「……ハイ、ハイ、なるほどぉ。ヤクザさんがねぇ、……あらかたわかりました、ありがとうございます」
あれからみんなでパピコを食べながら、静雄さんにも杏里ちゃんの家庭環境について話をした。
しかし、杏里ちゃんからも静雄さんからも解決策は出なかったので、さっそくさっき友達になった折原さんにも聞いてみた。
すると、どうやら杏里ちゃんの家庭環境が今のようになってしまったのは、ヤクザさん達が絡んでいるらしい。
「と、いうことなので、ヤクザさんの事務所行って交渉してきますわ」
「……わけわかんねぇよ、あのゴミムシはなんて言ってたんだ?」
かくかくしかじか
まるまるうまうま
「なるほどなぁ、そいつは面倒な話だ。……だけどよ、ヤクザに手出して大丈夫なのか?」
「俺は一人暮らしで家族も海外にいるんで大丈夫っすよ、それにお願いしに行くだけなんで」
大丈夫でしょう、万が一撃たれても避けられるし。
さすがにこの前の切り裂き魔みたいなビックリ人間なんてそうそう、……横にいるな?
「しゃーねーか、じゃあ俺も行く」
「え?いや、静雄さんは大丈夫ですよ、今日知り合ったばかりなのにそこまでせんでも」
「お前が杏里と知り合ったのも今日だろうが、……それにパピコ買っただけじゃ俺の気がすまねぇからよ」
「ん~、そうですかぁ、……なら一緒に行きますか」
「おう」
「……あの」
「あ、杏里ちゃんは危ないかもしれないから家に……」
「私も行く」
さすがにロリっ子は危ないんじゃねぇかなぁ。
いや、しがみつかれても困る、ほら、離しなさい。
ちょっ、意外と力強い。
ーーー
ーー
ー
「すいませーん、すいませーーーん!!!」
「うるせぇなぁ、……あぁ?ガキ共がなんの用だ?」
「組長さんとお話がしたくて来ました」
やってきました事務所前。
出迎えてくれたのは見るからにしたっぱっぽいパンチさん。
さすがに高校生と中学生と小学生の3人組は珍しいかぁ。
……そうなんです、杏里ちゃんついてきちゃったんです。
いや、だって離してくれねぇんだもん、無理やり力づくで剥がそうとしたら泣きそうになんだもん。
ロリっ子の涙には勝てない。
「……オイ、なんの騒ぎだ」
「ッ!?赤林さん!?いや、このガキ共が組長に会わせろってうるせぇんですよ」
「あぁ?ガキだと?……ッ!?……俺が相手する、テメェは休んどけ」
「え、でも」
「俺の言うことが聞けねぇのか?」
「ヒッ!?し、失礼します!!!」
眼帯カッコいい人が出てきた。
なんか杏里ちゃん見てビックリしたみたいだけど知り合いかな?
あ、杏里ちゃんビビってるから違うわ。
「ついてこい」
どうやら入れてくれるみたいなのでそのままついていく。
少し歩いて、小さめの会議室みたいな所に入った。
「で、なんの用だ」
「あ、はい。この杏里ちゃんなんですけどね?どうやら家でお父さんにDVされてるらしくてですね、そのお父さんがDVするようになってしまった原因ってのがこちらの事務所さんらしくて、どうにかしたいと思いまして」
「なるほどなぁ……」
眼帯さんは俺の話を聞くと、考え込んだ。
そして、杏里ちゃんをちらりと見て口を開く。
「……園原堂の件は俺も調べたから知ってる。しかし、今さらどうしようもねぇぞ?」
「あ、じゃあ詳しい話を教えてもらえませんか?」
「詳しい話ねぇ、……聞いたところでお前らになにができるとも思わねぇけどな……
フムフム、なるほど。
どうやら、杏里ちゃんのお父さんはここのヤクザさんに借金をしているらしい、しかも薬物までキメてるというダブルパンチのようだ。
さすがヤクザ、やることがエグいぜ。
話を聞いていて途中から静雄さんがビキビキし始めたので、抑え込むのが大変だった。
「つまり、園原堂の借金を返済して、尚且つ、お父さんの薬物を止めさせればとりあえず解決なのでは?」
「……まぁ、理屈だけで考えればそうだな」
「よし!それじゃあちょっとお金持ってくるからちょっと待ってて!」
確か近くに銀行あったよなぁ、閉まる前に下ろさねぇと。
ーーーーー
「おい、アイツ行っちまったけど」
「そっすね」
部屋に残された3人の間には微妙な空気が流れていた。
赤林は目の前にいる、一目惚れした女の娘と今にも噴火しそうな火山のような金髪を眺める。
金髪はどうにかこうにか怒りを抑え込んでいるようでプルプルしながら青筋を立てている。
その横では娘がこちらを恐がるようにチラチラと見ながら、金髪の服の裾を握りしめている。
「……お前ら、ヤクザの事務所に乗り込んでなにする気だったんだ?」
「あぁ?……別にそこまで考えてねぇだろ、ただ、困ってるガキがいたから助けたいと思っただけだよ。俺も、アイツもな」
「……バカだな」
ただ、嫌いじゃない。
赤林は気づかないうちに、自分の口角が上がっているのに気づいた。
ーーー
ーー
ー
「ただいまぁ!持ってきたぞーーー!!!」
3人の間に紙袋の山を置く。
「いやー、ちょうど使い道のないお金だけ増えてて困ってたんですよぉ」
「……これ全部金か?」
「はい、ウチの親がドンドン口座に入れるもんで余ってるんですわ」
「そいつはスゲェな」
「……スゴい」
あれ、眼帯さんが動き止めてる。
「眼帯さん?」
「……赤林だ」
「赤林さん」
「……親父に話をしてくる、少し待ってろ」
「あ、はい」
赤林さんは少し急いだ様子で部屋を出ていった。
「眼帯ってカッコいいよね」
「そうか?」
「……わかんない」
なんだコイツらわかってねーな。
幼女ってかわいいよなぁ