「ふぁああああああ! 疲れたぁぁああああああ!!」
切島が変な声を上げながら共有スペースに設置されているソファーに倒れ込む。
まあ、みんな連日の特訓で疲れているのは事実だ。
こうやってだらけるのも良いだろう。
「まあ、明日が仮免試験当日だし、今日はゆっくり休もうぜ」
俺はそう言いながらもパソコンに向かって“ゲーム”を作る。
といっても、後は軽くデータを出力するだけなんだけど。
「そういえば、機鰐くんは先ほどから何をやっているのかな?」
と質問してきたのは誰であろう? 飯田である。
「ん? ゲーム制作だよ。ゲーム制作」
「ほう。機鰐くんはサポートアイテムの開発だけじゃなく、プログラミングもできるのか。多様で羨ましい。・・・・・・それで、どんなゲームなんだい?」
「戦闘シミュレーションゲーム。1年A組生徒全員のデータを組み込んだ、ね」
俺が何気なくそう言うとめちゃくちゃ反応してきた人物がいた。
誰であろう? 峰田である。
「それってどういう事なんだぁぁあ! まさか、まさか女子のスリーサイズとかもデータ化されているのか!?」
うわっ。気持ち悪い。
「あ、あるにはあるけど・・・・・・」
「じゃあちょっと見せてくれ!!」
「俺も俺も!」
さらっと混ざるな上鳴。
「八百万のヤオヨロッパイ!! 芦戸の腰つき!! 葉隠の隠れしスタイル!! 麗日のうららかボディに蛙吹の以外おっぱァァアアア・・・・・・
瞬間、耳郎さんのイヤホンジャックが峰田と上鳴に突き刺さり、俺の拳が二人の顔面にめり込む事となった。
ふぅ。
バカが居なくなってようやく静かになった。
ただ、女子の視線が痛いからしっかりとやましくない説明をしよう。
「これはVRを使った本格実戦的シミュレーションゲームで、みんなの個性・身体能力・成長から体重・その他多数。すべてをデータとして入力することでゲーム感覚で特訓できるアイテムなんだ。本当ならもう少し早めに完成する予定だったんだが、立て込んでて遅れたんだよ」
俺がそう説明すると皆の興味が一気にこちらへ向いた。
あの轟くんですら視線をこっちに向けている。
「戦闘はその個性をどれだけ上手に扱えるかも求められるからな。このゲームでその経験値を少しでも稼げたらと思ってたんだよ」
俺が皆の反応に若干引きながらそう説明すると、さっきまで疲れた、とグダグダ言っていた切島がPCの隣に置いていたVRを手に持ちながら言う。
「ちょっとやらせてくれよ。滅茶苦茶気になるんだ」
「いいけど、これは対戦型ゲームだから相手がいないと起動しないぞ」
「じゃあ俺がやる。貸せ、変身野郎」
爆豪がそう言いながらもう一つあるVRをひったくる様に取った。
オイオイオイ。
ずいぶんと勝手だなぁ。
「一応、専用の“ゲームVRギア”は全員分あるから皆一度にプレイできるけど、やる?」
「「「「「「やる!!!!!」」」」」」
皆一気に食い付いて来た。
▼
ゲームルールはランダムバトルで、勝敗はHPがゼロになるか降参をするかの二つ。
全員の基礎体力を元にHPを計算している。
例えば、体力の多い爆豪のHPを[100]とした場合、体力のクソ少ない峰田は[10]となっている。
さえらに、個性によってダメージも定められていたりする。
だが、それは不安定なモノで、バランスが崩れているときに効果力の攻撃が来ればより大きなダメージを受けるし、ガードすればダメージを軽減できる。
まあ、最初は戸惑いも多いだろうが、やって行けばなれるだろう。
ステージは複数あり、それもランダム。
ちなみに、プレイしようとしたら丁度相澤先生が来て、今後の課題の為に、と審判をしてくれることになった。
っと、言う事で第一戦。
ステージは森の中であった。
「・・・・・・おまえかァ」
「何だよその反応! もう少しいい反応してくれてもいいだろ!!」
対戦相手は瀬呂だった。
しばらく前の実戦訓練でボコったばかりなのであまりやる気が出ない。
「まぁ、やるか」
「だな」
俺はトランスチームガンを取り出す。
そして、
《コブラ》
そんな音声と共に待機音が流れる。
俺はトランスチームガンの銃口を下へと向けながら、
「蒸血」
そう言うと同時にトランスチームガンのトリガーを引く。
《ミストマッチ!》
トランスチームガンの銃口から黒い霧が噴き出し、俺の体を包む。
《コッ・コブラ・・・コブラ・・・・・・ ファイヤー!》
「さァて、この姿で相手してやろう」
俺はそう言いながら腰を落として構える。
瀬呂は少しイヤそうな顔をした後に体をほぐしてから構える。
「ゲーム内だから準備運動とかは必要ないぞ」
「いいだろ。気分的なもんだ」
「そうか」
俺はニヤリと笑う。
そして、俺と瀬呂はぶつかり合った。
瀬呂は肘からテープを出して俺を捕縛しようとしてきた。
だけど、
「前も感じたが直線的過ぎるんだよ!!」
俺はスチームブレードで瀬呂のテープを切りながら突撃する。
そして、接近と同時に蹴りを繰り出す。
だが、瀬呂は自身のテープを使い、緊急回避をすることで俺の攻撃を避ける。
うおっ! 上手いな。
俺はそう思いながらもトランスチームガンを取り出して瀬呂を撃つ。
「痛っ!」
「銃火器の存在を忘れちゃぁ駄目だぞぉ」
瀬呂は撃たれた痛みでバランスを崩してしまった。
フッ。その隙を見逃してやるほど俺は優しくはないぜぇ。
俺は地面に体を叩きつけた瀬呂に追い打ちを掛ける。
飛び上がり、回転する遠心力を乗せた踵落とし。
普通にリアルでやれば簡単に殺してしまう威力があるのだが、ゲーム内であれば大丈夫だ。
俺の視界内に[GAME CLEAR]の文字が浮かんできた。
あっさりと終わった。
そう思うと同時にスッと景色が変わった。
▼
ステージは体育館。
次の相手を見た瞬間、少し笑ってしまった。
こっぱずかしさを隠す笑い。
いやいや、これはまあ恥ずかしい。
「まさか緑谷とだなんてな」
「う、うん。僕も驚いてる。二回戦目で機鰐くんとだなんて」
俺たちは後頭部を軽くポリポリと掻いてから構える。
緑谷は自身の体に力を入れる。
そう、フルカウルだ。
俺はそれを見てから腰にアークルを装着する。
そして、
「変身!!」
俺は『仮面ライダークウガ』に変身する。
「行くぞ!!」
「うん!!」
瞬間、俺たちはぶつかり合う。
俺と緑谷の拳が真正面から同時にぶつかり合う。
そして、押し負けた。
やっべえ。
予想以上に強かった。
マイティフォームじゃ普通にパワー負けしてるわ。
しょうがない。
「超変身!!」
俺は速攻で『仮面ライダークウガ タイタンフォーム』へ
パワーならこれだ。
超跳から、殴りかかってくる緑谷。
俺もその攻撃に合わせて拳をくり出す。
「なっ!!」
「タイタンフォームのパワーを舐めるなよ!!」
俺はそう言うと同時に反対の手で緑谷を殴る。
が、当たる寸前・・・・・・まさに紙一重で避けられてしまった。
「やるな」
「機鰐くんもね」
俺と緑谷はそう言いながらぶつかり合う。
腕と腕を合わせて、自身の力そのままの押し合い。
・・・・・・・・・俺が単純にパワー勝負をするとでも思っているのか?
俺は瞬時に力を抜いて緑谷を後方へと投げる。
緑谷は自身の力をそのままに飛んでいく。
「超変身!!」
俺はその隙に『仮面ライダークウガ アメイジングマイティフォーム』に変身する。
そして、体勢を立て直したばかりの緑谷に向かって突撃する。
「隙だらけだぜ緑谷ァ!!」
「しまっ・・・・・・・・・!!!」
くり出す必殺技、『アメイジングマイティキック』。
それが見事に緑谷の腹部へと突撃した。
「俺の勝ち」
俺がそう言ってブイサインをすると同時に視界内に[GAME CLEAR]の文字が浮かんできた。
▼
それから、俺たちは夜が更けるまで戦闘に励んだ。
だが、相澤先生から、
「明日試験なんだからもう寝ろ」
と言われ、48回戦終了と同時にシミュレーションも終了となった。
まさか、あの後、9回も緑谷と戦う事になるとは思わなかった。
ちなみに、なぜだかは分からないが、一度も爆豪と当たらなかった。
クウガ格好いいよね。
放送されていた時、生まれたばかりで見てないけど( 一一)←2000年12月生まれ。
覚えているのファイズからだけど( 一一)←しかも覚えているのOPの映像だけ。
この作品のヒロインって……
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白神神姫
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使原弓
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紅華炎
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暗視波奉
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赤口キリコ(安藤よしみ)