武術の天才は世界を巡る   作:ADONIS+

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13.機動戦士ガンダムSEED

『幽☆遊☆白書』の世界で生涯を終えた私は、『機動戦士ガンダムSEED』の世界に転生していた。

 

 今回の名前はレイナ・ヒメユリです。腰のあたりまで伸ばした青い髪に碧眼、その容貌は見ているだけで目が痛くなるほどの人間離れした美貌の美少女。と、ここまで書けば分かると思いますが、今回の私はコーディネイターです。私の両親の美的感覚はかなりのものだったらしく、遺伝子操作の結果人間離れした絶世の美少女になりました。

 

 しかし、私の両親は美的感覚には優れていても人の親としてはどうかと思うんですよ。何しろ本来ならば私の瞳は翡翠色になるようにコーディネイトされていたそうですが、実際には碧眼になった事で「目の色が違うわ!」とブチ切れて私を捨てた問題人物ですからね。

 

 まあ、コーディネイターといっても不安定な母体で育つ為に完全に設計通りに造れない。この問題の解決の為にヒビキ博士が人工子宮を用いたスーパーコーディネイターを製造しようとするわけですが、それは余談ですね。

 

 それはともかく、この理由でコーディネイターの赤ん坊が捨てられるのは、この世界ではわりと良くある話で、私もその一人にすぎません。

 

 改めて考えてみると本当にろくでもない親だと思う。普通の子供だったらグレていますが、私にとってはむしろ好都合です。これまで転生していたGS世界や犬夜叉世界などでは家族がいた為に彼らとの関係にかなり気を遣う羽目になりましたが、この世界ではそんな事は不要なのである意味気楽でいい。特に六道冥子のような身内がいたら迷惑です。

 

 ちなみに私の苗字はヒメユリではなかったけど、ある程度成長したら改名しました。さすがに私を捨てた親の苗字を名乗る気になれなかった為に、私の本来の名前である姫百合零菜からこの世界に合わせてレイナ・ヒメユリにした。

 

 さて、これまでの頻繁に転生を繰り返して色々なスキルを身に付けてきた訳ですが、今回は優れたスペックを誇るコーディネイターの身体を手に入れる事にしました。

 

 実際この肉体はすごい。容姿、知能、運動能力、免疫力、その他の才能がずば抜けているし、当然ながらグルメ細胞も持ち越しているから念やスタンド、霊力などの底上げがなくてもかなりの能力があるよ。というかグルメ細胞+コーディネイターって、自力が半端ではないよね(笑)。

 

 そういえば、この世界では色々ありましたね。孤児院時代にはコーディネイターにフルボッコにされていたナチュラルのムルタ少年に出会ったときには彼のひん曲がった性根を叩きのめすべく念能力や格闘技を叩き込んで鍛えてやりました。その所為か風の噂ではムルタは武闘派として名が知れ渡っているらしいですね。

 

 また、ブルーコスモスのテロリスト連中が小銃などのちゃちな玩具で私に攻撃した時は素手で彼らをぶちのめしてやりました。まったく、私に小銃なんか効くワケないでしょう。スタンド能力を使わなくても念で防げますよ。大体他人を妬んだ挙句に卑怯なテロを仕掛けるとは見下げ果てた奴らです。どうせなら決闘状を叩きつけて正々堂々と挑んでくるべきでしょう。

 

 そんなこんなで幾度となくブルーコスモスのテロリストを返り討ちにしていると、何故か大西洋連邦の軍隊が私に襲い掛かって来ました。でもね。テロリストから軍隊にクラスチェンジしても私の相手にならないのよ。やめてよね。私が本気になったら勝てるわけないだろ!

 

 案の定、生身で一個連隊を撃破したわけです。とはいえ、私がここまで圧勝できたのは相性が良かったのもあります。所詮この世界の兵器は物理攻撃にすぎないから物質を透過するスタンド能力で完全に無効化できるんです。

 

 これがスタンド使いとの戦いや、悪霊などの霊的攻撃だとこうもいきません。特に霊的な攻撃は厄介で、それに対する守りは私の霊的防御力に依存してしまいます。

 

 実はGSといっても人間の霊力はそれほど高くない(むしろ動物の方が霊力が高い)ので、優れた霊力を持つ私でもその霊的防御力はあまり高くありません。おまけに悪霊相手では堅も効きが悪い。それでGS世界では不覚を取ってしまったほどですからね。

 

 しかし、さすがにやり過ぎだと思うので、いい加減この世界から引き上げるとしましょう。

 

 

 

ブルーコスモスside

 

「ジブリール、何故軍隊を動かした!」

「アズラエル、お前こそ何であんな化け物を放置するのだ!」

 

 ブルーコスモス本部では盟主ムルタ・アズラエルと幹部ロード・ジブリールが激しく口論をしていた。

 

 事のはじまりはアズラエルがブルーコスモス強硬派に大西洋連邦に住み着いていたレイナ・ヒメユリというコーディネイター女性に対して手を出すことを禁じた事だった。アズラエルはレイナの化け物じみた強さを熟知していた為に、テロなんか通用するわけがなく、下手に手を出せば余計な犠牲者が出るだけだと判断していた。

 

 しかし、これに反発したジブリールは強硬派を動かしてレイナを襲撃させたが尽く返り討ちにあった為に、むきになった彼は軍の部隊を動かしたが、レイナ一人に壊滅させられたという非常識極まりない事態を招いてしまったのだ。

 

 これにはブルーコスモスだけでなく大西洋連邦も大きな衝撃を受けた。何しろレイナは素手や刀槍で歩兵だけでなくリニアガンタンクや戦闘ヘリを撃破していたトンデモ映像が監視衛星できっちり撮影されていたのだ。

 

「僕は余計な犠牲が出ないようにしていただけだ。あの女の出鱈目ぶりは僕が一番よく良く知っていたからね」

「アズラエル。やはりコーディネイターは脅威なんだよ。あんなのが蔓延ってしまえば人類が危うくなるぞ」

「あの女はコーディネイターの中でもイレギュラーだと思うよ。さすがにあんな規格外が他にいるわけないだろ!」

「そのような悠長なことをいってられるか。こんな連中に好き勝手やられたら人類が危ないだろうが!」

 

 アズラエルはジブリールを宥めるも、レイナという実例を見たジブリールなどのブルーコスモスメンバーたちは改めてコーディネイターの脅威を認識した(勿論過大評価です)。

 

 

 

プラントside

 

 プラントではナチュラルのコーディネイター脅威論が異様なものになっている事に困惑していた。

 

「いくらコーディネイターでもたった一人で軍隊を全滅させるとかできるわけがないだろう!」

「しかし、実際にこの映像では生身のコーディネイターがたった一人で大西洋連邦軍の一個連隊を全滅させていますな」

「バカな。どうせ捏造映像だ!」

「いや、実際に大西洋連邦軍の一個連隊が全滅したらしい」

 

 プラント最高評議会はあまりに非常識極まりない映像に偽造を疑った。それも無理もない。ナチュラルよりも優れた新人類を自称する彼らにとってもそれが現実のものとはとても思いないほどのものだったのだ。

 

「大体、刀でリニアガンタンクの正面装甲を切るとか可笑しいだろ!」

「おまけに何らかの方法で攻撃ヘリを落としていますな」

「もう、遺伝子操作じゃなくてSFじゃないのか。こんなのと一緒にしないでくれよ」

 

 プラントのコーディネイターから言わせれば、こんな超人と一緒にされてコーディネイター脅威論を主張されたらたまった物ではなかった。確かに彼らは卓越した才能を持つ優れた新人類だと思っていたが、超能力者やミュータント扱いは困るのだ。だが、そんな彼らの思いを余所にコーディネイター脅威論は異様に高まり、後に血のバレンタインが発生してナチュラルとコーディネイターの戦争が勃発することになる。




解説

■コーディネイター
『機動戦士ガンダムSEED』で登場する遺伝子操作によって作り出された新人類。美しい容姿に、病気になりにくい強靭な体、優れた知能に運動神経など遺伝子操作されていない旧人類であるナチュラルを凌駕するスペックを誇る。その為、今回のレイナは自力を向上させるべくコーディネイターの肉体を依代にしている。

■ムルタ・アズラエル
 ブルーコスモスの盟主なのは原作と同じであるが、レイナの訓練(鬼のしごき)によって生身でコーディネイターと戦えるほど強くなった。その分、コーディネイターに対する劣等感からくる敵意が少なくなり、原作よりは大人しくなった。
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