この素晴らしい世界にゴロゴロを!   作:糖分四天王

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 戦闘描写上手く出来てるかな?

 テイルズの時から下手だったから…






この雷鳴轟く戦いに意外な決着を!

 

 

 ハルキside

 

「「行くぞッ!」」

 

 俺とベルディアが動いたのはほぼ同時だった。ベルディアの大剣が振り下ろされるが、俺は右に体を避け棍棒でベルディアの左上半身を狙う。

 

「ふんっ!」

「チッ!」

 

 しかしベルディアの左腕の籠手で棍棒が防がれる。そのまま剣と棍棒の撃ち合いが続く。

 

「大した動きだ!中々の棒術だな!」

「棒術に加えてこの前体術スキルも修得したんでなッ!」

 

 ベルディアは剣による突きを繰り出す。俺は棍棒を地面に突き刺し軸にする。そのまま体を浮かしベルディアの頭上まで跳び攻撃を回避する。

 

「馬鹿め!空中では身動きが取れんだろう!」

 

 ズアァァ!!

 

 空中へ跳んだ俺にベルディアは飛ぶ斬撃を放つ。だが──

 

「不届き……電光(カリ)!!」

 

 

 ピッシャァァン!!!ゴロゴロゴロ…!

 

 俺がスキル電光(カリ)を発動し斬撃をかき消す。その場に雷鳴が轟く中、俺は回転しながら着地する。

 

「馬鹿な…!斬撃をかき消すだと!?」

 

「お前が扱えるエネルギーなど俺にとっては無に等しいんだよ」

 

(くっ…!奴の雷魔法は予想以上の力だ…! 奴のペースに乗ると不利だな。 距離を取って死の宣告で動揺を誘うか…!)

 

 ベルディアが後ろに跳び俺から距離を取るがこれも無意味だ。

 

「俺から距離を取るとは無駄な事を!稲妻(サンゴ)!!」

 

 

 バリリッ!!ゴロゴロゴロ…!

 

 

 腕を正面に突きだし雷を浴びせる。直撃したベルディアは痺れたものの、大したダメージにはならない。

 

「おのれ…!汝に死の宣告を!一週間後に死にさらせぇ!」

 

 

 バチッ!!

 

 ベルディアの指から呪いが俺に放たれる。しかし姿を消した俺には当たらなかった。

 

「空に投げたお前の首は飾りか?」

 

 

 バチッ!!

 

 

「何!?ど、どこに…?」

 

 ベルディアの真後ろに雷速移動した俺はまた雷速で姿を消す。 ベルディアの首は上空から俺を探すも見つからない。そうだろうな、俺がいるのはお前の首の横だ。

 

「500万…1000万…2000万V放電(ヴァーリー)!!」

 

 

 ヴァリヴァリ!!ゴロゴロゴロ…!

 

 

「グギャャャャ!!」

 

 両手の人さし指を上と下から首を挟むように放電する。2000万Vの電撃を浴びた首は魔方陣が消え地面へと落ちる。ベルディアの体は急いで首を回収に向かう。

 

「ヤハハハ!やはり首は体のように頑丈とはいかない様だな!」

 

「ハァ…ハァ…!上空に移動するなど……どこまで規格外なんだお前は…!」

 

「俺のスキル雷速移動は雷の速度で縦横無尽に駆け巡る。並の生物ではまず捉えられない速度さ」

 

「成る程…!だが、俺にもう死角は無い!全力で貴様を葬り去ってくれる!」

 

 そう言ってベルディアは再び首を空高く放り投げ、上空から俺を見下ろす。ベルディアの体は両手で大剣を構えその場で大剣を振るう。

 

「食らうがいい!!!」

「1億V放電(ヴァーリー)!!」

 

 

 ドガァァン!!!ゴロゴロゴロ…!

 

 

 ベルディアが放った斬撃はさっきかき消した斬撃よりも巨大だった。俺は1億Vの電撃で相殺する。

 

 

(そろそろ魔力を回復させねぇと……体相手だと半端な雷じゃダメージにならない…億単位で攻撃したいけどマナタイトは二つしかない、()()()()()に持っていくまでは無駄撃ちは避けたほうがいいか…!)

 

 砂煙の中でマナタイトを取りだし魔力を回復させる。使い終わったマナタイトをその辺に放り投げると、煙からベルディアが飛び出して来た。

 

「砂煙の中へ隠れたつもりか?見えているぞ!」

 

「くっそっ!」

 

 剣と棍棒の弾く音が戦場に鳴り響く。ベルディアの攻撃が激しさを増し、俺は防戦一方だ。

 

「こっの…!電光(カリ)!!」

「おっと!」

 

 

 ピッシャァァン!!!ゴロゴロゴロ…!

 

 

 至近距離で電光(カリ)を発動し無理矢理ベルディアを遠ざける。 そして俺はそのまま右手に雷を溜めてベルディアに向かって右手を突きだす。

 

神の裁き(エル・トール)!!」

「甘いわ!!」

 

 

 ドガァァン!!!ゴロゴロゴロ…!

 

 

 何!?神の裁き(エル・トール)を避けやがった!?

 

 

「フッフ…!やはりな!貴様の使える雷魔法はどうやら五つの様だ。遠距離の魔法が二つ、近距離が二つ、そして雷速での移動法で一つ。そして棒術による近接格闘…これが貴様のスキル全てだろう?」

 

「……調子に乗って出しすぎたか…チッ!」

 

「フハハハ!!確かに貴様の魔法は驚異だが所詮戦いは駆けだしの素人!手の内が分かれば対処などいくらでも出来るわ!」

 

「!?稲妻(サンゴ)!!」

 

 バリリッ!!ゴロゴロゴロ…!

 

「ふんっ!」

 

 走り出したベルディアに向かって稲妻(サンゴ)を繰り出すもベルディアは走りながら大剣を振るうことで雷を消していた。くっそ!出力を抑えすぎた!

 

「どうした?余裕が無くなってきたぞ!」

「いーや!ようやく対等ってとこだろ!8000万V放電(ヴァーリー)!!」

 

 ヴァリヴァリ!!ゴロゴロゴロ…!

 

 

 苦し紛れに放った電撃はベルディアに避けられ微かに当たるだけだ。さらに攻撃するベルディアにまた防御だけになってしまう。

 

神の裁き(エル・トール)!!」

「!?」

 

 ドガァァン!!!ゴロゴロゴロ…!

 

 

 不意打ちの雷がまともに当たりベルディアの体が吹っ飛ぶ。 今だ!早めにマナタイトで回復を──

 

「油断したな。魔力の回復を急ぎ過ぎたのが仇になったな。俺は魔王軍幹部、ステータスもレベルも段違いよ」

 

「……!!吹っ飛ばしたのにもう戻って来たのかよ…!」

 

 くそっ!吹っ飛ばしたのに早すぎる…!回復し終わったのに…!ベルディアはもう戻って来て俺の首に大剣を向ける。

 

「回復したとてもう遅い!お前の雷よりも早く俺の魔剣がお前の体を貫くだろう…!」

 

「は、ハルキ!!逃げて下さい!!」

「ハルキ!危ない!!」

 

 めぐみんが大声をあげ、ダクネスが俺の元に走ってくる。

 

「フハハハ!!この戦い楽しかったぞ……さらばだ!カシワダハルキよ!」

 

 

「「ハルキーーー!!!」」

 

 

 

 

 ザシュ……!

 

 

 

 ベルディアの魔剣が俺の胸に突き刺さる。

 

 

 

 

 「グァァァァァ!!!!」

 

 突然、俺の体を貫いたベルディアが叫びだし片膝をつく。

 

「この時を待ってたんだ……お前が油断して近づくこの瞬間を!MAX2億V放電(ヴァーリー)!!」

 

 

 ヴァリヴァリ!!ゴロゴロゴロ…!

 

 

「ガァァァァァ!!!!」

 

 

 最大出力の雷を浴びたベルディアは体から煙をあげる。2億の電撃は流石のこいつでも致命傷になるダメージだ。上空にあった首も魔方陣が解け俺の足下に転がる。

 

「…思ったより甘いじゃあないか。魔力の回復を許したのが仇になったな」

 

「な…ぜ…?お前の体を…貫いたハズ…」

 

「お前は俺のスキルは五つと言ったな。今俺が使っていたのは確かに五つだ。だが、一つだけ読み違いがある。俺のスキルは六つだ」

 

 

 そう、戦いが始まってからずっと隠していたスキル。それは──

 

 

自然変化(ロギアへんげ)といってな、俺の全身を電気エネルギー、つまり雷に変換するスキルだ。雷でも斬れないかぎりお前は俺に傷一つつけられないのさ……不用意に触れれば感電してダメージを受けてしまう俺の切り札だ」

 

「そんな馬鹿げたスキルが…あるはずが……!」

 

「それがあるからここに立っているんだが?」

 

 ベルディアは片膝をついたまま声も絶え絶えになっていた。それでも意識は失わず、首はしっかりと俺を見ていた。

 

「何故……最初から使わなかった?」

 

「言っただろ?この時を待ってたって。お前が接近して隙だらけになる状況が欲しかったのさ。確実に2億Vの雷を当てる為にな。まさかここまで上手くいくとはな、ヤハハハハ!」

 

 

 ベルディアに大ダメージを与えるには億単位の電撃しかない。しかし確実に当てるには隙が必要だった。無い知恵を絞って考えた作戦だったが上手くいったな。カズマの悪知恵に比べりゃなんてことはないんだがな。

 

 

「まだだ…!まだ終わらん!!俺が負けるかァァーーー!!!」

 

「ほう…まだこれほどの力を出せるとはな!」

 

 ベルディアは力を振り絞り立ち上がる。 ボロボロの体から黒いオーラを放出し魔剣を構える。俺も棍棒を構える。マナタイトはもう無いからな。すぐに決着はつくだろう。

 

「終わらせてやるよ!ベルディア!!」

「ほざけ!終わりはお前だカシワダハルキ!!」

 

 

 ベルディアは魔剣を、俺は雷を溜めた右手を構えお互いに最後の一撃を───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「セイクリッド・クリエイトウォーター!!!」」

 

 

 

 「「ふぇ?」」

 

 

 

 ザッパァァァァン!!!

 

 

 出すことはなく、突如上からとんでもない量の水が流れてきた。

 

 

「な、何!?水が…!」

「ガボボボボ……」

 

 

 あ……俺泳げなくなってたの忘れてた……そのまま水に流されながら俺の意識は途切れていった───

 

 

 

 

 

 

 

 

 カズマside

 

 

「す、スゲェ…!なんて激しいんだ!」

「凄い戦いですよこれは…!」

 

 俺達はハルキから離れて戦いを見ていた。スゲェ戦いだ!まるで次元が違う!でも──

 

 

「お前が扱えるエネルギーなど俺にとっては無に等しいんだよ」

 

 言ってる事はまんまエネルじゃねーか……あいつ戦闘になると性格変わるな…。

 

 

 バチッ!!

 

 

「ハルキが姿を消した!?」

「ダクネス!上です!」

 

 

 ハルキは雷速移動でベルディアの首まで移動して攻撃していた。ハイレベル過ぎるよ!自然(ロギア)系の戦い超恐い!

 

 

「カーズマー!怪我人の救出終わったわよー!」

「アクア!お前も離れてろよ、巻き込まれるぞ!」

 

 ここで冒険者達の治療をしていたアクアが合流した。正直誰もハルキの戦いには入れない。ベルディアもハルキも強すぎる!!

 

 

「ハルキが戦ってるの?せっかくこの女神がアンデッドを浄化してやろうと思ったのに」

 

「あんなレベルの戦いに割っていける訳ないだろ。お前よりハルキの方がよっぽど神らしい強さだよ」

 

「なんですってぇ!!ゴロゴロの実なんてあんな神気取りの奴の能力の何がいいのよ!!それに神は私なんですけど!!謝って!ねぇ謝って!!」

 

「二人とも!訳の分からない言い合いをしてる場合じゃありません!!ハルキが…!ハルキが!」

 

 めぐみんが指差す方を見るといつの間にかハルキがベルディアに追い詰められている。何でだ!?さっきまでハルキが押してたのに!

 

 

「我慢出来ん!私がハルキの助けに──」

 

「待てダクネス!ハルキならきっと大丈夫だ!」

 

「カズマ!?何で言い切れるのですか!?ハルキがピンチなんですよ!?」

 

 

 さっきからハルキは自然変化(ロギアへんげ)を出していない。おそらくは油断してベルディアが剣で刺した所でカウンターの様に使うんだろう。あれさえあれば負けることはないからな。

 

 

 

「なら、私が魔法で援護してあげるわ!水の女神の力をとくと見せてあげるわよ!」

 

 

 そう言ってアクアが魔法の詠唱を始めた。オイバカ!!お前も自然(ロギア)の性質知ってるだろ!?少しは考えろよ!

 

 

「グァァァァァ!!」

 

 

 突如戦場からベルディアの叫び声が聞こえた。やっぱりな、俺の読み通りハルキはカウンターで電撃を浴びせていた。

 

 

「な、何ですか……?あれ…?」

「は、ハルキの体が……雷に…!」

 

「お前らは見たこと無かったな。アイツの魔法の一つ、自然変化(ロギアへんげ)だ。体を雷に変換する魔法らしい」

 

 

「そんな魔法聞いた事がありませんよ!」

「もしあったとしても、反則級ではないか…!」

 

 

 めぐみんとダクネスが驚愕する。そうだろうな、俺は漫画でだけど初めて見たときはあまりのチートっぷりに驚いたからな。…ん?

 

 

 

「この世にある全ての眷属達よ…!水の女神アクアが命ず…!我が願いに応え、その力を世界に示せ…!」

 

 

「こいつハルキが無事なの気づいてねーーー!!」

 

 

「セイクリッド・クリエイトウォーター!!!」

 

 

 

 

 「「「ギヤャャャーーー!!!」」」

 

 

 

 

 

「どうカズマ!?女神の力が分かった?」

 

「この駄女神が!誰が大洪水起こせって言ったよ!」

 

 

 街まで滅茶苦茶だ!戦場を見てみると水により弱体化したベルディアがいた。その横に──

 

 

「………」

 

「白目むいて気絶してるーーー!!!!」

 

 ハルキが溺れて気を失っていた。しまったー!!能力者は泳げないの忘れてたー!!

 

 

「ぐうっ…!こんな量の水を出すとは……馬鹿なんじゃないのか?」

 

「ヤバい!まだベルディアがいる!」

 

 ハルキが気絶したからもうこいつとまともに戦える奴が居ない!何とか奴の武器を奪えば…!ベルディアはさっきの戦闘と水で弱ってるんだ!一か八かやってやる!!

 

 

「スティーール!!」

 

「馬鹿め!性懲りも無く仕掛けてきおって…!」

 

 

 

 ダメ元で出したスティールは一応成功し、俺を手にあったのは──

 

 

「……あの…首…返してくれません…?」

 

 

 ベルディアの首だった。…チャーーンス!

 

「オーーイ!!皆サッカーしようぜ!サッカーっていうのはなーーー!!!」

 

 

 ガシャャン!!

 

「こうやって手を使わず足だけでボールを運ぶ遊びだよ!!」

 

 

「痛だだ!!あの!ちょ!ヤメ…痛い!!」

 

 

 俺は冒険者達に向かってベルディアの首を蹴った。冒険者達もノリノリでベルディアの首を蹴りまくる。

 

 

「体のほうはボロボロだな。よしアクア!やれ!」

 

「任されたわ!さぁ女神の力で浄化されなさい!」

 

 

 

 

「セイクリッド・ターンアンデッド!!」

 

 

「グァァァー!!馬鹿な…!この俺が駆けだしなんぞにーー!!!」

 

 

 

 

 アクアの浄化魔法によりベルディアは首もろとも浄化された───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゲホッゲホッ!!クソッ!何が起きたんだ?」

 

「あ!ハルキ大丈夫か?」

 

 ベルディアが浄化された後、気を失っていたハルキが目を覚ました。

 

「あ、そうだベルディアは?まだ決着ついてない!」

 

「あー、ベルディアは……その……」

 

 

 ここでアクアがどや顔でハルキに近づく。

 

 

「デュラハンなら私が魔法で浄化してやったわ!どうハルキ?水の女神様の援護と魔王軍幹部すら浄化出来る実力!私のほうがよっぽど神らしいんじゃないかしら!」

 

「………」

 

 

 ゆらりと立ちあがるハルキ。そして──

 

 

「こんの……駄女神がァァーーー!!!」

 

 

 ゴッチィィン!!!

 

 

「いっったーーー!!!」

 

 

 全力で拳骨を食らわせた。 いいぞもっとやれ。

 

 

 

 

 【魔王軍幹部ベルディア討伐完了!】

 

 

 

 

 

 

 






 次回は第一章エピローグということでお話としては短いと思います。


 書いてる内についついハルキ君がエネル口調になっちゃう……

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