武術の天才は世界を巡る   作:ADONIS+

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5.GS美神 極楽大作戦!!

『ジョジョの奇妙な冒険』の世界で人生を終えた私は『GS美神 極楽大作戦!!』の世界に転生していた。

 

 前回は晩年まで忍術、念、スタンドの訓練に明け暮れていた。念が使えたから老化が遅かったとはいえ流石に100過ぎになると肉体が衰えて使い物にならなくなったから、転生先をGS美神の世界に指定して苦しまずに死ねる毒薬を飲んで自殺しました。

 

 さて、今回の私の名前は六道零菜(ろくどう れいな)です。この名で予想が付くと思いますが、私は六道冥子の双子の妹として誕生しました。六道冥子は一人娘だったから双子の妹などいなかった筈ですが、私が転生した為に変わってしまったようですね。勿論、式神十二神将は冥子に受け継がれています。

 

 私の冥子は双子の姉妹だけに私の外見は冥子そっくりで他人では見分けがつかない程で、それだと紛らわしいから私は髪を伸ばしてロングヘアにしています。

 

 それと、ある程度成長して自分で動けるようになると前世で習得した忍術、念、スタンドを一通り試してすべて問題なく使える事を確認した。転生特典の恩恵で前世で得たスキルとステータスもちゃんと継承されていたことに私は安堵した(本当は少し不安だった)。

 

 六道は企業を経営している資産家だが、同時に民間GSの名門としての顔も併せ持っている並外れた霊力と式神十二神将を使役する式神使いの家系だ。とはいえ、六道の次期党首は式神十二神将を継承した冥子のものであり、私は六道の頭首たる資格はない。母も高校卒業までは面倒をみてくれるだろうが、その後は自分でやりくりしなければならないだろう。

 

 そんな私はGS業界に足を踏み入れ、母はそんな私を黙って受け入れた。私は六道家次期党首ではないので式神使いは目指さないが、強力な霊力があった為に一般人として才能を埋もれさせるには惜しいと思ったのだろう。

 

 幸い、実家が民間GSの名門というだけあって式神だけでなく、その他の霊能関係の知識と技術を得る方法に事欠かなかった。

 

 こうして真面目に学び修行する日々が続き、妙神山に行き小竜姫様に修行を付けてもらったこともあって、私はメキメキと頭角を現した。

 

 そんな私は六道家が経営して霊能化が存在する六道女学院を卒業して、その後のGS試験にも無事合格した。こうして私自身は何とかできていたが、私の身内に重大な問題があった。

 

 この世界の冥子は原作同様、弱い精神力の臆病者で、式神のコントロールが極めて不安定で些細な事で暴走してしまう為に学校でも嫌われていた。

 

 まあ、それはそうだろう。誰が式神を常に傍に置いている上に、些細な事で暴走して周囲を無差別に破壊しまくる人間と仲良くしたがるだろうか。ましてや、冥子の所為で病院送りにされる被害者が頻繁に出るとなると、冥子を恐れて誰も近寄らないのは当然だ。

 

 それでも冥子がイジメられないのは、そんな事をすれば式神が暴走して病院送りされるからだ。そんな異常極まりない状況で友達ができないと悲しむ前に、冥子は他人に迷惑を掛けて嫌われている事を自覚するべきだ。

 

 そんなふうに私が冥子に辛辣なのは、言うまでもなく私が冥子の被害に度々あっているからだ。なまじ家族なだけに冥子は私に付きまとい、些細な事で式神を暴走させて私に被害を与えるのだ。これに嫌気が指した私は冥子と徹底的に距離を取るが、向こうから私に付きまとい私が冷たくするとすぐに暴走して周りに被害を与えるという酷い有様であった。

 

 ちなみに、私のスタンド『ファイター・レクイエム』を使えば任意の物質を透過する能力を攻撃にも防御にも転用できるが、透過できるのは物質でなければならない。その為、この世界の霊能力のような物質ではなく形無きものを倒すための攻撃とは相性が悪く、私の身体が物質を透過しても霊的ダメージを受けてしまう攻撃が多いのだ。

 

 幸い、トリッパー特性から私の魂そのものにダメージを与えることは不可能ですが、肉体に霊的ダメージを与えて死亡させる事は可能なんです。まあ因果律を操ればどうとでもなりますが、それは切り札なので下手に多用できないわけです。バレたら困る。

 

 正直、私のスタンドはスゲーとか思っていたけど思わぬ抜け穴があった物です。世の中そう甘くはないということでしょう。

 

 私の戦闘スタイルは霊刀を使用したもので、他にも霊体ボウガン、破魔札、吸魔護符、精霊石などを使用する道具使いとなっている。流石に除霊となると殴る斬るだけでは無理なのでこうなるけどね。

 

 そういえば、私は順調にGSとして実績を積んでいるのに、冥子は失敗ばかりでGS免許取り消しの話まで出ているそうだ。母は冥子を後継者に選んだことを心底後悔しているらしく、「零菜を後継者にしていたら」と最近よく口にしていたが、今更私が後継者に選ばれてもそれはそれで原作ブレイクになるから嫌だ。

 

 大体、式神十二神将はそこまで魅力的ではない。様々な異世界を巡り私自身を高めるという私の目的にそぐわない上に、式神がダメージを受けると術者までダメージを受けるという点が大問題だ。

 

 

 

「あ、零菜ちゃんだー」

 

 そんなある日、街中で冥子とばったり出会った。GSとして独立した時に冥子を避ける為に六道家から出てからというものすっかり会う事がなくなっていたが、それでもこうしてばったり会ってしまう事がたまにある。

 

「奇遇ね。私は会いたくなかったけど」

 

 昔から冥子といると碌な事にならなかった。正直近寄りたくもないのだが、冥子のあったのは私にとってフラグだったようだ。運が悪い事に、そんな時にいきなり霊団が接近してきて私を含めた周囲の人間に襲い掛かっていた。

 

 私は原作知識からこの事態を例の霊団襲撃事件だと判断したが、何もこのタイミングで来ることはないだろうと嘆きたくなった。何しろ私は冥子を暴走させないために必死に庇いつつも、自衛のために降りかかる火の粉を払う羽目になったのだから。

 

 いつ暴走するか分からない味方がいると安心して戦えない。まるで不発弾を抱えて戦っているような物だ。

 

「ふ、ふえーーん!!」

 

 しかし、そんな私の努力も空しく、すさまじい数の霊団に恐れをなした冥子が暴走して式神が私を攻撃した。

 

「ぐふっ!」

 

 霊団への対処のために手が回らなかった私はその攻撃をまともに受けて倒れてしまい、そこを悪霊たちに袋叩きにされた。いくら霊能力者でも不死身ではない私にとって、このダメージは致命的なものであった。享年21歳。

 

 今回の教訓、無能な味方は敵よりも厄介だ。

 

 

 

六道母side

 

 冥子の式神と霊団が零菜を殺したというとんでもない話を聞いたとき私はあまりのことに卒倒してしまった。聞けば零菜が冥子を庇って霊団を防いでいる時に冥子が式神を暴走させてしまい、零菜を攻撃してそこを霊団に袋叩きにされてしまったらしい。

 

 下手をすれば「冥子が有能な妹を妬んで、意図的に式神を暴走させて妹を殺した」と言われかねない事態であり、冥子が起こした不祥事は六道家にとってもあまりにも拙い醜聞であった。その為、六道家が全力で揉み消し工作を行い、冥子にも固く口止めしておいた。

 

 冥子としてもこんなことが公になればGS資格どころか社会的な立場まで失いかねないのでしゃべることはないだろう(その辺りの事は十分に言い含めている)。

 

 しかし、前々から思っていたが冥子ではなく零菜を後継者にするべきだった。今更言っても仕方ないが、今回の件は六道家としても大問題となっており、こうなっては冥子にGSをやらせるわけにはいかない。冥子をGSを引退させるのは六道家としても好ましくないが冥子が不祥事を起こすよりは遥かにましである。

 

 彼女はどうしてこうなった、と心底冥子を後継者にしてしまったことを後悔するのであった。

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