お蔵入り作品集   作:ADONIS+

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※今回は『異世界で偽VRをやろう』の続きです。エリーゼがリリカルなのはの世界でのβテストの後に、『Fate/stay night』の世界でも偽VRのβテストを行うという話です。当然ですが、この話は本来のトリッパーシリーズとは関係なく、あくまで嘘ネタです。


続 異世界で偽VRをやろう(Fate/stay night)

<運営視点>

 

 シドゥリ暦3506年。『魔法少女リリカルなのは』の世界で行ったVRMMORPG『ユースフィア・オンライン』のβテストは思いのほか上手く行った。

 

 ユースフィアでは魔王が倒されたことでモンスターたちは消えていった。といっても単に重頭脳級や頭脳級などが自滅して、その配下のモンスターたちもエネルギー切れで餓死しただけである。

 

 しかし、ゲームの為に用意されたダンジョン(ハイヴ)はそのまま残されていた。このダンジョンであるが、ハイヴをつくる技術を転用しただけあってやたら頑丈で破壊することが面倒だったし、これはこれで次のゲームで再利用が可能だと判断したからだ。

 

 そして、宇宙のタマゴの機能を使って内部時間を千年後まで加速させた私は、各地のダンジョンに重頭脳級や頭脳級を配置して魔王やモンスターを用意して、人間たちを襲撃させた。

 

 こうして再び現れた魔王によって危機に陥った世界というファンタジーな舞台が用意されたのだった。

 

 

 

 通常なら次は監察軍でトリッパー相手に正式公開という流れだが、私が用意した偽VRに対する下位世界人の反応が面白かったことから、今一度βテストを別の下位世界にやってみるのも一興と思い直した。

 

 そこで今回は『Fate/stay night』の世界(といっても原作終了の十年後)でVRMMORPG『ユースフィア・オンライン』の第二次βテストをやることにした。

 

 その手順は前回と同じく日本で生活苦に陥っている連中を金で買収して、更に裏切り防止の為に魔術による暗示を用いて手駒を作る。その手駒に同人サークル『ウィッチズガーデン』をこの世界でも結成させて、VRゲームを広めさせる事だ。

 

 やはり私に戸籍がない以上私自身が直接動くのは得策ではないし、問題があったときに切り捨てられる手駒があった方が何かと都合がいいのだ。

 

 かくして西暦2016年にVRMMORPG『ユースフィア・オンライン』が開始させることとなった。

 

 流石に前代未聞のVRゲームを同人サークルが開発したといっても当初は誰も信じてくれなかったが、それでも草の根活動の結果VRゲームが本当であることが知られると一気に話題になった。やはりVRというこれまでにない画期的な新技術は多くのゲーマーを魅力してやまないのだろう。

 

 これが『ソードアート・オンライン』の世界のようにすでにVRゲームが実用化している世界であれば『ウィッチズガーデン』のようなできたばかりで何の実績もない弱小同人サークルのVRゲームなど相手にされなかったでしょうが、この世界ではVRゲームなどどこのゲーム会社でも実用化されておらず、市場を独占状態している状態であったため、負ける理由などなかった。

 

 当然ながら『ウィッチズガーデン』に対してVR技術に対する取材や技術提供などといった話がきたが、私がやっている『ユースフィア・オンライン』は本当はVRではなく宇宙のタマゴの人工宇宙を用いた偽物なのだ。その為、その手の話を受けるわけにはいかず、すべて断らせていた。

 

 というか所詮『ウィッチズガーデン』は外部用のデコイでしかないから、そんな話は受けたくても受けられるわけがないでしょう。

 

 こうしてゲームを運営している過程でプレイヤーたちが魔法を習得して現実世界でも使えるようになり、当然ながらこの世界でも魔法関係の問題が発生した。魔法を使えるようになったプレイヤーたちが調子に乗って現実世界で魔法を使いまくるものだから神秘の隠匿どころの騒ぎではなく、日本だけでなく世界中で大騒ぎになったしまった。

 

 当然、この事態に魔術協会や聖堂協会が動いて、騒ぎを起こしたプレイヤーだけでなく『ウィッチズガーデン』のメンバーが始末されてしまいました。といっても彼らは使い捨てにすぎず、あくまで『ユースフィア・オンライン』の名目上の運営者にすぎません。実際彼らがやっていたのはVR機器の配布とホームページの運営だけなので、肝心な部分にはまったく関与しませんよ。

 

 そんな連中がやられてもゲームの運営には全く問題とはならずに、その後も『ユースフィア・オンライン』を続けています。

 

 勿論、こうなることが分かっていたので、私は『ウィッチズガーデン』に直接参加せずにあくまで電話やメールなどで指示するだけでしたから。

 

 それにしても魔術協会や聖堂協会が慌てふためいて狼狽えている姿には笑えますね。これが見たくてこの世界を選んだわけですが、良い反応です。

 

 最もプレイヤーが日本各地に点在している現状では神秘を隠匿しようにも彼らにはどうしようもありません。というのも『ウィッチズガーデン』がVR機器を無償であっちこっちにばらまきまくっており、誰がプレイヤーなのか『ウィッチズガーデン』のメンバーたちでさえ把握できていないという状況なのだ。これでは、いくら彼らを捕えても無数のプレイヤーたちに対応できるわけがない。

 

 私は右往左往する魔術協会や聖堂協会の連中をあざ笑いながらゲームの運営を続けるのであった。

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