Fate/Table Talk 偽史夢幻奇島ニライカナイ ~虚光のタウミエル~   作:珈琲菓子

10 / 26
長くなるんで3つに分割
相手が増えると手番もRPも増えるからね、しょうがないね

でも、倒すだけがゲームじゃねぇんだよなぁ
セイバーは極端だったけど、今回は話が通じる相手だからね

その辺の匙加減はプレイヤーさん次第

あと、戦闘中の判定について、カード選択とか重要でない数値は省いていきます
ぶっちゃけ命中判定とか、スキル使用時のRPだけ分かればいいよね、コレ
(文字数稼ぎでは決してないのよ)


07 童遊 Lies in Reality 中

≪行動順≫

殺→槍→術→騎

 

 

≪1巡目≫

 

 

対峙するサーヴァント達

一番先に動き出したのは、アサシンだった

 

「―――先ずは、盛大な開戦の合図を…」

アサシンが指を鳴らす

すると、図った様なタイミングで2騎の足元が爆ぜた

 

 

【殺】

スキル使用:『破壊工作』:A    ≪CT7≫

⇒敵全体の攻撃↓(1d6-3T)+火傷付与(3ダメ/3T)

 攻撃-4(3T)、火傷付与

 

 

轟音、同時に走り抜ける熱

肉体を炎が焼き、衝撃が叩く

 

「ッ、抜け目、ないのう…!」

「やってくれるじゃねぇか…!」

2騎共直撃は避けるも、爆発の余波は容赦なく肉体を責めたてる

 

「神秘がモノを言うのであれば、同じ土台に登るか、蹴落とすしかないでしょう…」

 

”破壊工作”

軍団の力を、戦闘前に削ぎ落す才能

Aランク相当ともなれば、およそ6割の兵力を戦闘不能に追い込む、恐るべきスキルである

 

 

【殺】

攻撃対象:槍

命中判定:失敗

 

 

「(武器は通用しにくい…ならば、―――打撃…!)」

回復の暇など与えず、間髪入れずアサシンが行動に出る

 

土埃舞う空間を駆け、音も無く接近

衝撃で三半規管が狂い、よろけるランサーへ上段蹴りを叩きこむ

 

「その程度、喰らうかよっ!」

よろめいた方向へ更に体勢を傾け、攻撃を回避

「むっ」

こめかみを狙った蹴りはランサーの頭上を掠める程度に留まった

 

「(タイミング的には十分だった、が………向こうの技量の方が上手か)」

攻撃を躱されたとみるとすぐさま身を引き、キャスターの近くへ退避する

 

「いつの間に仕掛けておったのやら…抜け目ないのう、あさしん殿」

「こんな事もあろうかと、ですよ…こうして、実際あった訳ですが…」

 

口振りからすれば、森一帯に罠を仕掛けてあるのだろう

ランサーの槍が反応しなかったのは、当初、アサシンに戦闘の意志が無かった為か

或いは、己の意思すら完璧に隠匿する何かがあるのか

 

戦闘に発展した今、容易く猛威を振るう兵器達

迂闊に動けば、再び起爆する

されど、動かなければただの的だ

 

行動の制限、狡猾な策

蜘蛛糸の如く張り巡らされた仕掛け

セイバーとはまた違った、一筋縄ではいかない相手である

 

 

【槍】

攻撃対象:殺

命中判定:失敗

 

 

「お返しだ、オラァ!」

やられたままで黙っている筈も無く、反撃に転じる

不安定ながらも一直線に突っ込み、鋭く槍を突き出す

 

「クッ…」

胴体に向けて放たれた一撃を危なげに躱す

白兵戦には慣れていないのか、軽快な動きでは無かった

 

「(ギリギリ、か… だが、先の爆破でアドバンテージはこちらにある…!)」

 

有無を言わせずの先制攻撃は、自らが劣ると理解しているからこその一手

実力差を埋めるためならば、罠を仕掛け、騙しもする

 

弱いからこそ、頭を使う

劣っているからこそ、どこまでも追いつき、追い越そうとする

弱者を追い詰める事が、必ずしも正解とは限らない

 

「…さっきのがまだ響いてんな…」

衝撃波で脳内は揺れたまま、軽い吐き気は治まらない

熱風で炙られた手も、槍捌きに響く程でないにしろ、鈍い痛みは継続している

 

「出来れば、ずっと響いていて欲しいものですが…」

「ソイツは無理だな…こんなもん、すぐ慣れるからよ」

 

ふらつく頭でも軽口は忘れない

退避し、槍を構える

 

 

「(時間稼ぎも楽ではないな…だが、だからこそ…だ)」

冷や汗を浮かべながらも、内では熱く沸き立つ

表に出さないだけで、アサシンは状況に”期待”をしていた

 

「(だからこそ、どこまでイケるか…)」

その”期待”は、周囲にか、或いは自身にか

隠す人(スパイ)は、その本心を黙したままに戦う

 

 

【術】

パッシブスキル:『陣地作成』:B+

 ⇒3T目に”創建”する状態を付与(1/3)

攻撃対象:騎

命中判定:失敗

 

 

「どれ、下準備からゆくか…」

空中から札を数枚取りだす

 

「そいっ、と」

無造作にバラ撒く

しかし、札は風にも煽られる事無く、規則的な動きで辺りに散らばった

 

「む…」

「何だぁ…?」

 

「後は…」

再び、数枚の札を取り出し

「牽制を…―――」

 

キャスターの双眸がライダーを捉える

「―――征けい、”鬼弾符”」

 

魔力の込められた札が、放たれた

先程とは違い、真っ直ぐにライダー目がけ、飛来する

 

「元気じゃのう じゃがまあ…」

飛来した札を意図的な紙一重で回避する

「セイバーの攻撃に比べれば、まだ分かりやすいのう…!」

 

「ほう…、良き身のこなしをしおる…かなりの武芸者と見たぞ!」

「なんのなんの たまさかじゃよたまさか」

 

 

【騎】

攻撃対象:殺

命中判定:失敗(ファンブル)

 

 

「…と、うわった!?」

攻撃を避けた先にあった木の根に足を引っ掛けてすっ転ぶ

 

「(転倒……?、いや、まさか…)」

 

「あいたたた…」

「ふははっ、どうやら我が呪は届いていたようだな?」

「みたいじゃのう…あ痛たた」

 

「(いや、普通に外れただろう…)」

「…何やってんだ、爺さん…」

 

勿論、キャスターの放った呪符は回避され、一枚たりとも命中はしていない

ライダーの転倒は全くの偶然である

 

 

≪1巡目収支≫

【殺】 HP:65

    チャージ:1/3

    スキル:『破壊工作』(残りCT7)

 

【槍】 HP:66

    NP:34

    スキル:

   ・火傷-3(2T)

   ・攻撃-4(2T)

 

【術】 HP:65

    チャージ:1/5

    スキル:『陣地作成』(1/3)

 

【騎】 HP:58

    NP:18

    スキル:

   ・火傷-3(2T)

   ・攻撃-4(2T)

 

 

≪2巡目≫

【殺】

攻撃対象:騎

命中判定:失敗

 

「(偶然であれ、演技であれ、関係は無い…)」

 

転倒したままのライダー

その隙を見逃さず、容赦無く銃撃を放つ

 

タイミングを同じくして、折れた枝が落下

”偶然”ライダーの前に落ち、弾丸をあらぬ方向へ弾いた

 

「…何だ、今のは?」

「さあてのう ついておるわい」

訝しむアサシンを尻目にゆらりと復帰する

 

起きた現象を懐疑的に観るアサシン

それ以上の追撃をすることは無かった

 

「(偶然、か?)」

「(偶然、私が銃を撃つタイミングで? 頭上の枝が折れて? 尚且つ銃弾に当たるように落ちてきた?

  …確率的に有り得ない、出来過ぎだ…)」

「その天運、…成る程なぁ、聖(ひじり)なる者か…」

懐かしげに呟くキャスター

聖人に対し思う事でもあるのか、複雑な表情を浮かべている

 

「聖(ひじり)、ですか…? …どう見てもブッディストではありませんが…」

「その”ぶっですと”は知らんが、恐らくな …我の知る通りの性質あれば、厄介な相手ぞ、あの爺様は」

「買い被られておるのう」

「安い相手ではありませんからね」

 

未だ場に血は流れない

ただ、緊張感だけが渦巻く

 

 

【槍】

攻撃対象:殺

命中判定:成功

ダメージ:4

 

 

「俺も安くはねぇぞッ!!」

ライダーに注目が集まる中、空気を吹き飛ばすように吼える

槍を下段に構え、前傾姿勢のまま突撃

 

「(来るか…!)」

「オラァッ!!」

槍の間合いに入る直前、勢いよく飛び出し、タイミングをズラす

腕を狙い、下段から救い上げるように薙ぐ

 

「くッ!」

相手の目線から狙いを読み、回避を試みる

しかし、その速度の緩急から完全に躱す事は出来なかった

 

「…流石、お速いですね…」

「そいつぁどうも」

足取りは安定している

三半規管の揺れは回復したようだ

 

「(あぁ、痛いな…これだから正面切っての戦いは苦手だ…)」

黒いスーツは浅く裂け、紅い血の滲みを創る

致命傷には遠いとは言え、確かに傷を負った

僅かでも、その命を脅かされた

 

「(―――効率が悪い、と言わざるを得ない…)」

流れる血に肝を冷やしつつ、冷静に事実を受け止める

命の駆け引きの渦中、アサシンの思考は合理性に有った

 

「(いたずらに消耗してどうする…

  地力に差がある以上、裏からコツコツ削り取っていかなければ、先に倒れるのはこちらの方…)」

白兵戦を得手としない以上、奇襲と罠による搦め手がメイン戦法になる

自身のクラスが暗殺者である事も踏まえて、そう考えていた

事実、あの小さな農村をコントロールし、ライダーに銃弾を撃ちこんで見せた

 

仕留めるには至らなかったが、様々な情報を得た

令呪を一つ消費するに値する成果だった

あとは、得た情報を武器にどう立ち回るかを決める予定だったのだが…

 

「(過ぎた事は仕方ない…、現状における頼みの綱はこの少女…取り敢えずは、小さな戦友を信じてみるか…)」

 

明らかな不合理の中であろうとも、逆境で活路を見出すように、アサシンは諦めとも覚悟ともいえる決意を抱いた

 

 

【術】

パッシブスキル:『陣地作成』

 ⇒”創建”のカウントを更新(1/3→2/3)

攻撃対象:騎

命中判定:失敗

 

 

「―――繰り返す都度、二度(ふたたび)…」

 

再度、大量の符がバラ蒔かれる

何かしらの図を描くように、規則的に配置された

 

「基礎土台は、これぐらいでよいか…いずれ神の社は顕現しよう」

 

魔力渦巻く中心に、不動の立姿

予てよりの仕込み、”創建”は間も無く成される

 

「神の社…のう」

 

「さて、”鬼弾”では些か不足であったな…ならば―――」

 

何処からともなく新たな符を取り出し、ぺたり、と傍らの樹木に貼りつけた

 

「”動山”にて…」

すると、符が貼られた木が、大地を離れ、宙へ浮かび上がる

符の作用に因るものか、キャスターの指揮に連動して浮遊している

 

「……無茶苦茶じゃなあ!」

 

完全にキャスターのコントロール下にあるようだ

それはまるで、符で繰られた死体、―――僵尸を想像させる

 

「整地も兼ねて、征けい」

言葉と共に、凄まじい速度で樹木が撃ちだされた

 

「…ちぃーっとこれはやばいかもじゃ…! …うおっと!?」

足元の根にまたしても引っかかって盛大にずっこける

”それがたまたま”一直線に飛んできた樹木を紙一重で避けさせた

 

「ほうほう、是も躱すか」

「いやどう見ても躱して無いじゃろこれ!?」

掠めた樹木でズレた帽子を被り直し、慌てて立ち上がる

「ん、そうさな…爺様自身が躱しておるのは、身に降りかかる”不運”、”穢れ”の類であろう」

 

「……バレておったか」

ライダーの幸運パラメータは、最上級のAランク

聖人という背景も合わさり、小規模な不運であれば自動的に回避される

 

「”聖(ひじり)なる者”…爺様は仏の徒では無かろうが、その独特さは理解るぞ」

「…そんな大した者じゃ無いわい、精々が皆の幸福を祈る程度の年寄りじゃよ」

「その類であるならば、そうであろうよ…あの若造も、そんな性質であったわ…」

 

憎々しげに顔を歪めるキャスター

彼女は”聖人”に類する者を知っているという

 

「さてな、其奴が誰かはとんと知らんが、儂は儂なのでな」

「おうよ、同じであれば困る…仏の徒は悉く、灼かねばならぬからな」

「…ふうむ、なんとも妙な話じゃ…国は守る、さりとて仏教徒は許さぬ、ときたか」

「逆だ爺様、国を守る為灼くのだ…」

滲み出るキャスターの背景

隠しきれない仏教への怒り、憎しみが露わになる

 

「致し方あるまい?…其が国を腐敗に導くのであれば、尚更よ」

「廃仏派、日本…ふむ、蘇我氏がさぞ難儀だったと見えるよ」

「如何にも 彼の者共は増長し過ぎた、故にあのような最期を迎えた」

「天地の定めばかりは如何とも仕方が無かろう」

「そうだ、天地の定めが故に馬子も、入鹿も、毛人も、皆死んだ

 人に身で天に立った気でおらねば、我等一族を廃した時点で満足しておれば、…まだ長生き出来たものを…」

「…その後の事…いや、これは儂がいうまでも無いか 何とも間が悪い話じゃわい…」

「そのような愚か者共に、使われるだけ使われ死んだ、あの”聖なる者”も、また愚かしく、…まこと哀れなものよ」

 

吐き捨てるように呟く

その言葉に込められた感情は、如何なるものか

 

「……本当に間の悪い話じゃわい」

「…故に、願うぞ…爺様が同じでない事をな」

愚かであってくれるなよ、と本気の眼だった

この戦いは、それを見定める為でもあるのだろう

 

「仏の徒は愚か者ばかりであった…灼かねばならぬ、灼かねば治らぬのだ」

「(…本当にそうだったのかね? とはまだ問いかけんでおくわい…)」

 

キャスターの内にある思い

意志、動機、原動力、指針

 

少しずつ明らかになっていく要素は、キャスターの真名へ繋がる道標となる

しかし、同時に彼女の闇にもまた、繋がる

 

「(キナ臭くなってきたな…、感情で動くな、ともっと釘を刺しておくべきだった…)」

未だ、秘したまま、内を見せないアサシンも同様と言える

誰であれ、その背景、その歴史は確かに存在するのだ

 

 

【騎】

攻撃対象:殺

命中判定:成功

ダメージ:2

 

 

「あんまり大したことはできぬが…そら、行っといでお前さんら」

ジンジャーブレッドマンを放つ

 

「(アレは…人形? 菓子? …プレッツヒエンの類、か?)」

「(脅威は無さそうだが、迎撃を―――)」

 

迫り来る菓子人形達に銃口を向けたその瞬間

 

「こ、是はッ!?」

「ッ!?」ビクッ

「”巫蟲人形”ではないかッ!! 避けろあさしん殿ッ!!!」

 

「いやいや、そんなに物騒なものじゃあ無いわい」

 

「え?、は?…え?」

突然のキャスターの発言に驚き、対応が一歩遅れる

その隙に、アサシンの口内へ大量のクッキー人形の群れがなだれ込んだ

 

「―――しまっtガボへッ!!!!?」

「お、おおおお落ち着くのだ!! ははは吐き出せば、まだ影響は出ぬ!!」

「…ゲホッ、ゲホッ はぁ、…はぁ…」

 

ひたすら噎せるアサシン

あたふたと焦るキャスター

 

「(成る程、大量の食物による窒息死…こんな殺害方法も狙っていたか…)」

アサシンの中でのライダーへの警戒度は上がり、

 

「(我の知らぬ術…あの爺様…もしや、泰山派の道士であったか…!!)」

キャスターの中でのライダーへの畏怖は強まった

 

祝福の菓子は、図らずとも疑心を高めた

セイバーに続き2度目である

 

「……いやはや、ただのクッキーじゃってそれ」

 

 

 

≪2巡目収支≫

【殺】 HP:44

    チャージ:2/3

    スキル:『破壊工作』(残りCT6)

 

【槍】 HP:63

    NP:38

    スキル:

   ・火傷-3(1T)

   ・攻撃-4(1T)

 

【術】 HP:65

    チャージ:2/5

    スキル:『陣地作成』(2/3)

 

【騎】 HP:55

    NP:28

    スキル:

   ・火傷-3(1T)

   ・攻撃-4(1T)

 

 

 

≪3巡目≫

【殺】→槍

命中判定:失敗(ファンブル)

 

 

「ぐっ…、がハッ…!!」

 

まだクッキーが口内に残っていたのか、頻りに噎せるアサシン

攻撃どころでは無いようだ

 

「おうおう、大丈夫か…? ゆっくり呼吸をするのだぞ」

アサシンの背中を叩くキャスター

戦闘中ではあるが、微笑ましい光景ではある

 

「………なんだこれ」

 

「…けほっ…、あり、がとう、…ございます……何とか、…落ち着いて…きました…」

「うむ、ならば良し!!」

 

 

【槍】

攻撃対象:殺

命中判定:失敗

 

 

「チッ…それじゃあ、行くぞ!」

アサシンに向かって槍を突き出す

いまいち力が入っていない、気の抜けた突きだ

 

「甘く、見てくれますねぇッ…!」

迫る槍を銃身で受け流す

表面の鉄がガリガリと削れ、火花を散らすが、アサシンに傷は与えられない

 

「…どうも調子が狂うぜ、真面目にやれなくてすまねぇな…」

後退し、アサシンに対して申し訳なさそうな顔を浮かべて答える

「お気になさらず…、私的には助かりますよ」

「次からは、手抜きはしねぇがな」

「それは大いに困りますねぇ…」

肩を竦め、お道化た様子でそう言った

 

 

【術】

パッシブスキル:『陣地作成』:

 ⇒”創建”のカウントを更新(2/3→3/3)

攻撃対象:槍

命中判定:成功

ダメージ:8

 

 

「―――時は満ちた…」

膨大な魔力が渦巻く

戦闘開始から仕掛けていた符が呼応しているのだ

 

「我等、まほろばの国にて、いと神の傍に在りし者、諸所八百万への、祈請の宮を創建せしめん…」

言葉と共に、場の変化はすぐさま表れた

これまで、キャスターが配置した数々の符から、魔力を伴った眩い光の線が幾つも発生する

 

「さっきの札か…!」

「うむ、どうやらこれが”創建”とやらじゃろうな…!」

 

「霊力は十分…ならば、これ以上の符は要らぬ」

 

やがて、符同士が、それぞれの発する魔力線によって繋がってゆく

同機し、共鳴し合い、線は次々と増殖する

規模を増した魔力線は、より規則的に形を成す

 

「古より、我等が築き、支えし万世の血… 是、正に天壌と窮り無けん…!」

 

天は永し、血は久し

一条の幻に過ぎない人の夢が、虚無の彼方を超えて出ずる

 

「懐かしきまほろばの大地よ、今一度、その姿を想起せよ…―――『祭祀殿・石上布留神宮』―――!」

 

爆光に目を細める

一際大きな光に包まれながら現れたのは、美麗な楼門と、荘厳な拝殿から成る巨大な社

 

神道を源流とし、祭祀の場として組み上げられた、神の宮

陣地作成スキルによって創建された、キャスターの為の舞台

 

「……さて」

「随分な仕事じゃねぇか、オイ…」

 

「壮観であろう? ここまで再現できるとは我も思わなんだ…」

生前を懐かしんでいるのか、気分良さげに、掌を握ったり開いたりしている

何よりも、斎宮にとっての祭祀の場

敵のホームグラウンドを通り越して、胃の中まである

 

「こういう時で無かったならばさぞ見応えがあったんじゃろうがなあ」

 

「是で漸く、存分に力を奮えるというものだな、あさしん殿?」

「…存分に力を奮えば、この建造物ごと爆破してしまいますが…?」

「構わぬ 一族所縁の社格を複合してある故、余程の戦火でも響かぬ …存分に己が力を奮うが良い」

「―――了解」

 

神宮の展開、空間の掌握

それは、境界による環境の隔絶を意味している

 

今や森林は、巨大な社宮という、別の様相を見せつけている

キャスターの言葉によれば、神宮は要塞の如き強度を誇るという

 

最悪なのは、敵陣のど真ん中に”入れられた”事

計算してやったことでは無いのだろう、故にこそ恐ろしい

 

「ここからが本番、といったところかの」

 

「さて…」

一拍おいて、

「―――来たれ、『七支刀(ななつさやのたち)』…」

静かな呟きに呼応するように、キャスターの掌に奇妙な形の剣が現れる

1m程の刀身から、左右3本ずつ枝分かれするように、更に刃が伸びている

 

「ありゃあ、剣、か…?」

「名こそ勇ましくはあるが、あくまで儀礼用の祭具でな…」

 

”七支刀”

日本最古とされる神宮、石上神宮に奉納される国宝である

3世紀頃、百済国から古代日本・ヤマトへ友好の証として送られ、主に豊穣祈願の祭具として使用されたという

 

「故に、…当たると、とても痛い」

 

鉄製の剣を軽々振り回し、7つの切っ先を2騎へ向ける

斬れない剣など鉄の塊、最早ただの鈍器だ

 

「じゃろうなあ…というか、どうみても鈍器の類じゃろそれ!」

「気張れや気張れ、歴史の護り手達よ」

ライダーの言葉を聞いているのか、いないのか

そのまま凶器を振りかぶる

 

「いざ…―――征くぞッ!!」

 

不動だったキャスターが遂に動く

小柄な体格からは想像も出来ない、低い姿勢からの鋭い踏み込み

一呼吸の内に、ランサーの足元まで滑り込む

 

「なっ!?」

予想以上の速さに驚愕する

体格差及び足元というほぼ死角からの急襲によって、防御が間に合わない

 

「演舞、―――”陽炎”!!」

 

舞う様な剣閃の群れ

斬れ味のない刃物による”打撃”がランサーを襲う

 

「グ、ハッ!!」

避けることも防ぐこともできずキャスターの攻撃をもろに喰らってしまう

 

「天照大御神へと仕えし、斎宮たる我が身…剣舞にて此処に奉ずる…」

 

高く在る太陽へ祈るように手を合わせる

鋭い痛みに歪む視界、ランサーにはその動作が図らずも残心のように見えた

 

 

 

「(泰山派の符術、恒山派の禹術、そして崋山派の剣術…)」

「(”道術五岳”…、どの派閥にも属さない我流と言っていましたが…本当に無茶苦茶ですね、貴女は…)」

 

中国伝来の道術、そして日本古来の神道

その2つを併せ持つキャスター

 

ホームグラウンドである祭祀の場・石上神宮によって隔絶された空間にて、戦いは更に激化する

 

 

【騎】

攻撃対象:殺

命中判定:失敗

スキル使用:『聖者の贈り物』

 …対象のHPを3d6回復+攻撃命中時にNP+1d6状態付与(3T)

  対象→槍(HP+10、NP+1状態〉

 

 

「(近寄るのはまずいのう…)」

遠ざかれば符術が、近寄れば剣撃が待っている

悩んだ末、再びジンジャーブレッドマンをばら撒く

 

「―――残念ながら、ソレは食べ飽きました…」

アサシンが指を鳴らすと同時に、地面が爆ぜた

 

衝撃と熱により、ジンジャーブレッドマンは粉々に砕け散り、その役目を終える

「勿体無いのう」

「バラ蒔く方もどうかと思いますが…」

「そうは言うても此奴らの望みなのでのう」

「………窒息死させる事が、ですか…?」

「いいや、美味しく食べられることじゃ… 食した者の無病息災を祈るのが、此奴らの仕事ゆえに」

「職務に対するひたむきさは評価しましょう ただ、それだけです…」

「じゃろうな」

軽く肩をすくめた

 

好意の押し付けなど、受け入れられる筈も無い

結局の所、ありがた迷惑から感謝できる要素を差し引けば迷惑だけが残るのだ

 

 

≪3巡目収支≫

【殺】 HP:44

    チャージ:3/3

    スキル:『破壊工作』(残りCT6)

 

【槍】 HP:48

    NP:44

    スキル:

    ・攻撃命中時にNP+1(3T)

 

【術】 HP:65

    チャージ:3/5

    スキル:『陣地作成』【創建状態】

 

【騎】 HP:52

    NP:38

    スキル:『聖者の贈り物』(残りCT7)

   

 

 

≪4巡目≫

【槍】

スキル使用:『啜る黒水』…対象のチャージを確率で減少、対象に毒状態(3ダメ)を付与(3T)

対象:殺

判定:失敗(毒有効3ダメ3T)

 

【殺】

スキル使用:『ダブルクロス』…単体にスキル封印(1T)+防御↓1d6(3T)

対象:槍

判定:失敗(防御↓3有効)

 

【騎】

スキル使用:『無辜なる守護者』…自身のNP↓1d6、防御↑3d6(3T)

       →自身のNP-3、防御↑4(3T)

 

 

 

「(”誘導”は済んだ…、―――頃合いだ…)」

 

アサシンが銃を構える

その方向にはランサー、そしてライダー

 

準備は出来ている

この場に獲物を誘き寄せた瞬間から、狙いは既に決まっていた

後は、そのスイッチを押すだけ―――

 

「何か企んでいやがるな…、させるかよっ!!」

不穏な気配を感じ取ったのか、黒い液体の入った小瓶を投げつける

 

迫り来る謎の小瓶

「―――ッ!!」

すかさず銃口を瓶に向け、撃ち放つ

「(…しまった、罠か…!!)」

 

銃弾により、禍々しい漆黒の液体はガラス片と共に四散した

外気に触れた瞬間に液体は揮発、風下に居たアサシンは被害を受ける

 

「(―――毒、ガス…!、神経?か溶血?か……それがどうした…! …このまま…!!)」

多少吸い込んだだけだ

今すぐに行動不能になる程では無い

 

「(今、この場所、このタイミングは逃さない…!!)」

銃口は全くぶれずに標的をを捉える

銃が効かないのならば、もっと大きなチカラをぶつけるまで

 

予てよりの仕込みを、今解放する

 

 

「直接当たればよかったが、外れるよりかはマシだなァ…!」

恐らくは最高のタイミングを外してやった

反応から見て、大技を繰り出す心算なのだろう

 

「(とは言え、奴も止まんねぇな…、上等だぜ…!!)」

ランサーもまた、大博打にベットする

 

 

≪宝具対抗≫

【殺】

宝具使用:『甘い爆弾(ズューズ・アッシェ)』

 ・敵全体に攻撃4d6

 ・”誘爆状態”を付与(スキル使用・攻撃の度に判定を行い、失敗した場合”3”ダメージ)3T

 

【槍】

対抗宝具使用:『貪る呪炎(ルーン)』

 ・全体『B』宝具5d6 

 ・相手・自身に火傷状態(3ダメ)付与(3T)

 

 

判定:ランサー勝利(ダメージ30)

 

 

発砲音

放たれた尺取虫の弾丸は、2騎では無く、その真下の地面へ着弾する

 

「(…外した? …いや、まさか…)」

狙いから逸れたのか、或いはソレが、

外れた”その先”こそが狙いだったとしたら―――

 

轟音

地面が盛り上がったかと思うと、一瞬で光と熱が放出される

 

爆発の規模はそこまで大きくは無い

しかし、至近距離での爆発ならば話は変わってくる

 

基本的に爆風と熱は上方向に放出される

2騎は爆弾の真上に居た故に、その被害を最も受けることになるからだ

 

燃焼反応によって、急激に加熱された空気はボイル・シャルルの法則に従い、爆発的に膨れあがる

 

衝撃波と爆風

轟音、熱、光といった、あらゆるエネルギーが渦を巻き襲い掛かる

 

銃撃による起爆

弾丸を外したと見せかけ、本来の狙いは足元の爆弾にあった

 

通常、サーヴァントには銃などの兵器は通用しない

存在自体が神秘の領域である英霊には、現代兵器では傷付ける事自体が困難となる

 

しかし、現代兵器であろうとも、魔力を伴った物であれば効果はある

それが、宝具ともなれば最早言うまでもないだろう

 

「(―――”ANFO爆薬”…手頃な材料の割に、威力は申し分ない代物だ…)」

余波で舞う土埃の中、銃を構えたまま思考する

 

「(用途に合わせて爆弾の種類を揃えたい所だが…この辺境の地では、贅沢は言えない…

  いずれにせよ、これでかなりのダメージは期待できる筈…)」

 

虎の子である宝具の発動により、楽観が芽生える

 

敵を欺いた 

その結果、自らの思い描いた通りに全てが動いた、全てが上手く運んでいた

自分が世界を回しているかのような全能感が思考を埋める

 

大威力、大火力の隠し玉

自信に裏打ちされた成果を期待した

 

砂埃が晴れる、その瞬間までは―――

 

 

 

「な、っ…」

 

砂埃が晴れたその先は、轟々と燃え盛っていた

しかし、その炎は爆発に起因するものでは無い

 

寧ろ、発生した炎がドーム状になり、被害を抑えているように見える

その中心には爆発の影響を受けていない、全くの無傷の2騎が立っていた

 

「無、傷…? 馬鹿な…」

「…こういう事にゃ初めて使ってみたが…、上手くいったようだな…」

文字通り身を焦がしながら、炎のドームを制御している

爆発による火傷では無く、自らの槍の生み出す炎に焼かれているのだ

 

「咄嗟ながらお見事じゃのう…で、これは?」

「俺の呪炎を奴の爆発にぶつけて相殺した …んで、こうして炎の壁を作って爆風も散らした…」

「そんな器用な事が出来るのか、その槍は」

「こいつの本来の性能って所だな…

 ただ本当の持ち主じゃねぇから、俺もやれたことに驚いているがな!!」

「ふうむ まあ、何にせよ助かったわい」

 

担い手をも蝕む、呪炎槍

その真価は、狂犬の如き呪炎を制御することにこそあるのだろう

 

「この際だ、ついでにブチかましてやるよ!!」

炎のドームに回していた分の呪炎を槍に集中させる

どす黒い色をした炎は、槍を取り巻き、更に禍々しく変貌する

 

「焼き滅ぼせ‼ ―――『貪る呪炎(ルーン)』‼」

槍が突き出され、切っ先からすべてを飲み込むほどの炎が解き放たれる

 

呪炎の劫火は、まるで蛇のようにうねり、アサシンとキャスターに迫る

 

「呆けるなッ!! 来るぞ!!」

「ッ!!」

 

劫火の咢が一際大きく口を開ける

報いと言わんばかりに、二体のサーヴァントを飲み込みながら焼き尽くしていった

 

「久々にやってやったな…」

槍の炎を止めるため、毒液を塗布する

放っておけばランサー自身も消し炭となりかねないからだ

 

改めて自身の宝具が作りだした惨状を見る

辺りを埋め尽くす程の木々、その大半が焼失し、焼野原が生まれていた

「うわお…」

「いやぁ……さっきの制御の反動か…?」

アサシンの目論見を潰したは良いが、色々と被害を出してしまった

ライダーには負傷は無いが、ランサーは宝具の副作用として体中に火傷の跡ができている

 

「(これで終わればいいんだが、んな楽な事は無ぇだろうしな…)」

焼野原に佇む人影に目を向ける

 

呪炎燃える跡

必殺の宝具は、されど相手を消滅させるには至らなかった

 

「…正直、死んだと思いました…」

「…そう、滅入るな…向こうが少々上手だっただけの事だ…」

 

ランサーが宝具によって爆撃を受け流したように、アサシンもまた、別の爆弾によって呪炎の威力の相殺を試みていたのだ

 

しかし、結果は無惨

創建された神宮は所々焼け跡が残り、キャスター・アサシン両名はその身に決して軽くない火傷を負っている

 

「(タイミング…もだが、結局は出力の問題か…急ごしらえでは出来も甘い…)」

 

アサシンの宝具、『甘い爆弾(ズューズ・アッシェ)』

その本質は、爆弾の作成にある

 

一口に爆弾と言っても様々な種類が存在する

 

時限式、センサー式などの、小回りの利く物から、”デイジーカッター”、”バンカーバスター”といった戦術兵器にまで及ぶ

 

彼は、魔力を帯びた爆弾を産み出すことができ、尚且つ手を加えれば加える程、その分、威力・性能は増してゆく

 

更に、爆弾自体を”壊れた幻想”として炸裂させることで、威力の更なる向上を図った

神秘の薄く、魔力に乏しい近代人ならではの戦法と言える

 

「(分かっていたが、正面切ってのぶつかり合いは絶望的…、ならば…)」

「やり方を、変えるか…」

 

 

【殺】

スキル使用:『闇の侵略者』:B   ≪CT6≫

・自身の回避補正↑1d4(3T)→4

・敵全体の命中↓1d4(3T)→2

 

 

未だ燃え盛る、辺りの炎

その揺らめきに合わせ、アサシンの姿も揺らぐ

 

「むう…?」

「へぇ…そんな真似が出来る程には元気みてぇだな…」

 

アサシンの気配が薄くなる

発する魔力すら、一般人と同量程度にまで落ちた

目の前に確かに存在する筈が、気を抜けば見失ってしまいそうになる程だ

 

気配遮断、印象操作、身分偽称

彼が生前、身に付けたスキルの一端なのだろう

 

出会った当初、アサシンを人間と錯覚させられたのも、スパイとしての技術を最大限に発揮した結果だった

 

「―――原初に、”炎”はプロメテウスが人間へ齎した恩恵だったと言う…」

 

「紀元前、アリストテレスは”空気”の存在を示唆した…」

 

「16世紀、ヘルモントは、”空気”から”ガス”を大別して捉え、ラボアジェは、”酸素”を、キャベンディッシュは、”水素”を発見した…」

 

「”炎”という”未知”は、”化学反応”のメカニズムによって暴かれ、”魔術”は”錬金術”へ…、”錬金術”は”化学”へと名を変えた…」

 

「”化学”と”科学”によって生み出された、”人類の英知”こそ…魔術に縁の無い、私の唯一の武器だ…」

 

ドイツ帝国産の銃、大戦時に暗躍したスパイ、そして爆弾の作成者

断片的な情報から、導き出される真名

 

 

 

―――フランツ・フォン・リンテレン

第一次大戦時に実在した、ドイツ帝国の軍人である

 

世界初の時限爆弾の作成者であり、当時から既に大国であった米国に単身で潜入、

蠢く敵の中で、正体を隠し、連合国側への経済介入を始めとした、物資供給妨害を行った

 

経済学を修め、人心を欺く術を学び、世界の裏で暗躍した”闇の侵略者”

魔力を抑え、人間のように振舞うことが出来ていたのも、スパイとしての技術、生前の経験故か

 

彼の業務において最大の戦果とされるのは、1916年の”ブラック・トム大爆発”

合衆国から連合国への、海上ルートによる軍需物資の輸送妨害任務

 

”鉛筆爆弾”と呼ばれる、世界初の時限爆弾

小さな火種は、貨物船団の弾薬を喰らい尽くし、物資を全て灰に変えた

損失総額は、当時のレートで200億円相当

 

この時、米国海上産業の重要拠点であった、ブラック・トム港は、TNT換算で約480tに及ぶ爆発により破壊しつくされ、マグニチュード5.0相当の衝撃波は40㎞離れた地点の窓ガラスを粉砕し、果てには合集国を象徴する”自由の女神”にまでも、現在も消えることの無い傷を与えた

(単純計算でアンチマテリアルライフルの1億倍、核爆発相当のエネルギー)

 

経済状況、社会運営に多大な損害を与えた大爆発は、当然、合衆国の世情にも大きな影響を与えた

第一次大戦時、連合国への資金援助のみで、ほぼ中立だった合衆国を、大戦の舞台に引きずり出した

内部に潜む、敵国のスパイに対する警戒心は、FBIの創設に繋がった

 

彼の産みだした爆弾は、一国の安寧をも破壊して見せた

 

「時代と共に、戦争は変化した…この科学世紀の空の下、ノアの方舟は既に亡い…」

 

其れは、人類の英知、積み上げてきた歴史の一端

魔術世界に縁を持たない男の武器は、自らが培った知識である、”科学”と”化学”

 

対し、傍らに立つ、小さな斎宮兼道士の武器は―――

 

 

 

「知らぬ方舟よりも、我は馴染みある磐船の社に頼ろうか」

 

 

【術】

スキル使用:『道術(持禁)』:C ≪CT6≫

・味方全体の防御↑2d6(3T)5

・自身のHP回復(1d6) 5

 

 

「吹呴、吐故納新…我が内なる太極よ…」

 

キャスターは深呼吸をするように、空気を取り込む

 

”吹呴呼吸”、または”食気法”と呼ばれる、道術の一環だ

特殊な呼吸法により、周囲の気を体内に循環させる、”行気”の術である

 

古い気を排出し、新たな気を取り入れる事で、肉体の活性を促す

簡単に言えば、呼吸による健康法の事だ

 

「熊経鳥申…我が内巡りて、快気せん…」

 

周囲に満ちる複合社宮の気を取り入れる、独特な呼吸のリズム

やがて慣れた風に、気の循環を終わらせた

 

「良し …では、石上の神気よ…我等を厄災より遠ざけ給え…」

 

七支刀を地に突き立て、パン、と手を合わせる

すると、燃え盛っていた呪炎が、たちどころに消えた

 

「(俺の呪炎が、…消えた!?)」

 

”持禁”、或いは”呪禁”と呼ばれる道術である

武器を以て厄災を祓う、病気治療・安全祈願の一種とされている

 

神宮を脅かす厄災である呪炎を、七支刀を以て祓ったのだろう

 

 

 

「(―――”太乙金華宗旨”…)」

「(…我が国のリヒャルト・ヴィルヘルムが訳したタオイズム教本は、心理学者、カール・ユングを引き付けたと言うが…)」

 

持禁道術による祓いを受けたとは言え、傷が全て癒える訳では無い

 

ランサーによる攻撃を受けていた分、アサシンの傷はキャスターよりも深い

呪炎の威力は爆弾で抑えていても、ほぼ満身創痍と言っていい状況にあった

 

「(…成る程、確かに魅力的ではある…)」

 

祓われた厄、呪炎の残滓

焼けた掌は風を切り、両の足は体を支える

 

「痛むであろう…大丈夫か?」

「当然です 職務を果たすまでは、休む事など出来ませんよ」

 

アサシンが”化学”を操るならば、キャスターが司るは”魔術”

本来ならば相容れない筈の、相反する2つの性質

 

現実と幻想が入り混じる戦闘スタイルは、ちぐはぐであるが故に、簡単には突破できない

 

 




道術の知識に関しては電動伝奇堂様のキョンシー×タオシーというゲームからおもっくそパクッてます、というか他にも色々な作品からパクr引用しています

この作品がこうなったのは私の責任だ、だが私はごめんなさい
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