この小説の主人公は一応真人間です。
エネルみたいにアクセル滅ぼそうとかは一切考えない良い子です。
クエストを達成してギルドに報告した俺はクエストの報酬を貰った。回収してくれるカエルの亡骸は残った黒焦げの一体だけだったので、そこまでの金額ではなかった。 まぁ、今日の晩飯と馬小屋の宿泊ぐらいまではありつけたので、早速ギルドで食事を貰う。
「カエルの唐揚げか…繁殖期らしいから安めの金額だけど、旨いのかこれ? あむっ……旨っ!」
淡白だが中々の歯ごたえ、意外にも美味だった。
「ハァ…にしてもどうすっかな…まさかゴロゴロの実がこんなにチートとは思わなかった…。」
軽はずみに選んだ悪魔の実が強すぎた。現在の俺の心境は半分興奮と半分不安と恐怖だ。耐久力の低いジャイアントトードとはいえたった五つのスキルであの強さだ。 コントロールすればマシになるかもしれない。だが、攻撃力と攻撃範囲が広すぎる。 どの技も危険すぎてポンポン撃てない。 それに──
「
原作エネルの本気とも言える最強の技だ。 これらを放った日にはこの町アクセルすら焼け野原と化してしまう。 …何で俺は
「この三つは修得しても極力使わないようにしよう。あとは討伐クエストを数こなしてスキルに慣れるしかないか…。」
こんな結論しか出てこないが、やるしかない。選んでしまったのだからな! 特典は良く選べば良かった…ちょっと後悔。
ハルキ「ごちそうさま!」
翌日。馬小屋は寝心地が悪かった…クセェし狭いし。金を貯めて格安の物件でも買おうか? さて、今日も今日とてクエストだ。前世じゃ社畜並みにアルバイトしてたから苦にはならんな。両親が仕事上手くいかなかったから俺まで働かされただけだけど…。
「ジャイアントトードは昨日倒したしなー、なんかないかな~。 ん?なんだこれ…初心者殺し?」
初心者殺し、地球で言うとサーベルタイガーのようなモンスター。ゴブリン等の弱いモンスターの回りを徘徊して釣られてきた冒険者を狩るらしい。 知能も戦闘力も高く、駆け出し冒険者にとっては天敵のようなモンスターだ。
「クエスト詳細を見る限り割りと強めのモンスターだな。報酬は…50万エリス!?」
ジャイアントトードに比べてすごい額だ! よっしゃこれ受けよう! ボコシメにしてこよう!程々に。
カズマside
俺は佐藤和真。 日本で不慮の事故(?)で死んでしまった俺は、女神アクアを連れて異世界に転生した。だがこの女神、まっっったく使えねぇ!! 知力は最低!運も最悪!考えなしに突っ込む! もういやだこの駄女神!
「…来ないわね…。」
「そりゃ、あんな募集で来るかよ。」
俺達は今、アクアの提案で仲間を募集していた。俺としても使えないこいつの穴埋めとしても仲間は欲しい所だ。
「だって!だって!」
アクアは涙目で言い訳してる。ほとんど嘘に近いパーティの募集要項に上級職限定なんて募集で来るわけない。アクアに任せたのは失敗だ。そもそも連れてきた時点で失敗だ!
「ねぇカズマ、今失礼な事を考えなかった?」
そろそろ諦めて募集要項を書き直すか──
「すみません。募集の紙を見て来たのですが、ここでよろしいですか?」
え?
ハルキside
「この森にゴブリンがいるからこの辺りを徘徊してるんだよな?」
草原よりも少し歩いて広い森に入った俺は初心者殺しを探していた。
「初心者殺しって言うからにはそこそこ強いのか?せめて装備品くらい揃えてからの方が良かったかも──」
「グルルル……!」
いやがった!サーベルタイガーのようなモンスター、初心者殺しだ。明らかに俺に対して敵意を持ってる。すぐにでも飛びかかって来そうだ。 ……少し開き直ってみようかな。誰もいないし、せっかくだからエネルっぽくしてみるか。
「ヤハハハハ、おい初心者殺し。 俺を喰いたいのだろう? やるがいい…しばらく俺はじっとしていよう。お前の攻撃を避けもしないし手も出さない……煮るなり焼くなり好きにしてみろ。力の差をお前は知るだろう。」
うん。いい歳こいて中二病だな俺。 心なしかワクワクしちゃってる。 まぁいい。スキルのひとつ
カズマside
「ムグムグ…すみません。ご馳走してもらって…。」
アクアの書いた募集チラシで本当に来るとはな、アクアもアクアでどや顔してるし、ウッザイ殴りたい!
「ごっくん…では改めて、我が名はめぐみん!紅魔族随一の魔法使いにして、爆裂魔法を操る者!」
…変な名前に中二病なロリッ子が来た。さっきアクアが紅魔族について言ってたな。 強い魔法使いが多い種族らしいが変な感性と名前を持ってるんだとか。
「この子アークウィザードよ。実力も相当じゃない。」
「そうだな。爆裂魔法の見物がてらクエストに行くか。いいか?めぐみん。」
「いいでしょう!我が爆裂魔法でどんな敵も滅ぼしてくれよう!」
名前と感性がどうあれ、実力があるのは確かだ。 これは幸先がいいかもしれない!
ハルキside
「ふぁ~あ、眠ぃ…」
思わず欠伸が出ちまった…
「グォォォォォ!!」
「ああ……まだやってたのか……」
初心者殺しが俺に対して爪で引き裂こうとするも、雷となった俺の体には当たらず初心者殺しは感電する。思った通り、スキルを使うと体が少しずつダルくなってくる。魔法を使っているようなものだから魔力が減っていくらしい。5分間ずっと
「もう分かっただろう初心者殺し、俺は雷だ。どう足掻けば雷に勝てるというんだ……お前も遠雷くらい見ているだろう…? 人は古来より自然の恐怖を全て神と置き換えてきた。そうして理解出来ぬ怖さから逃げて来たんだ。人智の及ばぬ超常現象は全て神の仕業だとな。もはや勝てぬと全人類が諦めた天からの災害、それが俺だ。力の差というものが理解できたか?」
…俺はモンスター相手に何やってんだろ?恥ずかしくなってきた。 最初は少しノリノリだったけど、冷静になると痛々しいなこれ。
「グル…グルァァ!」
「ん?…逃げるとは今更だな。」
俺に背を向けて逃げる初心者殺し。しかし相手が俺では逃げ切れない。悪いが討伐させてもらう。俺は雷速移動を使い初心者殺しの目の前に立つ。
「ヤハハハハ。雷よりも速く動けるつもりか?約束の時間だ…そろそろ手を出させてもらうぞ。5000万V
ヴァリヴァリ!!!ゴロゴロゴロ…!!
電撃を浴びた初心者殺しは黒焦げになり地に伏せる。いやー、にしてもやっぱ強すぎるよなこの能力。 仲間が出来たら気をつけて戦わないと、仲間に当たったらシャレにならん。 とりあえず初心者殺しと戦って分かったことが2つある。 1つは魔力の消費を考えて戦わないといけないこと。あとは…。
「もうエネルのマネすんのはやめよう。恥ずかしいしむなしい…。」
ハルキ「ヤハハ!このすば!」
俺はクエスト完了をギルドに報告するため森を後にした。初心者殺しの死体は原形が残ってるので5万エリスくらいで引き取ってくれる。今日で55万エリスも稼いだ計算だ。 ひとまず装備品を買おう。いつまでも作業着のままって訳にも──
ドゴォォォォォォォォォォン!!!
「うおぉぉぉ!?何だぁ!?」
いきなり凄い爆音が響いてきた。 アクセルからは少し離れた草原の方角からだ。
「誰かの魔法?それともモンスターか?」
気になった俺は爆音のした方角に向かった。
「く、喰われてんじゃねーー!!!」
「…何だあれ…。ジャイアントトードと冒険者か?」
爆音のした場所に着くと誰かを捕食した2体のカエルとジャージ姿の男が戦っていた。 ジャージってことは俺と同じ日本からの転生者か! 男がカエルを倒すと中から二人の女の子が出てきた。
「うぇぇぇ…生臭いよぉ…。」
「助かりましたカズマ…っ!?カズマ!後ろ!」
すると三人の後ろからもう一体カエルが出てきた。しかもさっきよりも一回りデカイジャイアントトードだ。不意をつかれたせいで三人とも動けずにいる。
「ああぁぁぁぁ!!もうダメだ喰われるー!!」
「いやぁぁぁ!!もう生臭いのいやぁぁぁ!!」
「ああ!カズマ!私まだ動けません!助けてください!」
三人とも絶体絶命だ! ヤベェ間に合え!!
「
ドガァァァァァァン!!!ゴロゴロゴロ…!!
なんとか
「おーい!大丈夫か?」
「え…誰?」
こうして俺は冒険者カズマと出会った。
カズマのパーティにハルキ君を入れるか迷ってます。