Fate/Table Talk 偽史夢幻奇島ニライカナイ ~虚光のタウミエル~   作:珈琲菓子

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序章のその2 プレイヤー(カルデア)側のお話

時系列は4章以降6章前くらい
原作組は最後まで出番は無いので、この設定ほぼ飾りだけど

ここからセッション開始

プレイヤーは7クラスから1つ選択し、自分のオリ鯖を作成
(今回はランサーとライダーを選択)

ステータスから補正値を定め、スキル効果はGMと調整

オリジナルルールだからバランス調整めっちゃ難しかったよ…


02 Search Light

―――人理継続保障機関・カルデア

 

「―――つまりは、亜種特異点…人類史に影響を与えうる事象だと判断した…」

そう言って、Dr.ロマンは説明を終えた

 

複雑な面持ちで受け止めるマスター

その傍らで静かに反芻するシールダー、マシュ・キリエライト

待ち受けるであろう戦いに思いを馳せるサーヴァント達

レイシフト室に集う面々の反応はそれぞれだ

 

突然の召集、新たな特異点の発見

加えて、人理を揺るがす事態であると判断された

 

場所は東洋の島国・日本

時代としては西暦2000年前後と、かなり近代である

そして、何より特異点として観測された理由が物議を醸し出している

 

「”聖杯戦争”…、それは確かなんですね、ドクター?」

シールダーの少女が問いかける

 

「あぁ、年代が年代だからね…シバによる観測精度も信頼できるよ」

 

”シバ”とは、近未来観測レンズの事である

地球を観測する専用望遠鏡のようなモノであり、西暦での歴史を遡り、読み取ることが出来る

 

紀元前に近付くほど精度は不安定となり、必要となる魔力・電力も膨大となるため、取扱いには精密さが要求される

だが、裏を返せば近代ならば消費は軽微で、精度の高い結果を得られるという事だ

 

「…私達が最初にレイシフトした特異点…あの時も、聖杯戦争が舞台でした…」

「”特異点F”のことだね

 確か、現地のサーヴァントと協力して切り抜けたとか…

 でも、今回は座標が異なるし、近いとはいえ、年代もまるっきり一緒と言う訳でも無い」

 

魔術王の刺客、レフ・ライノールによって危機に陥ったカルデア

その際に負傷したマシュと共にレイシフトした先が、”特異点F”

 

そこで目撃したのは、奇しくも同じ日本の、とある地方都市が壊滅・炎上している光景

人間が、というよりはあらゆる生命が否定された場所

 

黒く汚染されたシャドウサーヴァント

聖杯を守護していたと思しき、アーチャー、そしてセイバーの2騎

その目的、理由は今以て一切不明

 

”特異点F”については情報が少なく、未だにハッキリとした事実は判明していない

ただ、確かな事は、彼の地で行われたという聖杯戦争が原因で、あの恐ろしい状況に陥ったという事実

 

悪夢のようなあの時と重なる状況が幾つも提示される中、嫌でも思い出される

鉄の匂い、人が焼ける臭い

炎の赤色、人が灼ける紅色

 

数々の戦いを潜り抜けてきたとは言え、再びあの地獄が待ち受けていると思うと、気分も滅入るだろう

マスターの表情は優れない

 

「”特異点F”は流石に異質すぎるから、きっと参考にはならないよ

 何より、アレは既に事が起きた”後”の出来事だ」

 

時は可逆、歴史は不可逆

レイシフトで過去に飛ぼうとも、そこで起こってしまった出来事を変える事は出来ない

 

「今までのローマやオルレアンといった特異点のように、問題である聖杯をどうにかした後、ある程度なら、歴史による修正が成されると見て問題ないだろう」

 

数々の特異点を修復してきた結果から見えてくる事実

原因である聖杯を確保した後、その時代の異変は徐々に改善されてゆく

 

特異点Fのように、既に成されてしまった事実を覆すことは出来ないが、

事前、或いは事中ならば、ある程度の立て直しが可能となる

オケアノスの死海、ロンドンの魔霧で実証済みだ

 

「何にせよ、古今東西”戦争”なんて単語が付いていて、碌な物は無いだろう

 しかも、聖杯が絡んでくるとなれば尚更だ

 君達には早急にレイシフトしてもらい、問題の解決を頼みたい」

 

「そういう事ならば、…準備は出来ています」

マシュの言葉に、マスターは黙って頷いた

 

「よし、じゃあ最終確認だ

 今回連れていくサーヴァントは、此処に居る皆でいいんだね?」

レイシフト室に集うサーヴァント達を見渡す

 

その数は決して多くは無い

カルデアに召喚された英霊全てを連れていく事は流石に不可能であり、尚且つ、その時のコンディションで同行するかしないかを決めるからだ

今回のように、急な呼び出しで出撃出来るものは限られてくる

 

「そうだ、君達は最近カルデアに召喚されたばかりだったね、正式な任務はコレが初めてだけど、状態に不備は無いかな?」

 

問いに対し、新参の一人であるライダーは、ビシッとサムズアップしつつ答えた

 

「ほっほっほ、大丈夫じゃよ レイシフト?とやらも問題無しじゃ!」

 

赤い帽子に、赤い服

見るからに好々爺と言う印象を覚える老人、座に登録された真名は”聖ニコラウス”

外見は誰もが想像するサンタクロースの姿をしていた

 

「強いて言うならば…儂みたいな老ぼれで良かったのかのう? もっと若くて強いサーヴァントもおったじゃろうに」

「あぁ、それに関しては大丈夫だ 何てったって、時期が時期だからね」

「ふうむ? そりゃまたどういう事じゃ?」

「今回予定しているレイシフト先は、サンタさんが一番活躍する時節…、つまりはクリスマスの時期なんだ」

「成る程のう…それなら確かに儂が適任じゃな

 しかしまぁ、あのお方の誕生日に物騒な事件が起きてしまったモンじゃなあ」

「誰が何の為に、ってのは行ってみないと分からないからね…特異点ってのはいつも唐突で理不尽なものだ」

「全くじゃのう…ふむ、ならば儂も一つ頑張るとしようかの」

「うん、サンタさんは大丈夫なようだね」

 

老人から若者へ向き直る

 

「それで、ドゥフタハ君はどうかな? モニターした限りでは、君の霊器も良い感じだったけど」

 

もう一人の新参、ランサーのドゥフタハ・ダイルテンガはというと

「ん?あぁ、調子はいいぜ。この通りなッ!」

軽く槍を振りつつ、溌溂とした様子で答えてみせた

 

「ぬお!」

「うわっ!!」

 

身体の傍を掠める槍に驚くライダーとDr.ロマン

 

「驚いたなぁ…元気もやる気も有り余っているようだね…」

「ほっほっほ元気があるのは良いことじゃな

 ただ、マスターもいるからほどほどにの」

「おっと、済まねえな」

 

軽い調子で謝るランサー

マスターはマシュと共に、苦笑交じりにに2騎を見ている

そこに先程までの不安な表情は浮かんではいなかった

 

「(ちょっとはマスターの緊張をほぐせたかの)」

 

「そういやドクターさんよぉ、今回行く特異点には強い奴らはいるんだろうなぁ?」

「うーん、そうだねぇ…

 舞台は聖杯戦争、少なくとも現地の参加者は、強力なサーヴァントで勝ちを狙いに行くだろう

 そういう意味では、強敵揃いではあるだろうね」

「ほぉ…、そいつぁ楽しみだ…」

 

獰猛な笑みを浮かべるランサー

まだ見ぬ強敵に思いを馳せているのか、落ち着かない様子で槍の石突をコツコツ床に打ち鳴らしている

 

「幾らサンタさんに補正が乗っかろうとも、彼は戦闘を主体としたサーヴァントじゃあない…君のような根っからのバトルマニアは、今回みたいな事象においてかなりの戦力になると思う」

「頼りにしとるぞい、移動に関してはこっちで補えるからの」

「おう、そこらへんは任せるぜ、爺さんよ」

 

 

「よし、合意を得た所だし、早速レイシフトに移ろうか」

一旦言葉を区切り、イヤホンマイクのスイッチを入れた

 

「レオナルドかい? そっちの準備は…え?

 あぁ、…こっちでは特に、そんな異常は見られないけど…」

 

管制室と連絡を取り合っているのか、技術顧問であるレオナルド・ダ・ヴィンチの名前が挙がる

少しだけ困った様な表情を浮かべながら、何かを話している

 

「…あぁ分かった、僕も今すぐ向かう」

眉を顰めながらイヤホンマイクのスイッチを切る

 

「あー…、

 後は、こっちの準備だけだから、少しだけここで待っていてくれ」

 

そう言ってDr.ロマンは部屋をあとにした

それ程焦ってはいない様子だったので、重篤な事態ではないのか

何にせよ、あと数分もしない内にレイシフトが開始されるのだろう

 

「何か、あったのでしょうか…」

「ふうむ…まぁ心配あるまい

 ちいと気弱ではあるが、優秀であるには間違いないだろうからの」

「何かあった所で、俺達にはわからねぇしな」

 

レイシフト室に集う者は皆、怪訝な表情を浮かべている

思う所はそれぞれだ

 

「(何にもなければよいのう

  ふむ、しかしクリスマス…マシュ嬢とマスターにも何か用意するべきかのう…)」

 

 

Dr.ロマンがレイシフト室を出て数分後、近くのモニターの電源が入った

 

『―――すまない、皆、聞こえるかい?

 えっと、申し訳ないが、一つ確認したい事があってね』

不穏な空気を破り、Dr.ロマンの姿が映し出される

 

「どうしたんじゃ?」

「ドクター、如何しましたか?」

『あー、うん…さっきも確認したばっかりだし、多分大丈夫だと思うんだけど…』

「何だよ?」

『皆、…本当に、体調に問題は無いんだよね?』

 

数分前の問いを、再び口にした

思わず皆、互いの顔を見合わせる

 

「ロマン殿、要点をはっきりと伝えるべきじゃ

 体調が悪いと何か問題が?」

 

目立って不調そうな者は居ない、マスターもサーヴァントも同様だ

改めて確認した後、結果を告げる

 

「皆さんも、特に異常は無いようですが…」

「うーん…体調の悪さ云々とかじゃなく

 悪い所が無いというのが問題なんだけど…」

 

ブツブツと呟くDr.ロマン

モニターの向こうとしても、状況は把握しきれていないらしい

 

「異常がないのが異常事態…? 何が起きておるんじゃ?」

『…あっと、ごめん

 一応、こっちでもモニターしているから、こっちからもある程度の状態は把握できるんだ…その上で確認したくてね』

『特に、サンタさんとドゥフタハ君、自分自身の霊器に違和感とかは有るかい?』

「特に無いのう」

「いや、特に変わったところはねぇぞ?」

 

名指しで挙げられ、混乱は加速する

確かに異常は無い、モニタリングで向こうでも理解している筈だ

 

『実は…モニターしているこちら側での話なんだが、君達2人の霊器反応が、他のサーヴァントに比べて不安定でね』

「俺と、爺さんだけが…?」

『具体的に言うと、此処に居るのに、居ない様な…しかも、その振れ幅が段々と大きくなってきているんだ』

「ほほう、そりゃあ珍妙な話じゃな」

「ドクター、原因は分からないのですか?」

『う~ん…目下、調査中だ

 申し訳ないが、レイシフトは原因が判明するまで待って…ってアレ?』

 

加速する状況は、更に悪化する

 

『…誰か、レイシフト起動した?え? あれ? どうしてだ?

 レオナルド、君かい?』

『いや、私ではないよ? ロマニが間違って何かしたんじゃないの?』

『というか、誤操作防止のセーフティがあるじゃないか!

 そういう事は万一にでも有り得ない…』

 

「あの…ドクター? 今度は何が…?」

画面越しの素っ頓狂な声に向かってマシュが問いかける

 

『わ、分からない…そっちの方で、勝手に転移が始まっているんだ…!!』

 

画面向こうの管制室は騒然としている

レイシフトを実行していないにも関わらず、開始された転移の反応に戸惑っているのだ

 

『兎に角、そっちでレイシフトというか、転移が起きている!!取り敢えず緊急停止を―――!』

『君達、そこから急いで離れ―――』

 

「皆さん、外へ!!」

「なんと! マスター!マシュ嬢!」

「ッ!マスター、さっさとしろ!」

 

マスターを始めとした、他のサーヴァント達が部屋から出ようと急ぐ

同じく、レイシフト室から外へ出ようと足を動かそうと、力を入れ―――

 

ここでようやく、異変に気付いた

 

ランサー、ドゥフタハ

ライダー、聖ニコラウス

霊器が不安定と評された2騎

 

彼らの体は、動かない

張り付いたように、縫い付けられたように

 

「ぬぅッ!?」

「ぐッ…マスター!儂らの事は案ずるな!」

 

それもその筈

その足から先は、既に薄れ始めているからだ

消滅…では無い、何処かに存在が移されようとしている

自分の意志とは無関係に、転送が開始された

 

何故?と

考える暇もなく、眩い光が辺りに広がり、

 

「――――!!」

 

2騎に向かって手を伸ばすマスターの姿を最後に、目の前が真っ白になった

 

記念すべき初陣が見事に飾られる事無く

永いようで短い、旅の始まりとなった

 

 

 

 

特異点???

偽史夢幻奇島 ニライカナイ ―――虚光のタウミエル―――

人理定礎 ???

 

 

 

 




選択されたクラスは2つ

ランサー、ドゥフタハ・ダイルテンガ
戦闘狂の若者的な男

ライダー、聖ニコラウス
言わずと知れたサンタクロース

本来、この2騎はアーデルハイトが作成した聖杯戦争で呼ぶ予定だったが儀式の暴走により、カルデアから直接ご招待
(元々レイシフト予定で特異点への経路は繋がっていたため、そのまま持って行かれた)

折角引いたのにマスター君可哀想
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