タイムスリップパンツァー・時をかける戦車少女たち   作:疾風海軍陸戦隊

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いよいよ原作です!


第二章大洗編
発見されます!


戦車エーデルワイス号の修理が終わり、りほたちが戦車道の練習を始めた翌日。

大洗女子学園グラウンドにある戦車の格納庫の中に、数十人の生徒たちが集まっていた。

 

「ではこれより、戦車道の授業を始める」

 

と、片眼鏡をした生徒会の河嶋桃が言う。今日は大洗女子学園戦車道の初授業のようで彼女の隣には同じく生徒会副会長の小山柚子、そして生徒会長である角谷杏。

そしてその生徒会の前には1年生の女子生徒が6人、歴女を思わせる女子生徒が4人、如何にもバレーボール部の部員を思わせる女子生徒が、同じく4人、そして、西住みほと武部沙織、五十鈴華と、それを遠巻きに見る癖っ毛の少女合わせて21人ほどが集まっていた。

だが、皆の表情は若干困惑した表情であった。その理由は・・・・

 

「戦車ってこれ一輌だけ?」

 

武部がそう言う。そう今ある戦車は錆びだらけでボロボロののⅣ号D型だけだったのだ。そもそも、大洗女子学園では、かなり前に戦車道は廃止されており、今日になって漸く再開されたため、当然、健全なまま残されている戦車がないのは当たり前のことである。

そこで戦車道履修者たちはまず練習を始める前にすることがあった。それは戦車を集めることであった。

 

「と言う訳で、本日の授業の内容は、我々全員が乗り込むのに最低限必要な、残りの4輌を見つけ出すことだ。この学園では、何年も前に戦車道は廃止されていた。だが、当時使用されていた戦車が、まだ何処かにある筈だ。否、必ずある」

 

「して、それは一体何処にあると?」

 

紅いマフラーをした歴女のリーダーであるカエサルがそう訊くと、

 

「いやー、だからね?それが分からないから探すんよ」

 

「手がかりは無いんですか?」

 

「うん、何1つとして無い!」

 

清々しい程あっさりと言い張る角谷会長に、メンバー全員は苦笑いしたり、こけそうになったりした。

 

「んじゃ、頑張ってねー!」

 

角谷会長が言うと、其々がグループになって探し始めた。

 

「何か聞いたのと違う~。戦車道やったらモテるんじゃないの~?」

 

武部が不満そうに言う中、角谷会長は彼女の方へ行くと肩をポンっと叩き、

 

「あ、そう言えば明日、かっこいい教官が来るらしいよ?」

 

「え!?ほんとですか!」

 

「ほんと、ほんと。紹介するよ」

 

角谷会長がそう言うと武部は花の咲いたような笑みになり、

 

「それじゃあ、行ってきまーす!!」

 

とハイテンションでみほと華を引っ張り格納庫を飛び出した武部であったのだったが・・・・

 

「………………とは言ったものの……………何処にあるってのよォーーーーッ!!!?」

 

駐車場にやって来たみほ達一行だが、全く見つからない事に苛立っているらしく、武部が大声を張り上げた。

 

「流石に、駐車場に戦車は置いてないかと……………」

 

「なんでよー?戦車って言っても一応は車でしょー?」

 

華の突込みに沙織はがっくりと肩を落としながらそう言うが、すぐに気を取り直し、 

 

「よし!なら裏の山林に行こう?『何とかを隠すなら林の中』って言うぐらいだし!」

 

「それは森ですよ」

 

沙織が言うと、華がツッコミを入れる。そして三人が歩き出す中、みほは先ほどから背後にある木に隠れてこちらの様子をじっと見ている癖っ毛頭の生徒の方をちらっと見る。とその子は慌てて機の背後に隠れてしまう。気にしない振りをしてみほが歩き出すと、その生徒も隠れていた木から出て、距離を保ちながら付いて来る。それを見たみほは何か決意したのか頷くと、

「あ、あのっ!」

 

「はい!?」

 

振り向き様にみほが声をかけると、その女子生徒は驚く。

 

「良かったら、私達と一緒に探さない?」

 

「い、良いんですか!?」

 

「勿論!」

 

笑顔で言うみほにその女子生徒は嬉しそうに笑うや否や恥ずかしそうにもじもじすると、

 

「え、えっと……………普通Ⅱ科、2年C組の秋山 優花里と申します。そ、その…………不束者ですが、よろしくお願いします!!」

 

お辞儀をすると先ほどの様子を見ていた沙織や華もやってきて、

 

「此方こそ、よろしくお願いします。私は五十鈴華です」

 

「私は武部沙織!」

 

「あ、私は…………」

 

「存じ上げております!西住みほ殿ですよね?」

 

「え?・・・・・う、うん……………」

 

優花里に、自分の名前を言い当てられて最初は驚くみほだがすぐに頷くと、

 

「では、よろしくお願いします!」

 

陸軍式敬礼でそう言うと4人は山林の中へと入っていくのであった。

 

 

 

一方、りほたちはと言うと山林の奥の方でエーデルワイス号を動かしていた。そしてエーデルワイス号は猛スピードで走り急停車すると丸い板の方へ砲等を向ける。

 

「砲塔旋回、よろしいですわ!」

 

「装弾OKよ、りほ!」

 

「次弾装填準備良し!」

 

砲塔内で、ジャスミン、リリー、ハルカがそう言うとりほはストップウォッチのスイッチを押す。

 

「急発進してからの急停車後、目標に照準を合わせるまで5.5秒。前よりも早くなった!」

 

「「「「よっしゃぁ!!」」」

 

りほの言葉に皆は嬉しそうにハイタッチする。

 

「いや~たった1日半でここまで上達するとはな~」

 

ナポリが嬉しそうに言うと、

 

「そうね。スラローム射撃や伝説のドリフト旋回に比べたらまだまだだけど、初めて組んだにしては上出来ね」

 

「いや、アーニャ。確かにそうだけど。スラロームのあれは普通無理だから」

 

「細かいこと気にしないのリリー」

 

「でも、主砲が撃てないのが残念ですわね」

 

「仕方ないよ。砲弾だってタダじゃないし、私たちの持っているお金じゃ補給できないから」

 

「そうね・・・・燃料分は何とか賄うことはできても肝心の砲弾がね・・・・」

 

と、6人は改めて今の状況を確認する。エーデルワイス号の燃料はみんなでお金を出し合って買っているのと自動車部や自動車工場の人たちから少し分けてもらっているため何とかなっているのだが、肝心の砲弾だけは数十発しかなく、補給しようにもその資金が無く補給が厳しく撃ちたくても撃てない状況なのだ。

 

「早く賞金付きの試合見つけないとね・・・・・」

 

「そうだね。とにかく今はその試合に勝つために練習しないとね」

 

「よし!今度は伝説のドリフト旋回及び射撃の練習をしましょうよ!それとスラローム射撃も!」

 

「いや、まずは行進間射撃から始めない?」

 

そう話し合っていると、

 

「そう言えば・・・・・・」

 

「どうしたのハルカ?」

 

「いや、一昨日、校内で履修選択科目のオリエンテーションやってたわよね?」

 

「あ~あれね。私たちもこっそり見に行ったけど。なんか戦車道中心に話していたわよね?」

 

「そうですわね・・・・・ということは」

 

そう言うと皆はりほの方へ顔を向ける。りほは頷いて、

 

「うん。恐らく大洗女子の戦車道がそろそろ始まる。いや、もしかしたらもう始まっているかも・・・・」

 

「と、言うことはレジェンド時代の幕開けってことになるわけね。で、どうする?」

 

「う~ん・・・・ここは山林の奥だし、私がやっていた戦車道練習場よりは離れているから発見される可能性が低いけど・・・・・」

 

「けど?」

 

「梓先輩やお母さんが前に話してくれたんだけど大洗の戦車道が始まった時、戦車は一両しかなくて初の戦車道の授業をしたとき森の中や校舎の中なんかを歩き回って戦車を探していたらしいわよ」

 

「・・・・とすると」

 

「うん。もしかしたらここまで履修者の人たちが来るかもしれない」

 

「と、なると今することは決まりね。いったん倉庫に帰ろう」

 

「そうですわね。ここで発見されるわけにもいきませんし」

 

「それに戻ったら、ほかの生徒たちに発見されないようにカモフラージュしないと」

 

「それと罠とかも張っておこう」

 

「あら、罠。楽しそうですわね」

 

「とにかくいったんあの倉庫に戻ろう。ナポリお願い」

 

「了解!」

 

そう言い、りほたちの乗るエーデルワイス号は倉庫の方へと戻るのであった。

 

 

 

 

同時刻、山林の中では、

 

「あら?」

 

山中を歩いているみほたち。すると華が立ち止まる。

 

「どうしたの?」

 

「いえ、彼方から、何やら匂いがするので」

 

「え、匂いで分かるんですか?」

 

「なんか、花の匂いに混じって、ほんのりと鉄と油の匂いが…」

 

そう言いやいなや華はその場所へと向かう。

 

「えっ!?華道やってるとそんなに敏感になるの!?」

 

「いえ、わたくしだけかもしれませんけど……」

 

そう言い、華はさらに奥へと向かうのであった。

 

「それではその場所に向かってパンツァー、フォー!」

 

「パンツのアホっ!?」

 

優花里の言葉に武部さんは驚いて、聞き返すと優花里はがっくりとする。そしてみほは苦笑して、

 

「パンツァーフォー・・・・・戦車前進って意味なの」

 

そして一行は華の後を追い、しばらく歩いていると黒い塊が乗り上げるかのように放置されているのが見えた。それを見たみほたちが近づいてみるとそれは小型の戦車であった。

 

「これは・・・・・38tのC型軽戦車」

 

「なんかさっきのより小っちゃい……傷だらけでポツポツしてるし」

 

「そ、そんなことないです!小さい戦車ですがこれはすごい戦車なんですよ!」

 

沙織の言葉に優花里がそう言うと優花里は38tに近づき頬擦りし始める。

 

「ドイツのロンメル将軍の第7走行師団の主力を務め、初期の電撃戦を支えてきた、重要な戦車なんですよ!あ!因みにですけど、38tの『t』というのは、『チェコスロバキア製』という意味であって、重さの意味ではないんですよ!・・・・・・・・・・あ」

 

「今、すごい生き生きしてたよ?」

 

「す、すみません・・・・・・」

 

沙織の言葉に優花里は正気に戻り顔を赤くすると・・・・・

 

「あれ?」

 

「どうしたのみぽりん?」

 

「し・・・・・何か聞こえない?」

 

「え?」

 

みほの言葉に皆は耳を澄ますと・・・・・

 

「あ、ほんとだ何か聞こえる。何かのエンジン音みたい………」

 

「このエンジン音に金属がぶつかるような音は・・・・・・もしかして!」

 

そう言うと優花里は走り出す。

 

「あ、ちょ、優花里さん!?」

 

走り出した優花里を見てみほたちは追いかける。そしてしばらくして優花里は音のする方へたどり着くと目を丸くした。

 

「あ、あれって・・・・」

 

「優花里さん。どうしたんですか!?」

 

そこへみほたちも追いつき、優花里が見ている先の方を見ると、

 

「せ、戦車!?」

 

「しかも動いている!?」

 

みほたちが見た先には一両の戦車が走っていたのだ。

 

「ただの戦車じゃありません!あれは幻の戦車5式中戦車チリですよ!こ、これは大変です!早く知らせないと!」

 

そう優花里が言うと、それに押されたかのようにみほがスマホを取り出し、学校で待機している生徒会メンバーの1人、杏に連絡を入れるのであった。

 

 

 

 

 

 

戦車道格納庫

 

「あ、もしもし、西住ちゃんどうしたの?38tね、オッケーオッケー。ご苦労様………え、38tではない他の戦車が動いてる?ホント?………………ふんふん五式中戦車ね・・・・それはぜひとも欲しい車両だね~え?誰か乗っている?ねえ、西住ちゃん。その戦車に乗っている子の写真とか送れる?・・・・うん。ありがと。それじゃあ、回収は自動車部の部員達にお願いしてあるから、引き続き捜索よろしくね~」

 

と、そう言い電話を切る杏。そしてその直後杏の携帯にメールが届き、杏がそれを開くと一枚の写真が送られてきていた。その写真には国防色に色塗られた五式中戦車とそのキューポラから顔を出す少女の姿が写っていた。それを見た杏はニヤッと笑い、

 

「会長。どうかしたのですか?」

 

「38tが見つかったってさ。それに強力な戦車が動いているのを目撃したらしいよ?確か5式中戦車だったけ?それにその戦車に乗っている生徒なんだけどさ~」

 

そう言うと杏は河嶋たちにその戦車に乗っている少女の写真を見せると、

 

「こ、こいつは手配中の少女・・・・・」

 

「そ、河嶋。恐らく、あの6人はあの山中のどこかに潜んでいると思うから捜索よろしくね~」

 

「は、はいわかりました!」

 

そう言うと河嶋は走り出し杏はその少女の写真を見て、

 

「とうとう見つけたよ・・・・・・」

 

そう小さく呟くのであった。

 

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