Fate/Table Talk 偽史夢幻奇島ニライカナイ ~虚光のタウミエル~ 作:珈琲菓子
ラスボスの魔神柱もとい魔神虫戦
戦闘システムはバーサーカーの時と大体同じ
つまりはヌルゲー
やったね
≪行動順≫
槍⇒術⇒騎⇒魔神虫
1巡目
【槍】
スキル使用:『ルーン魔術』
ダメージ:21
「そんじゃぁ、小手調べに一発いっとくかァ…!!」
槍を片手に持ち、魔神柱に狙いを定めた
「イヴァルッッッ!!!」
説明不要の一撃
思いっきり振り抜かれた槍は、瞬く間に両者の距離を瞬く間に飛び越える
鋭い風切り音、からの鈍い衝突音
放たれた槍が体表の眼球を幾つも抉り潰すと、魔神虫はその巨体を僅かにだが振るわせた
「―――損傷;確認…、バックアップより修復作業を実行…」
【魔神虫ミシャンドラ】
パッシブスキル:『常世の魔力』…受けたダメージを半減し、その分回復する
「―――術式分析完了…、北欧魔術の一種と判明……引き続き、焼却作業を実行する…」
快調と思われたスタートダッシュ
しかし、与えた傷は瞬く間に修復を開始し、既に治癒しかけていた
取り込んだ大規模な魔力リソースの影響か、異常なまでの回復力である
「…アスィヴァル」
槍を手元に戻し、苛立ちの混じった眼で魔神柱を見据える
「もう修復が始まっとるわい、中々骨が折れそうじゃのう」
「一筋縄じゃ行かねぇってこったな」
「龍脈からチカラを吸い上げておるな……まるで巨木よ…、元を断たねば同じことを繰り返すのみだ」
魔力の流れを追えるキャスターが魔神虫を評する
「地に根を張り、天へ届かんとす…… 其は支えるが為の柱か、それとも侵す為の魔手か…」
現れた強大な敵、キャスターの眼には何が映るのか
国を奪った者、奪われた者
訪れる結末は、彼女にしか見えない
【術】
パッシブスキル:『陣地作成』B+…3T目に”創建”状態を付与
命中判定:成功(敵ファンブル)
ダメージ:4
「(いずれにせよ、流出自体は止まっているようだな…、暫しの間、増長することも無かろう…)」
既に黒い孔からの流出は止まっていた
魔神虫は醜悪な芋虫のまま、細胞を増殖することも、成長することも無い
現在は敵の殲滅の為、一時的に増殖を停止しているだけなのだろう
「(とは言え、相対するは神……常道では敵うまい…)」
体躯だけでなく、内包する魔力量に関しても規格外
多少の攻撃ではビクともせず、与えた傍から修復してしまう
真っ向勝負では、決して勝ち目はない
「―――飽くまで、常道では、な…」
かつてのように、キャスターが大量の呪符をばら蒔く
自らに有利となる陣地を創り上げる為、再び創建を行う心算なのだ
「こりゃまた、随分と…」
以前と違うのは、放たれた呪符がかなりの広範囲へ向かって配置された事である
「我に会心の策有り…… いずれ訪れよう、来たるべき時を待つのだ…」
「うむ、任せるぞい」
「期待してるぜ」
どの道このままでは、攻撃も通じずジリ貧だ
キャスターの一手が突破口となる事を信じるしかない
「で、あれば、だ…」
手に数枚の”鬼弾符”を握りしめ、
「ただひたすらに攻め、ひたすらに耐えよッ!!」
爆発的な勢いで一斉に放つ
空を裂く鬼弾は真っ直ぐに魔神虫の元へ向かい、その身を弾けさせた
「―――損傷:軽微…、修復作業を実行…」
機械的な動作で回復を行う魔神虫
平坦な音声からは、攻撃が効いているのか、効いていないのか判断し辛い所だ
「―――分析完了…、道教の呪術的術式と判明……引き続き、焼却作業を実行する…」
「…やはり響いておらんな、是は…」
顔を顰め、小手調べに全く動じない巨体を睨む
「(今は未だ、そうであろう…時は、勝機は我等にある…、其の為の手は打ってある…)」
仕込みの基礎は既に終わっている、ただ休んで傷を癒していた訳では無い
ランサーとライダーが戦いを繰り広げていた時、キャスターもまた、布石となる行動をとっていた
「(”合理的且つ、効率的に”…汝の言葉、遺志…、継いだものは決して無駄にはせん…!)」
日負いの鶴は、雌伏して時の至るを待つ
相棒の言葉を胸に抱き、その意思を受け継いで戦いに臨んでいた
【騎】
命中判定:失敗
「―――むぅ…、この程度の勢いじゃ、痛がるそぶりすらないわい…」
キャスターの放った鬼弾符に紛れるようにソリを駆る
瞬間に連撃を叩きこむも、まるで手応えが感じられない
「(…よくもまあ、こんなのを幾つもへし折れたものじゃ…)」
巨体を僅かに揺らすのみで、変わらず進軍を続ける魔神虫
その足を止めるには小規模な攻撃よりも、やはり、大規模な火力をぶつけるより他は無い
「火力不足、か…隙を見て宝具で一気に、…できれば良い方かのう」
「…かと言って俺の宝具じゃ、周りの被害もデカくなっちまうしな…やっぱキャスターの言う通り、もうちっと耐えてみようぜ」
「うむ、その内住民の避難も終わるじゃろうし、そっちの方はブライト博士にも期待じゃ」
【魔神虫】
単体⇒騎(命中判定:失敗)
全体⇒命中判定:失敗
スキル:『客観視』…命中+4、防御+6(3T)
:『目の毒』…敵全体に毒(3ダメ3T)
「―――呪術式展開…」
機械的な音声と共に、魔神虫の体表にある無数の目玉が一斉に発光する
「むう…?」
「何だ…?」
互いに身体を見るも、痛みや出血の類は確認出来ず、目に見える形での被害は無かった
「視認プロセスからのダイレクトハックに成功…、発症までカウントを開始…3、2、1…」
「おい、なんか来るぞ…?」
「……”ぷろせす”とは何だ? ”だいれくとはっく”とは何だ? ”かうんと”とは何だ?」
「あー、ソレはじゃな―――」
突然のカウント
何かしらのアクションを起こそうにも、時間は3秒しか残っていない
「…0」
カウントの終了と共に、サーヴァント達は一斉に体内への痛みを認識する
「ぬっ…!?」
「グッ!? …こい、…つは…!」
口端から赤黒い血液が漏れる
明らかに体内での異常サインだ
物理的攻撃を受けた形跡は無い
「…ッ、先の光か…!!」
視認プロセスからのダイレクトハック
つまりは、目を合わせることによって効果を発揮する呪術体系
魔神虫のように無数に眼が存在するならば、十全に効果発揮できるだろう
「発症確認…、経過観察へ移行…」
呪毒を与えたのみで、魔神虫は追撃をしてこない
サーヴァント側の動きを警戒しているのか、それとも、じわじわと呪いによる攻撃を得手としているのか
いずれにせよ、戦闘が長引けば不利となるのは確実だ
≪1巡目収支≫
【槍】HP69/69
NP62
『ルーン魔術』 ≪残りCT6≫
・毒(3ダメ3T)
【術】HP65/65
NP10
『創建』1/3
・毒(3ダメ3T)
【騎】HP67/67
NP20
・毒(3ダメ3T)
【魔神】HP150⇒135
チャージ1/5
【常世の魔力】…受けたダメージの半分を回復する
・命中+4、防御+6(3T)
2巡目開始
【槍】
スキル使用:『啜る黒水』…チャージ減成功+毒(3ダメ3T)
命中判定:成功
ダメージ:5
「…目には目を、毒にゃ毒を、ってな…!」
槍の穂先に黒い液体を振りかける
ドルイドと獣の血を混ぜ合わせた、槍の呪炎を抑える為の毒液である
「たっぷり喰らえやオラァ!!」
小瓶程度では足りないと判断したのか、その量は今までの比では無い
毒まみれの槍を、魔神柱の多数の目に当たるよう振り回す
「―――術式解析、…魔術による毒物と判明…解毒及び修復作業を開始…」
「(…修復が必要ってことは、多少は効いてるみたいだな…)」
効果を確認しつつ、距離を取る
やはり痛みの声を上げる事は無く、機械的な音声が実情を告げるのみ
それでも、毒液の掛かった眼球は閉じられている事から、攻撃自体は通用しているようだ
【術】
パッシブスキル:『陣地作成』B+…”創建”のカウントを更新(1/3 → 2/3)
命中判定:成功
ダメージ:2
「神と言えど不完全であるらしいな、…なれば、やりようは幾らでもあろう、なッ!!」
両手を打ち鳴らし、同時に大量の符をバラ蒔く
まるで質よりも量、とでも言うように
「そうら、征けい!!」
符の群れは空中で停止した後、キャスターの合図で一斉に動き出す
大量の符は毒液の掛かった眼球に挙って向かい、着弾と同時に炸裂音を響かせ、盛大に爆ぜる
「―――損傷:軽微、修復作業を実行…」
それでも、反応は微々たるものであり、魔神虫を止めるには至らない
しかし、キャスターの狙いは攻撃だけでは無かった
「(機は熟した…、直に創建は果たせよう…)」
攻撃に用いた大量の符に紛れ、陣地作成用の符も同時に飛ばしていた
必要となる霊力を集め、有利となる土地を築くための条件が、整いつつある
「(蛮神よ…その眼でしかと見るがよい…貴様が奪った、遥けきまほろばの地の姿をな…!)」
【騎】A
命中判定:成功
ダメージ:2
「―――あらよっとぉ!、…これならばどうじゃ!!」
勢いを加え、多角的に突進を叩き込む
「―――損傷:軽微…、呪術式による弱体を確認…、…経過観察を続行…」
攻撃は確実に届いている
巨体であるが故に、外す事はない
効いていないように見えるのは、衝撃を受けると同時に、僅かな傷痕さえも修復されるからだ
加え、接触の際にライダーのステータス情報も読み取られたようだ
「(…効いてるそぶりが見えんわい…、儂等に掛かっとる呪いもどうにせんとなぁ…)」
ぽりぽりと頭を掻く
ソリを牽引するトナカイの足もいくらか鈍い
邪視の呪毒は全てに響いている
戦闘不能になるほどでは無いにしても、万全のチカラを発揮することは難しい
「(耐えろ、よく言ったものじゃ…、…まぁやるしかないんじゃが)」
【魔神虫】
単体⇒術(ダメージ:2)
全体⇒失敗
「―――呪術式展開…」
魔神虫の体表にある無数の目玉が一斉に開き、輝く
「ん、グッ…!!」
キャスターが血を吐き、体勢を崩す
先程の呪毒の時とは違い、今回の呪術式はキャスターに集中していた
「キャスター!」
「オイ、大丈夫か!?」
「案ずるな…、…符で、防いだ故、…大事は無い…」
視認によって攻撃を受ける事は分かりきっている
防ぐことは難しいが、対応できない訳では無い
「(此処で狙いを絞ってくるとは…、我が狙いを看破したか…?)」
キャスターの導き出した策
その為の創建は、既に基礎を築き終わっている
「当に、遅いわ…」
脂汗を浮かべながらも血を拭い、壮絶に笑う
「―――呪術式の効果を確認…、作業を続行する…」
キャスターの思惑を知ってか知らずか、魔神虫は進軍を続ける
未だ無い戦況の変化は、間も無く訪れる
≪2巡目収支≫
【槍】HP69/63
NP62
『ルーン魔術』 ≪残りCT5≫
『啜る黒水』 ≪残りCT7≫
・毒(3ダメ2T)
【術】HP65/57
NP17
『創建』2/3
・毒(3ダメ2T)
【騎】HP67/61
NP26
・毒(3ダメ2T)
【魔神】HP135⇒125
チャージ1/5
【常世の魔力】…受けたダメージの半分を回復する
・命中+4、防御+6(2T)
・毒(3ダメ2T)
3巡目開始
【槍】
命中判定:成功
ダメージ:3
「目ん玉が攻撃の要ってんなら…―――」
疾走し距離を詰めながら、勢いのまま跳躍
巨体の側面まで飛び、中空で大きく槍を振りかぶり、
「ぶっ潰さなきゃなァ!!」
一息で十字に斬りつける
水風船の如く魔神虫の眼球が弾け、妙な色をした飛沫が舞う
「血…にしちゃ汚ねぇな…!」
「―――損傷:軽微…修復作業を実行…」
幾度目かの攻防
攻撃を受け、損傷を修復する、その繰り返しだ
「(図体の割に意外と脆いんだよな…、それに―――)」
最初に投擲で抉り飛ばした眼球が閉じたままになっている
毒による攻撃の修復も完了していない辺り、修復速度にも限りがあるのだろう
小さな傷であろうとも、巨体に届いている事は確かだ
「(治る速度も大して速くねぇ…、ただ肝心なのは…、決め手だ…!)」
【術】
パッシブスキル:『陣地作成』…創建のカウントを更新 2/3→3/3
「其の閉じた目では、我が術は妨害しきれまい…」
一旦言葉を区切り、ぱん、と手を打ち鳴らす
「―――猛き雷の武神よ、閃く剣の斬神よ…遥けき神国に仇なす、祀ろわぬ神討伐が為、我等に神力を授け給え…」
祈誓の言葉と共に、島の各地で魔力の光が灯る
「…来たか…!」
「…うむ、秘策とやらじゃろう」
「―――鎖す境の岐神よ…尊き神国の守護が為、神域侵す彼の蛮神を封じ給え…」
其れはかつて見た、神宮創建の時と同じ光
「古より、我等が築き、支えし万世の血…是、正に天壌と窮り無けん…
懐かしきまほろばの大地よ、今一度、その姿を想起せよ…、―――『神郡・東国三社 』―――!」
3つの爆光
膨大な魔力が渦巻き、形を成す
「『鹿島』、『香取』、『息栖』…、三社三神の加護を以て、荒ぶる蛮神を討ち果たさん!!」
陣地作成スキルによって、孤島に2等の三角を描くように配置された社宮
常陸内海より、東を征伐する為の拠点、『息栖神社』
武を司る2柱を対として祀る、『鹿島神宮』、『香取神宮』
「コイツぁ、…結界、か?」
「寧ろ、彼奴を閉じ込める檻ってところかのう」
2つの神宮、1つの神社
築かれる神域は、それぞれが呼応し合い、魔神柱を閉じこめる境界を生み出した
『…解析開始…、―――判明
…陣地作成スキルに基づく結界宝具に類する術式と断定……障害認定、対象の殲滅を最優先事項へ設定…』
自らを閉じ込める檻に警戒を示している
明確な障害と認識された以上、本気で潰しに掛かってくるだろう
「龍脈に根を張り、流れからも霊力を得ておるな…、蛮神は杯を取り込み、一体化したと見える」
「聖杯を核にしてるって事か」
「それならばあの魔力量にも納得がいくのう」
再生に使用されている膨大な魔力
大元は龍脈に根差す聖杯であるという
「本来ならば厄介極まりないであろうな …だが、今この場においては”悪手”よ…」
「どういう事じゃ?」
「今現在も、我等は杯より龍脈に乗って霊力の供給を受けておる
つまり、我等の力は蛮神が健在である限り、無尽 ……敵は親切にも、我等に力を与えてくれる訳よ」
ただ、一度に限界を超えようとすれば、以前の我の如く動けなくなるがな、と付け加える
「故に、龍脈上に築いた三社が最大限に活きる…
此の地、此の戦いの条件においてのみ、我等にこそ利が有るのだ!!」
その為の神宮
魔神柱が吸収する魔力の流れを妨害すると共に、サーヴァント側が燃料として消費・吸収するシステムを築いた
マスター不在の聖杯という、イレギュラーな状況を逆に利用した奇策
「要は奴の魔力を横取りしてるって事か」
「”我田引水”というやつじゃのう、良い手じゃわい」
「”合理的且つ、効率的に”…やり過ぎかとも思うたが、汝の言葉を聞いて正解だったな……」
彼女としても、魔神虫の出現を想定していた訳では無いのだろう
ここまでの陣地作成準備は、”もしも”の為であり、合理と効率を意識した結果なのだ
【魔神虫】
パッシブスキル:『常世の魔力』消滅
【サーヴァント側】
永続的な”ターン終了時にNP+10”、”宝具威力2倍”状態付与
「―――不正な魔力の流路を検知……内部聖杯からサーヴァント側に対するリンクを遮断…」
「我等への流れを切るか? 無駄だ、事の起りを傍観した時点で貴様は詰んでいる」
サーヴァントへの魔力の漏えいを止めるには、陣地の要である3つの社宮をどうにかしなければならない
しかし、社宮自体の成す結界によって閉じ込められている以上、魔神虫にはどうしようもない
「神郡の破壊も容易くは有るまい…
息栖の主催神は”久那土の神”……よもや知らぬとは言わせんぞ?」
久那土の神(岐神)とは、悪神や厄を拒絶する”塞ノ神”である
その神は、人と魔を隔てる”境界”となる神格の他に、別の側面を持っている
其は、―――御石神(ミシャグジ)
日本のとある地方で信仰された土着神を指す
”ミシャグジ”とは”宿神”であり、密教の秘神である”摩多羅神”に習合される関係にある
「かつて、太秦の頭領は貴様を討った…ならば、貴様が勝てる道理など有りはせん」
かつて、常世神を打倒した男が居た
厩戸皇子・聖徳太子の部下であり、秦始皇帝の末裔ともされるその男は、数々の功績を成し、後に摩多羅神として神格を得た
常世神としての性質(つよさ)を得てしまった魔神柱は、皮肉にも、その神格(つよさ)故に弱点も抱えることとなってしまった
「始まりへ遡るため、大和を淤能碁呂島へ収めたか?
新たな姿へ羽化するため、常世神(むし)の神格を取り込んだか?」
「如何な意図が有るとすれ、愚の極み……生かしておけん、此処で滅する、…確実にな」
【術】A4
スキル使用:『呪術』≪CT6≫…確率でチャージ減、確率でスタン付与
判定:失敗
攻撃命中判定:成功
ダメージ:2
「来たれ、『七支刀(ななつさやのたち)』…」
儀礼用の祭具を現出させ、そのまま地に突き立てる
そして、空いた両手を打ち鳴らす
「―――御石神よ、彼の者へ厄災を、……祟り有れ…!」
呪詛の言葉と共に、魔神虫に向かって複数の白い縄が伸びる
「―――状況…分、析…、独、自…の、神話体系を…由、来とした…神罰術式で、あると…判明…」
遠目からでも伝わってくる、正体不明の悪寒
それもその筈、伸びるのは縄などでは無く、その実、白い蛇の群れ
冷たく、縛りつけるように魔神虫の体中を這い回る
「―――神…話、体系…解…析完了……たたたた祟り神みみ、…み御、石神…みみみミシャグジジジじ……も、もももも洩矢神…」
「何だ、すげぇバグってんぞ」
「やはり見立て通り、効果は覿面だな」
”御石神”、又の名を”洩矢神”
ミシャグジ、塞ノ神、境界の神など、伝承によって様々な面を持つ、謎多き土着神である
信仰される土地により、神徳は様々だが、その性質は主として―――”祟り神”
久那土の神との繋がりを辿り、神威を祟りとして具現化したのだろう
「対、抗…、対対対対対対対対抗抗抗術式式ををををををりりりりり立立立案じじじじ実行…」
更には、摩多羅神に習合される関係から、常世神の神格を得た魔神虫には天敵とも言える
「白蛇が毒牙、夢幻とは言え神気だ…今の貴様には特に効くあろう」
【騎】A1
命中判定:成功
ダメージ:1
「今が攻め時って事かのう?」
祟りによってシステムを狂わせた好機、逃すまいと即座に突撃を仕掛ける
「ふふふふ復旧さささ作業けけ継続…ぼぼぼぼ防御障壁ててて展開…」
「ぬぅッ!?」
鈍い衝突音、ソリ越しに伝わる軽い手応え
解呪と並走して展開された魔力障壁によって、衝撃の大部分は減衰された
「(……易々とは通らぬか…とは言え、チャンスはまだ有るわい…)」
【魔神虫】
単体⇒槍(ダメージ:1)
全体⇒失敗
「じゅじゅじゅ呪術つつししししし式かかかかかか解除じょじょ中…ままままま魔ま力くくく一部ぱぱぱぱぱパージじじじじ…」
腐りかけの眼球を数個ほど勢いよく噴出する
解呪のため、魔神虫が選択したのは、侵された一部を膿として切り離すことだった
「うぉっ!?」
よく分からない液体と固体の入り混じった”膿”がランサーに降りかかる
呪毒の指向性は、あくまで魔神虫に対しての物であり、ランサーへミシャグジの祟りはない
しかし、どうやっても気持ち悪いモノは気持ち悪い
「クソッ! いらねぇことしやがって!」
粘つく膿を拭うも、完全には落としきれない
「ええ影響かかか緩和…かか完全ふふふ復旧うううまままでですす数分…」
呪毒に侵されながらも、水面下では複数の処理を同時に行っているのだろう
恐ろしい事に、魔神虫は致命的な相性の悪さにも対応しつつある
≪3巡目収支≫
【槍】HP69/62
NP62
『ルーン魔術』 ≪残りCT4≫
『啜る黒水』 ≪残りCT6≫
・毒(3ダメ1T)
・ターン終了時にNP+10、宝具威力2倍(永続)
【術】HP65/57
NP22
『創建』3/3
・毒(3ダメ1T)
・ターン終了時にNP+10、宝具威力2倍(永続)
【騎】HP67/61
NP28
・毒(3ダメ1T)
・ターン終了時にNP+10、宝具威力2倍(永続)
【魔神】HP120
チャージ1/5
・命中+4、防御+6(1T)
・毒(3ダメ2T)
4巡目開始
【槍】
宝具使用:『貪る呪炎(ルーン)』
命中判定:成功
ダメージ:48
「…こんな気持ち悪ィ虫は、すぐに消し炭にしてやる…」
粘液に汚れた額に青筋を浮かべながら、静かに呟く
「キャスター!! 宝具を使うから奴を抑えとけよ!!」
「応よ!! 周囲の被害も気にしなくともよい、存分にやれい!!」
「そうこなくっちゃな…」
水平に持った槍、その穂先をコーティングしていた毒液が徐々に霧散してゆく
「―――拘束開放…、ブチかます!!」
毒液の封印と共に槍の本質を解き放つ
使用者をも焼き尽くさんと、災厄の炎が迸る
「焼き尽くせ…! 喰らい尽くせ…! 『貪る呪炎(ルーン)』…!!」
呪炎はさらに規模を増し、10mはあろう巨大な炎の槍を形作る
自らも灼かれながら、呪炎の槍を振りかぶり―――
「うおおおおおおオオオオオオオオオオオオオオオッらアアアアアアああぁぁああ!!!」
放たれる一条の光
呪炎の軌跡が、ランサーと魔神虫の直線距離間を蒸発させ、ひた奔る
「―――ぼぼ防御障壁ててて展k―――…」
「無駄だゴミ虫野郎!!」
衝突と同時に展開された魔力障壁を食い破り、呪炎の槍が腐肉の海を突き抜ける
穿たれた傷穴から溢れる炎は、内側に留まらず魔神虫の体表までも灼いてゆく
「(これはまた……凄まじい威力じゃのう…)」
かつての戦闘で披露した時よりも、宝具の効果が格段に上昇している
結界を成す3社、取り分け、武神を主催神とする鹿島と香取の加護が発揮されているからだ
通常ならば、これだけで勝負が決まってもおかしくは無い
「…アレを喰らって、まだ動きやがるか」
イレギュラーしかないこの場においては、”通常”など適用されない
聖杯の魔力というリソースがある以上、魔神ミシャンドラは不滅だ
「(なるたけ、一撃で決めたかったが…)」
手元に槍を引き寄せ、再び毒液による拘束を施す
身体を包んでいた炎は消え、痛々しい火傷の痕が残る
槍の特性による反動
社宮により増幅されるのは、担い手すら蝕む呪炎も例外では無い
「まぁいいさ、消し炭になるまで焼くだけだ…」
ケルトの戦士は己が身を顧みない
闘志は微塵も衰えず、切っ先は魔神虫へ向けられる
【術】
スキル使用:『剣神の加護:B』…攻撃+1d6(3T)、回避(1T)、(刀剣使用時のみ)NP+2d6
⇒攻撃+4、NP+3
命中判定:失敗
「―――ふふふ復旧、ど動、作終了……」
「む」
バグっていた音声が正常に戻りつつある
それは、ミシャグジの祟りが解毒されたという事を意味する
「(解いたのか、我が術を!? 呪炎に意識を裂いた、あの一瞬でか!!)」
ランサーの宝具は、敵を周辺一体を焼き尽くす呪いの炎
一度喰らった経験から、キャスターはその威力・被害の大きさを理解している
神郡の支援により、威力を更に増幅した場合の被害を考慮しないキャスターでは無い
だからこそ、結界を成す久那土の神の力によって、裏から呪炎の指向性をコントロールしていた
結界に被害を与えない為、かつ魔神虫とその周辺にのみに被害を押し留める
その為に、ミシャグジの呪術リソースを、ホンの一瞬だけ打ち切った
時間にして、秒にも満たない一瞬
僅かな制御の隙に、魔神虫は解毒に成功していた
あからさまに危険な呪炎よりも、相性的に不利であるミシャグジの対応を優先して、だ
「相性は、奴が敗れたという歴史は覆らぬ…、奴が常世神である限り、絶対だ…
しかし、この術への抵抗力は何だ、…異常に過ぎるぞ…!」
「奴を生み出したのは魔術を総べる王じゃからの…無理も無かろうて」
魔術王の産物である脅威を、改めて思い知らされる
番外位とは言え、常世神である以前に、相手は魔神柱なのだ
【騎】A2
命中判定:成功
ダメージ:7
「故に、魔術が駄目ならば、物理で行くしかあるまいッ!!」
空中で浮かぶライダーの姿が僅かにブレる
有言実行で瞬間的に5連撃を叩きこんだのだ
「―――損傷:軽微…、修復作業を優先…」
「まだまだ余裕といった風体か…ならば儂もそろそろ、奥の手を出すしかあるまいて…」
立て続けに潰され、全体的なの眼球の修復スピードは相対的に遅くなっている
今では損傷が再生を上回りつつあった
「(ランサーの一撃はよほど効いておるようじゃな…)」
【魔神虫】
単体⇒騎(命中判定:失敗)
全体⇒失敗(補正によりダメージ0)
スキル:『客観視』…命中+1+、防御+5(3T)
:『目の毒』…敵全体に毒(3ダメ3T)
「奴の攻撃は大した事ないが…鬱陶しいな…」
「うむ、直接的には仕掛けて来ないのが気になるのう」
「―――共振式展開…」
機械的な音声が響く
何かしらの術式を発動したようだが、目に見える範囲で場に変化は無い
「―――活性数値入力終了…、…再発症まで3、2、1…」
「共振…?…、なんじゃ…?」
「またなんかしてくるのか…?」
「―――…0」
カウントがゼロになると同時に、全てのサーヴァントの体に、数分前まで味わっていた痛みが再び訪れる
「ッ、…莫迦な…眼は合わせておらん、というのに…」
「小細工ばかり…しやがって…」
ソレは、魔神虫が最初に繰りだした呪毒の痛み
時間経過と共に静まり、鳴りを潜めた思っていた呪いが再発症したのだ
「…共振、…活性とは…、そういう事か…」
「効果確認…、経過観察を継続…」
有する巨体を全く活かすこともせず、術式主体の攻撃を行ってくる
結界がある以上、自由に身動きが取れないのだろうが、あまりにも消極的だった
≪4巡目収支≫
【槍】HP69/59
NP32
『ルーン魔術』 ≪残りCT3≫
『啜る黒水』 ≪残りCT5≫
・ターン終了時にNP+10、宝具威力2倍(永続)
・毒(3ダメ3T)
・火傷(3ダメ3T)
【術】HP65/54
NP40
『創建』3/3
『剣神の加護』 ≪残りCT6≫
・ターン終了時にNP+10、宝具威力2倍(永続)
・攻撃+4(3T)
・回避(1T)
・毒(3ダメ3T)
【騎】HP67/58
NP47
・ターン終了時にNP+10、宝具威力2倍(永続)
・毒(3ダメ3T)
【魔神虫】HP62
チャージ2/5
・毒(3ダメ1T)
・命中+1、防御+5(3T)
・火傷(3ダメ3T)
≪5巡目開始≫
【槍】B
命中判定:成功
ダメージ:3
「(やっぱ長期戦はやべぇ、一気に片付けるしかねぇ…!!)」
呪炎と呪毒に侵された体に鞭を打ち、走る
「とっとと死ねやァ!!」
「―――魔力障壁展開…」
大振りの薙ぎ払いによる攻撃は障壁に阻まれる
再発した呪いと火傷を抱える身体では突破も儘ならない
「(チッ、…動きづれぇ…)」
切っ先は巨体を浅く斬り裂くに留まる
「―――損傷:軽微…、呪術式及びその他の要素による身体機能の低下を確認…」
ステータス状態を把握されたのか、残った眼球が観察するようにランサー見ていた
「(精々見ていやがれ…、こんな状態でも十分やってやるぜ…)」
【術】
宝具使用:『神代三剣・布都御霊(ふつみたまのつるぎ)』
・味方全体のHP回復(3d6)
・弱体解除
・無敵貫通付与(3T)
「敵は”東”に有りて、我等は”毒気”に侵されていると来たか…」
血反吐を吐き捨て、呟く
「―――まるで誂えた様だな!! ……其れでこそ、我が本領を出せるというモノよ…!!」
本領
確かに、この社によって構築された神郡において、彼女の力は十全に発揮される
古代ヤマト政権、政と祀が共にあった時代
祭祀と軍事を司る”その一族”は、あらゆる祭具・武具を神宮に奉り、保存し続けたという
「―――猛き雷の武神へ願い奉る…遥か東征の折、神武皇命へ賜れた神代三剣が一振りを、再び与え給え―――」
右手の七支刀が、徐々にその形を変える
儀礼用の六叉剣から、戦いの為の剣へ
「―――猛き剣の斬神へ願い奉る…石上が斎宮たる我が名を以て鞘と成し、その姿を此処に現し給え―――」
形状だけでは無い
その有り様、性質すら別物と化しつつある
「本領…という事は、宝具を使うつもりじゃな」
「剣、か…? …キャスターがか?」
収束する魔力においても、七支刀の状態とは比べ物にならない
神群から吸い上げられた力は、新たなる宝具(チカラ)へと生まれ変わる
「神域より来たれ、―――『神代三剣・布都御霊(ふつみたまのつるぎ)』―――!!」
清らかな光と共に現れたのは、1mに満たない素朴な鉄刀
束に近い側から刀身が反り返る、俗に言う”内反り”の形式で作られている
日本刀のような片刃だが、根本的な造りは異なるようだ
「是ぞ、我らの奉る神体…建御雷神が半身にして、イワレビコ東征が最大の武器…」
立ち昇る神気に、纏う灼けた漢服が翻る
戦闘中では意識することの無かった、千早に刻まれた紋所
昇る日輪を背に飛翔する一羽の鶴
其れは”日負い鶴”と呼ばれ、今も尚、とある一族の名を持つ神社に刻まれる神紋だった
―――軍事豪族・物部氏
天照大神の孫にあたる、”饒速日命”を祖神に持ち、
その子である”初代物部・宇摩志麻遅命”は神武天皇の側近として仕えた
皇城守護、十種神宝を用いた鎮魂祭の執行など、政治のみならず、祭祀の面でも深く関わりを持った
まさに、神の国にて、最も神の傍に在る一族だった
神代から時は流れ、飛鳥時代
対立していた蘇我氏が仏教を信仰する一方、物部氏は古来の神道と、大陸から齎された道教を元に、独自の祭祀方式を生み出した
「我は担い手では無い故、神剣の力全てを引き出す事は敵わぬ…
だが、剣に宿りし神に通ずる事は出来る」
伝承において、布都御霊剣の担い手は2人
”武神・建御雷神”、そして”初代天皇・カムヤマトイワレビコ”である
片や、国造りの神をも退けし、武の象徴たる神
片や、一国の皇族の祖にして、神の血を継ぐ者
布都御霊剣の本来の力は、彼らでなければ引き出す事は愚か、剣の放つ神気にすら耐えられないだろう
「我こそは、鞘…
布都御霊が神体たる布都主神を身に降ろす、物部の鞘…」
最初から神剣を降ろす器として存在する者ならば、話は変わる
「天と地を、人と神を繋ぐ者…―――石上が斎宮、物部石上布都姫である…!」
剣の神と同じ名を与えられた鞘の名は、―――布都姫
神々との橋渡しの役を背負って生まれ、石上神宮の斎宮として名を残す、物部の終焉を看取った女である
そろそろセッション2周年になっちゃう…ヤバいヤバい
そして、ネタを補強してくれた天空璋ありがとう
ところで、日焼けしたチルノからもう2年ってマジ?