さて。
「ここが、Fクラスか」
二のFと書かれたプレートの下がる教室に着いた。
「良い絆が出来ると良いな!!官兵衛」
・・・・・ふっ
「そうだな、権現」
小生達が教室に入って始めに思った事。
・・・・・・ここは昔の寺か?
殆ど廃屋同然の教室。
腐った畳。
綿のない座布団。
足の折れた卓袱台。
隙間風が吹くツギハギの窓。
「と言うか、寺より酷いレベルに見えるな」
権現も苦笑している。
「そこの二人、早く座りやがれ」
・・・随分な物言いの奴がいるな。
一体誰が・・・・・
「なんだ、坂本か」
「御早う、雄二」
「・・・?徳川に、黒田?お前ら、こんな所で何やってやがる」
声の主は坂本雄二だった。
赤いツンツンとした髪を持ち、ボクサーのように鋭い体型をしている。
喧嘩を得意としており、運動は言わずもがな。
統率力、計略を練る力も一級品だ。
ちなみにおつむは・・・言わない方が良いだろう。
「お前らはこのクラスじゃないだろう?」
「・・・理由があってな」
「わしらもFクラスだ。よろしくな、雄二」
「・・・そうか。ま、何はともかく座ってくれ」
「「ああ」」
とりあえず適当な席に座る。
とりあえず周りを見てみる。
と。
「お早うなのじゃ、官兵衛、家康」
廊下側から声が来た。
「木下か」
「御早う秀吉」
どう見ても女にしか見えない男、木下秀吉。
独特の喋り方と、小柄な体が特徴だ。
Aクラスに姉、木下優子を持つ。
演劇部に所属しており、その演技力はまさに見事の一言につきるだろう。
女装をする事があるのだが、その意図は小生には理解できん。
「お主らがFクラスとはな。居眠りでもしたかの?」
「ま、そんな所だ」
「これからよろしくな。秀吉」
「よろしくなのじゃ、官兵衛、家康」
「おう」
と返事を返しておく。
「ん?黒田に徳川?あんたら何やってんの?」
この活発そうな声は
「島津・・・・じゃ無くて島田か」
「御早う、島田殿」
島田美波、帰国子女。
ポニーテールが特徴的だ。
活発的な性格で、美しい見た目をしている。
そして、とある人物に対してはプロ並のプロレス技を繰り出す。
恋する乙女との噂もある。
「あんた達何でここにいるの?」
「居眠りしちまってな」
「いやはや、情けない」
「ま、いいわ。これからよろしくね」
「ん」
「よろしく!!島田殿」
カシャ
「・・・・ん?」
「今カメラの音が・・・と思ったら」
権現がため息をついてる。
その視線の先を見てみたら。
「ムッツリーニ、島田のスカートの中をとっているんじゃない」
と、権現。
「ッ!?つ、土屋!?」
「…………(ブンブン!!)」
「土屋・・・・・」
首を振って否定しているが、小生達の目はごまかせんぞ。
こいつの名前は土屋康太。
紺色の髪と小柄で引き締まった体。
口数は少なく、落ち着いた雰囲気を持つが・・・・・・
その正体は、もはや異常ともとれる性知識を持つ、『寡黙なる性識者』(ムッツリーニ)。
ムッツリ商会と言う商会の元締めをやっている。
「相変わらずだな、土屋」
「よろしくな、ムッツリーニ」
「・・・・・・よろしく」
「趣味についてとやかく言えた義理じゃないけど、犯罪はやめとけよ?」
「・・・・・・犯罪などしていない」
「そうかい」
ガララッ
『すいません、ちょっと遅れちゃいましたっ♪』
『早く座れ、この蛆虫野郎』
『台無しだっ!!』
『聞こえないのか?あぁ?』
「ん?」
戸の方からこれまた聞き覚えのある声が聞こえた。
・・・・あれは!!
「ん?・・・官兵衛!!」
「明久!!」
ダっ!!
「官兵衛〜!!」
「明久〜!!」
ガシッ
「「我が友よ!!」」
「黙れ暑苦しい」
なんだと!!
「官兵衛、何でFクラスに?」
「居眠りしちまってな」
こいつの名前は吉井明久。
あどけない顔をしており、性格は明るい良い奴だ。
茶色のショートカットの髪で、中肉中背。
鉄人に目を付けられており、よく追い回されている。
学年の中では最低の学力を保持している、『観察処分者』
そして・・・小生の大っ親友である!!
「でもうれしいな。官兵衛が一緒なら楽しそうだね!!鉄人を出し抜く事も夢じゃないよ!!」
「そうだな。なんせ、小生達のコンビは」
「「無敵だからな(ね)!!」」
「黙れ」
ええい、うるさいな!!
「御早う、明久」
「うん、おはよ・・・えぇっ!!家康も!?」
「そういう事だ。これからよろしくな」
「うん。家康もよろしく!!」
明久がいるなら、退屈はしなさそうだ。
「ところで、雄二は何やってるの?」
「先生が遅れてるらしいから、代わりに教壇に上がってみた。」
「先生の代わりって、雄二が?何で?」
それは小生も気になっていたんだが。
「一応俺がここの最高成績保持者だからだ」
「え?じゃあ雄二が」
「代表だ」
ほう、そうだったのか。
ま、小生には関係ないがな。
と。
ガラッ
「HRを始めますので、席についてください」
そこで、初老のさえない男性教師が入ってきた。
全員が席に着いたか。
さて、小生の高2の学園生活の始まりだ。