……と思う。有利だからといってなめてかかると痛い目にあう」

「優子の意見も、有里の意見も一理ある」

 

 霧島さんが方針をまとめていると、工藤さんがこちらに話しかけてきた。

 

「ねえ、有里君の召喚獣ってどういう奴なの? ちなみにボクのはセーラー服に斧を持ったやつなんだ」

「僕の召喚獣はなんていうか……面白い」

「面白い? どんな感じなの?」

 

 うーん、あの装備は言葉で説明するより見たほうが面白いと思うな。

 

「秘密。見たほうが早い」

「えぇー、秘密なの?ボクは教えたのに」

「そっちが勝手に言った。それに口でいうより見たほうが面白い」

「そっかー、じゃあ期待しているね」

 

 そんな話を工藤さんとしていると、霧島さんの作戦方針が決まったようだ。

 

「とりあえず二つに班を分ける。久保・愛子が中心の班と、優子・有里が中心の班。他のメンバーは成績が均等になるように分ける――」

 

 そんな風にどんどん作戦を決めていく。と、いうより僕が中心でいいのだろうか? そう考えていると、

 

「有里は召喚獣を扱うのは初めて。だから無理はしないで。基本的に作戦の指揮は優子がとってくれるから、有里は自分の召喚獣に集中して」

「分かった……」

 

 とりあえず自分の事に集中しよう。そもそも、クラスの人の事は、まだ全然分かっていないのだから。

 

「あーあ、別の班か。これじゃ、有里君の召喚獣が見れないかもね」

「班が違うだけで、突入するのは同じタイミング」

「最初だけそっちの班にいようかなー」

「だめよ、作戦は守りなさい」

「ちぇー、優子のイジワル」

 

 戦争前なのに意外とリラックスしている。まあ、緊張しすぎているよりはいいか……

 

「それじゃあ、有里君はこっちに来て。こちらの班の人員に作戦の説明をするから」

「分かった」

 

 木下さんの説明によると

 

「作戦と言ってもCクラスは隣だし、あまり難しい作戦はないわ。点数で勝っている以上、相手をCクラス内まで押し込めればこっちの勝ちよ。押せるだけ押して、点数が半分以下になったら後列の人とすぐ交換して。いい? うちのクラスには代表がいる。代表がいる限り私達に負けはない安心して攻めなさい!!」

「「「「うおぉぉぉぉーーーーー!!」」」」

 

 雄叫びがあがる、それにしても木下さんは士気を上げるのが上手いな。

 こうして初めての試召戦争の幕が切って落とされた。

 

「「「試獣召喚(サモン)」」」

 

 いたるところで戦いの声が上がっている。僕の配置は後列だ、今の内に召喚獣同士の戦いを見ておこう。

 

試獣召喚(サモン)!!」

 

 先頭に立つクラスメイトも戦闘を始めた。

 

 

【数学】

Aクラス 横田奈々 243点

      VS

Cクラス 遠山平太 106点

 

 

 点数も出るのか。前は、ただ召喚獣を出しただけだから分からなかった。

 

「えいっ、やあぁぁ!!」

「くっ!!」

 

 やはり点数に差があると優劣がすぐに出る。Cクラスの生徒の点数は既に半分以下になっていた。

 

「遠山ぁ! 援護に来たぜ」

 

 すると今度は別の生徒も戦いに参加してきた。

 

 

Aクラス 横田奈々 203点

      VS

Cクラス 遠山平太 42点

Cクラス 神戸慎 159点

 

 

 なるほど、一体一じゃなくてもいいのか。まあそれもそうか、じゃないと点数が上の相手に勝ち目がない――

 そうこうしている内に横田さんの点数が怪しくなってきた。やはり二対一は辛いようだ……そろそろ交代してあげよう。

 

「そろそろ交代するよ。お疲れ……」

 

 そう肩に手をおいて、微笑みながらねぎらいの言葉をかける。

 

「わ! あ、ありがとぅ……」

 

 顔を真っ赤にして俯いてしまった。どうしたのかな?

 

「「や、安いラブコメをやってんじゃねぇぇ!!」」

 

 横田さんを気にしているとCクラスの男子が二人突っ込んでくる。

 ラブコメ?なんのことだか……とりあえず、突っ込んでくるなら迎え撃つだけ。

 

「――試獣召喚(サモン)

 

 そして出てくる僕の召喚獣。やはりバス停装備は変わらないようだ。

 

「何だその武器はなめてるのか!」

「別にそういうわけじゃない」

「お、おいそれよりあいつの点数……!!」

 

【数学】

Aクラス 有里湊 334点

      VS

Cクラス 遠山平太 42点

Cクラス 神戸慎 159点

 

 

「げぇっ、300点越えだとっ!」

 

 僕の点数に驚いている。その一瞬が命取りなのに――

 

「隙だらけ」

 

 そうつぶやき、召喚獣がバス停を振るうと二人の召喚獣は一瞬で消し飛んだ。

 

「戦死者は補修!!」

 

 どこからともなく西村先生が現れると、男子生徒二人を連れ去っていく

 

「い、嫌だ! 補修室は嫌だっ」

「黙れ! 敗者が文句を言うな! 終戦までの間たっぷり指導してやるからな」

「拷問は嫌だー!!」

「人聞きの悪いことを言うんじゃない。ただ、趣味を勉強に、尊敬する人物を二宮金次郎にするだけだ」

 

 

 なるほど負けるとこうなるのか、気を付けないと。そう心に刻んでおくと、横田さんから話しかけられた。

 

「あ、有里君。ありがとね……」

「別にいい」

「あ、あの! かっこよかったよ! ありがとうっ!!」

 

 それだけ言うとAクラスに走って戻ってしまった。

 

「やっぱりキミは天然のたらしかな?」

 

 声をかけられた方を向くと工藤さんがいた。

 

「なんでここに? そっちの班は?」

「こっちは片付いたよ。後始末は久保君に任せてきた」

「……久保君も大変だ」

 

 そう久保君の苦労を思っていると、いつの間にかこちらの班もCクラスを教室内に押し込んだらしい。辺りにもう戦っている人はいなかった。

 

「僕らも手伝おう」

「そうだね。ついでに有里君の召喚獣も見ないとねー」

「……どうでもいい」

 

 そうして僕らもCクラス内に突入する。結局、教室内に押し込まれたCクラスにはなすすべもなく。この戦争は僕らの勝ちで幕を下ろした――

 

 

 

 

 

 

~おまけ~

 

有里の召喚獣をみた愛子の反応

 

「あはは、その武器でやられる相手も屈辱だろうね。そういう意味ではいい武器だねー」

 

と、まずまずの評価だった。




 また一人、キタローに魅了される人がっ!!

 そんなわけで第四話でした。次回からFクラス戦に入っていきます。お楽しみに~
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